屋上緑化の種類とは | ウレタン塗膜防水は適切?不適切?
2024/05/14
屋上緑化は、都市部での環境改善や気候変動への対策として注目されています。 そして、屋上緑化には防水工事が必須です。 防水工事を行わなければ、建物内への浸水や雨漏りなどを引き起こす可能性があります。 しかし、防水工事にはさまざまな種類があり、何が最適かわからない方もいるでしょう。
この記事では、屋上緑化のメリットやデメリットをはじめ、基礎知識を詳しく解説します。 また、ウレタン塗膜防水が適切なのか不適切なのか、さらに屋上緑化に欠かせない防水工事についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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▼屋上緑化のメリット・デメリット
■屋上緑化のメリット
屋上緑化は、建物の防水性を高める効果が期待できます。
植物が水分を吸収して雨水を適切に処理することにより、屋根の防水層を保護し劣化を防ぐのです。
さらに、地球温暖化対策や省エネにも良い効果をもたらします。
植物が二酸化炭素を吸収し酸素を放出するため、大気中のCO2を減らせるのです。
また、屋上緑化によって建物の温度上昇を抑えられます。
植物の蒸散作用によって周囲の空気が冷やされ、建物内の温度上昇を緩和する仕組みです。
これにより冷房の使用を減らし、エネルギー効率の向上にもつながるでしょう。
さらに紫外線による建物の劣化や、温度変化による資材の収縮を軽減するメリットもあります。
屋上緑化は、建物の耐久性の向上にも貢献しているのです。
■屋上緑化のデメリット
屋上緑化のデメリットは、建物への負担が大きくなる可能性があることです。
屋上に植物や土壌を配置することで建物の荷重が増加し、構造上の影響を与える場合があります。
また、防水層の点検や修理に時間と費用がかかるのもデメリットの1つです。
屋上緑化によって排水システムが遮断されたり、植物の根が防水層を破壊したりすることで、雨漏りが発生するリスクもあります。
これらのデメリットを考慮しながら、屋上緑化の導入や管理を行うのが重要です。
▼屋上緑化の構造
屋上緑化は、下層部・中層部・上層部の3つから成り立っており、植物の生育環境を整えるために慎重に設計されています。
どれか1つでも欠けるとバランスが崩れ、さまざまなトラブルにつながるため注意が必要です。
各層の役割を理解して適切な植物や構造を選ぶことで、長期間にわたって美しい緑化を維持できるでしょう。
ここからは、下層部・中層部・上層部それぞれの役割や特徴について解説していきます。
■下層部
下層部は屋上緑化の基盤となる部分で、断熱材・防水層・耐根層から形成されています。
断熱材は建物内部の温度を制御する役割を担っており、屋上からの熱の侵入や脱熱を防ぐために必要です。
これによって建物内部の温度が安定し、冷暖房効率を向上させられます。
防水層は、建物内部への水漏れを防ぐために不可欠です。
屋上からの雨水や排水を適切に排除し、建物の耐久性を保つ役割があります。
耐根層は、植物の根から防水層を守るためのものです。
植物の根が、防水層にダメージを与えるのを防ぎます。
■中層部
中層部は、植物の生育をサポートする重要なエリアです。
ここでは植栽基盤が設置され、植物の根が張りやすい環境を整えて、栄養や水分の供給を効率的に行います。
雨水の排出や保水を調整するために、ブロックや樹脂製の板が使われることが多いです。
植栽基盤の適切な設計と管理は植物の健康と成長に直結し、屋上緑化の美観や機能性を維持するうえで欠かせません。
■上層部
上層部は、実際に植物を植える部分です。
屋上の環境やメンテナンス面を考慮して植物の種類を選び、客土の上に植物を植えます。
植物の配置や種類選びは、美観だけでなく生態系や生育環境の維持にも影響するため慎重に行いましょう。
屋上緑化に適した植物を選ぶことによって、植物の育成を長く楽しめるほか、メンテナンスにかかる手間も抑えられます。
適切な管理と定期的なメンテナンスによって、屋上緑化は持続可能な環境への貢献を果たし、建物と共に美しい景観を作り出せるでしょう。
▼屋上緑化を計画する注意点
■建物が重量に耐えられるか確認する
屋上緑化を計画する際は、建物が重量に耐えられるかどうか確認しましょう。
植物だけでなく、水や土の重量も考慮する必要があります。
建物の耐荷重性や構造計算を行い、屋上にかかる荷重を正確に把握しなければなりません。
とくに、大規模な施工を行う場合や貯水機能を持たせる場合は、荷重が増加するため慎重な設計と計画が求められます。
■メンテナンスしやすい設計にする
屋上緑化を維持するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
耐久性の高い防水層やメンテナンスが比較的簡単な植物を選ぶことで、長期間にわたって植物を健全に保てます。
防水層は定期的なメンテナンスが必要ですが、耐久性の高い素材を選択すればメンテナンスの頻度やコストを抑えられるでしょう。
植物の選択も重要で、メンテナンスが簡単で水や栄養の供給量を比較的制御しやすい植物を選ぶのが望ましいです。
適切な設計と植物の選択により、メンテナンスにかかる手間やコストを削減できます。
▼屋上緑化の種類
屋上緑化には、主に庭園型緑化と薄層型緑化の2種類があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、適した方法を選択しなければなりません。
屋上緑化を作る建物や環境などを考慮して、どちらが最適か慎重に検討しましょう。
ここからは、庭園型緑化と薄層型緑化について、それぞれの特徴を詳しくご紹介します。
■庭園型緑化
庭園型緑化は、屋上空間を豊かな自然のエリアに変えるための手法の1つです。
草花・樹木・岩・石などを用いて、美しい庭園を構築します。
都市部や建物内で自然を感じられる空間を創出できるため、人気が高い種類です。
菜園やウッドデッキなどを作る場合も、庭園型緑化に含まれます。
庭園型緑化は防水層にアスファルト防水が使われており、床面仕上げには押さえコンクリートが一般的です。
これにより、植物を植えたり人が歩いたりする際に安定した床面を確保できます。
ただし庭園型緑化は比較的重量があるため、建物の耐荷重性を確認しなければなりません。
大規模な庭園を構築する場合は、屋上緑化の重量による建物への負荷を考慮しましょう。
さまざまなデザインを楽しめるのが庭園型緑化の魅力の1つですが、定期的なメンテナンスが必須です。
植物はもちろん、設備に対しても点検やメンテナンスが欠かせません。
■薄層型緑化
薄層型緑化は、薄い土を敷いて植物を育てる方法です。
庭園型緑化よりも軽量で設置が比較的容易なため、一般的なマンションや限られたスペースでも取り組めます。
防水層に、アスファルト防水・塩ビシート防水・ウレタン塗膜防水のいずれかが用いられることが多いです。
これらの防水方法は、薄い土壌や植物の根からの水分浸透に対して耐久性があります。
ただし薄い土壌で植物を育てるため、適切な植物の選択が重要です。
種類は限られますが、工夫次第で美しい屋上緑化を作り出せます。
耐乾燥性や栄養供給などを考慮して、環境に適した植物を選ぶのが薄層型緑化を成功させるポイントとなるでしょう。
▼屋上緑化に必要な費用相場
屋上緑化の費用相場は、20坪ほどの広さで50万~200万円前後とされています。
ただし、この価格は施工にかかる費用であり、維持やメンテナンス費用は別途発生するため注意が必要です。
屋上緑化の維持やメンテナンスには、植物の管理・防水層の点検・土壌の管理などが含まれます。
この他にも設備の補修が必要となる場合もあるため、これらの費用も考慮しなければなりません。
維持やメンテナンスに関する費用は、施工費用と同様に計画段階でしっかりと把握し、適切な予算を確保するのが重要です。
▼屋上緑化で重要な防水工事の種類
屋上緑化には、防水層を形成するための防水工事が必要です。
主に、アスファルト防水・シート防水・ウレタン塗膜防水・FRP防水の4種類があります。
施工箇所や条件などによって適した防水方法が異なるため、慎重に検討しなければなりません。
ここからは、防水工事の種類と屋上緑化に適した防水方法についてご紹介します。
■アスファルト防水
アスファルト防水は、シート状と液状のアスファルトが含まれた材料を用います。
庭園型の屋上緑化において、必須の工法です。
耐久性や耐候性に優れたアスファルトは、屋上緑化で必要な防水層を確実に形成し、長期間にわたってその性能を維持します。
また、施工場所や形状に合わせて柔軟に対応できるため、さまざまな環境に適応可能です。
■シート防水
シート防水は、改質アスファルトや塩化ビニールなどのシートを使用して防水層を形成する工法です。
他の防水方法と比較して工期が短く、効率的な工法として広く利用されています。
シート防水の特徴は、施工の容易さと価格です。
施工箇所にシートを敷くだけのため、多くの施工器具を必要とせず、短期間で広範囲に施工できます。
価格も比較的安価で、手軽に防水したい場合に最適です。
■ウレタン塗膜防水
ウレタン塗膜防水は、液状のウレタン防水材を使用して防水層を形成する工法です。
耐久性や柔軟性に優れており、複雑な形状やデザインにも対応できます。
一方で、湿気によって劣化するため、適切な耐根層や改質アスファルトシートを組み合わせて耐久性を向上させなければなりません。
ウレタン塗膜防水は維持管理が重要で、定期的な点検や補修が必要ですが、適切に施工されれば長期間にわたって防水性を維持できます。
■FRP防水
FRP防水は、ガラス繊維強化プラスチックを使用した防水方法です。
主な特徴として、耐久性と軽量性が挙げられます。
FRPは耐水性や耐候性に優れているため、屋上緑化で求められる防水性の確保が可能です。
また軽量な材料であるため、建物への負担を最小限に抑えられるでしょう。
屋上緑化の施工現場においても、安定した環境を維持できます。
ただし被膜が硬いため、乾式の下地に使用する場合は注意が必要です。
専門業者と相談しながら、最適な防水方法を検討しましょう。
▼まとめ
屋上緑化は、都市部に自然を増やせる効果的な取り組みです。
取り入れたい場合は、正しい方法や適切な種類を選択する必要があります。
屋上緑化に挑戦したい方は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 屋上緑化は建物の防水性を高め、地球温暖化対策や省エネに効果的
- メリットとして、屋上の温度上昇を抑え、紫外線や温度変化による劣化や収縮を軽減できる
- 屋上緑化は建物への負担が増し、防水層の点検や修理に時間と費用がかかるデメリットがある
- 構造としては、下層部・中層部・上層部からなる
- 建物の耐荷重性能を確認し、メンテナンスしやすい設計を行う
- 屋上緑化には、庭園型緑化と薄層型緑化の2種類がある
- 費用は20坪で50万円から200万円前後で、維持やメンテナンス費用は別途発生する
- 屋上緑化の防水工事は、アスファルト防水・シート防水・ウレタン塗膜防水・FRP防水が用いられる
屋上緑化は、正しく行えば周囲の環境や地球に良い影響をもたらします。
ぜひ今回の記事を参考にして、屋上緑化を検討してみてくださいね。