防水塗装工事とは?塗料の種類や施工の流れ、費用相場について徹底解説!
「防水塗装工事を行なわないと、どうなるの?」
「防水塗装工事ってどのくらいの費用がかかるの?」
こんな疑問をお持ちのかたは多いです。
防水塗装工事は、建物の寿命を延ばすためには欠かせません。
この記事では防水塗装工事について徹底解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
防水塗装工事とは?
防水塗装工事とは、建物を雨水から守るための塗装工事のこと。
防水性能のある塗料を屋根や屋上、ベランダ、外壁に塗るのが一般的です。
防水塗装をしないとどうなる?
防水塗料工事を行なわずにいると、以下のような症状が発生します。
コンクリートの中性化
アルカリ性のコンクリートは、空気や水に触れると中性化し、もろくなります。
これを防ぐために、コンクリートに防水塗装を施す必要があります。
雨漏り
屋上や屋根、外壁の劣化部分から雨水が侵入すると、建物内部で雨漏りが発生します。
天井に雨水によるシミが発生したりもします。
こうした状態になると、コンクリート内部の鉄筋まで錆びさせるなど、建物の構造部分までダメージを与える恐れがあります。
カビの繁殖
建物内に水が侵入すると、木材に含まれる水分の含有量が増えます。
その結果、カビやシロアリ、ダニなどが発生しやすい環境が整ってしまいます。
アレルギーを引き起こす可能性もあるので要注意です。
工法の種類について
防水塗装工事には、「ウレタン防水」「FRP防水」の2種類があります。
ウレタン防水
液体状のウレタン樹脂を塗ることにより防水する工法です。
液体状なので複雑な形状の箇所への施工も可能です。
硬化後は柔軟性のある、ひび割れにくい防水層になります。
ただしウレタン防水の施工クオリティは職人に腕に左右されるので、施工実績が豊富な業者に頼むと良いでしょう。
ちなみにウレタン防水には、「密着工法」「メッシュ工法」「通気緩衝工法」といった3種類の工法があります。
・密着工法…下地に直接防水材を塗る。防水層が軽く、建物への負担が少ない。費用もリーズナブル
・メッシュ工法…防水材を塗る前にメッシュシートを下地に貼る。防水層が地震や衝撃に強くなる
・通気緩衝工法…通気緩衝シートと脱気筒を取付ける工法。下地の湿気を取り除けるので、膨れや剥がれが起こりにくい
工法にもよりますが、ウレタン防水の工期は5~10日ほどです。
FRP防水
FRPとは「繊維強化プラスチック」のこと。
ガラス繊維のシートにポリエステル樹脂を塗ることにより防水します。
硬化が早いので、1~2日ほどで施工が完了します。
硬化後は非常に耐久性が高くなり、重量物を乗せても問題ありません。
ただし紫外線には弱いので、施工後にトップコートを塗って保護する必要があります。
また伸縮性もないので、下地が伸縮しやすい広い場所への施工や、木造建築への施工には適しません。
防水塗装工事の費用相場
防水塗装工事では、次のような費用がかかります。
工法の種類 | 1㎡あたりの費用相場 |
密着工法(ウレタン防水) | 4,500~5,000円 |
メッシュ工法(ウレタン防水) | 4,000~7,000円 |
通気緩衝工法(ウレタン防水) | 5,000~6,000円 |
FRP防水 | 5,000~7,000円 |
上記の費用以外に、足場の設置費用やゴミ処理費用などもかかりますよ。
防水塗装工事のタイミング
防水塗装工事を行なうのは、以下のような場合です。
・前回の塗装から10年経過した
・ひび割れなどの劣化症状がある
・カビやコケ、藻が発生している
・屋上やベランダに水溜りができやすくなった
このような場合は、まず専門業者に点検を依頼するのが良いでしょう。
施工手順
ここでは防水塗装工事の施工手順についてご紹介していきます。
今回はコンクリートの下地にウレタン防水を施す方法について解説していきますよ。
①高圧洗浄
まずは高圧洗浄機で施工箇所を綺麗にします。
綺麗にしておくとウレタン塗料が密着しやすくなり、施工品質が高まります。
②下地処理
水が溜まりやすい凹み部分を埋めるなど、下地を調整します。
③プライマーの塗布
塗料が接着しやすくなるプライマーを塗ります。
④通気緩衝シートの貼付け
下地に含まれる水分を逃がすための通気緩衝シートを貼付けます。
シートのつなぎ目にはジョイントテープを貼り、隙間をなくします。
⑤脱気筒の取付け
水分を外に逃がすための脱気筒を取付けます。
⑥防水材の塗布
ウレタン防水材を2度重ね塗りすることで、防水性能を高めます。
⑦トップコートの塗布
仕上げにトップコートを塗ることにより、紫外線によるダメージから防水層を保護できます。
以上でウレタン防水の完了です。
優良業者を見分けるには?
防水塗装工事の優良業者を見分けるには、次のことに気を付けましょう。
相見積もりを取る
複数の業者を比較しなければ、どの業者が良いのかを見分けられませんよね。
そこで最低でも2~3社から見積もりを出してもらうようにしましょう。
相見積もりを取ることで、工事の詳細や費用などを簡単に比較できます。
ちなみに「工事一式」と書かれてあるような見積書は、費用を水増しされる恐れがあるので良くありません。
「どの工事にいくらかかるのか」「追加費用はあるのか」といったことも、しっかりと確認しておきたいですね。
防水業者に依頼する
防水塗装工事は、塗装業者では行なえません。
「防水業者」と「塗装業者」では、工事の目的や使用する道具なども異なります。
防水塗装工事は、防水業者に依頼するようにしましょう。
資格を持っているか確認する
国家資格である「塗装技能士」や、「外壁診断士」「雨漏り診断士」といった資格を持っているスタッフがいる業者は、ある程度の信頼感があります。
自社施工しているか確認する
自社施工をしている業者は中間マージンが発生しないので、費用がリーズナブルな傾向にあります。
一方、大手リフォーム会社やハウスメーカーの場合は下請けに工事を依頼します。
中間マージンが発生する分、費用が高めになるでしょう。
対応が丁寧かチェックする
見積もり時に業者が丁寧に対応してくれるかもチェックしましょう。
対応が丁寧だと疑問や質問がある場合や、万が一施工不良があった場合などでも相談しやすいです。
対応が丁寧な業者は、施工品質も高い傾向がありますよ。
アフターサービスをチェックする
施工不良があった場合の対応や保証(5~10年が一般的)など、アフターサービスについてもチェックしましょう。
施工業者が「瑕疵(かし)保険」に入っている場合は、施工後に業者が倒産しても保険金が支払われるので安心です。
まとめ
最後に今回の記事の内容をまとめていきます。
・防水塗装工事で、建物を雨水から守れる
・防水塗装をしないとコンクリートの中性化や雨漏り、カビが発生しやすくなる
・「ウレタン防水」「FRP防水」といった2つの工法がある
・ウレタン防水は1㎡あたりの4,000~7,000円、FRP防水は5,000~7,000円
・前回の防水塗装工事から10年経過していたり、劣化症状があるとメンテナンスが必要
・相見積もりでサービスや対応、保有資格などをチェックすると、優良業者を見分けやすくなる
防水塗装工事を行なうことにより建物の寿命が延び、資産価値も維持しやすくなります。
ぜひこの記事を参考に、防水塗装工事を検討してみてくださいね。