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屋上やベランダのウレタン防水部分補修とは?費用相場・流れ・注意点を徹底解説

屋上やベランダのウレタン防水部分補修とは?費用相場・流れ・注意点を徹底解説

2025/08/20

屋上やベランダは、一年を通じて雨風や紫外線、気温差など過酷な環境にさらされています。防水層が劣化すると、雨漏りや内部構造の腐食といった深刻な問題につながるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。その中でも「ウレタン防水」は施工性や柔軟性の高さから、戸建てからマンション、ビルに至るまで幅広く採用されている防水工法です。しかし、経年劣化や施工時の不備によって、防水層にひび割れ・剥離・膨れといった症状が出ることがあります。これらの劣化が限定的であれば、全面的な塗り替えではなく「部分補修」で対応できるケースがあります。本記事では、ウレタン防水の部分補修の特徴、費用相場、施工の流れ、注意点、そして長持ちさせるコツを徹底的に解説します。これから補修工事を検討している方に役立つ情報を網羅していますので、ぜひ参考にしてください。

ウレタン防水とは?屋上・ベランダで選ばれる理由

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布して硬化させ、防水層を形成する工法です。複雑な形状にも施工できる柔軟性の高さから、屋上やベランダ、防水が求められるあらゆる建物に適用されています。その仕組みとメリットを理解することで、部分補修の有効性も見えてきます。

ウレタン防水の仕組みと特徴

ウレタン防水はローラーやコテを使って塗り重ねることで、隙間のない防水膜を作ります。この膜はシームレスであるため、つなぎ目から水が侵入する心配が少ないのが大きな特徴です。主なメリットは以下の通りです。

  • 継ぎ目のない仕上がり:防水シートのようにジョイント部がないため、施工後の弱点が少ない。
  • 柔軟性が高い:下地の伸縮や地震による動きに追従しやすい。
  • 補修性に優れる:劣化が局所的であれば部分的な塗り直しで対応可能。
  • 施工性が高い:複雑な形状や障害物が多い屋上・ベランダでも施工できる。

これらの利点から、現在も多くの住宅やマンションで採用され続けています。

他の防水工法との違い(FRP防水・シート防水との比較)

  • FRP防水:硬質な樹脂で耐摩耗性が高く、ベランダやバルコニーに多用されます。ただし硬くて伸縮性がないため、地震や温度変化による動きには弱い傾向があります。
  • シート防水:塩ビやゴム製のシートを敷設する工法。施工精度によっては非常に高い防水性能を発揮しますが、複雑な形状の場所や細部には不向きです。
  • ウレタン防水:液体を塗り重ねるため複雑な場所でも施工可能。柔軟性に優れる一方で、紫外線に弱いため定期的なトップコート塗り替えが必要です。

この比較からも分かるように、ウレタン防水は「柔軟性」「補修のしやすさ」「幅広い適応性」が大きな強みです。

部分補修が必要になる劣化症状

ウレタン防水は強固な工法ですが、経年劣化を避けることはできません。軽度の劣化であれば部分補修で済みますが、進行が進むと全面補修が必要になります。ここでは部分補修で対応可能な代表的な劣化症状を紹介します。

防水層の剥離

防水層が下地から浮いてしまう現象です。主に施工不良や長期間の紫外線・水分の影響によって発生します。小規模であれば補修可能ですが、放置すると水が侵入し下地腐食へとつながります。

ひび割れや膨れ

気温変化や紫外線による収縮・膨張で発生するケースが多いです。ひび割れが細かく浅いものであれば補修で対応できますが、構造にまで影響するような大きな亀裂は全面塗り替えが必要です。

水はけ不良や排水口まわりの劣化

屋上・ベランダは勾配が緩やかで水が溜まりやすいため、排水口周辺から劣化が進行しやすいです。軽度の劣化なら部分補修で改善できますが、水が常に滞留する環境では繰り返し劣化しやすいため、施工方法の見直しが必要になることもあります。

劣化を放置するとどうなる?雨漏り・カビ・構造劣化のリスク

「少しのひび割れだから大丈夫」と放置してしまうと、時間の経過とともに被害は拡大していきます。ここでは、放置による具体的なリスクを整理します。

建物内部のダメージ

雨漏りが進行すると、防水層の下にある断熱材が濡れたり、鉄筋が錆びたりして構造耐久性に影響します。最悪の場合、建物の寿命そのものを縮めることにもなりかねません。

カビやシロアリの発生

湿気はカビの温床となるだけでなく、木造部分がある建物ではシロアリ被害を招く可能性もあります。健康リスクや修繕費用の大幅増加を避けるためにも、早期対応が肝心です。

資産価値の低下

外観の劣化や雨漏りがある物件は、賃貸需要や売却価格に大きなマイナス影響を与えます。資産価値を守るためにも、定期的な点検と補修は不可欠です。

部分補修と全面塗り替えの違い

劣化が軽度か重度かによって「部分補修」と「全面塗り替え」を選択する必要があります。それぞれの違いを具体的に比較してみましょう。

項目部分補修全面塗り替え
対象範囲限定的(局所的なひび割れ・剥離)全体的に劣化が広がっている場合
費用安価(3,000〜5,000円/㎡程度)高額(5,000〜7,000円/㎡程度)
工期短い(2〜5日程度)長い(2〜4週間程度)
耐久性中程度(約5年持続)高い(約10〜12年持続)
メリット工期と費用を節約可能長期的に安心、建物の寿命延長
デメリット再劣化リスクが高い費用と工期の負担が大きい

結論として、部分補修は応急的・短期的な解決策として有効ですが、下地の腐食がある場合や劣化範囲が広い場合は全面塗り替えを検討すべきです。

ウレタン防水部分補修の費用相場

補修費用は建物規模や劣化範囲によって異なります。あらかじめ相場を知っておくと、業者選びや見積もり比較がスムーズになります。

1㎡あたりの単価

ウレタン防水の部分補修は、1㎡あたり3,000〜5,000円程度が相場です。小さなひび割れや剥離なら比較的安価で済みます。

付帯費用(調査費・養生費・材料費)

  • 調査費:5,000〜10,000円(劣化診断に必要)
  • 養生費:1,000〜2,000円/㎡(周囲を保護するため)
  • 材料費:2,000〜3,000円/㎡(補修用ウレタン材など)

これらが追加されるため、実際の工事費用は見積書の内容を細かく確認することが大切です。

全面塗り替えとの費用比較

全面塗り替えでは5,000〜7,000円/㎡が相場で、部分補修の約2倍かかります。ただし耐久性が長く、再補修の必要が少ないため、長期的に見ればコストパフォーマンスが高い場合もあります。

ウレタン防水部分補修の施工手順と工期

実際の工事がどのように進むのかを知っておくと、施工中の不安が軽減されます。ここでは一般的な流れと工期目安を紹介します。

調査

まず劣化範囲や下地状況を詳しく調査します。目視に加え、打診や赤外線調査を行う場合もあり、劣化の深刻度を把握する重要な工程です。

養生

補修範囲の周囲をビニールシートやテープで覆い、施工中に汚れや塗料が広がらないようにします。居住者や利用者の安全を確保する意味でも重要な作業です。

下地処理

下地にひびや汚れが残っていると補修材が密着しません。高圧洗浄、研磨、プライマー塗布などを行い、下地を整えます。

補修

ウレタン材を充填・塗布し、防水層を復元します。小さな剥離部分でも丁寧に処理することで、補修の効果が長持ちします。

塗装・仕上げ

下塗り・中塗り・上塗りの3層構造に加え、トップコートを施工することで耐久性が高まります。乾燥には数日を要し、その間は雨水が当たらないよう養生を続けます。

工期目安:部分補修であれば2〜5日程度、全面塗り替えであれば2週間〜1ヶ月程度が目安です。

ウレタン防水部分補修の注意点と業者選びのポイント

部分補修は費用を抑えつつ効率よく雨漏りを防ぐ有効な手段ですが、施工には注意点が数多く存在します。また、施工を依頼する業者選びを間違えると補修効果が十分に得られず、再施工のリスクが高まります。ここでは、注意点と業者選びのポイントを詳しく解説します。

劣化症状の程度や範囲を正確に把握する

劣化の程度や範囲を誤って判断すると、必要以上に補修を行ったり逆に不十分な補修で終わってしまう恐れがあります。施工前には必ず専門業者による詳細な調査を受け、写真付きの診断報告をもらうようにしましょう。

下地の状態を確認する

防水層の下にある下地がすでに腐食や劣化を起こしている場合、部分補修だけでは問題を解決できません。下地処理の有無や方法を確認し、適切に施工できる業者を選ぶことが重要です。

適切な材料を使用する

劣化症状や下地の状態によって適した材料は異なります。安価な材料や施工の簡略化は短期的に費用を抑えられても、早期劣化につながります。見積書の材料欄を確認し、正規の防水材を使っているかをチェックしましょう。

DIYは避けるべき

DIYによる防水補修は一見コスト削減につながりそうですが、施工不良を起こす可能性が高く、再施工時には余計な費用が発生することが多いです。防水は専門的な技術が必要なため、必ず業者に依頼しましょう。

信頼できる業者を見極めるポイント

  • 過去の施工実績が豊富か(特に同規模の建物での施工経験)
  • 写真や事例を公開しているか
  • 見積もりが明細化されていて不透明な項目がないか
  • 施工保証やアフターサービスが整っているか
  • 担当者が施工方法や注意点を丁寧に説明してくれるか

ウレタン防水を長持ちさせるメンテナンス方法

部分補修後も正しいメンテナンスを行わなければ、防水層の寿命は短くなります。ここでは、ウレタン防水を長持ちさせるための具体的なメンテナンス方法を紹介します。

トップコートの定期塗り替え

ウレタン防水は紫外線に弱いため、表面を保護するトップコートを定期的に塗り替える必要があります。目安は5年に1回程度で、これにより防水層本体の劣化を遅らせられます。

排水口の清掃

屋上やベランダは排水口にゴミや落ち葉が詰まりやすく、水が滞留すると防水層が劣化します。定期的な清掃で水はけを確保しましょう。

定期点検の実施

劣化は初期段階であれば部分補修で対応できますが、放置すると全面補修が必要になります。少なくとも年に1回は専門業者に点検を依頼し、早期に対応することが重要です。

使用環境に応じた対策

屋上を駐車場や物置として使用している場合、荷重や摩耗により防水層の劣化が早まります。利用状況に合わせて適切な保護材や追加施工を検討することも長寿命化につながります。

まとめ|部分補修と全面補修の判断基準と次のステップ

ここまで、ウレタン防水の部分補修について解説してきました。最後に重要なポイントを整理し、読者が次に取るべき行動をまとめます

  • ウレタン防水は柔軟性・施工性が高く、部分補修が可能な工法。
  • 劣化症状が限定的なら部分補修で費用と工期を抑えられる。
  • 劣化が広範囲や下地腐食がある場合は全面塗り替えが必要。
  • 費用相場は部分補修で3,000〜5,000円/㎡、全面補修で5,000〜7,000円/㎡程度。
  • 補修後はトップコート塗り替えや排水口清掃、定期点検で寿命を延ばせる。

まずは信頼できる業者に劣化状況の診断を依頼することが第一歩です。複数社から見積もりを取り、費用や施工方法を比較することで納得のいく選択ができます。建物の資産価値を守るためにも、早めの対応を心がけましょう。

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