屋上防水工事の耐用年数とは?防水の種類や耐久性について解説
「屋上防水工事の耐用年数について知りたい」というかたは多いようです。
屋上防水は1度行なえば良いというわけではなく、定期的にメンテナンスを行なって防水性能を維持する必要があります。
耐用年数について知っていれば、メンテナンス時期も分かりやすいですよね。
そこで今回は、屋上防水工事の耐用年数について解説していきます。
建物の寿命を延ばす方法についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
屋上防水とは
屋上防水とは、ビル・マンションや戸建て住宅の屋上に防水層を作ることにより、建物を雨水の害から守る工事のことを言います。
ウレタン防水やFRP防水など、さまざま工法があります。
屋上防水工事の種類
防水工事では、以下の4種類が一般的です。
ウレタン防水
液状のウレタン樹脂を塗る工法です。
液状のため継ぎ目ができず、高い防水性能がありますよ。
複雑な形状の場所にも施工できます。
軽量なので建物への負担も少ないですが、職人の腕によって施工クオリティに差が出ることがあります。
FRP防水
ガラス繊維のマットにポリエステル樹脂を塗って防水する工法です。
ちなみに「FPR」とは、繊維強化プラスチックのことを言います。
硬化後は頑丈になり、人が歩いたり高重量の物を乗せたりしても大丈夫です。
ただし紫外線に弱いので、5年に1度はトップコートの塗り直しが必要です。
また伸縮性がなく、ひび割れやすいので、下地の伸縮が少ないベランダなど、狭い範囲の場所への施工がおすすめです。
シート防水
塩ビシートやゴムシートで覆うことにより防水します。
安価で耐久性もありますが、既製品のシートを使うので複雑な形状の場所へは施工できません。>
ビルやマンションなど、ある程度の広さがある場所で使うことが多いです。
ちなみにゴムシートのほうが割安ですが、塩ビシートよりも耐久性は劣ります。
アスファルト防水
液体状のアスファルトと、シート状のアスファルトを積み重ねることで防水します。
防水性能が高く耐用年数も長いので、信頼性が高いです。
ただし施工後は高重量になるので、木造住宅や老朽化した建物への施工には適しません。
熱を使う工法を採用する場合は煙や臭いが発生するので、周辺住民への配慮も必要です。
屋上防水の耐用年数
上記で紹介した防水工事の耐用年数は以下の通りです。
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アスファルト防水の耐用年数が最も長く、ウレタン防水やFRP防水は短め、という感じですね
屋上のメンテナンスが必要な症状は?
次のような症状が屋上に発生した場合、メンテナンスが必要になります。
・膨れがある
・水溜りがある
・ひび割れがある
・雑草や藻が生えている
・シートの剥がれがある
劣化症状を放置すると建物内部に水が侵入し、雨漏りを引き起こします。
屋上防水の寿命を延ばす方法
屋上防水の寿命を延ばすには、次の方法を行ないましょう。
トップコートを塗り替える
5年に1度はトップコートを塗り替えることで、屋上防水の性能を維持できます。
塗り替えを行なわない場合は、紫外線の影響で劣化が早まります。
ドレンを掃除する
ドレンとは、屋上にある排水口周辺の部品のこと。
枯れ葉やゴミなどが詰まっていると排水が上手く行なわれず、屋上に水が溜まりやすくなります。
最悪の場合、屋上がプールのようになることもあるので要注意です。
またドレンに雑草が生えている場合は、むやみに抜いてはいけません。
ドレンが壊れる可能性があります。
こんな時は、業者にメンテナンスを依頼すると安心ですよ。
早めにメンテナンスをする
屋上防水をメンテナンスせずに放置していると、どんどん劣化が早まります。
建物の構造自体にダメージを与えてしまうので、上記のような症状を見つけた場合は、早めにメンテナンスすることをおすすめします。
【種類別】屋上防水の費用相場
屋上防水の費用相場は以下の通りです。
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ただし上記は、あくまでも屋上防水工事のみの費用です。
これ以外に清掃費用や補修費用、場合によっては仮設足場の設置費用なども必要です。
一般的には、防水工事全体で1㎡あたり8,000~12,000円の費用がかかりますよ。
施工業者選びのポイント
屋上防水工事を成功させるには、次のポイントを意識して施工業者を選びましょう。
建築許可番号を持っているかどうか
施工業者が「建築許可番号」を持っているかどうか、確認することが大切です。
軽微な工事以外では、必ず建築許可番号が必要です。
建築許可番号を取得するには、「建築業での経営実績」「専任技術者の在籍」「安定した事業経営」といった要件を満たしている必要があります。
防水施工技能士が在籍しているかどうか
防水工事に関する国家資格である「防水施工技能士」が在籍している業者は、安心感があります。
おすすめなのは、7年以上の実務経験が必要な「1級防水施工技能士」の取得者がいる業者です。
見積書の内容が適切かどうか
見積書の内容が適切かどうか、見積もりを依頼する際にはきちんとチェックしましょう。
「工事一式」としか記載されていない見積書は、水増し請求される可能性があるので注意が必要です。
アフターフォローが充実しているかどうか
定期点検をしてくれるなど、アフターフォローの内容も大切です。
万が一施工不良が起こった場合でも、すぐに対応してくれる業者を選びましょう。
まとめ
最後に今回の記事の内容を、簡単にまとめていきます。
- 屋上防水を行なうことにより、建物を雨水の害から守れる
- 防水工事に「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」「アスファルト防水」の4種類
- 屋上に水溜りやひび割れなどが発生した場合、メンテナンスが必要
- 「トップコートの塗り替え」「ドレンの掃除」を行なうと、屋上防水の寿命を延ばせる
- 防水工事全体で1㎡あたり8,000~12,000円の費用がかかる
- 「防水施工技能士の有資格者がいるか」といったことも考えながら業者を選ぶ
防水工事を検討中のかたは、複数の施工業者で相見積もりを取ることにより、適正価格での施工が可能です。
ぜひ丁寧に対応してくれる業者に依頼して、屋上防水を成功させてくださいね。