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ウレタン防水通気緩衝工法とは?効果・施工・費用を徹底解説

ウレタン防水通気緩衝工法とは?効果・施工・費用を徹底解説

2025/07/30

建物の防水対策として広く採用されているウレタン防水。その中でも「通気緩衝工法」は、下地の湿気対策に優れた特性を持ち、日本の多湿な環境下において非常に有効な工法として注目されています。本記事では、通気緩衝工法の基本から施工方法、費用、他工法との比較、メリット・デメリットまで詳しく解説します。

通気緩衝工法とは?ウレタン防水との関係と基本知識

通気緩衝工法は、防水層の下に通気層を設けて湿気を排出しやすくすることで、防水層の膨れや剥離を防ぐ工法です。ウレタン防水と組み合わせることで、複雑な形状にも対応しつつ、高い耐久性と仕上がりの美しさを両立できます。

ウレタン防水と密着工法の違い(比較表)

項目通気緩衝工法密着工法
湿気対応強い弱い(下地に依存)
下地適応力高い中程度
膨れ・剥離のリスク低い高い
費用中〜高低〜中
適用箇所屋上・バルコニー・ベランダベランダなど乾燥下地

湿気の多い環境や既存下地が不安定な場合は、通気緩衝工法の方が安全性・長期的な耐久性で優れています。

通気緩衝工法が適している場所と建物の特徴

通気緩衝工法は、特に以下のような条件を満たす場所で有効です。

  • 雨風にさらされやすい屋上やバルコニー
  • 勾配の少ない陸屋根
  • 改修工事で旧防水層を撤去しない現場
  • 湿気が残りやすい構造の建物(RC造・ALCなど)

適合しやすい建物例

  • マンションやアパートの屋上
  • 戸建住宅のベランダ・バルコニー
  • 商業施設の陸屋根

施工前に確認すべきポイント

施工の成否を左右するのは、実は事前準備にかかっています。特に通気緩衝工法の場合、以下の点を確認する必要があります。

  • 下地の劣化状態:ひび割れ、浮き、脆弱箇所の有無をチェック
  • 湿気量の計測:含水率が高すぎると施工不良につながるため、必要に応じて水分計でチェック
  • 旧防水層の状態:撤去の有無、下地との密着状況、撤去しない場合のケレン作業の必要性

これらの確認を怠ると、通気緩衝工法の持つ性能を発揮できず、再施工が必要になる恐れもあります。

ウレタン防水通気緩衝工法の施工工程

施工工程は以下のようなステップで進行します。

  1. 高圧洗浄:下地の汚れや古い塗膜を除去し、密着性を確保
  2. 下地補修:ひび割れ・欠損箇所を補修し、平滑化
  3. プライマー塗布:接着力を高めるための前処理剤を塗布
  4. 通気シート貼付:防水層の下に湿気を逃がす層を施工
  5. 脱気筒設置:下地から発生する水蒸気を逃がすための筒状パーツを設置
  6. ウレタン防水層塗布:2〜3層に分けて樹脂を塗布し、厚みを確保
  7. トップコート仕上げ:防水層を紫外線や風雨から保護

各工程での品質管理が、防水性能と耐久年数を左右します。

ウレタン防水通気緩衝工法費用と施工単価の目安

ウレタン防水通気緩衝工法の費用は、使用する材料や施工規模、下地の状態によって変動します。ここでは、一般的な単価目安と具体的な施工面積別のシミュレーションを紹介します。

単価目安(㎡あたり)

工程単価目安(円/㎡)
高圧洗浄200〜300
下地補修500〜1,000
プライマー塗布300〜500
通気シート設置700〜1,000
ウレタン塗布2,000〜3,000
トップコート仕上げ500〜800
合計(概算)約4,200〜6,600円/㎡

※脱気筒は1本あたり3,000〜5,000円(20〜30㎡に1本が目安)

面積別施工費の例

施工面積概算費用(税抜)
50㎡約21万〜33万円
100㎡約42万〜66万円
200㎡約84万〜132万円

他の防水工法との比較

以下の表は、代表的な防水工法と通気緩衝工法を比較したものです。

比較項目通気緩衝工法密着工法シート防水アスファルト防水
湿気対応
下地適応力
施工難易度
工期
耐久年数15〜20年10〜15年10〜12年15〜20年
費用相場中〜高低〜中
美観◎(シームレス)

通気緩衝工法は、「下地が不安」「雨漏り再発リスクがある」「見た目も重視したい」といった現場に最適です。

メリットとデメリット

ウレタン防水通気緩衝工法には、以下のような特徴があります。

メリット(表+解説)

特徴内容
湿気を逃がす構造通気層+脱気筒で湿気を外部排出し、膨れ・剥離を防止
高い密着性プライマー+ウレタン樹脂で下地に密着しやすい
柔軟な対応力複雑な形状にも施工できる
美観性継ぎ目のないシームレス仕上げが可能

デメリット

課題内容
施工難易度が高い熟練職人による正確な施工が必要
費用が高め材料・手間が多いため、他工法より高コストになることがある
脱気筒の設置制限意匠性を損なう場合や、設置場所が限られる場合もある

施工後の注意点とメンテナンス

通気緩衝工法を長く活かすためには、施工後のメンテナンスも重要です。

  • トップコート再塗装:5〜7年を目安に再塗装
  • 定期点検:年1回の目視点検・3年ごとの専門点検が推奨
  • 排水口や脱気筒の確認:落ち葉やゴミの詰まりに注意
  • シートの浮き・剥がれの早期発見:異常箇所は早めの補修がコスト低減につながる

よくある質問(FAQ)

Q1. 通気緩衝工法はどんな建物に向いていますか?
A. 雨水の影響を受けやすい屋上やベランダ、既存防水層が残る改修工事で特に効果を発揮します。

Q2. 密着工法と迷っています。どう選べば?
A. 下地に湿気が多い・旧防水層を撤去できない場合は通気緩衝工法が安全です。費用を抑えたいなら密着工法も選択肢になります。

Q3. 脱気筒はなぜ必要なのですか?
A. 下地から出る水蒸気を逃がすためで、膨れ・剥離を防ぐ効果があります。省略すると通気緩衝の意味がなくなります。

Q4. 通気緩衝工法はDIYできますか?
A. 非推奨です。高度な技術と機材が必要なため、必ず専門業者に依頼しましょう。

Q5. 保証期間はどれくらいですか?
A. 施工会社によりますが、一般的には5年〜10年保証が主流です。契約前に確認を。

まとめ|通気緩衝工法はどんな現場に最適か?

ウレタン防水通気緩衝工法は、下地の湿気や劣化に強く、再防水や複雑な形状にも柔軟に対応できる優れた防水工法です。

  • 湿気・膨れ対策が必要な現場
  • 長期耐久性と美観を両立したいケース
  • 改修工事で旧防水層を残す場合

において、費用対効果が高く、後悔しない選択肢となります。

防水工事を成功させるには、業者選びも重要です。実績・施工写真・保証内容をしっかり確認し、信頼できるパートナーを選びましょう。

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