トーチ工法
トーチ工法とは、「改質アスファルトルーフィングシート」と呼ばれる特殊なアスファルトシートをバーナーで溶かしながら貼り重ねていく防水工法です。熱を冷ましながら密着させますので、一般的な常温粘着工法よりも防水効果が高くなります。また熱工法のように大型の溶解釜が必要ないため、狭い場所でもアスファルト防水を施工できるのもメリットです。
トーチ工法の施工方法は以下の通りです。
❶ プライマーを全体に塗装する
❷ ルーフドレイン、貫通パイプの出入り口では強度を高めるためもシートを増し貼りする
❸ トーチバーナーでシート裏面や下地を均一にあぶり、溶融させながら押し広げて圧着させる
❹ オーバーラップ部や端末の処理を行う
❺ トップコートを塗って完成
特徴
大型のバーナーで熱を加えながらシートを密着させる工法
熱工法の溶融釜のような大型の設備や周辺機材が不要で作業の段取りが簡単であり、耐久性と機能性を高めた「改質アスファルトルーフィングシート」をあぶり融かして下地に貼り付けるだけで容易に防水層を作ることができます。また、熱工法ではデメリットであったアスファルト特有の臭いも抑えられるのもメリットです。
トーチバーナーの火炎が強く、瞬間的な温度が1000℃を超えるため、シートがすぐに溶けてしまうという錯覚が起こり、あぶり不足をはじめとした施工不良が起こる可能性があります。早期劣化や雨漏りといった不具合が発生しないよう作業には細心の注意を払う必要があることから、職人の技術と経験が欠かせない工法であるとも言えます。