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屋根の葺き替えと防水工事の違いとは?費用相場・選び方・施工タイミングを解説

屋根の葺き替えと防水工事の違いとは?費用相場・選び方・施工タイミングを解説

2025/08/20

屋根は建物全体を守る最も重要な部分のひとつです。雨や雪、紫外線から住宅を守る役割を担っており、その劣化は雨漏りや断熱性の低下につながります。屋根工事には大きく分けて「葺き替え」と「防水工事」がありますが、どちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。本記事では、屋根葺き替えと防水工事の違いや必要なタイミング、費用相場、施工の流れ、業者選びのポイントまで詳しく解説します。さらに、それぞれの施工後の耐用年数や維持管理のポイントについても触れていきます。

屋根の葺き替えと防水工事の違い

屋根工事を検討する際、多くの方が「葺き替え」と「防水工事」の違いに迷います。それぞれの工法には特徴や適したケースがあるため、まずは基本を理解しておくことが重要です。違いを知ることで、予算や将来の維持計画を立てやすくなります。

屋根葺き替えとは?工事内容と特徴

屋根葺き替えとは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する工事を指します。下地材や防水シートも新しくするため、屋根全体の耐久性が飛躍的に向上します。特に築年数が30年以上経過した住宅や、屋根材の破損・腐食が進んでいる場合に有効です。デザイン性も刷新できるため、外観のリフォームとしても選ばれています。また、耐震性能が向上するメリットもあり、古い瓦屋根から軽量金属屋根へ変更するケースも多いです。

防水工事とは?屋根に施工する場合の特徴

防水工事は、屋根表面に防水層を形成することで雨水の浸入を防ぐ工法です。代表的にはウレタン防水やシート防水などがあり、陸屋根やフラット屋根でよく採用されます。葺き替えと比べてコストが低く、工期も短いのがメリットです。既存の屋根材を撤去せずに施工できるため廃材処理費用も抑えられます。ただし、下地の劣化が激しい場合には対応できないケースもあり、耐用年数も葺き替えに比べると短めです。

葺き替えと防水工事のメリット・デメリット比較

それぞれの工事にはメリットとデメリットがあります。予算や建物の状態に応じて、どちらが適しているかを判断する必要があります。

  • 葺き替え:耐用年数が長く(30〜40年程度)、屋根全体を新しくできるが費用が高い。
  • 防水工事:コストを抑えて施工でき、工期も短い(1週間前後)が、下地劣化が進んでいる場合は根本解決にならない。耐用年数は10〜15年が目安。

屋根工事が必要なサイン

屋根は常に外気にさらされているため、劣化やトラブルのサインを見逃さないことが大切です。ここでは、工事を検討すべき代表的な症状を紹介します。早期に発見することで、修繕費用を抑えることができます。

雨漏り・水染み・天井のシミ

天井や壁にシミが出てきた場合は、屋根の防水性能が低下している可能性があります。放置すると木材が腐食し、シロアリ被害やカビの発生につながることもあります。早めに点検を依頼しましょう。

瓦やスレートのひび割れ・ズレ

屋根材が割れていたりズレている場合は、強風や地震で落下する危険があり、葺き替えの検討が必要です。破片の落下は住人や通行人にとって危険であり、保険対応も難しくなることがあります。

屋根材の色褪せ・防水シートの劣化

紫外線や雨風にさらされ続けることで、塗膜の剥がれや色褪せが目立つようになります。防水シートが劣化すると雨水が下地に侵入しやすくなり、雨漏りリスクが高まります。防水層の劣化が進む前にメンテナンスすることが大切です。

屋根葺き替え工事の費用相場

屋根葺き替え工事は屋根全体を刷新する大規模な工事であるため、費用も高額になりがちです。屋根材の種類や施工条件によって金額は変動します。また、足場設置費用や廃材処理費用も含まれるため、総額は100万円以上になるケースが一般的です。

瓦屋根から金属屋根への葺き替え

瓦は重量があり耐震性に不安があるため、軽量なガルバリウム鋼板など金属屋根に葺き替えるケースが増えています。費用は1㎡あたり約8,000〜15,000円が目安です。既存瓦の撤去費用や廃材処分費も発生しますが、耐久性と耐震性の向上を考えると長期的にメリットが大きいです。

スレート屋根の葺き替え

スレート屋根は比較的安価ですが、耐久年数が25〜30年程度と短めです。葺き替え費用は1㎡あたり約7,000〜12,000円が一般的です。軽量で施工しやすいため工期が短く済みやすい点も魅力ですが、アスベストを含む旧スレート材を撤去する場合は特別処理が必要となり、追加費用がかかることがあります。

屋根の面積・勾配による費用の違い

同じ屋根材でも、屋根の面積が大きいほど、また勾配が急なほど施工費用は高くなります。足場代や施工難易度が費用に影響します。特に3階建て以上の建物では安全対策費用が加算される場合もあり、見積もりを取る際には必ず確認しておきましょう。

屋根材ごとの葺き替え費用目安(1㎡あたり)

屋根材費用相場
スレート7,000〜12,000円
10,000〜15,000円
ガルバリウム鋼板8,000〜15,000円

屋根防水工事の費用相場

防水工事は葺き替えに比べて低コストですが、防水工法によって単価が異なります。耐久性や施工性も工法ごとに特徴があるため、選び方の参考にしましょう。一般的には50㎡程度の屋根で20〜40万円前後が目安になります。

ウレタン防水

液体状のウレタンを塗布して防水層を作る工法です。複雑な形状の屋根にも対応可能で、費用は1㎡あたり4,000〜7,000円程度です。継ぎ目がないため雨漏りリスクを抑えられますが、紫外線に弱いため定期的なトップコート塗布が必要です。

シート防水(塩ビ・ゴム)

シートを貼り付けて防水層を形成する工法で、耐久性が高くメンテナンス性にも優れます。費用は1㎡あたり5,000〜8,000円程度です。施工スピードが早いため工期を短縮できるメリットがありますが、複雑な屋根形状には不向きな場合もあります。

FRP防水

ガラス繊維を使った強靭な防水層を作る工法で、屋上やベランダなどで採用されます。費用は1㎡あたり6,000〜9,000円程度となります。軽量で強度が高いため歩行可能な屋根にも適用できますが、施工面積が広い場合はコストが高くなりがちです。

防水工法ごとの単価表

防水工法費用相場(1㎡あたり)
ウレタン防水4,000〜7,000円
シート防水5,000〜8,000円
FRP防水6,000〜9,000円

葺き替えと防水工事の選び方

どちらの工法を選ぶべきかは、建物の状態や予算、将来的なメンテナンス計画によって異なります。ここでは判断の基準を整理します。なお、専門業者に相談することで適切な提案を受けられるため、自己判断せず診断を依頼することが安心です。

工事内容・建物の状況で選ぶ

下地がまだ健全であれば防水工事で対応可能ですが、劣化が進んでいる場合は葺き替えが適しています。屋根の断熱性能を高めたい場合や、地震に備えて屋根を軽量化したい場合も葺き替えが推奨されます。

費用と耐用年数で比較

短期的な費用を抑えたいなら防水工事、長期的な耐久性を求めるなら葺き替えが良い選択です。例えば10年程度の短期的な住まいであれば防水工事、30年以上住む予定であれば葺き替えが現実的です。

リフォームか大規模修繕かで判断するケース

戸建て住宅では防水工事で対応できるケースも多いですが、マンションやビルの大規模修繕では葺き替えが選ばれることもあります。修繕積立金の状況や長期修繕計画に基づいて判断することが大切です。

施工の流れ

屋根工事を検討する際、実際にどのようなステップで進むのかを理解しておくことは安心につながります。工事の流れを知ることで、スケジュール感や費用の見通しが立ちやすくなり、トラブル防止にも役立ちます。ここでは、一般的な葺き替え工事や防水工事の流れをさらに詳しく解説します。

現地調査・診断

最初のステップは、屋根の状態を確認する現地調査です。屋根材の劣化状況や下地の傷み具合を点検し、工事の必要性を診断します。写真撮影や図面をもとに詳細な報告書を作成する業者もあります。ドローンを使った調査を行う業者も増えており、高所に上らず安全に確認できる点も安心です。

見積もり・工法の提案

診断結果に基づき、複数の工法や屋根材を比較した見積もりが提示されます。費用のほか、耐用年数や施工期間、保証内容も確認して判断することが大切です。信頼できる業者は複数の選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットを説明してくれます。工法によっては補助金や助成金が利用できる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

施工開始(葺き替え/防水工事)

工事が決まると足場を設置し、安全確保を行った上で施工が始まります。葺き替えでは既存屋根材の撤去から新規屋根材の設置まで、防水工事では下地処理から防水層形成までが進められます。工期は工事内容や屋根の規模によって異なりますが、防水工事は1週間前後、葺き替えは2〜3週間程度かかるのが一般的です。雨天時は作業が中断されるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

仕上げ・引き渡し

最終工程では仕上がりをチェックし、雨漏り検査や品質確認を行います。完了後には施工報告書や保証書が渡され、アフターサービスがスタートします。優良業者であれば、工事中の写真を提出し、どのような作業が行われたかを施主にわかりやすく説明してくれます。引き渡し後も定期点検やメンテナンスが提供される場合が多く、長期的に安心できる体制が整います。

信頼できる業者選びのポイント

屋根工事は高額な投資になるため、業者選びを慎重に行うことが重要です。以下のポイントを確認すると失敗を防げます。実績や保証だけでなく、担当者の対応や説明の丁寧さも信頼性を判断する材料になります。

施工実績の確認

過去にどのような工事を手掛けてきたかを確認することで、その業者の得意分野や信頼性を判断できます。施工事例や口コミをチェックすると安心です。特に同じ地域や同じ建物構造での施工経験があるかどうかは重要です。大規模修繕から戸建てまで幅広い実績を持つ業者は対応力が高いといえます。

見積もり内容の透明性

材料費、施工費、保証費用などの内訳が明確であるかを必ず確認しましょう。あいまいな見積もりは、後々の追加費用やトラブルにつながります。優良業者は見積書に単価や数量をしっかり明記し、質問にも誠実に答えてくれます。複数社から相見積もりを取ることで、価格やサービス内容を比較しやすくなります。

保証内容とアフターサービス

工事後の保証がどの範囲まで対応しているか、期間はどれくらいかを確認します。雨漏りや施工不良が発生した際にすぐ対応できる体制がある業者が望ましいです。保証期間は10年程度が一般的ですが、業者によって差があるため契約前に必ず確認しましょう。定期点検や無償補修が含まれているかも大切なポイントです。

よくある質問(FAQ)

屋根の葺き替えや防水工事を検討している方から寄せられる質問をまとめました。実際に多く寄せられる疑問を解消することで、安心して工事を進めることができます。

Q1:葺き替えと防水、どちらを優先すべき?

建物の状態によります。下地が健全なら防水工事で対応可能ですが、下地まで劣化している場合は葺き替えが必要です。専門業者の診断を受けることで最適な選択ができます。

Q2:葺き替え工事は何年ごとに必要?

瓦屋根は40年以上、スレートや金属屋根は30年前後が目安です。ただし地域の気候条件や使用材質によって変わります。強風や豪雪地帯では劣化が早まることもあるため、定期点検が欠かせません。

Q3:防水工事はDIYでも可能?

小規模な補修は可能ですが、全面施工は専門知識と技術が必要です。耐久性や安全性を考えると業者に依頼するのが無難です。DIYで施工した場合、短期間で再施工が必要になることも多く、結果的に費用がかさむことがあります。

Q4:工事中は住みながらでも大丈夫?

基本的に屋根工事は外部で行われるため、住みながら施工可能です。ただし足場設置の騒音や振動がある点は理解しておきましょう。工事中は窓の開閉が制限される場合もあるため、事前に生活への影響を確認しておくことが大切です。

Q5:助成金や補助金は使える?

自治体によっては耐震改修や省エネ改修を対象とした補助金が利用できる場合があります。事前に役所や施工業者に確認しましょう。また、省エネ性能を高める屋根材を選ぶと補助対象になるケースもあります。

Q6:雨天時の工事はどうなる?

基本的に雨の日は工事を中断することが多いです。無理に施工すると仕上がりに影響が出るため、安全性と品質を優先します。工期に余裕を持ってスケジュールを組むと安心です。

まとめ

屋根の葺き替えと防水工事は、どちらも建物を長期的に守るために欠かせない工事です。費用や工期、耐用年数に違いがあるため、自宅の状況や予算に合わせて選択することが大切です。信頼できる業者に相談し、適切な工法を選ぶことで、快適で安心な住環境を長く維持することができます。

屋根工事は一度行えば長期間効果を発揮する重要なメンテナンスです。適切なタイミングで施工し、アフターサービスを含めた長期的な視点で業者を選ぶことが、住まいの価値を守る第一歩となります。

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