改質アスファルトシート防水のメリットとは | 種類や費用相場を紹介
2024/05/15
改質アスファルトシート防水とは、アスファルトに改質剤としてゴムや樹脂を混入し、シート状に加工したものを下地に貼り付ける工法です。
その耐久性・施工性の高さから、屋上や地下室などの防水対策に幅広く活用されています。
そこでこの記事では、改質アスファルト防水の種類や工法、メリット・デメリットについて詳しくご紹介していきます。
防水工事を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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改質アスファルトシート防水とは
改質アスファルトシート防水は、アスファルトに改質剤を混ぜ込み、シート状に加工したものを下地に貼り付ける工法です。
アスファルトは耐水性・耐候性が高い素材ですが、硬化すると脆さが出てきて、ひび割れ・剥離などの劣化が起こりやすくなります。
そこで改質剤を混ぜることにより、アスファルトの柔軟性・弾力性が向上し、劣化を防ぐことができるでしょう。
改質アスファルトシート防水の寿命は、施工方法やメンテナンスの状況によりますが、一般的には15年~20年と言われています。
定期的な点検を行い、必要に応じて補修や改修を行うことにより、その寿命をさらに延ばせるでしょう。
■アスファルト防水との違い
アスファルト防水は、アスファルトを液状にし、下地に塗り付けて固める防水工法です。
この工法では施工後に硬化すると伸縮性が失われ、ひび割れなどの劣化が起こりやすくなります。
防水性能は高いですが、施工には手間や時間が必要です。
ちなみにアスファルト防水と改質アスファルト防水を比較すると、改質アスファルトシート防水のほうが防水性能や耐候性、耐久性などが向上しています。
ただし施工費用は、改質アスファルトシート防水のほうが高いです。
■シート防水との違い
シート防水は、防水シートを下地に貼り付ける工法です。
防水シートにはゴムシート・塩ビシートのいずれかが使われます。
改質アスファルトシート防水とは耐久性・施工性などが異なるので、用途に応じて適切な工法を選ぶことが必要でしょう。
改質アスファルトシートのメリットとは?
改質アスファルトシート防水は、その耐久性と施工性の高さから、多くの場所で防水工事に採用されています。
数多くのメリットがあるので、以下にいくつか挙げてみましょう。
■耐久性が高く、長期間にわたる使用に対応できる
屋上や地下室など、雨や雪の影響を直接受ける場所では、防水工事の耐久性が特に重要となります。
改質アスファルトシート防水は耐久性が高いため、屋上・地下室での使用に最適です。
耐用年数も長いので、長期間の使用にも耐えられるでしょう。
■気象条件や温度変化による伸縮に対応できる
地震や台風などの気象条件や、温度変化による伸縮は、防水層の劣化・破損を引き起こす恐れがあります。
しかし改質アスファルトシートは伸縮性があるため、これらの要因に対応できるでしょう。
■施工が簡単で、時間を大幅に節約できる
改質アスファルトシートは、シートを貼るだけで施工が完了するため、他のシート防水と比べて施工が簡単です。
防水性能も高いため、1~2層のみで防水層を形成できます。
また下地処理も不要なため、施工時間も短縮できるでしょう
アスファルト防水の熱工法のようにアスファルトを溶融釜で溶かす必要もないため、作業の手間を省けるだけでなく、煙や特有の臭いの発生も抑えられます。
改質アスファルトシート防水の主な3種類について
改質アスファルトシート防水には、主に3つの工法があります。
それぞれの工法の特徴や欠点について、詳しく見ていきましょう。
■トーチ工法
トーチ工法は、改質アスファルトシートをトーチバーナーで加熱して溶かし、下地に貼り付ける防水工法です。
溶かして施工することにより下地に密着しやすくなるので、高い防水性能が期待できます。
トーチ工法のメリットとしては、水密性が高いことが挙げられます。
これは、アスファルトルーフィング材を溶接することで、シート間の隙間がなくなるからです。
その結果、防水層がダメージを受けにくくなり、耐用年数も長くなります。
またアスファルトを直接塗って防水層を形成するアスファルト防水熱工法と比べて、トーチ工法は溶融釜を使用しないのも特徴です。
そのためアスファルト特有の臭いや危険性が少なく、周囲への悪影響も減らせるでしょう。
ただし、ある程度の臭いは避けられず、シートを使うため複雑な形状の箇所での工事には向いていない点には注意しましょう。
■常温粘着工法
常温粘着工法は、改質アスファルトシートの裏面に粘着剤を付けて、下地に貼り付ける工法です。
改質アスファルトシートの裏面に粘着剤が付いているため施工が容易で、施工時間も短いメリットがあります。
火を使わないため安全性が高く、下地にしっかりと密着させられるので、防水性能も高いでしょう。
ただし他の工法と比べて、施工費用がやや高いというデメリットもあります。
■機械固定工法
改質アスファルトシートをディスクやアンカーピンなどで下地に機械的に固定する防水工法を、機械固定工法と言います。
下地が湿っていても施工が可能な点がメリットで、高い防水性能も期待できます。
ただし、施工中は機械の音が大きいため、周囲の住民に影響が出ないよう配慮することが重要です。
改質アスファルトシート防水に必要な費用
改質アスファルトシート防水の費用は、一般的に4,500~7,000円(1平方メートルあたり)かかります。
ここでは、他の防水工法との比較を見てみましょう。
・ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法)…5,500~6,500円
・ウレタン防水密着工法…4,500~5,500円
・塩ビシート防水(機械固定工法)…5,500~7,500円
・塩ビシート防水(密着工法)…4,000~5,000円
・ゴムシート防水…4,000~5,000円
・FRP防水…5,000~7,000円
また、それぞれの防水工法の耐用年数は以下のとおりです。
・改質アスファルトシート防水…15~20年
・ウレタン防水(通気緩衝工法)…13~15年
・ウレタン防水(密着工法)…2~5年
・塩ビシート防水(機械固定工法)…15年~20年
・塩ビシート防水(密着工法)…10年~15年
・ゴムシート防水…10年~15年
・FRP防水…10~15年
また防水の費用は施工面積・防水層の厚さ・施工方法などにより変わります。
費用と耐用年数を比較して、どの工法が自身の希望する防水工事に適しているかを見極めることも大切です。
ちなみに上記の費用以外に高圧洗浄・下地補修・足場設置などの費用も発生します。
改質アスファルトシート防水で守るべき注意点
改質アスファルトシート防水は耐久性・施工性が優れていますが、以下の点に注意して施工する必要があります。
■下地の状態を整える
改質アスファルトシート防水を行う下地は、ゴミ・ホコリ・油分などを完全に除去することが必要です。
また下地の強度は十分か、施工面が平らか、ということも確認しつつ作業を進めることが求められます。
下地にひび割れや欠けがある場合は、補修工事も必要です。
■施工方法に注意する
溶融したアスファルトを使用するトーチ工法では、熟練した作業員が施工する必要があり、溶融したアスファルトが周囲に飛散しないように注意しましょう。
常温粘着工法では、下地を整えることに気を配らなくてはなりません。
例えばシートの内部に空気が入ると施工不良につながるので、下地を平らにすることが大切です。
また施工後は力を加えて空気を押し出し、シートをしっかりと密着させることも必要です。
機械固定工法では機械を使用して施工するため、施工中の騒音対策も欠かせません。
■対応可能な業者が限られる
どの防水工事会社でも、改質アスファルトシート防水に対応してくれるわけではありません。
業者の技術が足りないと、バーナー工法での炙り不足、常温接着でのシワの発生など、施工不良が起こる可能性があります。
そのため、改質アスファルトシート防水の施工に慣れた業者、または施工実績の豊富な業者に依頼するのがおすすめです。
施工業者の選び方
改質アスファルトシート防水は優れた防水工法ですが、その施工には一定以上の技術と経験が求められます。
そのため、信頼性の高い施工業者の選定が重要です。
具体的には、以下の要素をチェックすることが大切でしょう。
■施工実績
施工実績や経験が豊かな業者を選ぶことは、技術力・施工品質の観点から重要です。
施工実績は、業者のホームページやパンフレット等で確認できます。
施工実績が豊富な業者は、その実績に基づくノウハウや技術を提供してくれるでしょう。
依頼したい工事と類似の施工範囲を持つ業者がいるかどうかも確認してみてください。
類似のケースがある業者は施工に慣れているため、工事の失敗は少ないと言えます。
■資格や認定の有無
防水工事には「防水施工技能士」の国家資格が必要です。
また業者によっては、防水協会やリフォーム協会などから認定を受けていることもあります。
これらの資格や認定を持つ業者は、技術力や施工品質が一定の基準を満たしていることを示しています。
■相見積もり
複数の業者から見積もりを取り、それぞれの見積もりを比較検討することも大切です。
相見積もりを行うと工事費用を抑えることができて、悪質業者への依頼も避けられます。
■見積もり内容
見積書は、施工業者に依頼して作成してもらいます。
見積もりには工事内容・施工方法・材料費などが記載されています。
見積もり内容をしっかりと確認し、不明な点は解消しておきましょう。
詳細な内訳がなく「一式」とまとめて記載されている見積書は良くありません。
後から必要以上の費用を請求されるケースがあるので注意しましょう。
業者が見積もり内容を尋ねてみて、丁寧に説明しない場合は、その業者は信頼できないと考えられます。
■保証内容
保証内容についても、忘れずに確認しましょう。
保証期間内であれば、施工後の不具合や故障に対して業者が責任を負うため、安心して施工を依頼できます。
■自社施工の有無
自社で施工を行っている業者を選ぶのもおすすめです。
自社施工の業者は下請け会社に依頼する手数料である中間マージンが発生しないため、工事費用を抑えられます。
営業担当者と職人とのコミュニケーションもスムーズに行えるため、依頼主の意見や希望が迅速に伝えられるでしょう。
万が一、施工不良やトラブルが発生した際にも、自社施工の会社は迅速に対応してくれることが多いです。
まとめ
最後に、この記事の内容をまとめていきます。
・改質アスファルトシート防水は、アスファルトに改質剤を混ぜ、シート状に加工したものを下地に貼り付ける工法
・改質アスファルトシート防水の耐用年数は15年~20年
・アスファルト防水と比較して、改質アスファルトシート防水は防水性能や耐候性・耐久性が向上しているが、施工費用は高め
・シート防水とは異なり、改質アスファルトシート防水は耐久性・施工性が優れている
・改質アスファルトシート防水の主な工法にはトーチ工法・常温粘着工法・機械固定工法がある
・改質アスファルトシート防水の費用は、1平方メートルあたり4,500~7,000円
・対応可能な業者が限られている点には気を付ける
・施工業者を選ぶ際は施工実績・資格や認定の有無などをチェックし、相見積もりを行う
改質アスファルトシート防水は優れた防水工法ですが、費用が高めなので、事前にしっかりと検討する必要があるでしょう。
どのような防水工法が適しているかが気になる方は、まずは専門業者に相談してみてください。