建物の雨漏りを防ぐ仮防水とは?必要性や性能を解説
2024/05/14
雨漏りが発生すると建物全体へ大きな影響を与えてしまうため、屋上の防水工事を行います。
防水工事で防水層を補修・修繕することによって建物を雨漏りから守り、快適な住まいの維持につながるのです。
しかし、防水工事には種類があり、施工方法によって使用する材料が異なりますが、防水層の下地と相性が合わない材料を使用してしまうケースもあります。
また、技術力が不足している場合も多く、防水層に不具合が出てしまう可能性も少なくありません。
万が一不具合が出てしまった場合でも、費用やスケジュールなどの関係で再施工できない状況にお困りの方も多いでしょう。
大がかりな防水工事を行えない場合は、次の施工までのつなぎとして仮防水を行うケースがあります。
こちらでは、仮防水の必要性や性能について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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仮防水とは?
仮防水とは、元からある防水層に不具合が発生し再施工が必要になった際、一時的に防水工事を施すことを指しています。
防水層の補修や修繕が必要な状態をそのままにしてしまうと、雨が降った際に雨漏りが発生してしまうリスクが起きるため、建物を守るために仮防水を行うのです。
一時的な対処といっても、マンションやアパートなどの集合住宅では雨漏りが発生すると大きな影響が出てしまうため、改修工事の際に十分な防水性を発揮するために仮防水が行われる場合が多いです。
次の施工までの間に雨漏りを予防できる性能が必要とされているため、大切な役割があるといえるでしょう。
しかし、すべての防水工事前に仮防水が必要かというと、そうではありません。
天候が安定している時期に施工する場合や次の施工までの期間が短い場合では、仮防水を必要としないケースもあります。
仮防水は本格的な防水工事ではなく、あくまで簡易的な処置になるため、必ず改修工事や防水工事を行う必要があります。
仮防水の必要性
防水層の機能を維持するために行う改修・防水工事の際、仮防水は非常に大切な役割を持ちます。
防水層が劣化している場合、一部や全面補修を行うため、防水層を撤去しなければいけません。
その際に雨が降ってしまうと十分な防水効果が得られず、雨漏りにつながってしまうのです。
また、施工する場所の下地が水分を含んでしまうと、施工後に十分な防水効果を発揮できず、防水層の劣化が進んでしまうケースもあります。
防水効果が得られない状態のままだと雨漏りが発生しやすくなり、室内への水漏れや躯体の浸食が起きてしまい、建物全体の安全性が低下してしまうでしょう。
仮防水は改修・防水工事中の建物を雨漏りから守るだけではなく、施工不良を防ぐためにも必要な工程といえます。
仮防水材に必要な性能
仮防水の際に使用する材料には、本工事に入るまでの間に適切な防水性を発揮するため、求められる性能がいくつかあります。
仮防水材には、新しい防水層や使用するプライマーとの相性・施工性の高さが求められるケースも多いです。
施工を行うにあたってどのような性能が必要か、詳しく見ていきましょう。
■防水性
仮防水に使用する材料費や人件費をなるべく抑えるため、安価な材料が使用されるケースがあります。
しかし、仮防水を行う際は十分な防水性がないと雨漏りリスクが高まってしまうため、一時的な処置であっても高い防水性を求められるのです。
どの程度の防水効果が必要かは工事のスケジュールによって変動するため、施工日程を確認したうえで材料を選定します。
仮防水の際は、基本的に防水効果の低い材料から選定されるため、本工事までの期間が空いてしまうと雨漏りリスクも高まるケースもあるでしょう。
そのため、工期や使用する仮防水材によっては防水層の撤去当日に新しい防水層の塗布を検討する必要があります。
■付着性
仮防水で使用した材料の上から新しい防水層を塗布するため、密着性が求められます。
仮防水材の密着性が低いと新しい防水層が付着せず、施工不良につながるため注意しましょう。
防水工事の種類によって材料の相性も異なるため、適切な仮防水材を選定する必要があります。
コンクリート下地の場合は既存のプライマーや下地への吸い込み・乾燥にも注意してください。
また、仮防水の期間が長い場合は、防水効果を維持するためにトップコートを塗布する必要があるため、工期によって追加施工を必要とするケースも考えておきましょう。
■施工性
仮防水を行う際、材料によって水分を含むと硬化しにくい性質をもつものがあるため、天候不良に注意する必要があります。
材料を混ぜ合わせるタイプの仮防水材は、防水効果を発揮するまで時間がかかってしまうため、施工性を求める場合は混ぜ合わせを必要としないタイプを選定しましょう。
プレミックスタイプの仮防水材は乾燥時間が短く、防水効果の発揮までスムーズなので仮防水工事でよく使われています。
施工性が求められる仮防水において、理想的な材料といえるでしょう。
仮防水が不要な防水工事とは?
仮防水は、状況によって必要ないケースもあります。
仮防水が不要な場合について、詳しく確認していきましょう。
■ウレタン防水通気緩衝工法
通気緩衝シートのうえからウレタン防水を塗布する工法で、下地と防水層の間にシートを挟むことで水分を逃す役割を持ちます。
防水層の形成時に水分が発生すると施工不良を起こしてしまうために仮防水が必要ですが、ウレタン防水通気緩衝工法では水分を逃す性質を持つので仮防水を必要としません。
コストはかかってしまうものの、天候不良が続く場合や下地の水分が多い状況に適している工法です。
■塩ビシート防水機械的固定工法
固定ディスクを使用し、防水シートを下地に固定する工法です。
ウレタン防水通気緩衝工法と同様に、下地と防水層の間に防水効果のあるシートを挟むことで、水分を逃し施工不良を防いでくれます。
下地に直接シートを貼り付けない工法のため、下地の状態に左右されることがありません。
そのため、水分を含む下地や天候不良が起きた際もスムーズに防水工事を進めることができます。
塩ビシート防水機械的固定工法の性質により、仮防水を必要としない工法でもあるのです。
■FRP防水
液状の不飽和ポリエステル樹脂に補強材を組み合わせた防水工事の工法です。
補強材であるガラス繊維を混ぜ合わせているため、高い強度を誇ります。
また、強度だけではなく非常に高い防水性を持ち、施工時は継ぎ目が発生せず強固な防水層を形成するため、施工時は仮防水を必要としません。
高い耐久性によって伸縮性に欠けますが、硬く丈夫なので負担がかかる場所に取り入れられている工法です。
■アスファルト防水
防水工事の中でも一番の耐久性を持っているアスファルト防水は、合成繊維不織布シートに溶かしたアスファルトを塗布したルーフィングシートを使用する工法です。
ルーフィングシートは水分の侵入を防ぐ役割を持つため、アスファルト防水においても仮防水を必要としません。
アスファルトを使用するため重さがあり、一般的な戸建て住宅には向かない工法でもあります。
商業施設や高層マンションなど、強度が必要な場合に用いられており、主に新築時に施工されるケースがほとんどです。
仮防水不要の工事を行う際の注意点
仮防水を不要とする防水工事であっても、築年数が古い建物や改修工事を複数回繰り返しているケースでは注意してください。
防水層の一部補修だけでは追いつかない場合は、防水層の完全撤去を行うケースもあります。
防水層を完全撤去してしまう場合は、本工事までの間に雨が降ると雨漏りリスクが発生するため、状況に応じて仮防水を行う必要があるのです。
改修工事の際に防水層の撤去を検討している場合は、仮防水も併せて検討しておきましょう。
防水工事を行う業者の選び方
防水工事を検討しているものの、業者の選定にお困りの方も多いでしょう。
施工不良が起きてしまうと建物の安全性が低下してしまうため、業者選びは慎重に行いたいものです。
優良な施工業者を選ぶにあたり、気を付けるべき点があるのか、知りたい方も多くいらっしゃいます。
こちらでは防水工事を行う業者の選び方について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
■見積り内容を説明してくれる業者を選ぶ
防水工事を依頼する際の見積り依頼時に、施工内容をしっかり説明してくれる業者を選びましょう。
見積書には施工内容が記載されているため、不明点がないかしっかりチェックしてください。
施工内容が「一式」と略されておらず、詳細に記載されているとベストです。
費用項目も詳細に記載されているか確認し、各項目を詳細に説明してくれる業者であれば安心して任せられるでしょう。
■施工実績が豊富な業者を選ぶ
防水工事を業者へ依頼する前に、施工実績を確認しましょう。
ホームページがある場合、施工実績が掲載されているかもチェックしておくと安心です。
どのような施工を得意としているのかを施工実績から判断することもできます。
依頼する防水工事の範囲と類似した実績がある場合、工事失敗のリスクも低いと言えます。
■アフターフォローが充実している業者を選ぶ
業者が提示しているアフターフォローの内容はしっかり確認しておきましょう。
内容によっては、発生した不具合のフォローがない可能性もあります。
アフターフォローが充実している業者は、施工内容に自信があるケースも多いです。
万が一施工不良が発生した場合に備えて、アフターフォローの内容が充実している業者を選定してください。
防水工事でよくある質問
- 防水工事とはどんな工事ですか?
- 防水工事は、建物や構造物に水が浸入するのを防ぐための重要な工事です。主に屋上、外壁、ベランダ、浴室などの水に弱い部分に施工されます。
- 防水工事の相場はいくらですか?
- 防水工事の相場は、工事の種類、面積、建物の状態、地域などによって大きく異なりますが、一般的な相場の目安は以下の通りです。
箇所 費用相場 屋上防水 一般的な戸建て住宅(30〜50㎡):50〜150万円
アパート・マンションの屋上(100〜200㎡):200〜500万円ベランダ防水工事 10㎡程度:15〜30万円 外壁防水工事 戸建て住宅(100〜150平方メートル):100〜300万円 基礎防水工事 戸建て住宅:30〜100万円
- 防水工事は何年ごとに行いますか?
- 防水工事の周期は、使用されている防水材の種類や建物の状況、環境条件によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
防水の種類 周期 ウレタン塗膜防水 10〜15年ごと アスファルト防水 15〜20年ごと シート防水 15〜20年ごと FRP防水 10〜15年ごと
シーリング 5〜10年ごと 外壁防水塗装 7〜10年ごと - 防水工事の期間はどのくらいかかりますか?
- 防水工事の期間は、工事の規模、種類、天候条件などによって大きく異なります。一般的な目安として、以下のような期間が考えられます。
項目 工事期間の目安 屋上防水工事 アパート:1〜2週間程度
マンション:2週間〜1ヶ月程度ベランダ防水工事 2〜4日程度 外壁防水工事 アパート:2〜3週間程度
マンション:1〜3ヶ月程度基礎防水工事 3〜7日程度
まとめ
建物の雨漏りを防ぐ仮防水については、以下の通りです。
・仮防水は防水層の撤去や修繕の際に、建物の雨漏りリスクを軽減する役割を持っている
・防水層の本工事までの間に防水機能を維持するために施工されるケースが多い
・仮防水は本工事までの一時的な対応のため、工期によっては防水層の撤去当日に新しい防水層の塗布を検討するケースもある
・施工箇所に水分が発生すると防水層の剥がれつながるため、事前に仮防水を行っておくと施工不良を予防できる
・仮防水は防水性、付着性、施工性が求められるため、状況に応じた仮防水材の選定が重要である
・仮防水を不要とする防水工事もあるため、事前に業者へ確認しておく必要がある
・仮防水を不要とする防水工事であっても、築年数や改修工事の回数に応じて仮防水が必要になるケースもある
防水工事における仮防水の目的をしっかり把握しておきましょう。
防水工事後に施工不良を発生させないためにも、今回の内容を参考にしたうえで仮防水を取り入れるか検討してください。