防水工事での撤去工法と被せ工法の違いは?失敗例もご紹介!
「撤去工法と被せ工法の違いって何?」
「防水工事にはどんな種類があるの?」
こんな疑問をお持ちのかたは多いようです。
確かに防水工事は頻繁に行なうものではないので、どんな工法の違いや種類があるのか知る機会は少ないですよね。
そこでこの記事では、防水工事での撤去工法と被せ工法の違いについて解説していきます。
防水工法の種類や、防水工事における失敗例についてもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
撤去工法と被せ工法の違い
防水工事として行なわれる撤去工法とかぶせ工法には、以下のような違いがあります。
撤去工法とは
撤去工法とは、既存の古い防水層を撤去してから、新しい防水層を作ることを言います。
一から防水層を作れるので、防水層の素材を自由に選べるメリットがあります。
ただし撤去工法を行なうには時間がかかるので、撤去工法が採用されるケースは多くありません。
撤去工事では騒音や振動が発生し、廃棄物も出ます。
廃材処分費用などもかかるので、費用が割高になってしまうでしょう。
被せ工法とは
被せ工法では、既存の防水層の上に新たな防水層を被せます。
被せ工法は二重の防水層になるメリットがあります。
撤去工法より費用も安くなるでしょう。
また工期が短く、振動や騒音も少ない傾向にあります。
ただし既存の防水層と新たな防水層には相性があります。
既存の防水層の素材によっては被せ工法が使えないことがあり、この場合は撤去工法を採用するのが一般的です。
防水工法の種類
改修工事で採用される防水工法には、以下のような種類があります。
・アスファルト防水
・シート防水
・塗膜防水
アスファルト防水
液状のアスファルトやルーフィング(防水シート)を使う工法です。
アスファルト工法には次のような種類があります。
アスファルト防水
塗る工法と貼る工法を組み合わせた工法です。
合成繊維や紙にアスファルトが染み込んだルーフィングを、溶かしたアスファルトを使って貼り付けていきます。
ミスが少なく施工でき、水密性(防水性能)が高い特徴があります。
改質アスファルト防水
合成樹脂で改良された改質アスファルトルーフィングを貼り付ける工法です。
ルーフィングの裏面の粘着層を下地に貼り付ける「常温工法」や、トーチバーナーで裏面をあぶり溶かして貼り付ける「トーチ工法」といった種類があります。
常温積層アスファルト防水
常温で使用できるアスファルトと、改質アスファルトルーフィングを積層します。
施工時に臭いや煙が発生せず、周辺環境に配慮できる工法です。
シート防水
シート防水とは、塩化ビニール製やゴム製のシートを使って行なう防水工事のこと。
広い面積を一気に施工できますが、幅広の既製品のシートを使うので、複雑な形状の箇所への施工には適しません。
シート防水の耐用年数は10~15年ほど。
工期は2~4日程度と短めです。
ちなみにシート防水には「密着工法」と「機械固定工法」の2種類があります。
密着工法
専用のプライマー(接着剤)を使って、下地にシートを貼り付ける工法です。
下地が完全に乾燥している状態で使えます。
機械固定工法
下地に設置した「ディスク」と呼ばれる専用器具にシートを接着する工法です。
シートと下地が直接触れることがないので通気性が確保できます。
下地が濡れている状態でも使えるメリットがあります。
ただし工事にはドリルを使うので、騒音や振動が発生することは覚えておきましょう。
塗膜防水
ウレタン樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)など、液状の防水材を下地に塗る工法です。
ウレタン樹脂を使った塗膜防水は、国内でもっとも広く行なわれています。
塗膜防水はシート防水とは異なり、継ぎ目のない綺麗な仕上がりになります。
液体状のまま施工するので、複雑な形状の場所へも施工可能です。
ただし仕上がりが職人の腕に左右されがち、という点は注意が必要です。
防水工事の失敗例と対策
ここでは、防水工事の失敗例と対策についてご紹介していきます。
臭いや騒音によるクレームが発生した
防水工事中では臭いや騒音が発生することがあります。
ご近所さんからのクレームを防ぐには、事前に挨拶回りしておくことが効果的です。
挨拶せずに工事を始めてしまうと、ご近所さんとの関係が悪くなる恐れがあります。
施工業者が不具合に対応してくれない
万が一、施工後に工事ミスなどの不具合が発生した場合、きちんと施工業者が対応してくれるかどうかが重要です。
工事前の見積りの時点で、どんな保証をしてくれるのかを確認しておくと安心です。
具体例を挙げてもらい、「どんな場合に保証され、どんな場合に保証されないのか」といったこともチェックしておくと良いでしょう。
不必要な追加工事が発生した
不必要な追加工事を行なう業者もあります。
費用が高くなってしまうので要注意です。
こうした事態を防ぐには、詳細な調査を行なった上で見積りを出してくれる業者を選ぶことです。
また見積書に詳しく工事内容を記載してくれる業者を選ぶことも大切です。
「工事一式」と記載されてあるような、曖昧な見積りをする業者はおすすめしません。
複数の業者で見積りを出してもらい比較すると、良い業者選びができるでしょう。
まとめ
最後にこの記事の内容を簡単にまとめていきます。
・撤去工法では、既存の古い防水層を撤去してから新しい防水層を作る
・被せ工法は、既存の防水層の上から新たに防水層を被せる
・防水工法には「アスファルト防水」「シート防水」「塗膜防水」の3種類がある
・防水工事を行なう前に、挨拶回りや施工業者の見極めが必要
施工業者を選ぶ際は複数の業者で見積りを出してもらうことにより、適切に防水工事を行なえるようになるでしょう。
ぜひあなたも、この記事を参考に防水工事を検討してみてくださいね。