屋根カバー工法をわかりやすく解説!できない屋根ってあるの?
2024/05/15
屋根の防水工事における種類には、カバー工法があります。
しかし、他の工法との違いや施工の流れについて、疑問や不明点を抱く方も多いです。
屋根の防水工事において、どのような方式があるのか把握しておくことで、工事を依頼する際に役立つでしょう。
本記事では屋根工事を検討されている方へ、屋根の防水工事に利用されるカバー方式のメリット・デメリット・注意点などをわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
中間マージンゼロ!直接お取引でコストカット
新東亜工業が選ばれる理由
- 仲介料である中間マージンが0で外注費コストカット
- 施工スピードと正確性を重視
- お客様満足度は98%!
- その他大規模修繕の対応や相見積もりも歓迎
屋根カバー工法とは? | 葺き替え工事との違い
屋根カバー工法とは、既存の屋根材のうえから新しい屋根を被せる方法です。
古い屋根の解体や処分が必要ないため、コストや手間がかからない方法として取り入れられています。
カバー工法と同様に葺き替え工事も屋根全体を新しいものに取り換えますが、大きな違いは以下に挙げる3点が当てはまります。
・屋根材の撤去が発生するかどうか
・工期の違い
・費用面の違い
既存屋根のうえから新しい屋根を被せるだけのカバー工法と異なり、葺き替え工事では既存の屋根を撤去する必要があります。
また、屋根材の下地や防水シートも新しいものへ取り換える必要があるため、カバー工法とは異なり手間やコストもかかります。
そのため、葺き替え工事とカバー工法では、工事の方式・かかるコスト・工期に大きな違いがあるといえるでしょう。
屋根カバー工法を行う流れ
屋根のカバー工法では、以下に挙げる5つの方式で進めていきます。
①棟板金や貫板を撤去する
カバー工法では、古い屋根の撤去は行いません。
しかし、屋根の頭頂部にある棟板金と貫板の撤去が必要です。
②防水紙を敷いていく
棟板金と貫板の撤去が終わったあとは、古い屋根のうえに防水紙を敷いていきます。
古い屋根材の撤去を行わないため、防水効果を高めるために必要な工程といえるでしょう。
③新しい屋根材を施工していく
防水紙の施工が終わったあとは、新しい屋根を取り付けていきます。
④棟板金・貫板を新しく設置する
新しい屋根の設置が完了したあとは、棟板金と貫板を設置します。
屋根の頭頂部にあたる大切な部分のため、しっかり施工しなければなりません。
⑤コーキング処理を行う
屋根材が重なる部分は、わずかな隙間が発生しやすく雨水の浸入経路になりやすいです。
隙間をなくすため、棟板金にしっかりコーキングを施します。
屋根カバー工法のメリットとデメリット
屋根の防水工事でカバー工法を検討している方も多いでしょう。
工期が短くコストを抑えられる点から、採用されているケースの多い方式です。
またカバー工法では、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
■屋根カバー工法のメリット
屋根カバー工法で得られるメリットは、以下に挙げる3点です。
・コストを抑えられる
・工期を短くできる
・屋根機能を向上させる
カバー工法は、既存の屋根材を撤去する必要がありません。
屋根材の撤去や処分が必要な葺き替え工事に比べて、かかるコストを抑えられます。
また、屋根材の撤去にかかる手間も少ないため、工期スケジュールを短くできるのもメリットでしょう。
さらに、既存の屋根材のうえから新しい屋根をかぶせることで二重構造になり、防音性が向上します。
断熱性に優れた新しい屋根材を使用すると高い断熱効果を得られるため、屋根機能の向上によって快適な住環境を得られるのです。
■屋根カバー工法のデメリット
工期が短く済み、コストも抑えられるカバー工法ですが、メリットだけではなくデメリットもあります。
施工後に予期せぬトラブルが発生しないよう、デメリットについてもしっかり把握しておく必要があるでしょう。
カバー工法におけるデメリットには、以下に挙げる4点が当てはまります。
・屋根点検に支障が出るケースがある
・修理費用のコストがかかる可能性もある
・使用できる屋根材が限定されている
・屋根の重さで建物に負担がかかるケースもある
カバー工法は、既存の屋根材のうえに新しい屋根をかぶせるため、内部の点検がしにくいデメリットがあるでしょう。
古い屋根と新しい屋根の間に不具合が発生した場合、点検不足によって腐食が進んでしまうケースも考えられます。
すでに古い屋根の雨漏りが発生している場合、カバー工法が適さないケースもあるため、注意しましょう。
また屋根カバー工法は屋根構造が二重になるため、修理が発生した際は屋根材を剥がして施工する必要があります。
手間がかかってしまうため、修理時のコストがかさんでしまう可能性も考慮しましょう。
カバー工法では、古い屋根材を撤去しない代わりに修理時に撤去が必要になってしまうと、工期やコスト面での負担が大きくなります。
屋根構造が二重になることで重量が加わり、建物に負担がかかるため耐震性の低下につながるケースもあります。
そのため、カバー工法で屋根材に使用できる材料は、軽い金属系の屋根材に限定されてしまうため、屋根の印象を大切にしている場合は別の工法を選択するケースも多いです。
カバー工法ができる屋根とできない屋根
カバー工法は、すべての屋根に施工できるものではありません。
屋根の状態によっては施工ができないケースもあるため、注意しましょう。
カバー工法ができる屋根とできない屋根について、詳しく解説いたします。
■カバー工法ができる屋根とは?
カバー工法に適している屋根は、以下に挙げる3つです。
・金属屋根
・アスファルトシングルを使用した屋根
・化粧ストレートを使用した屋根
建物に負担をかけないため、元の屋根に使われている材料が比較的軽いものに対して施工が可能です。
また、形状が水平である点もカバー工法が適している理由の1つでしょう。
カバー工法では古い屋根材との相性も必要なため、施工前に確認しておく必要があります。
■カバー工法ができない屋根とは?
カバー工法が向いていない屋根は、以下に挙げる3つです。
・瓦屋根
・トタン屋根
・コロニアルの屋根
カバー工法では、下地となる古い屋根材が水平である必要があります。
瓦屋根は凹凸がある屋根のため、カバー工法には向いていません。
瓦屋根は日本の住宅に取り入れられることが多い屋根材のため、カバー工法を検討している際は注意しましょう。
古いトタン屋根の住宅は、カバー工法に向いていないとされています。
トタン屋根が古くなっているケースでは、下地部分の劣化が進んでいる可能性があるため、カバー工法が難しいケースも少なくありません。
古いトタン屋根にカバー工法を取り入れたい場合は、屋根の状態を確認する必要があります。
また、コロニアル屋根が古くなっている場合は下地部分に劣化が起きている場合もあり、トタン屋根と同様に屋根の状態によってカバー工法が適さないケースもあります。
すでに雨漏りが発生している場合は下地が痛んでいる可能性があるため、建物を守るためにも屋根全体の補修が必要です。
トタン屋根と同様に、古いコロニアルの屋根ではカバー工法を避けた方が良いでしょう。
屋根カバー工法で注意しておきたいこと
屋根カバー工法を採用する場合において、注意点がいくつかあります。
どのようなことに注意するべきか、施工前に確認しておきましょう。
■既存屋根がカバー工法に適しているか確認する
屋根カバー工法を行うにあたり、屋根材によって施工ができないケースもあります。
以下に挙げる3つの屋根は、カバー工法に適した屋根です。
・金属屋根
・アスファルトシングル屋根
・化粧スレート屋根
水平な形状をしており、下地の痛みが少ない状態の屋根がカバー工法に適しています。
屋根の形状に凹凸がある瓦屋根はカバー工法に適さないため、施工を検討している場合は注意してください。
■新しい屋根材の重さに注意する
カバー工法は、古い屋根のうえから新しい屋根をかぶせる工法です。
施工後は屋根が二重構造になるため、その分の重さが建物にかかってきます。
建物に負担がかかると耐震性に影響が出てしまうため、カバー工法で使用する新しい屋根材は軽量タイプを選択しましょう。
カバー工法では、以下に挙げる3つを新しい屋根材として使用されるケースが多いです。
・スレート屋根
・アスファルトシングル屋根
・金属屋根
金属屋根は屋根材の中でも最も軽いため、カバー工法ではよく使用されています。
■カバー工法は一度しか施工できない
カバー工法では、古い屋根のうえに新しい屋根をかぶせるため、繰り返し施工はできません。
古い屋根のうえに新しい屋根をかぶせ続けてしまうと、重さが加わって建物に大きな負担をかけてしまうためです。
また、古い屋根が積み重なることで重大な不具合が起きても確認できず、気が付かないうちに劣化が進んでしまいます。
屋根カバー工法は何度も繰り返すことができず建物の変化を発見するのが難しい面もあるため、施工時はよく考えて工事を依頼しましょう。
■太陽光パネルの導入時は注意する
最近は、自宅に太陽光パネルを設置するケースも増えてきました。
カバー工法を取り入れている住宅に設置する場合は、事前に施工業者へ設置について相談しましょう。
カバー工法を採用した屋根は二重構造になっているため、屋根そのものの重量が増している状態です。
太陽光パネルの重さが加わると建物が耐えられない可能性もあるため、太陽光パネルの設置を検討している場合は注意してください。
まとめ
屋根の防水工事におけるカバー工法については、以下の通りです。
・古い屋根のうえから新しい屋根をかぶせるため、葺き替え工事と異なり、工期の短縮や施工コストを抑えられる
・屋根が二重構造になるため、防音性や遮音性に優れている
・断熱性の高い屋根材を使用することで屋根機能を向上できる
・カバー工法が適している屋根は凹凸がなく水平な形状をしており、元の材料が軽いタイプが適している
・すでに雨漏りしている屋根・古いトタン屋根・コロニアル屋根には施工ができないケースもあるため、施工前に確認が必要
・カバー工法は1度しか施工できない方式のため、採用する際はよく考えて工事を依頼する
・カバー工法を採用した屋根に太陽光パネル設置を検討している場合、重さによって耐震性が低下する可能性がある
屋根カバー工法では、工期が短く済む・コストを抑えられるといったメリットの反面、デメリットも存在します。
カバー工法を採用する際はデメリットや注意点をしっかり把握し、施工業者に相談したうえで工事を行いましょう。