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モルタル外壁塗装の完全ガイド|劣化のサインから施工手順・費用までわかりやすく解説

モルタル外壁塗装の完全ガイド|劣化のサインから施工手順・費用までわかりやすく解説

2025/07/31

外壁塗装は建物の美観を保つだけでなく、住まいの寿命を延ばすうえでも重要なメンテナンスです。中でも「モルタル外壁」は、日本の住宅に古くから多く採用されてきた外壁材ですが、ひび割れやチョーキングといった劣化症状が現れやすく、定期的な塗装が不可欠です。本記事では、モルタル外壁の特徴や劣化のサイン、適切な塗料の選び方、施工手順、費用相場、業者選びのポイントまで、外壁塗装を検討するうえで知っておきたい情報をわかりやすく解説します。

モルタル外壁塗装とは?特徴とメンテナンスの重要性

モルタル外壁は、セメント・砂・水を練り混ぜて形成される外壁仕上げ材であり、日本の住宅では昭和期から平成初期にかけて非常に多く採用されてきました。

モルタル外壁塗装のメリットとデメリット

モルタル外壁には次のような特徴があります。利点だけでなく、注意点も押さえておきましょう。

特徴内容
耐火性不燃性のセメントを使用しているため、火災時の延焼リスクが低い
加工性現場で自由に形状や模様を付けられ、デザインの自由度が高い
重量重量があるため耐震性を確保するには構造計算が必要
ひび割れやすさ湿気や乾燥、温度差で収縮しやすく、クラック(ひび割れ)が発生しやすい

モルタル外壁は、見た目の仕上がりや防火性能に優れていますが、経年による劣化や割れが発生しやすいため、定期的な塗装や補修によるメンテナンスが求められます。

日本での普及状況と注意点

モルタル外壁は、特に1960年代〜90年代にかけて全国的に広まりました。リシン仕上げ、スタッコ仕上げ、吹き付けタイルなど、バリエーションも多彩です。最近では軽量で耐久性のある窯業系サイディングが主流となっていますが、既存住宅の多くには依然としてモルタル外壁が使われており、修繕や塗装のニーズは根強く残っています。

モルタル外壁塗装の劣化症状とその原因

モルタル外壁は、丈夫ではあるものの、外的環境の影響を長期間受けることで劣化が進行します。ここでは、よく見られる劣化のサインとその原因について解説します。

代表的な劣化症状と影響

以下のような症状が見られた場合、塗装による補修が必要です。

劣化症状説明とリスク
ひび割れ(クラック)地震・乾燥・熱膨張などにより割れが発生し、水の侵入によって内部の腐食や雨漏りの原因に
チョーキング紫外線により塗膜が劣化し、粉状になる現象。防水性が低下し、見た目も劣化して見える
塗膜の剥がれ塗料の密着不足や経年劣化により剥離が起こる。再塗装のサイン
色あせ・汚れ紫外線や排気ガス・雨によって美観が損なわれ、放置すると劣化が進行しやすくなる

これらのサインを放置すると、美観の問題だけでなく、外壁材内部に水が浸透して腐食を引き起こすおそれがあるため注意が必要です。

劣化を招く環境要因とは?

モルタル外壁の劣化を早める主な原因には、以下のような外的要因があります。

  • 紫外線:太陽光による塗膜の分解が進み、表面の劣化が加速します。
  • 雨・湿気:降雨や湿気の影響で塗膜やモルタルが水分を含み、劣化やカビの発生を招きます。
  • 温度変化:昼夜・季節の温度差により膨張と収縮を繰り返すことで、ひび割れが生じやすくなります。
  • 地震や振動:小さな地震や交通振動も継続的に負荷をかけ、クラック発生の要因になります。

これらの影響を受け続けることで、モルタル外壁は徐々に劣化していきます。見た目の変化だけでなく、構造的な劣化へとつながるリスクもあるため、早めの対応が大切です。

モルタル外壁塗装が必要なタイミングとチェックポイント

劣化を見逃さず、適切なタイミングで再塗装を行うことで、モルタル外壁の耐久性を保つことができます。では、どのような症状が出たときに塗装が必要になるのでしょうか?

主な塗り替えサイン

チェック項目内容
外壁を触ると白い粉がつくチョーキング現象。塗膜が劣化して防水性が低下しているサイン
細かいひび割れが目立つモルタルが乾燥や振動で収縮し、クラックが発生している可能性
塗装が一部剥がれている塗膜が密着しておらず、外壁の保護機能が損なわれている状態
全体的に色がくすんで見える紫外線や雨で塗膜の色素が劣化し、美観が低下している証拠

上記のサインが複数当てはまる場合は、10年以上塗装していない住宅を中心に塗り替えの検討が必要です。

モルタル外壁塗装の施工手順と注意点

モルタル外壁塗装を成功させるには、塗料の選定だけでなく、下地処理や塗装工程の質が非常に重要です。このセクションでは、実際の施工手順を段階ごとにわかりやすく解説します。

施工前の準備と下地調査

施工は、まず建物の状態を正しく把握するところから始まります。モルタル外壁は劣化の進行度によって最適な処置が異なるため、専門家による事前調査が推奨されます。

  • 目視点検・打診検査:外壁表面のひび割れや剥離、チョーキングの有無を確認
  • 含水率測定:水分が多すぎると塗料が密着せず、塗装不良につながる
  • 既存塗膜の確認:前回使用された塗料の種類や状態を把握し、適切な下地処理計画を立てます

診断結果をもとに、補修や塗装工程を決めていきます。

足場の設置と養生

作業の安全性と品質を確保するためには、足場の設置が不可欠です。次のような工程を経て、準備を進めます。

作業内容解説
足場の組立高所作業を安全に行うための仮設足場を設置
飛散防止シート設置塗料の飛び散りから近隣への配慮や作業環境の保護
養生作業サッシや窓、植栽など塗装しない部分をビニールやテープで保護

この段階で準備を怠ると、塗料が意図しない場所に付着し、トラブルの元になるため丁寧な作業が求められます。

モルタル外壁塗装の品質を高めるには|下地処理が成功の鍵

塗装前の「下地処理」は、最も重要な工程といっても過言ではありません。モルタル外壁はひび割れや中性化などのダメージを受けやすいため、以下の処理を丁寧に行う必要があります。

高圧洗浄による汚れ除去

まず、外壁表面に付着した汚れやコケ、カビ、古い塗膜の劣化粉を高圧洗浄で取り除きます。これにより、塗料の密着性が格段に向上します。洗浄後は十分な乾燥時間を設けることが重要です。

クラック補修と素地調整

ひび割れ部分には、補修用の弾性シーリング材や樹脂モルタルを用いて補修を施します。また、欠損部や段差がある場合は研磨やパテ処理で平滑に整えます。特にモルタル外壁は下地の凸凹が仕上がりに大きく影響するため、丁寧な処理が必要です。

モルタル外壁塗装の3工程

下地処理後、いよいよ塗装工程に入ります。外壁塗装は通常、以下の3ステップで行われます。

モルタル外壁塗装の工程|1. 下塗り(プライマー)

下塗りは、下地と上塗り塗料との密着性を高めるために欠かせない工程です。モルタル特有の吸水性を抑える効果もあります。素材や既存塗膜の種類に応じて、適切なプライマーを選定します。

モルタル外壁塗装の工程|2. 中塗り

中塗りでは、実際に耐久性や防水性を担う主剤塗料を塗布します。塗膜に必要な厚みを出すことで、ひび割れに強い保護層を形成します。適切な塗布量と乾燥時間を守ることが、長期耐久性の鍵です。

モルタル外壁塗装の工程|3. 上塗り

上塗りは仕上げの工程で、美観と耐候性を高めます。艶や色味の最終調整もここで行われるため、仕上がりの印象を大きく左右します。塗料の重ね塗りは、1日1工程が基本。乾燥時間をしっかり取ることでトラブルを防ぎます。

モルタル外壁塗装の塗料選び|種類とその選び方

塗料の種類によって、耐用年数やメンテナンスサイクルが大きく変わります。特にモルタル外壁は、アルカリ性が強いため、それに適した塗料を選ぶことが重要です。

塗料別の比較表

塗料の種類や特徴を表にまとめています。

塗料の種類耐用年数特徴価格目安(㎡あたり)
アクリル塗料5〜7年安価だが耐久性は低め1,000〜1,500円
ウレタン塗料7〜10年柔軟性があり小さなクラックに追従1,800〜2,500円
シリコン塗料10〜13年コスパと耐久性のバランスが良い2,000〜3,000円
フッ素塗料15〜20年高耐久・高耐候性3,500〜4,500円
無機塗料20年以上紫外線や汚れに最も強いが高額4,000〜5,500円

モルタル外壁におすすめの塗料

  • シリコン塗料:費用と耐久性のバランスが良く、モルタル外壁との相性も優れています。
  • 弾性塗料(微弾性フィラー):細かいひび割れに追従しやすく、ひび割れの再発を防止。
  • 通気性のある塗料:湿気を逃がす透湿性タイプは、日本の高湿環境に特に有効です。

モルタル外壁塗装はDIYと業者依頼のどちらが良い?

最近ではDIY塗装も人気ですが、モルタル外壁に関しては専門知識が必要なため、慎重な判断が求められます。

DIYの特徴

メリットデメリット
費用が抑えられる下地処理や塗料選びに失敗しやすい
好きな時間に作業できる足場が必要な高所作業は危険
工程を自分で把握できる施工不良による再発リスクが高い

業者依頼の特徴

  • 足場・下地処理・塗装までトータルで対応
  • 保証制度があるため安心
  • 塗料や施工法の提案力が高い
  • トラブル時の迅速な対応が可能

結論:安全性・仕上がり・耐久性を重視するなら、プロによる施工が断然おすすめです。

モルタル外壁塗装の費用相場と内訳

外壁塗装を検討する際、最も気になるのが「費用」です。ここでは、モルタル外壁塗装の費用相場とその内訳について、施工面積や塗料の種類別にわかりやすく解説します。

費用相場の目安

一般的な30坪の戸建住宅(外壁面積約150㎡)を基準としたモルタル外壁塗装の費用相場は、以下の通りです。

塗料の種類㎡単価総額の目安(150㎡)
アクリル塗料1,000〜1,500円約15万〜22.5万円
ウレタン塗料1,800〜2,500円約27万〜37.5万円
シリコン塗料2,000〜3,000円約30万〜45万円
フッ素塗料3,500〜4,500円約52.5万〜67.5万円
無機塗料4,000〜5,500円約60万〜82.5万円

※上記は塗装工事のみの概算です。足場設置費用・補修費・下地処理・養生などは別途加算されるため、実際の総額は+20〜30万円前後になることが多いです。

見積もりの内訳とチェックポイント

見積書を比較する際は、単に総額だけでなく以下の項目に注目しましょう。

  • 塗料名・メーカーが明記されているか
  • 塗装回数(下塗り・中塗り・上塗りの3回が基本)
  • 下地補修の内容と数量
  • 足場・高圧洗浄・養生などの工程が含まれているか

安価な見積もりの中には、必要な工程を省いたり、粗悪な塗料を使用するケースもあるため注意が必要です。

モルタル外壁塗装で業者を選ぶポイント

塗装工事の仕上がりと耐久性は、業者選びで大きく左右されます。信頼できる施工業者を見極めるためのポイントを解説します。

業者選びのチェックリスト

チェック項目確認ポイント
現地調査と診断の丁寧さ写真付きの報告書や劣化説明があるか
明細付き見積書の提示各項目が分かりやすく記載されているか
使用塗料の明記メーカー名・グレード・塗布量が明確か
施工実績の開示モルタル外壁の経験が豊富かどうか
保証とアフター対応工事保証や定期点検の体制があるか

これらの項目を満たす業者であれば、信頼して施工を任せられる可能性が高いです。

悪質業者に注意

以下のような業者には注意が必要です。

  • 相場より極端に安い価格を提示
  • 契約を急かす営業トーク
  • 説明があいまいで見積書が簡素
  • 下請け任せで責任を明確にしない

複数業者から相見積もりを取り、冷静に比較検討することが失敗を防ぐカギです。

モルタル外壁塗装でよくある質問(FAQ)

外壁塗装を検討する方が抱きやすい疑問に、Q&A形式でお答えします。

Q1. モルタル外壁の塗り替えは何年ごとが理想ですか?

A. 一般的には10〜15年ごとが目安です。ただし、地域の気候条件や使用塗料によっては、7〜8年で再塗装が必要なケースもあります。定期的な点検が最も重要です。

Q2. モルタルのひび割れはすぐに塗装しても大丈夫?

A. いいえ。ひび割れは必ず補修してから塗装を行う必要があります。ひびの深さや幅によって補修材が異なるため、事前の調査が不可欠です。

Q3. 外壁にチョーキング現象が出たらすぐ塗装すべきですか?

A. チョーキングは塗膜の劣化サインですが、すぐに水が浸入するほどではありません。ただし、防水性は低下しているため、数年以内には塗装を検討した方が良いでしょう。

Q4. DIYでモルタル外壁の塗装は可能ですか?

A. 小面積であれば可能ですが、下地処理や安全面を考えるとあまりおすすめできません。特に高所作業やクラック補修には専門技術が求められます。

Q5. モルタルに最適な塗料はどれですか?

A. 弾性機能を持つシリコン塗料や微弾性フィラーがおすすめです。紫外線に強い塗料や透湿性のある塗料を選ぶと、ひび割れ対策と耐久性の両立が可能です。

モルタル外壁塗装は早めの対処と業者選びがカギ|まとめ

モルタル外壁は、日本の住宅において長年親しまれてきた外壁仕上げ材ですが、その反面、ひび割れやチョーキングなどの劣化リスクが高いため、定期的な点検と塗装が欠かせません。
塗料選びや施工工程の理解も大切ですが、最も重要なのは信頼できる業者に依頼することです。診断から見積もり、施工後のアフターサポートまで一貫して任せられる業者であれば、長期的に安心して住まいを守ることができます。

また、塗装費用は使用する塗料や建物の状態によって大きく変動するため、相見積もりを取って、工程や価格の違いを比較することが大切です。
外壁に少しでも劣化の兆候が見られたら、早めの調査と対策を検討してみてください。適切なメンテナンスを行うことで、住まいの寿命を大きく延ばすことができます。

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