マンション大規模修繕における外壁タイルの補修方法とは?
2024/05/16
マンションの大規模修繕は、10年前後に1度行われる改修工事のことです。 屋上、廊下やエントランスなどの共用部分が補修場所に当たりますが、工事のメインになるのは外壁の補修です。 マンションに使用されている外壁は、雨や風・紫外線の影響を直接受けてしまう部分のため、他の場所より劣化が進みやすい部分でしょう。
また、外壁の劣化が進み、ひび割れやシーリングの不具合が発生すると雨漏りが起きてしまいます。 雨漏りは建物の構造に悪影響を与えてしまい、躯体や木材を腐食させるため安全性・耐震性が低下してしまうので、マンションの大規模修繕工事では外壁タイルの補修が欠かせません。 メンテナンスされていない外壁は崩壊の可能性もあり、大きな事故につながるケースもあるため注意しましょう。今回は、大規模修繕工事における外壁タイルの補修方法について解説していきます。
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なぜ大規模修繕工事が必要?
大規模修繕工事が必要な理由については、以下に挙げる4点が当てはまるでしょう。
- 建物の老朽化を防ぐ
- 建物の安全性を維持する
- 資産価値を維持する
- 建物寿命を延ばす
マンションを含むすべての建物は、年数の経過によって劣化します。
また、雨や風・紫外線などの自然環境の影響によってダメージが加わり、耐震性や安全性が低下してしまうのです。
建物が劣化すると雨漏りリスクが発生し、建物構造に大きな影響を与えてしまいます。
劣化によって見た目が老朽化するとマンション購入者が減ってしまい、空室リスクや入居率、建物の寿命が短くなり、長く住める環境ではなくなってしまうのです。
大規模修繕工事を行うことで、建物の老朽化を防ぐことで安全性を維持し、資産価値を向上させます。
大規模修繕工事には、建物を維持するために大切な役割を担っているのです。
マンションに使用される外壁タイルの特徴
マンションでは外壁タイルを使用しています。
使われている外壁タイルにはどのような特徴があるのか、修繕工事の前に確認しておきましょう。
こちらでは、マンションに使用される外壁タイルの特徴について解説いたします。
■磁器質タイル
磁器質タイルは、タイルの中で最も吸水性が低いタイプです。
非常に固い性質を持ち、汚れにくいためさまざまな建物に活用されています。
耐久性が高いため、外壁や歩道など、負荷がかかりやすい場所に採用されるケースが多いです。
■陶器質タイル
陶器質のタイルは変色に強く、ツヤのある仕上がりです。
また、陶器質タイルには汚れに強く落としやすいといった特徴を持ちます。
しかし、耐久性は低いため、室内に使われるケースが多いでしょう。
■せっ器質タイル
耐久性に優れていますが、吸水性が高いため外壁には使われにくいタイプです。
また、他のタイルと比べて柔らかい性質を持つため、衝撃が多い場所には不向きです。
しかし、表面に加工ができるため、デザイン性を重視したい場合に採用されています。
■土器質・レンガ
熱に強い性質を持ち、蓄熱性に優れているため外壁に採用されるケースが多いタイルです。
季節によって快適に過ごせる特徴を持ち、さまざまな場所で使われているでしょう。
メンテナンスの手間がかからないため、メリットが多いタイルです。
外壁タイルに浮きや剥がれが起こる原因
マンションで使用されているタイルは、年数の経過と共に浮きや剥がれが発生します。
そのため、定期的なメンテナンスが欠かせないといえるでしょう。
なぜ外壁タイルに不具合が出てしまうのか、事前に確認しておくと対策ができます。
こちらでは、外壁タイルの浮きや剥がれが起きる原因を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
■接着性の低下
外壁タイルは、下地との間に接着剤を挟んでいます。
年数の経過とともに接着効果が薄れてしまい、タイルの剥がれや浮きが発生してしまうのです。
接着剤の効果が低下しタイルが浮いてしまうことを「陶片浮き」といい、放置するとタイルの落下によって事故が起きる可能性も考えられます。
そのため、大規模修繕工事でタイルの剥がれや浮きを修繕していくのです。
■大量のタイルが浮く・剥がれ
劣化によって接着性が低下するとタイルの浮きや剥がれが発生します。
しかし、外壁タイル全体に浮き・剥がれが発生するケースは少ないでしょう。
修繕工事の際、外壁タイルの浮き・剥がれた状態が建物全体に多くみられる場合は大規模修繕工事で対応できないケースもあるため、事前に施工業者と相談しましょう。
外壁タイルの劣化を放置することで生じるトラブル
外壁タイルの劣化による浮き・剥がれを放置すると、さまざまなトラブルが発生します。
大きな建物では目視で確認できないため、気が付きにくい部分でもあるでしょう。
外壁タイルの劣化を放置することで、どのようなトラブルが起きるか解説いたします。
■事故につながる可能性
外壁タイルが劣化し、浮きや剥がれが発生した場合、タイルの落下が懸念されます。
高所でタイルの剥がれが発生し落下した場合、大きな事故につながる可能性もあるでしょう。
車や人の往来が多い場所では、人身事故が発生するリスクもあるため、劣化を放置してはいけないのです。
■建物を守るため
外壁タイルに浮き・剥がれが起きた場合、隙間から雨水が浸入してしまいます。
雨漏りは外壁からも起きてしまうため、気が付かないうちに建物の躯体や木材を腐食させてしまうでしょう。
その結果、耐震性が著しく低下してしまい、建物全体の安全性が低下してしまいます。
建物を守るためにも、外壁タイルの劣化は放置せず対処してください。
■見た目の美しさを保つため
タイルの破損や剥がれを放置すると、見た目が悪くなります。
美観が損なわれると入居率にも影響が出てしまうため、外壁の劣化は早急に対処しましょう。
劣化を放置してしまうと、空室リスクにつながります。
外壁タイルの補修方法
大規模修繕で行う外壁タイルの補修方法について、どのような方法があるかご存じでしょうか。
外壁の状態によって補修方法が変わりますが、事前に確認しておくと安心して工事を依頼できるでしょう。
こちらでは一般的な補修方法について解説しています。
■下地補修
タイルの剥がれや割れ・ひび割れが発生している場合、タイルの張り替えを行います。
下地とタイルの間にはモルタル材と呼ばれる接着材が挟まれていますが、タイルを剥がすと接着効果が低下してしまうのです。
そのため、下地に新しいモルタル材を塗り、整えていきます。
■タイル補修
タイルの補修方法は、新しく張り替える方法と接着剤を注入する方法があります。
劣化状態によって工法が変わりますが、タイルの劣化が少ない場合は接着剤の注入のみで済むでしょう。
タイルにひび割れや破損が見られる場合は接着剤の注入では対処できないため、新しく張り替えていきます。
■目地補修
タイルの間には、隙間を埋めるためにシーリングが施されています。
シーリングの縮みや剥がれも外壁補修の一環です。
タイルの目地は雨水の浸入や建物とタイルのクッション材でもあるため、シーリングの劣化が見られた場合は打ち替えを行います。
外壁タイルを補修する場合に必要な期間や費用
外壁タイルの補修に必要な期間や費用について、気になる方も多いでしょう。
こちらでは、かかる期間や費用目安について解説いたします。
■外壁タイルの補修でかかる期間とは
外壁タイルの補修は工法によって異なりますが、長いもので3週間前後です。
タイルの補修のみであれば数日で済みますが、張り替えを行う際は補修箇所によって2~3週間の期間が必要でしょう。
その他に足場設置にかかる日数も含めると、1か月ほどかかるケースもあります。
工期のスケジュールを立てる際は、タイルの補修工事内容を事前に確定したうえで行うとスムーズです。
■外壁タイルの補修でかかる費用
外壁タイルの補修費用は、足場設置費用・タイルの補修費用がかかります。
- 足場設置費用…1平方メートルあたり800~1,200円前後
- タイルの補修費用…1か所あたり500~900円
補修箇所や範囲によって費用も異なるため、気になる場合は事前に業者へ確認しておくと安心です。
外壁タイルの補修を行う際の注意点
外壁タイルの補修を行う際、いくつか注意点があります。
注意するポイントについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
■すでに施工不良がないか事前に確認する
外壁タイルの剥がれや浮きは、経年劣化ではなく施工不良によるケースがあります。
外壁タイルの劣化が複数個所、建物全体の10パーセント以上の場合、施工不良と判断できるでしょう。
その場合、補修方法が変わる可能性もあるため、事前に業者へ確認してください。
■複数社から見積りを取る
外壁タイルの補修を依頼する際は、複数社へ見積りを依頼しましょう。
見積り内容は会社ごとで異なるため、費用や施工内容が適正か判断できます。
最低でも3社以上から見積りを取り寄ると比較しやすくなります。
■張り替えの場合は時間がかかるため注意
外壁タイルの張り替えは、新しいタイルを発注しなければいけません。
タイルの取り寄せまで時間がかかるため、場合によっては工期が延びる可能性もあるでしょう。
事前にスケジュールを組んだうえで、工事のタイミングに合うように準備しておく必要があります。
まとめ
マンションの大規模修繕における外壁タイルの補修については、以下の通りです。
- 外壁の劣化が発生すると建物の安全性が低下するため、定期的に補修工事が必要である
- 外壁タイルを補修することで建物の老朽化を防ぎ、安全性を維持できる
- タイルの劣化を放置すると資産価値が低下してしまうため、空室リスクにつながり入居率に影響してしまう
- 外壁タイルには4種類あるため、使われるタイルの種類は修繕工事前に確認しておく
- 建物の外壁で浮きや剥がれが発生するの接着性の低下によるものが原因の1つである
- 建物の10パーセント以上にタイルの剥がれや浮きが発生している場合は修繕工事の際は事前に確認が必要である
- 外壁タイルの補修方法は下地補修・タイル補修・目地補修を行い、必要に応じてタイルの張り替えを行う
- タイル目地のシーリングも外壁タイル補修の一環である
- 外壁タイルの補修を行う際、張り替えがはタイルの取り寄せまでに時間がかかるため、事前に準備しておく必要がある
建物の安全性や資産価値を維持するためには、外壁タイルの補修は欠かせません。
今回の内容をしっかり把握し、適切なタイミングで外壁タイルの補修を行いましょう。