折板屋根の防水工事とは?フッ素・ウレタン・シリコンそれぞれの工法を紹介
2024/05/14
金属板を波型に加工した折板屋根は、高い耐久性を持っているため、主に工場や倉庫などの屋根に利用されています。
しかし、金属で出来ている折板屋根は劣化しやすく、定期的なメンテナンスが欠かせません。
特に外側の屋根は劣化が進んでも見えにくく、気が付いたときには雨漏りの原因となる穴が開いていることもあります。
このようなトラブルを防ぐためにも、定期的な屋根の防水工事を行う必要があります。
金属屋根の防水工事ではフッ素・ウレタン・シリコンなどのさまざまな工法が利用されています。
雨漏りを防ぎ折板屋根の寿命を伸ばすために、それぞれの工法で何が違うのか押さえておきましょう。
今回は、金属屋根の防水工事で行われる工法について詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
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折板屋根の耐用年数や防水工事の必要性
折板屋根の防水工事は、屋根の寿命や耐用年数に合わせて行う必要があります。
しかし、取り付けた折板屋根の防水工事を依頼するタイミングや工事の必要性について、疑問を抱く方も多いでしょう。
ここでは、折板屋根の耐用年数や防水工事の必要性について解説しています。
折板屋根の防水工事について検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
■折板屋根の耐用年数
一般的な折板屋根の耐用年数は長く、およそ20年ほどといわれています。
しかし、問題なく使用できる状態を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
メンテナンス時期としては、最初の点検は屋根設置から5年後を目安としてください。
5年後以降は3年ごとに点検を行い、10年で屋根の防水工事を行うことが推奨されています。
ですが、屋根の使用状況によって劣化状態も異なるため、こまめに定期点検を行う必要があるでしょう。
屋根の塗膜が剥がれてしまう・サビが発生してしまう場合は、防水工事を行うサインの1つです。
折板屋根に劣化症状がみられた場合は、耐用年数に関わらず早めの対応が肝心といえます。
■折板屋根に防水工事が必要な理由
波上に加工した金属板を使っている折版屋根では、主にガルバリウム鋼板が使われています。
ガルバリウム鋼板にはフッ素加工防が施されているため防サビに優れている反面、時間の経過と共に劣化していきます。
そのため、基本的に10年を目安に屋根の塗り替えが必要とされていますが、その間に劣化が進んでしまうケースもあります。
防水工事を怠ると屋根の劣化が進んでしまい、サビてしまった部分に穴が開くことで雨漏りに発展してしまう可能性も考えられるのです。
また、折板屋根の劣化が進むと防水工事だけでは対応できず、大がかりな葺き替え工事が必要になってしまうケースも少なくありません。
雨漏りを含む屋根トラブルを防ぐためにも、定期的な点検を行ったうえで、適切な時期に防水工事を取り入れる必要があるといえるでしょう。
折板屋根の種類
折板屋根は、以下に挙げる3種類が主に使われています。
・はぜ締めタイプ
・重ね葺きタイプ
・嵌合(かんごう)タイプ
こちらでは3種類の折板屋根について、詳しくご説明いたしますので、防水工事を検討されている方は事前に確認しておきましょう。
■はぜ締めタイプ
鋼板のつなぎ目を繋ぐ工法で、屋根に穴を開けずに施工できるため雨漏りのリスクが低いタイプです。
しかし、ボトルで固定しに分、風の影響を受けやすいといえるでしょう。
■重ね葺きタイプ
鋼板のつなぎ目をボトルで固定する工法で、風に強い特徴を持ちます。
しかし、ボトルが露出することで起きるサビや雨漏りが発生しやすいため、定期的なメンテナンスが欠かせないタイプです。
■嵌合(かんごう)タイプ
接合部をキャップで覆うタイプで、つなぎ目や接合部のボトルが露出せず、すっきりとした見た目が特徴です。
しかし、施工数が少ないため施工費用・メンテナンス費用共に割高になってしまいます。
折板屋根を防水工事するメリット
折板屋根はサビに強く耐久性に優れていますが、種類によってはサビやすいタイプもあります。
サビや劣化が進んだ折板屋根は崩落の可能性も考えられるため、定期的なメンテナンスをしなければ安全性を保つことができません。
また、防水工事を怠ってしまうと、サビによる劣化で屋根の寿命が短くなってしまうだけではなく、建物にも悪影響を及ぼす可能性も考えられるでしょう。
その結果、屋根の葺き替えといった大がかりな修理が必要になるケースも考えられます。
折板屋根の安全性・耐久性を維持し劣化を防ぐためにも、防水工事は欠かせないメンテナンスの1つといえるのです。
折板屋根の防水工事に必要な費用相場
折板屋根の防水工事では、塗装工事・カバー工法・葺き替えの3つの種類で行うケースが多いです。
それぞれの工法における種類や費用相場について、詳しく解説いたします。
■塗装工事
折板屋根の色褪せや一部にサビが発生した場合は、塗装工事でメンテナンスを行います。
主な費用相場については、1平方メートルあたり1,800~5,000円前後になることが多いでしょう。
■カバー工法
すでに雨漏りしている状態の折板屋根に用いられる方法で、屋根の一部を新しい屋根材でカバーする工法です。
費用目安は、1平方メートルあたり8,000~13,000円前後が多いでしょう。
■葺き替え
折板屋根の全体に激しい損傷がみられる場合、葺き替えによって屋根ごと取り換えていきます。
費用相場は1平方メートルあたり50,000円前後と高額になるケースが多いようです。
折板屋根の防水工事で行われる防水材
折板屋根で行われる防水工事では、以下に挙げる3種類の防水材が使われています。
・ウレタン防水
・シリコン防水
・フッ素防水
それぞれに異なる特徴を持ち、メリット・デメリットも存在します。
こちらでは、各防水材について詳しく解説いたしますので、防水工事を依頼する際の参考にしてください。
■ウレタン防水
ウレタン防水は、屋根の防水工事に取り入れられる最もポピュラーな工法の1つです。
液状のウレタン防水材を重て塗布することで、防水効果を高めていきます。
ウレタン防水は複雑な形状でも対応できるため、施工箇所の形状に左右されることがなく、乾燥してもひび割れにくいといった特徴を持つ工法のため、利便性が高いといえるでしょう。
しかし、防水工事の中でも耐用年数はおよそ10年ほどと短いため、定期的な塗り直しが必要です。
また、日光による紫外線の影響を受けやすいため、日照時間が長い地域では不向きな面もあります。
ウレタン防水工事の費用相場については、1平方メートルあたり1,700~2,200円前後のため、費用を抑えたいケースに用いられています。
■シリコン防水
耐熱・耐水・耐候性を兼ねそろえているシリコン塗料は、耐久性に優れているため多くのシーンで活用されています。
ツヤのある仕上がりが特徴的で、美観にも優れている点で選ばれる方が多いです。
カラーが豊富でデザイン性も高く、頻繁なメンテナンスを必要としない反面、乾燥に弱くひび割れしやすいデメリットもあります。
建物への振動が多い道路沿いのエリアや素材によっては適さないケースもあるため、防水工事で使用する際は事前に確認が必要です。
非常に高い撥水性によって重ね塗りしにくい性質を持つため、次回メンテナンス時に支障が出てしまう可能性もあります。
耐用年数は、10~15年ほどとウレタン防水と大きな変わりはありません。
費用の相場は1平方メートルにつき2,300~3,500円前後で、耐久性・価格ともにバランスの取れた工法ですが、シリコン防水の特徴をしっかり把握したうえで施工を依頼しましょう。
■フッ素防水
フッ素樹脂塗料を使ったフッ素防水は、雨や風だけではなく紫外線にも強い特徴を持ちます。
塗膜が硬く汚れに強いため、頻繁なメンテナンスを必要としません。
耐候性に優れており、耐用年数も15~20年と防水工事の中では一番長いため、折板屋根の状態を良好に保てる工法といえるでしょう。
また、フッ素防水はツヤのある仕上がりが特徴の1つであり、美しい外観を保てることもメリットといえます。
しかし、フッ素防水は光沢仕上げしか選べないため、マットな仕上がりを求めるケースには向いていません。
耐久性に優れているものの、塗膜が硬く柔軟性に欠けてしまうため、ひび割れが発生しやすいといったデメリットも持っています。
費用相場については1平方メートルあたり3,800~4,800円前後と割高ですが、折板屋根は雨や風・紫外線の影響を受けやすいため、耐用年数が長く耐候性に優れたフッ素防水が使われているケースが多いです。
折板屋根の防水工事で最適な塗料は?
折板屋根は耐久性に優れているものの、気候の変動による劣化は防ぐことができません。
そのため、折板屋根の防水工事では、日光による紫外線や雨・風にも強いフッ素塗料が使われています。
折板屋根のスケールが大きいほど修繕費用も割高になってしまうため、修繕費用を抑えるにはフッ素塗料によって屋根の劣化を防ぐ必要があるのです。
折板屋根の劣化を防ぎ、修繕工事費用を抑えるためには、耐候性に優れたフッ素塗料が最適といえるでしょう。
まとめ
折板屋根の防水工事の必要性については、以下の通りです。
・折板屋根に使われているがりバリウム鋼板は防サビに優れているものの、年数の経過により劣化が進んでしまう
・折板屋根がサビてしまう・屋根塗装が剥がれてしまうと雨漏りが発生してしまい、状況によっては大きな修繕工事を必要とするケースもある
・防水工事を怠ってしまうと、屋根の劣化だけではなく、建物全体に悪影響を及ぼしてしまうケースも考えられる
・折板屋根の劣化が進みサビが発生すると、屋根の寿命が短くなり安全性を保てなくなる
・折板屋根の劣化は主に気候の変動が原因であり、紫外線や雨・風の影響を受けやすいため防水工事が欠かせない
・防水工事を行う際は、気候の変動による影響を考え、耐候性に優れた塗料を使用する必要がある
折板屋根はサビに強く耐久性に優れているものの、経年による劣化は避けられません。
こちらの記事でご紹介した防水工事の必要性や工法の種類を正しく把握し、折板屋根の状態を長く良好に保つための参考にしてください。