ウレタン防水とシート防水の違いは?どちらを選ぶのが正解?
2024/06/21
防水工事は雨漏りを防ぎ、建物寿命を伸ばすためにも定期的に行うことが必要です。
防水工事を検討する際に、「ウレタン防水」「シート防水」といった工法の名前を聞くことがあるのではないでしょうか。
防水工事は専門性が高く、一般の方にとっては耳慣れない言葉も少なくありません。
この記事では、「ウレタン防水」と「シート防水」についてそれぞれのメリット・デメリットや違いを詳しく解説しています。
防水工事を検討する際の参考にしていただければと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
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ウレタン防水とシート防水の種類と特徴
「ウレタン防水」と「シート防水」では、方法が全く違います。 一言で「ウレタン防水」「シート防水」といっても、その中にもいくつかの方法がありますので、どの工法がいいのか慎重に検討することになります。 それぞれどのような特徴があるのでしょうか。 下の通り表にまとめましたので、比較してみましょう。
種類 | 特徴 | 耐用年数 | 価格帯 (1㎡あたり) |
|
ウレタン防水 | 密着工法 | ・下地に直接ウレタン樹脂を塗布することで防水層を形成する ・水分を含む場所には施工不可 |
10〜15年 | 4,000円〜7,000円程度 |
通気緩衝工法 | ・下地とウレタン樹脂の間に通気緩衝シートを挟み込み施工することで、下地に含まれる水分を逃すことが可能 ・下地の影響を受けにくく、比較的どんな場所にも施工が可能 |
10〜15年 | 5,000円〜8,000円程度 | |
シート防水 | 塩ビシート接着工法 | ・塩ビ製の防水シートを専用の接着剤等を使用し貼り付けることで水の侵入を防ぐ ・複雑な形状の場所や凹凸の多い場所には施工できない |
10〜20年 | 4,000円〜7,000円程度 |
塩ビシート機械的固定工法 | ・塩ビ製の防水シートをディスク板などを使って固定し水の侵入を防ぐ ・複雑な形状の場所や凹凸の多い場所には施工できない |
10〜20年 | 5,000円〜7,500円程度 | |
ゴムシート接着工法 | ・ゴム製の防水シートを専用の接着剤等を使用し貼り付けることで水の侵入を防ぐ ・複雑な形状の場所や凹凸の多い場所には施工できない |
10〜15年 | 3,000円〜7,500円程度 |
「ウレタン防水」「シート防水」ともにコストパフォーマンスに優れていることがわかります。
それぞれ施工できない場所があるため、施工する場所や状態をよく確認しましょう。
ウレタン防水とシート防水のメリット・デメリット
「ウレタン防水」「シート防水」ともにコストパフォーマンスに優れた魅力的な工法ですが、それぞれにメリットデメリットがあります。
防水の種類 | 工法の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ウレタン防水 | 密着工法 |
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通気緩衝工法 |
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シート防水 | 塩ビシート 接着工法 |
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塩ビシート |
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ゴムシート接着工法 |
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ウレタン防水の密着工法の特徴
ウレタン防水の密着工法は、下地に直接ウレタン樹脂を塗布し厚みを出すことで、防水層を形成します。
下地の影響を直接受けるので、下地がひび割れを起こした場合には防水層もひび割れてしまうといったリスクがあります。
また水分を外へ逃すことができないので、下地に水分が含まれている場合には防水層の膨れを引き起こすため、施工場所の状況はよく確認しなければなりません。
工期が短く、安価に施工できるため多くの場所で採用されています。
特徴 | ・ウレタン樹脂を塗布することで防水層を形成 |
耐用年数 | 10〜15年(定期的なメンテナンスが必要) |
価格帯 | 4,000円〜7,000円程度 |
強み | ・工期が短く、価格が抑えられる |
弱み | ・下地の影響を受けやすく、下地の劣化が激しい場合や水分を含む下地には施工できない |
ウレタン防水の密着工法を選ぶといいケース
ウレタン防水の密着工法は施工にかかる工程が少なく、工期・費用ともに抑えられます。
下記のような場合には、密着工法が選ばれています。
- 比較的下地の状況がよくひどい劣化や雨漏り等を起こしていない場所
- 以前に通気緩衝工法で防水工事をおこなっている場合の改修工事
- あまり広くないベランダやバルコニー
- 工期を短くしたい場合
- 費用を抑えたい場合
ウレタン防水の通気緩衝工法の特徴
通気緩衝工法は密着工法では施工できない雨漏りしてしまった場所や、水分を含む下地にも施工できます。
下地とウレタン防水層が密着しておらず、通気筒を設置することで水分を逃すことができます。
人の出入りや通行が多い場所では通気筒が邪魔になるといったことも考えられるため、施工場所はよく検討することが必要です。
ウレタン防水は定期的なメンテナンスは必要ですが、比較的価格も抑えられ幅広い場面で採用されています。
特徴 | ・ウレタン樹脂を塗布することで防水層を形成 ・下地とウレタン樹脂との間に緩衝シートを設置するため、下地の水分を逃すことができる ・下地の影響を受けにくい |
---|---|
耐用年数 |
10〜15年(定期的なメンテナンスが必要) |
価格帯 |
5,000円〜8,000円程度 |
強み |
・どんな場所にも施工しやすい |
弱み | ・脱気筒が通行の邪魔になる場合がある |
ウレタン防水の通気緩衝工法を選ぶといいケース
ウレタン防水の通気緩衝工法はどのような場所にも施工しやすいことから多くの場所で採用されています。
下記のような場合には、密着工法が選ばれています。
- マンションやアパート、ビルなどの屋上等の平面で広い場所
- 人の出入りの少ない屋上等
- 費用を抑えたい場合
シート防水の塩ビシート接着工法の特徴
塩ビシートも密着工法は、機械的固定方式と比べて工期が短く、価格も抑えることができます。
水分を逃すことができないため、防水層の膨れが起こるリスクがありますが、塩ビシートは非常に強く敗れることは少ないため、防水性能は保たれる場合がほとんどです。
シート防水は耐用年数も長く、コストパフォーマンスに優れているため、幅広い場面で採用されています。
特徴 | ・ウレタン樹脂を塗布することで防水層を形成 ・下地とウレタン樹脂との間に緩衝シートを設置するため、下地の水分を逃すことができる ・下地の影響を受けにくい |
---|---|
耐用年数 |
10〜15年(定期的なメンテナンスが必要) |
価格帯 |
5,000円〜8,000円程度 |
強み |
・どんな場所にも施工しやすい |
弱み | ・脱気筒が通行の邪魔になる場合がある |
特徴 ・塩ビ製の防水シートを下地に密着させて水の侵入を防ぐ
・どんな下地にも施工できる
・水分を含んだ下地の場合膨れのリスクがある 耐用年数 10〜20年 価格帯 5,000円〜8,000円程度 強み ・耐久性が長く定期的なメンテナンスがほぼ不要 弱み ・シートを貼り付けるため、複雑な形状の場所や凹凸がある場所には施工できない
・下地が含む水分を逃すことはできない
シート防水の塩ビシート接着工法を選ぶといいケース
塩ビシートの接着工法は、機械固定工法に比べて工期が短く、費用も抑えられます。
広い面積の場所にも施工しやすく耐用性も高いため、多くの場面で選ばれています。
下記のような場合には、密着工法が選ばれています。
- マンションやアパート、ビルなどの屋上等の平面で広い場所
- 定期的なメンテナンスが難しい場合
シート防水の塩ビシート機械的固定工法の特徴
塩ビシート機械的固定方式はと比べて工期が短く、価格も抑えることができます。
水分を逃すことがでるため、防水層の膨れが起こることもありません。
どんな場所にも施工できるのが大きなメリットです。
シート防水は耐用年数も長く、コストパフォーマンスに優れているため、幅広い場面で採用されています。
特徴 | ・塩ビ製の防水シートを特殊なディスクを用いて固定することでに水の侵入を防ぐ ・どんな下地にも施工できる ・下地の水分を逃すことが可能 |
耐用年数 | 10〜20年 |
価格帯 | 5,000円〜7,500円程度 |
強み | ・耐久性が長く定期的なメンテナンスがほぼ不要 ・下地が含む水分を逃すことはできなるため、膨れのリスクがない |
弱み | ・シートを貼り付けるため、複雑な形状の場所や凹凸がある場所には施工できない |
シート防水の塩ビシート機械的固定工法を選ぶといいケース
塩ビシートの機械的固定工法は下記のような場所で選ばれています。
- 定期的なメンテナンスが難しい場所
- 雨漏りを起こしたことのある場所
- マンションやアパート、ビルなどの屋上等の平面で広い場所
シート防水のゴムシート接着工法の特徴
ゴム製の防水シート使用するゴムシート接着工法は、近年では採用することが減っています。
塩ビシートと比べると、強度が弱いことが原因の一つです。
しかし、近年は屋上や陸屋根のある戸建住宅が増えており、そういった場所で安価で耐用年数の長いゴムシート防水が注目されています。
特徴 | ・ゴムシートを貼り付けることで水の侵入を防ぐ ・下地の水分を逃すことはできない ・塩ビシートに比べると強度は劣る |
---|---|
耐用年数 |
10〜15年 |
価格帯 |
3,000円〜7,500円程度 |
強み |
・耐久性が長く定期的なメンテナンスがほぼ不要 |
弱み | ・シートを貼り付けるため、複雑な形状の場所や凹凸がある場所には施工できない ・下地が含む水分を逃すことはできない ・鳥害等でシートが破れる場合がある |
シート防水のゴムビシート接着工法を選ぶといいケース
ゴムシート接着工法はどのような場所にも安価に施工できるため、下記のような場合選ばれています。
- 戸建住宅の陸屋根や屋上
- 費用を抑えたい場合
- 定期的なメンテナンスが難しい場合
シート防水の上からウレタン防水を施工できる?
シート防水の上からウレタン防水を施工することは可能ですが、適切な条件と施工方法が必要です。
メリットとしては防水性能の向上や工期短縮、コスト削減などがありますが、重量増加や接着性の問題などのデメリットもあります。
成功する施工のためには、既存のシート防水の状態を十分に確認し、適切な下地処理と施工方法を選択することが重要です。
専門家のアドバイスを受けながら、慎重に計画を立てることをお勧めします。
まとめ
「ウレタン防水」「シート防水」についてまとめると、
- ウレタン防水は価格も安くシームレスで美しい仕上がりが魅力
- シート防水はメンテナンスが不要で耐用年数が長いため、コストパフォーマンスに優れている
- 下地に水分が含まれる場合、密着工法だと防水層の膨れが懸念される
- シート防水は凹凸のある場所や狭い場所には施工できない
となります。
「ウレタン防水」「シート防水」ともにコストパフォーマンスに優れた優秀な工法と言えるでしょう。
それぞれのメリット・デメリットをよく理解し、最適な工法を選べるようにしましょう。