屋根の葺き替え工事は防水に有効?費用やタイミングを解説
2024/05/13
屋根は日々、紫外線や風雨にさらされ続けており、徐々に劣化していくことは避けられません。 戸建て以外にも、マンション屋根葺き替えも検討が必要な状態もあるでしょう。 そこで重要となるのが、屋根の葺き替え工事です。 しかし屋根の葺き替え工事には、具体的にどのような役割があるのでしょうか。 そこでこの記事では、屋根の葺き替え工事について詳しく解説していきます。 屋根の葺き替え工事のメリット・デメリットや費用相場などもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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屋根の葺き替えとは?
古い屋根を撤去して、新しい屋根に交換する工事を「葺き替え」と言います。 劣化した屋根を一新すると、さらに建物を保護できるようになるでしょう。 屋根は紫外線・風雨の影響で、どうしてもダメージを受けてしまいます。 建物を守るため、雨漏りを防ぐために、屋根の葺き替えは重要です。
重ね葺きとの違い
葺き替えとは異なる「重ね葺き」が行われることもあります。 重ね葺きはカバー工法とも呼ばれ、既存の屋根を新しい屋根材で覆う工事のことです。 カバー工法は費用が抑えられるメリットがありますが、その分だけ屋根の重量が増えてしまうでしょう。 どちらの工法が良いかは、屋根の状態や予算などによる判断が必要です。 屋根の劣化が進んでいる場合は葺き替え、屋根の劣化が軽度の場合は重ね葺きを行うのが一般的です。 屋根の葺き替え・重ね葺きをする業者に相談して、適切な工法を選びましょう。
葺き替えと重ね葺きのどちらを選択すべきか
それではどのような場合に、葺き替えと重ね葺きを選択すればいいのでしょうか。 葺き替えが適しているのは、以下のケースです。
- 屋根の劣化や損傷が進んでいる
- 屋根の耐用年数を過ぎている
- 見た目を良くしたい
- 耐震性やエネルギー効率を向上させたい
重ね葺きが適しているのは、以下のような場合です。
- 屋根の劣化が軽度である
- 工事の手間や費用を抑えたい
- 外観を変更する必要がない
上記のように選択できますが、屋根の状態を知るためには専門業者に調査してもらうことが大切です。
屋根葺き替え工事のメリット
屋根の葺き替え工事には、以下のようにさまざまなメリットがあります。
建物の耐久性向上
屋根の葺き替え工事により、建物の耐久性が向上します。
新しい屋根により、紫外線・風雨から建物をしっかり守られるでしょう。
また、葺き替え工事では屋根材だけでなく、その下にある野地板・防水シートなども新しくします。
屋根を一新できるので家の寿命を延ばせ、耐久性を向上するのに適した工法です。
耐震性の向上
屋根の葺き替え工事を行うと、耐震性の向上にもつながります。
屋根が劣化して弱くなると、地震で損傷しやすくなります。
また、重量のある屋根を軽量なものに葺き替えることで建物にかかる負担が減り、地震時に横揺れしにくくなります。
これにより建物全体の安定性が高まり、地震による被害を最小限に抑えることが可能です。
雨漏りの解消
屋根の改修工事を行うことで、雨漏りの問題を解決できます。
また、まだ雨漏りしていない状態で施工することにより、雨水の浸入予防につながります。
葺き替え工事前の点検段階で、屋根に潜在的な問題を見つけられる場合もあるでしょう。
外観の改善
屋根の葺き替え工事を行うことで、建物の外観も一新されます。
新しい屋根材やデザイン・色を変更して、建物全体の印象を変えられるでしょう。
屋根葺き替え工事のデメリット
屋根の葺き替え工事にはデメリットもあるので、事前の確認が必要です。
デメリットを抑えるためには、綿密な調査と計画を行うことが重要です。
費用の負担が大きい
屋根の葺き替え工事には、比較的高い費用がかかります。
1平方メートルあたり15,000~20,000円ほどの費用が発生するでしょう。
これは屋根の設置工事だけでなく、既存の屋根の撤去工事等が発生するからです。
複数の業者から見積もりを取って比較したり、補助金を利用したりすることで、費用を削減するのに有効です。
工期が長い
屋根の葺き替え工事では、既存の屋根材の撤去・下地の調整・新しい屋根材の設置など、さまざまな工事が発生します。
そのため、工事が長くなりがちです。
環境に影響がある
工事中は大きな音が発生し、住人や周辺住民の生活環境にも影響が出るでしょう。
そのため、事前に近隣への挨拶をしておくと安心です。
また、工事では廃棄物も発生します。
自然環境の負担にならないようにするため、適切な方法で処分する必要があるでしょう。
基本的には、業者が適切な方法で処分を行ってくれます。
屋根葺き替え工事が必要な屋根の状態
屋根の葺き替え工事が必要なのは、どのような状態の時なのでしょうか。
ここでは、屋根の葺き替え工事が必要な状態を解説していきます。
下記の状態の場合は、早期に業者へ連絡する必要があるでしょう。
屋根材の耐用年数が過ぎている
築30~40年になる頃には屋根材の劣化が目立ってくるので、屋根の葺き替え工事が必要になる可能性があるでしょう。
屋根の不具合を放置していると、雨漏りや老朽化・安全性の低下など、建物の寿命が短くなってしまう恐れがあります。
雨漏りが発生している
屋根からの雨漏りが頻繁に発生する場合は一時的な修理ではなく、屋根の葺き替えを検討しなければなりません。
一時的な補修では解決しない可能性が高く、屋根全体の状態を改善する必要があります。
雨漏りは建物の構造に大きな影響を与えるため、早急な対処が求められます。
瓦やルーフィングシートに不具合がある
屋根の瓦やルーフィングシートに不具合がある場合も、葺き替え工事が必要です。
ルーフィングシートとは、下地の上に張り付ける防水性能を持つシートのことです。
瓦やシートに不具合があると、屋根の強度や防水性が低下します。
見た目にも問題が現れ、屋根の美観だけでなく構造的な安全性も損なうため、葺き替え工事を検討する必要があるでしょう。
屋根にカビやコケが生えている
屋根にカビやコケが生えている場合も、葺き替え工事が必要な状態と言えます。
カビやコケが生えているのは、屋根の水切れが悪くなっているためです。
放置すれば屋根の表面を侵食し、劣化を促進させてしまうでしょう。
小さな範囲のカビやコケなら洗浄で落とせますが、屋根全体に広がっている場合は注意が必要です。
長い間メンテナンスをしていない
長い間メンテナンスをしていない屋根は、経年劣化により防水性能・強度が低下している可能性が高いです。
また、カビやコケの発生も頻繁に見られるでしょう。
どのようなメンテナンスが必要か、専門業者に相談して適切な対策を講じることが重要です。
屋根葺き替え工事の費用相場
屋根の葺き替え工事に必要な費用は、屋根材の種類によって異なります。
具体的な屋根材と費用については、下記を参考にしてみてください。
・アスファルトシングル屋根…5,000~7,000円(1平方メートルあたり)
・スレート屋根…5,000~8,000円(1平方メートルあたり)
・ガルバリウム鋼板屋根…6,000~10,000円(1平方メートルあたり)
・瓦屋根…7,000~15,000円(1平方メートルあたり)
・ジンカリウム鋼板屋根…8,000~20,000円(1平方メートルあたり)
このように、屋根材の種類によって費用は大きく異なります。
坪数別の費用相場
屋根の葺き替え工事の費用は、坪数でもおおよその金額が分かります。
具体的な金額は、以下のとおりです。
・20坪…50~80万円
・30坪…75~100万円
・40坪…100~140万円
・50坪…160~250万円
ただし、屋根材の種類や屋根の形状・業者の違いなどによって費用は前後します。
一般的な戸建て住宅では、合計140~200万円ほどになる場合も多いです。
工事費用の内訳
屋根の葺き替え工事では、さまざまな費用が発生します。
以下のように多くの項目があるので、確認しておきましょう。
・足場の設置や撤去の費用…600~1,500円(1平方メートルあたり)
・既存屋根材の撤去…1,500~3,000円(1平方メートルあたり)
・屋根材の処分…1,500~3,000円(1平方メートルあたり)
・下地材の補修…2,000~3,500円(1平方メートルあたり)
・新しい屋根材の設置費用…5,000~20,000円(1平方メートルあたり)
・防水シートの施工費用…500~1,500円(1平方メートルあたり)
・アスベスト処理費用…50,000~100,000円(1平方メートルあたり)
アスベスト処理費用は、屋根にアスベストが含まれる場合のみです。
また上記以外に、人件費や諸経費なども発生します。
費用を抑えるためには複数の業者に見積もりを依頼し、おかしな点はないか・不明な部分はないかなどを確認して、比較検討することが重要です。
まとめ
屋根の葺き替えは、古い屋根を撤去して新しい屋根に交換する工事です。
重ね葺き(カバー工法)とは異なり、屋根全体を一新します。葺き替えのメリットには建物の耐久性向上、耐震性の向上、雨漏りの解消、外観の改善があります。
一方、高コスト、長い工期、環境への影響などがデメリットです。
葺き替えが必要な状態には、屋根材の耐用年数超過、頻繁な雨漏り、瓦やルーフィングシートの不具合、カビやコケの発生、長期間のメンテナンス不足などがあります。
費用は屋根材の種類や坪数によって異なり、一般的な戸建て住宅で140〜200万円程度かかることもあります。
工事費用には屋根材の他、足場設置、撤去、処分、下地補修なども含まれます。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。