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マンション屋上防水の内容とは?|施工範囲・工法・費用・注意点を詳しく解説

マンション屋上防水の内容とは?|施工範囲・工法・費用・注意点を詳しく解説

2025/07/31

マンションの屋上防水工事は、建物の健全性を維持するために不可欠なメンテナンスのひとつです。しかし「屋上防水の内容」と言われても、具体的にどのような作業が行われるのか、施工対象はどこまでなのか、分かりづらい方も多いのではないでしょうか。本記事では、マンション屋上防水の基本的な役割から、実際の施工範囲・工程・採用される工法の種類、費用の内訳、注意点や管理者が押さえておくべきポイントまでをわかりやすく解説します。「屋上防水の内容」を正しく理解することで、トラブルを未然に防ぎ、適切な工事判断につなげていただければ幸いです。

マンション屋上防水とは何か?

マンション屋上防水とは、建物の最上部にあたる屋上からの雨水侵入を防ぎ、建物の構造や内部設備を保護するために行う防水工事のことです。特にマンションのような集合住宅では、屋上の防水性能が居住者全体の快適性や資産価値に直結するため、極めて重要な工事です。また、共用部分である屋上は管理組合の責任のもとで維持管理されるため、計画的な修繕や改修工事が不可欠です。

屋上防水の目的と重要性

  • 雨漏り防止:雨水の侵入を防ぐことで、天井や壁のシミ・腐食・カビ発生を回避します。
  • 構造保護:鉄筋コンクリートの中性化や鉄筋腐食を防止し、建物の耐久性を保ちます。
  • 資産価値維持:劣化による修繕費の増加や売却価格の低下を防ぎ、資産価値を維持します。
  • 居住環境の向上:雨水トラブルの予防により、住民の安心感や満足度が向上します。

なぜマンションに屋上防水が必要なのか

マンションは戸建て住宅と異なり、屋上の防水不良が多くの住戸に被害を及ぼすリスクがあります。共用部分であるため、修繕責任は管理組合にあり、全体としての合意形成と計画的な実施が求められます。また、屋上の劣化は排水機能の低下や建物内部の電気設備への影響を及ぼすこともあり、防水対策を怠ると非常に深刻な二次被害に発展する恐れがあります。

屋上防水工事が対象とする部位と施工範囲

  • 平面部(屋上床面)
  • 立ち上がり部(外壁との接合部)
  • パラペット笠木、手すり根元
  • ドレン(排水口)や脱気筒まわり
  • 点検口、避雷針の基部
  • 設備基礎部の処理(室外機など)

これらすべてが「防水工事の内容」に含まれ、部分的に手抜きがあると全体の性能が損なわれます。特にドレンまわりや立ち上がり部などの細部の施工が不十分だと、わずかな隙間からでも雨水が浸入し、重大な雨漏りトラブルにつながります。

マンション屋上防水工事の具体的な施工内容

屋上防水工事は、単に防水材を塗るだけではありません。調査・診断から完了検査まで、複数の工程で構成され、各ステップで専門知識と確かな施工技術が求められます。

調査・診断の内容

  • 防水層の劣化状況調査(ひび割れ、膨れ、シミなど)
  • 赤外線カメラや打診による水分侵入確認
  • 排水性能の確認、ドレンまわりの点検
  • 立ち上がり部や配管周辺の劣化検査
  • ドローンや目視による屋上全体の状況把握

これらの調査結果をもとに、施工計画や使用材料、工法が決定されます。

既存防水層の撤去と下地処理

  • 旧防水層の除去(部分撤去または全面撤去)
  • クラック補修や不陸調整
  • モルタル処理・凹凸の修正作業
  • プライマー塗布による接着性確保

下地の状態によっては補修材や下地補強布などを追加するケースもあります。

新規防水層の施工

選定された防水工法に応じて、以下のような作業が行われます:

  • ウレタン塗布、FRP樹脂施工、シート貼付など
  • 通気緩衝シートや脱気筒の設置(通気工法の場合)
  • 防水層の厚みの確保と均一な仕上がりの調整
  • 重ね施工部位のジョイント処理(シート防水)

施工中は天候や気温の変化に応じた対応も求められ、乾燥・硬化時間の管理も重要です。

保護仕上げ・防滑処理・点検口などの付帯工事

  • トップコートの塗布(紫外線保護)
  • 防滑仕上げ(メンテナンス時の安全性)
  • 点検口の補修、笠木や手すり根元の処理
  • 隅部・段差・立ち上がり部の仕上げ処理
  • 安全柵や避雷針支柱との取り合い部の処理

これらの処理が甘いと、美観の劣化や漏水リスクが残るため、最後まで丁寧な施工が求められます。

完了検査と報告書提出

  • 雨水侵入の最終確認
  • 写真付き報告書と保証書の発行
  • 施工箇所の仕上がり確認と微調整
  • 保証期間やメンテナンス推奨時期の説明

報告書は管理組合にとって今後の維持管理に役立つ重要な資料となるため、内容の精度や写真の記録も重視されます。

屋上防水で採用される主な工法とその違い

屋上防水には複数の工法があり、それぞれに特徴と施工内容の違いがあります。マンションの立地条件、屋上の形状、耐用年数の希望、予算などを踏まえて最適な工法を選定することが大切です。

ウレタン防水

  • 内容:液状のウレタン樹脂を塗布し、防水層を形成する工法です。
  • メリット:複雑な形状にも対応可能、つなぎ目がない一体成型、防水層の補修が容易。
  • デメリット:紫外線に弱くトップコート必須、乾燥時間が必要。

FRP防水

  • 内容:ガラス繊維で補強したプラスチック樹脂(FRP)を使用する工法。
  • メリット:高耐久、軽量、短工期。耐薬品性にも優れる。
  • デメリット:施工には高度な技術が必要。硬化後のひび割れ対策が重要。

塩ビシート防水

  • 内容:塩化ビニル製のシートを貼り合わせて防水層を作る。
  • メリット:施工が早く、耐候性が高い。工場製品のため品質が安定している。
  • デメリット:シートの継ぎ目の処理が甘いと漏水リスクあり。デザイン性に制約がある。

アスファルト防水

  • 内容:アスファルトを加熱溶融し積層する、伝統的な工法。
  • メリット:実績が豊富で信頼性が高い。厚膜で耐久性がある。
  • デメリット:施工に火気を使うため安全管理が必要。臭気と重量の課題あり。

工法比較表(簡易)

工法耐久性コスト工期メンテ性適用範囲
ウレタン防水複雑形状に強い
FRP防水小規模〜中規模屋上
塩ビシート防水広い屋上向き
アスファルト防水実績重視・大型案件

屋上防水工事の内容に含まれる付帯作業とは

屋上防水工事は防水層の施工だけでなく、周辺設備や関連部分の処理もセットで行われるのが一般的です。

主な付帯作業の例

  • 笠木(パラペット)や手すり根元の防水処理
  • ドレン・脱気筒の補修や交換
  • 設備基礎の防水巻き込み処理
  • 点検口まわりの収まり調整
  • 雑排水・電気配管の貫通部シーリング

これらの処理を省略・簡易化すると、せっかくの防水工事の効果が台無しになることもあるため、見積書内で「付帯作業」がどう記載されているかも確認が必要です。

屋上防水工事の費用構成と相場

防水工事費用は、防水面積だけでなく工法や施工条件、付帯作業の有無によっても大きく変動します。

一般的な費用の内訳

  • 材料費(防水材、下地材、プライマー、トップコート等)
  • 人件費(職人の工数、現場管理者)
  • 仮設費(足場、養生、搬入出費など)
  • 処分費(既存防水層の撤去・廃材処分)
  • 諸経費(報告書作成、交通費、事務管理費等)

マンション屋上での防水工事は、相場として1㎡あたり5,000〜8,000円前後が目安ですが、100㎡以上の場合はボリュームディスカウントが効く場合もあります。

屋上防水工事の内容に関するよくある誤解

  • 誤解1:表面を塗るだけで防水できる → 実際には下地処理やプライマー、トップコート、付帯部処理など多段階の工程が必要です。
  • 誤解2:屋上全体に均一に施工されていれば安心 → ドレンや立ち上がり部など、弱点部位の処理が甘いと漏水リスクは依然高いままです。
  • 誤解3:工事後は放っておいてよい → 保証期間内でも、点検・メンテナンスを継続することで寿命を大きく延ばせます。

まとめ|屋上防水の“内容”を理解することが工事成功の第一歩

マンションの屋上防水工事は、単なる塗装ではなく、調査・下地処理・工法選定・付帯作業・完了検査までを含んだ高度な工事です。その内容を理解し、適切に比較・判断することが、住民全体の安心と建物価値の維持に直結します。見積書や報告書を精査し、信頼できる業者とともに“内容を把握したうえでの”納得のいく工事を進めましょう。

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