マンションの外壁塗装の耐用年数は?寿命を延ばすポイントや確定申告項目も解説!
「マンションのオーナーをしているので、外壁塗装の頻度について知りたい」
こんなかたはいませんか?
一般的には10年おきに塗装するのが良いと言われていますが、すべてのマンション(やアパート)に当てはまるわけではありません。
そこで今回は、マンションの外壁塗装の耐用年数について解説していきたいと思います。
外壁塗装の確定申告項目についてもご紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
外壁塗装のメリット
まずは外壁塗装のメリットについて確認しておきましょう。
適切に外壁塗装を行なうことにより、以下のようなメリットが得られます。
空き室対策になる
外壁塗装を施すことにより、マンションの外観が綺麗になります。
物件サイトの写真映りが良くなり、問い合わせ件数が増えやすくなるでしょう。
建物の見た目が良くなるだけで、想像以上に好印象に思われますよ。
耐用年数が延びる
外壁塗装には、マンションを風雨や紫外線、ホコリなどから建物を守る役割があります。
定期的に外壁を塗り替えると、建物を守る効果を持続できます。
資産価値が高まる
マンションの外観が新築のようになると、資産価値も高まります。
オーナーさんだけでなく、購入者にとってもメリットですね。
耐用年数は状況によって左右される
マンションの立地状況や塗料の種類などによって、外壁塗装の耐用年数が異なります。
場合によっては15年以上持つ場合もあるので、必ずしも「10年に1度塗り替えなければならない」というわけではありません。
耐用年数を決める要因
外壁塗装の耐用年数は、以下の要因によって変わります。
塗料の種類の違い
ウレタン塗料、シリコン塗料といった塗料の種類の違いによって耐用年数が異なります。
塗料の種類 |
耐用年数 |
1㎡あたりの費用 |
アクリル |
3~5年 |
1,000~1,800円 |
ウレタン |
5~7年 |
1,700~2,500円 |
シリコン |
10年 |
2,300~3,500円 |
フッ素 |
10~15年 |
3,500~4,800円 |
光触媒 |
12年 |
3,800~5,500円 |
ピュアアクリル |
15年 |
4,000~4,700円 |
無機配合型フッ素 |
16年 |
3,500~4,800円 |
無機ハイブリッド |
18年 |
3,500~5,500円 |
セラミック(断熱・遮熱タイプ) |
10~25年 |
2,300~4,500円 |
大規模修繕工事のタイミングに合わせて外壁塗装を行なうと、工事の総回数が減って効率的です。
足場の設置も1度で良いので、コストカットに繋がりますね。
外壁の劣化度合い
外壁の劣化度合いによっても、いつ外壁塗装を行なうのかが変わります。
例えば次のような症状が外壁にある場合は、塗装を検討しましょう。
・チョーキング現象
・カビや苔の発生
・塗膜の剥がれ
・ひび割れ
チョーキング現象
外壁を手で触って、手に白い粉が付く現象を「チョーキング現象」と呼びます。
チョーキング現象は塗膜が劣化しているサインです。
すぐに再塗装が必要なわけではありませんが、「少しずつ外壁が劣化してきている」ということは頭の片隅に置いておきましょう。
カビや苔の発生
水で洗い落とせるくらいのカビや苔なら問題ありませんが、洗い落とせない場合は注意が必要です。
塗膜内部まで浸食している可能性が高く、再塗装が必要になるでしょう。
塗膜の剥がれ
塗膜が剥がれは、防水性能がなくなっていることを示します。
この場合は、なるべく早く外壁塗装を行ないましょう。
外壁内に水が侵入すると、建物内部の構造部分の劣化も招いてしまいます。
ひび割れ
0.3mm以下の細かいひび割れ(ヘアークラック)なら問題ありません。
しかし0.3mmを超える大きなひび割れ(構造クラック)がある場合は要注意。
雨水が建物内部まで侵入してくる恐れがあります。
構造クラックを見つけた場合は外壁塗装が必要かどうか、まずは専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
コーキングの耐用年数も確認しましょう
外壁材同士の間に使われているコーキング剤。
ゴムのような質感なのが特徴で、外壁材の隙間から雨水が侵入するのを防ぎます。
マンションの外壁塗装を検討する際は、コーキングの耐用年数も確認しておく必要があります。
一般的には10~15年に1度、コーキングの打ち替えが必要になり、外壁塗装と一緒に行なうケースが多いです。
外壁塗装とコーキングを同時に行なうことにより、別々に施工するよりも費用が割安になりますよ。
外壁塗装の工事期間はどのくらい?
外壁塗装の工事期間は、マンションの規模によって異なります。
50戸未満の規模の小さいマンションの場合は約1~2か月、50戸以上のマンションの場合は約3~4か月かかります。
100戸以上のような大規模なマンションだと半年以上かかるケースもありますよ。
外壁塗装の耐用年数を延ばすには
外壁塗装の耐用年数を延ばすには、以下のことを行ないましょう。
耐用年数の長い塗料を選ぶ
先ほども触れましたが、耐用年数の長い塗料を選ぶことも、外壁塗装を長持ちさせるために大切です。
耐用年数が10年にも満たないアクリルやウレタン素材の塗料は、マンションの外壁塗装にはおすすめできません。
もちろんシーリングの耐用年数も、外壁塗装の耐用年数に関わります。
できるだけ耐用年数の長いシーリング材を選ぶと良いですね。
施工品質の高い業者を選ぶ
施工品質の高い優良業者を選ぶことも大切です。
悪質業者に外壁塗装を任せてしまうと手抜き工事を行なわれ、3年もせずに外壁が劣化してくるケースも少なくありません。
優良業者を見つけるには、以下のことを行なうと良いでしょう。
相見積もりを取る
優良業者を探すには、まずは複数の施工業者に見積もりを出してもらい、見積内容を比較検討する必要があります。
価格が高すぎたり安すぎたりする業者や、対応が悪い業者はおすすめできません。
見積書の内容をチェックする
見積もり内容を詳細にチェックすることも、優良業者を見つけるためには大切です。
工事内容の項目に「一式」とばかり記載されている見積書は、見積内容が不明瞭なので良くありません。
見積書に塗料の種類や商品名、販売メーカーなどがしっかり記載されているかも確認しましょう。
国家資格の有無を確認する
「塗装技能士1級」という国家資格を持っている職人が多く在籍している業者は安心感があります。
塗装技能士1級の受験資格を得るには、実務経験が5年以上必要です。
一定以上の技術と知識があることの証明になりますよ。
施工実績を確認する
外壁塗装の施工実績が豊富な業者は、技術力が高い傾向にあります。
業者のホームページで施工実績を確認できない場合は、見積もりの際に過去の施工実績を提示してもらいましょう。
提示するのを渋ったり提示しなかったりする業者はNGです。
外壁塗装の内容で確定申告の項目が変わる
外壁塗装の目的によって確定申告の項目が変わります。
具体的には「資本的支出」と「修繕費」といった2種類の、どちらかになります。
資本的支出に該当するのは、以下のような外壁塗装を行なった場合です。
・外観の見た目を良くする
・外壁のデザインを変更する
・元の塗料よりもグレードアップする
建物の資産価値を高めるような外壁塗装の場合は、資本的支出になります。
資本的支出の場合、各年度に減価償却費を計上することになります。
収入が少なかった場合でも、後から柔軟に対応できるでしょう。
また資本的支出で確定申告を行なった場合は融資の審査にも通りやすく、マンションから収入がある場合は節税にもなります。
ただし年度ごとに、経費に計上できる金額の上限があるので注意しましょう。
一方、以下のような場合は修繕費に該当します。
・災害で損傷した箇所を補修する
・外壁のひび割れや剥がれを補修する
・色あせた外壁を同じようなグレードの塗料で塗り替える
このような場合は建物の原状回復に当たるので、修繕費とみなされます。
修繕費の場合は、工事を行なった年度に一括で経費として処理でき、支払う税金の額を減らせる可能性があります。
ただし修繕費として計上した年度の収入が少なかった場合は営業不振だと思われ、金融機関からの融資を断られる可能性があるので注意が必要です。
近い将来に融資を受ける可能性がある場合や、収入の変動が大きい場合は、資本的支出を選ぶほうがメリットが大きいでしょう。
外壁塗装の耐用年数まとめ
今回の記事の内容を、以下に簡単にまとめていきます。
・外壁塗装は、空き室対策や資産価値の向上などにつながる
・外壁塗装の耐用年数は立地状況や塗料の種類、外壁の劣化度合いによって異なる
・コーキングの耐用年数も確認が必要
・外壁塗装には1か月単位で工事期間がかかる
・耐用年数を延ばすには適切な塗料の選択だけでなく、業者選びや見積書のチェックも必要
・外壁塗装の内容で確定申告の項目が変わる
外壁塗装に最適な時期を知るには、まずは専門業者に点検を依頼すると良いでしょう。
ぜひこの記事を参考に、外壁塗装を検討してみてくださいね。