防水塗料の種類は?外壁塗装の特徴や塗料の選び方を解説!
建物を雨水から守る防水塗料。
外壁塗装に使われる防水塗料には、さまざまな種類があるのはご存知ですか?
適切な防水塗料を選ぶことにより、効果的に建物を保護できるようになりますよ。
そこでこの記事では、防水塗料の種類について解説していきます。
特徴や選び方についても触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
防水塗料とは
防水塗料とは、防水性能が高い塗料のことを言います。
一般的には「弾性塗料」と同じ意味で使われます。
防水塗料の材質には合成樹脂が使われてます。
硬化後に柔軟性を持つので、ひび割れを防ぐ(ひび割れをカバーする)効果があります。
防水塗料を使うことにより、建物内部に雨水が侵入するのを防げます。
建物内部に雨水が入ると雨漏りが発生するだけでなく、構造材を腐らせるなど建物自体の寿命が短くなってしまいます。
非防水塗料との違い
非防水塗料は弾性が少ない特徴があります。
経年劣化や直射日光、風雨の影響で劣化しやすいので、非防水塗料は外壁への施工には適しません。
防水塗料の種類
防水塗料には次の4種類があります。
・アクリル塗料
・ウレタン塗料
・シリコン塗料
・フッ素塗料
アクリル塗料
発色が良く重ね塗りも可能なので、かつては主流の防水塗料として使われていました。
値段もリーズナブルです。
しかし耐用年数が5~6年と短めです。
ウレタン塗料
値段と性能のバランスが良い塗料です。
弾性や耐久性、密着性も良いです。
ただし紫外線には少し弱めの傾向に。
耐用年数は長くて10年ほどです。
シリコン塗料
シリコン塗料は最も広く使われています。
耐久性が高く、コストパフォーマンスも良いです。
ただし弾力性は少し低めなので、ひび割れ部分の施工には向かない場合も。
耐用年数は10~12年ほどです。
フッ素塗料
フッ素塗料は、塗膜防水の中では非常に耐久性が高いのが特徴です。
寒暖にも強く、大型の建物にも使われます。
耐用年数は15~20年と長いですが価格が高いので、予算に余裕がある場合に行なうと良いでしょう。
防水塗料の仕上げは3種類
防水塗料は、塗料の種類によって仕上げの方法が異なります。
・単層弾性仕上げ
・複層弾性仕上げ
・微弾性塗料仕上げ
単層弾性仕上げ
3回塗り重ねる単層弾性仕上げ。
モルタル外壁の住宅におすすめです。
外壁の上に下塗りを1回行ない、その後は上塗りを2回行ないます。
上塗りで厚みをつけることにより、ひび割れを保護します。
単層弾性仕上げは、材料費が少し高めです。
耐用年数は5年程度です。
複層弾性仕上げ
5回塗り重ねる複層弾性仕上げ。
何度も塗膜を塗り重ねるため防水性能が高いのが特徴です。
下塗りの上に中塗りを2回、上塗りを2回行ないます。
ビルやマンション、工場の屋上など、大型の建物で使われることが多いです。
一般住宅で採用されることは、ほとんどありません。
工程が多いので、その分だけ費用が高くなり、工期に余裕が必要です。
耐用年数は10~20年と長いです。
微弾性塗料仕上げ
下塗り1回上塗り2回、計3回塗り重ねる微弾性仕上げ。
下塗り材として、伸縮性のある「微弾性フィラー」を使います。
防水性能は少し低めですが、すでにできてしまったひび割れを埋められます。
塗装から1~3年で徐々に弾性が失われていきますが、その後は硬質塗料のような性質になるので、単層弾性仕上げよりも長持ちする傾向があります。
販売されている塗料の種類が豊富なのも特徴です。
防水塗料の費用相場は?
150㎡程度の一般住宅の外壁塗装に防水塗料を使うと、80~150万円程度の費用がかかるでしょう。
もちろん業者の違いや塗料の種類、仕上げ方法によっても費用は異なります。
仕上げごとの費用相場は下記のとおりです。
種類 | 1㎡あたりの費用相場 |
単層弾性仕上げ | 2,500~4,000円 |
複層弾性仕上げ | 5,000~7,000円 |
微弾性仕上げ | 2,000~5,500円 |
防水塗料の注意点
防水塗料を使う際は、以下のようなことに注意しましょう。
窯業系サイディングへの施工には適さない
新築住宅の約80%に窯業系サイディングが使われていると言われています。
ちなみに窯業系サイディングとは、セメントに繊維質の原料を混ぜて板状にした外壁ボードです。
防水塗料はサイディングボードへの施工には適しません。
防水塗料は熱を加えると柔らかくなります。
また窯業系サイディングは蓄熱性が高いので、周囲の空気を温めて水蒸気が発生することがあります。
発生した水蒸気が防水塗料の内側にたまり、熱で柔らかくなった塗膜がお餅のように膨れてしまう恐れがあるのです。
よって、サイディングボードには通常の硬質塗料を使いましょう。
ひび割れが発生しやすいモルタルや、コンクリートなどへの防水塗料の使用はおすすめです。
すでに起こってしまった雨漏りは直せない
すでに雨漏りが発生してしまっている場合は、防水塗料を塗ったとしても雨漏りを防げません。
コーキング剤で隙間を埋めるなど、補修工事が必要になります。
防水塗料のまとめ
最後に、今回の記事の内容を簡単にまとめてみましょう。
・防水塗料とは、防水性能が高い塗料のこと
・防水塗料は「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」の4種類
・仕上げ方法は「単層弾性仕上げ」「複層弾性仕上げ」「微弾性塗料仕上げ」の3種類
・一戸建ての外壁に施工すると80~150万円程度かかる
・窯業系サイディングへは施工できない
・すでに起こっている雨漏りは直せない
ぜひ予算や施工場所、好みに合わせて、防水塗料を選んでみてくださいね。