戸建て住宅の外壁塗装に最適なタイミングは?塗料の種類や特徴、費用相場もご紹介!
「外壁にひび割れがある。いつ外壁塗装をすれば良いのか知りたい」
「みんなは何年くらいで外壁のメンテナンスをしているの?」
こんな疑問をお持ちのかたはいませんか?
外壁のメンテナンスは頻繁に行なうものではないので、日常的に外壁について考える機会が少ないかたが多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、戸建て住宅の外壁塗装に最適なタイミングをご紹介していきます。
外壁塗装で使われる塗料の種類や特徴、費用相場なども解説していきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
外壁塗装をするメリット
家の外壁に塗装を施すことで、以下のようなメリットが得られます。
見た目が良くなる
外壁塗装をすると、新築当時のような見た目になるでしょう。
希望があれば、新築時とは異なるデザインに変更するのも可能です。
建物の耐久性が高まる
外壁塗料には、建物を風雨や紫外線から守る役目があります。
外壁塗装を行なわずに放置すると、雨漏りが発生しやすくなります。
建物内部の構造にダメージが及んだりもするので要注意です。
外壁塗装に最適なタイミング
一般的に外壁塗装は、「10年に1度」行なうのが良いと言われています。
現在の外壁材の主流である窯業系サイディングボードは防水塗装が施されていますが、5~7円ほどで防水性能が落ちてしまうケースが多いです。
上記の理由により「10年」という目安があるのです。
もちろん家の立地条件や、使用している塗料の種類によってもメンテナンスが必要なタイミングは前後します。
また以下のような症状がある場合も、外壁塗装を検討してみましょう。
色あせ
外壁が色あせた程度なら、まだ塗装工事は必要ありません。
ただし劣化が始まっているサインではあるので、いずれは塗り替えが必要になるでしょう。
チョーキング現象
外壁を手で触った際に、手に白い粉が付く「チョーキング現象」。
色あせよりもさらに塗膜の劣化が進んできた状態、と捉えましょう。
ただしチョーキング現象が発生した場合も、すぐに塗装工事が必要になるわけではありません。
ひび割れ
幅が0.3mm以下のひび割れ(ヘアークラック)なら、特に問題ありません。
しかし0.3mmを超える大きなひび割れは要注意です。
建物内部にまでひび割れが達している可能性があります。(構造クラック)
大きなひび割れを見つけたら、早めに専門業者に点検してもらいましょう。
塗膜の剥がれ
塗膜が剥がれている箇所は、防水性能がなくなっています。
雨漏りが起きやすいので、早めの塗装工事が必要です。
シーリングの割れ、剥がれ
シーリングの割れや剥がれなどが起こっている場合は、シーリングの打ち替えが必要です。
劣化したシーリングの隙間から、建物内部に雨水が入り込んでくる恐れがあります。
シーリングの劣化が進んでいる場合も、早めの補修が必要です。
塗料の種類や費用相場
外壁塗装では、以下のような種類の塗料が使われます。
塗料の種類 | 耐用年数 | 1㎡あたりの費用 | 特徴 |
アクリル |
3~7年 |
1,000~1,800円 |
低価格で発色が良い。ただし耐久性は低いので、頻繁に塗り替えが必要 |
ウレタン | 5~10年 | 1,700~2,500円 |
昔は主流だったウレタン塗料。延びが良いので施工しやすく、安価なのが特徴。ただし耐久性や防汚性は低め |
シリコン | 10~12年 | 2,300~3,500円 |
住宅塗装で最も多く使われている。費用と耐久性のバランスが良い |
フッ素 | 10~15年 | 3,500~4,800円 |
耐候性が高く、寿命も長い。頻繁に塗り替えするのが難しいビルやマンションで多く使われる |
光触媒 | 12年 | 3,800~5,500円 |
光が当たると、外壁の汚れや空気中の汚染物質を分解する。ただし日当たりの悪い場所では効果を発揮しにくい |
ピュアアクリル | 15年 | 4,000~4,700円 |
アクリル塗料から不純物を取り除いたもの。耐久性や弾力性、防汚性が高い。ひび割れへの追従性もある |
無機有機ハイブリッド |
20年 | 3,500~5,500円 |
とにかく高耐久。ただし耐用年数が長すぎるので、外壁以外の箇所のメンテナンスとタイミングを合わせるのが難しいこともある |
セラミック(断熱・遮熱タイプ) |
10~25年 | 2,300~4,500円 |
セラミックが配合された樹脂塗料で、耐久性が高く汚れにくい。断熱効果や遮熱効果があるので、夏は涼しく冬は暖かい |
人件費の費用相場
塗装を行なう職人に対して発生する人件費。
人件費も作業ごとに発生します。
項目 |
1㎡あたりの費用 |
飛散防止ネットの設置 |
100~200円 |
高圧洗浄 |
100~300円 |
養生 |
250~400円 |
施工費用 |
1,000~2,000円 |
シーリング打ち替え |
900~1,500円 |
シーリング増し打ち |
500~1,000円 |
現場管理費 |
3,0000~50,000円(一式) |
その他費用 |
10,000~30,000円(一式) |
また上記以外に仮設足場の設置代もかかります。
足場代は1㎡あたりで600~800円ほどの費用が発生します。
ちなみに「足場代無料」と宣伝している業者には注意が必要です。
足場の設置は国家資格を持った職人を有する業者に外注する塗装業者も多いです。
しかしそんな足場の設置を無料にするのは不自然です。
足場代が無料な分、人件費などが高額に設定されている可能性が高いでしょう。
結局、総額でいくらかかるの?
平均的な外壁塗装の費用総額は次のとおりです。
坪数 |
塗装面積 |
費用相場 |
10坪 |
40㎡ |
20~40万円 |
30坪 |
119㎡ |
60~100万円 |
50坪 |
198㎡ |
100~160万円 |
100坪 |
396㎡ |
200~320万円 |
上記には仮設足場の設置代や高圧洗浄代なども含まれます。
塗料の種類や面積、施工業者の違いなどによって、最終的な費用総額が決まりますよ。
ちなみに外壁塗装と一緒に屋根塗装を行なった場合、30坪であれば総額で80~130万円の費用がかかります。
外壁のみの場合よりも30~40万円ほど費用が上乗せされますよ。
費用の支払い方法は?
住宅の外壁塗装の費用は、以下の2パターンで支払うのが一般的です。
・工事後に一括で支払う
・契約または着工時に一部を支払い、工事後に残りを支払う
業者ごとに支払い方法が異なるので、事前に確認しておくと安心ですね。
ただし工事前に一括で費用の支払いを求めてくる業者には注意が必要です。
工事前に急に連絡がつかなくなる悪質な手口も報告されているので、一括前払いだけは避けたほうが良いでしょう。
ちなみに訪問販売や電話勧誘で契約した場合は、契約から8日以内ならクーリングオフ(契約解除)が可能です。
契約内容がクーリングオフが可能かどうかは、「国民生活センター」に相談すると分かりますよ。
「工事費用が捻出できそうにない」という場合は、金融機関のリフォームローンを検討するのも良いかも知れません。
外壁塗装に最適な季節は?
外壁塗装には適した季節があります。
これは気温や湿度、天気が塗料が乾くスピードなどに影響を与えるからです。
外壁塗装に向いているのは、気温が5~30℃、湿度が85%未満と言われています。
季節ごとのメリットやデメリットを把握して、最適な季節を選びましょう。
ちなみに全国的に外壁塗装工事が多いのは、3~5月、10~11月の時期です。
春
春は外壁塗装に向いている時期です。
湿度が低めなので、塗料も乾きやすいです。
ただし4~5月は天候が悪い傾向にあるので、工事が延期することもありますよ。
梅雨
梅雨の時期は工事が延期しやすいですが、湿度が低めの日は塗装可能です。
夏
夏は問題なく塗装工事が行なえます。
ただし塗装中は養生をするために窓を開けることはできないので、注意が必要です。
秋
空気がほどよく乾燥していて、施工しやすい時期です。
ただし台風が多い時期でもあるので、場合によっては工事が延期することもあるでしょう。
冬
冬も問題なく塗装できますが、気温や積雪によっては工事できない場合も。
また日照時間が短く、施工業者の作業時間が短くなりがちです。
外壁塗装でありがちなトラブル
住宅の外壁塗装では、トラブルが発生することもあります。
ここでは外壁塗装でありがちなトラブルについてご紹介していきます。
追加費用の請求
見積もり時にはリーズナブルな価格を提示し、後から高額な追加工事の費用を請求してくる悪質業者も存在します。
こうした業者に引っかからないようにするには「見積額の範囲内で追加工事の対応をしてもらえるのか」、見積もりの時点でしっかりと確認しておくことが大切です。
大幅値引き(手抜き工事)
相場価格よりも大幅に値引きしてくる業者にも注意が必要です。
住宅の塗装工事には、必ず一定の費用がかかります。
にも関わらず安すぎる価格を提示してくるということは、質の悪い塗料を使ったり、手抜き工事を行なったりする可能性が高いです。
施工クオリティが低いと、またすぐに塗装工事が必要になるので、結局は費用総額が高くなってしまうでしょう。
後から高額な追加費用を請求される可能性もあるので、必要以上に値引きしてくる業者との契約は避けましょう。
DIYによる失敗
自分で施工するDIY。
外壁塗装には高度な技術や知識が必要なので、DIYはおすすめできません。
足場の設置や高圧洗浄、下地処理は、外壁塗装に慣れていない人にとっては難易度が高いです。
施工クオリティが低いと塗膜の劣化が早まり、結局は数年でまた再施工が必要になるでしょう。
安易にDIYで外壁塗装を行なわないことをおすすめします。
外壁塗装の費用を抑えるには?
外壁塗装の費用を抑える方法もあるので、ご紹介していきます。
梅雨や冬の時期に施工する
先ほども触れましたが、梅雨や冬の時期は工事が中断しやすいです。
しかしその分だけ、工事費用は安くなる傾向がありますよ。
「工事期間が長めになってもいい」というかたは、梅雨や冬の時期の施工も検討してみましょう。
助成金や補助金を利用する
工事内容によっては、「住宅リフォーム資金助成」「省エネ住宅改修補助金」といった自治体の助成金や補助金に申請できる場合があります。
省エネやバリアフリーに関する工事は、助成金や補助金が出やすいですよ。
また台風や大雨などで破損した部分を補修する場合は、火災保険が適用されるケースもあります。
助成金や火災保険などの申請をサポートしてくれる業者もあるので、見積もりの際に確認してみましょう。
相見積もりを取る
複数の施工業者に見積もりを依頼することも大切です。
1社のみだと適切な相場や工事内容を把握できず、その業者の言いなりになってしまいがちです。
また訪問営業の業者には注意が必要です。
訪問営業によるトラブルは消費者センターにも数多く報告されています。
訪問営業で急かされても、その場で契約してはいけません。
複数の会社にきちんと見積もりを出してもらい、しっかりと比較検討することをおすすめします。
自社施工の業者に依頼する
自社施工の外壁塗装業者は、施工費用が安い傾向にあるのでおすすめです。
大手リフォーム会社などは、下請け業者に工事を発注するため中間マージンが発生し、費用が高くなりがちです。
見積書のチェックポイント
見積もり時には、見積書の内容をしっかり確認することが大切です。
不明点を放置すると、後からトラブルの原因になりますよ。
見積書の以下のポイントの確認も、忘れずに行ないましょう。
商品名と塗料メーカー
似た素材の塗料であっても、商品名やメーカーは異なります。
それぞれ品質や価格も異なりますよ。
商品名やメーカーが記載されているかどうか、きちんと確認しましょう。
塗料の缶数
使われる塗料の缶数が、外壁塗装では重要です。
規定量より多くても少なくても、施工不良につながるので良くありません。
㎡表記による塗装面積
塗布量を把握するために必要な、㎡表記がされているかも確認しましょう。
塗装面積の項目に限りませんが、見積書に「工事一式」「一式」と記載されている場合は注意が必要です。
詳細な情報が省かれているケースが多く、後々のトラブルに発展しやすいですよ。
まとめ
最後に、今回の記事の内容をまとめていきます。
・外壁塗装で家の見た目が良くなり、耐久性が高まる
・外壁塗装は10年に一度が目安
・ひび割れや剥がれなどがある場合は点検が必要
・塗料は種類によって耐用年数や費用が異なる
・人件費や足場代なども発生する
・費用は工事前に全額支払ってはいけない
・3~5月、10~11月に外壁塗装工事が多い
・相見積もりを取ることが大切
・業者による追加費用の請求や、大幅値引き、DIYには注意が必要
・梅雨の時期や冬の工事、助成金、保険の利用によって費用を抑えられる
・見積もり時は塗料メーカーや塗料の缶数などもチェックする
外壁塗装のタイミングの目安を意識しつつも、定期的に外壁を点検すると良いでしょう。
この記事を参考に、ぜひ住宅塗装を検討してみてくださいね。