外壁タイルの工事費用相場 | 防水性能の高さやメンテナンスについて
2024/05/15
外壁タイルは、石や土を焼き固めて耐久性を向上させています。
建物を守る役割があるため、防水性の高さも重要といえるでしょう。
しかし、外壁タイルは年数の経過とともに耐久性・防水性が少しずつ失われていきます。
建物を外的環境から守るためには、外壁タイルの工事が欠かせません。
本記事では、外壁タイルの工事費用相場やメンテナンスについて詳しく解説しています。
外壁タイルのメンテナンスを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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外壁タイルはメンテナンスが必要?
屋根や建物設備の定期点検や修繕は行うものの、外壁タイルのメンテナンスは見落とされがちです。
しかし、外壁タイルは外的環境から建物を守る大切な役割を持つため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
耐久性に優れている外壁タイルであっても経年劣化によってダメージが蓄積されるため、気が付いたときには雨漏り被害で建物に大きな影響を与えてしまう可能性もあるのです。
また、外壁タイルに使われる下地のモルタル材は伸縮性が不十分なため、紫外線や気候状況によってひび割れや隙間ができやすい性質を持ちます。
一般的に外壁タイルの耐用年数は10年前後といわれているため、屋根や建物設備の修繕を行うと同様に、定期点検を行ったうえで必要に応じてメンテナンスを行いましょう。
外壁タイルの性能
外壁タイルは、高い耐久性を持つ優れた設備です。
建物を外的要因から守り、安全な住まいを維持するための性能が備わっています。
外壁タイルの主な性能について、どのような性能を持っているのか詳しく確認していきましょう。
■耐水性に優れている
建物を守る外壁タイルは、高い耐水性を持っています。
外壁タイルの種類によって吸水性は異なりますが、主に吸水率の低い材料を使っているためです。
吸水率の低い外壁タイルを使用することによって、雨水を建物に浸入させないようにしています。
■耐光性に優れている
外壁は直射日光を受けやすく、紫外線の影響によって劣化してしまいます。
しかし、外壁タイルは石や砂を混ぜ合わせて焼き固めたものであり、直射日光による影響を受けにくいのです。
紫外線による劣化にも強いため、優れた耐光性によって多くの住宅に取り入れられています。
■耐傷性に優れている
外壁タイルに使われる材料は、約1,200度以上の熱を加えて焼き固められているため、非常に硬い性質を持っています。
そのため台風や強風にも強く、少しの衝撃でも傷が付きにくいです。
外壁タイルの高い耐傷性により、外壁の美しい状態を維持できます。
タイルの種類
耐久性に優れた外壁タイルには、以下に挙げる3つの種類に分けられます。
・磁器質タイル
・陶器質タイル
・石器質タイル
それぞれに異なる特徴を持つため、3種類の外壁タイルについて詳しくご説明いたします。
■磁器質タイル
1,250度以上の高温で焼き上げられた外壁タイルで、非常に硬い性質を持ちます。
低い吸水性で水の影響を受けにくく、雨漏りリスクの軽減につながるでしょう。
また耐候性も高く寒い地域でもその性質を発揮できるため、さまざまなエリアで採用されている外壁タイルといえるでしょう。
■陶器質タイル
1,000~1,200度で形成された陶器質タイルは、吸水性が高く柔らかさを持つタイルです。
表面に上品なツヤがありますが、吸水性の高さから外壁には向いていません。
主に室内の内装で使われるタイルです。
■石器質タイル
1,200度前後で焼かれたタイルで、素朴な見た目が特徴的です。
磁器質タイルと同等の硬さを持つため、外壁タイルとしても使われています。
吸水率も低いため、床材や水回りの壁にも用いられるケースが多いでしょう。
外壁タイルの工事費用相場
外壁タイルの工事を行う際、費用相場が気になる方も多いでしょう。
工事の費用相場については、外壁タイルの工事内容によって変動します。
詳しい費用相場については、以下に挙げる内容を参考にしてください。
・モルタル補修…1平方メートルにつき4,000~7,250円前後
・タイルの張替え…1枚につき500~1,000円前後
・コーキングの補修…1平方メートルにつき900~1,200円前後
・防水塗装…1平方メートルにつき5,000~12,000円前後
・クリア塗装…1平方メートルにつき2,000~5,000円前後
・タイルの高圧洗浄…1平方メートルにつき200~300円前後
高所での作業は足場設置費用もかかるため、状況に合わせて費用相場も変わることを念頭に入れておきましょう。
外壁タイルにおける工事の種類
外壁タイルの工事には、湿式工法と乾式工法のいずれかの方法で行います。
それぞれの工法について、特徴を知っておきましょう。
■湿式工法
モルタル材のうえからタイルを貼っていく工法です。
機械ではなく手作業で進めていくため、職人の技術力によって仕上がりに差が出てることもあります。
モルタル材は乾燥すると硬くなって施工できなくなるため、一定の作業スピードが求められます。
また、変形した下地には対応できないため、施工箇所によってはタイルが剥がれることも考えられます。
■乾式工法
モルタル材を使わず、接着剤を使用してタイルを貼りつけていく工法です。
接着剤は弾性に富んだタイプを使用するため、伸縮性があり変形した下地でも対応できます。
タイルが剥がれにくく施工期間も短いため、最近は乾式工法が主流です。
外壁タイル工事の流れは?
外壁タイルの工事は、主に4つの工程によって行われます。
また、不具合が出ているタイルのみを施工するのではなく、周辺部分を一緒に修繕していくケースもあるでしょう。
それぞれの工程でどのように工事を行うのか、詳しく見ていきましょう。
①打診調査を行う
外壁タイルに傷や剝がれている部分がないか、打診チェックを行います。
万が一ひび割れや破損が見つかった場合、マーキングを行いながら外壁全体を調査します。
②タイルのはがし作業を行う
外壁タイルの不具合が一部のみに発生している場合でも、周囲のタイルに影響を及ぼしているケースがあります。
ひび割れや破損で剥がれてしまう可能性のあるタイルは、専用の道具で剝がしていきます。
③樹脂を注入する
タイルにひび割れ・破損・浮きなどが見られる箇所は、目地に穴をあけて樹脂を注入します。
浮いている箇所が剥がれ落ちそうな部分があれば撤去し、モルタル材で補強後に貼り付け直すケースもあるでしょう。
④タイル交換を行う
外壁タイルに不具合が発生している箇所は撤去し、新しいタイルへと交換します。
タイルが剥がれている場所だけではなく、周辺部分を一気に施工する場合もあります。
施工業者を選ぶポイント
外壁タイルの工事を行う際、施工業者選びはとても重要です。
耐久性の高い外壁タイルであっても、職人の技術力によって仕上がりに差が出てしまうケースも考えられます。
どのようなポイントに注意して施工業者を選べば良いのか説明しますので、業者の選定時にお役立てください。
■見積もりを複数社に依頼する
1社だけではなく複数社に見積もりを依頼したうえで、価格や施工内容の比較を行います。
行われる工事の種類や使用する材料の明記な記載など、見積書の内容をしっかりチェックしましょう。
不明点があれば、見積もり先の業者へ確認してみてください。
■アフターフォローの有無を確認する
施工後に不具合が発生した場合、アフターフォローが付帯していれば、追加の工事費用がかからない場合もあります。
万が一の事態に備えるためにも、アフターフォローが充実している業者を選びましょう。
どのようなフォローをしてくれるのか、内容もチェックしておくと安心です。
■施工実績を確認する
見積もりを依頼する業者にホームページがあれば、これまでの実績を確認してください。
中には悪質な業者もいるため、過去の実績や実際に工事を依頼した人の口コミを参考にするのも良いでしょう。
実績を確認したうえで不安要素が残る場合は、その業者は避けたほうが安心です。
外壁タイルに塗装は必要?DIYできる?
外壁タイルの工事を検討している中で、外壁塗装の必要性に疑問を抱く方も多いでしょう。
また「DIYで対応できるのでは?」と、考える方も少なくありません。
外壁タイルの塗装やDIYは可能かどうか、詳しく解説いたします。
■外壁タイルの塗装について
外壁タイルはその性質により、塗装を必要としません。
石や砂を焼き固めているため、色あせや破損に強い性質を持ちます。
外壁タイル自体の耐用年数は40年以上と長いため、耐用年数が短い塗装を行う必要がないのです。
一度塗装を施せば定期的な塗り直しが必要になるため、コストもかさんでしまうでしょう。
塗装をすることで外壁タイルの素朴な質感が失われてしまうため、万が一塗装を検討している場合はメリットやデメリットをしっかり把握したうえで決めることをおすすめします。
■外壁タイルの工事をDIYで行えるかどうか
日曜大工に慣れている方であれば、外壁タイルの工事を自分でできないか考える方もいます。
しかし、外壁タイルは、部分的であっても自分で対応するのはおすすめできません。
外壁タイルの下地にはモルタル材が使用されているケースがあり、下地を作る際には長年の経験や知識が必要です。
また、一部の不具合が周辺のタイルに影響を及ぼしている可能性もあるため、一部修理だけでは済まないケースもあります。
DIYしたタイル部分に更なる不具合が発生する可能性もあるため、工事は専門業者へお任せしましょう。
まとめ
外壁タイルの性能や工事費用相場については、以下の通りです。
・外壁タイルは砂や石を高温で焼き上げるため、高い耐久性を持つ材料である
・外壁には吸水率の低いタイプを使用しているため、外壁タイルは耐水性に優れた性質を持つ
・石や砂を混ぜ合わせて形成する外壁タイルは耐光性に優れており、直射日光や紫外線による劣化に強い
・高温で焼き上げて作る外壁タイルは非常に硬いため、台風や強風による影響に強く、耐傷性に優れているため美しい外観を保ちやすい
・外壁タイルには磁器質・陶器質・石器質の3種類があり、外壁には優れた硬さを持つ磁器質タイルと石器質タイルが使われている
・外壁タイルの工事には湿式工法と乾式工法があり、現在は乾式工法が主流である
・外壁タイルの工事費用相場は内容によって異なり、足場設置費用が必要なケースもあるため、事前に確認しておく
・工事を依頼する際は、複数社から見積りを取ったうえで、施工内容や金額を見比べる必要がある
・万が一の事態に備え、アフターフォローが充実している施工業者を選ぶと安心して任せられる
外壁タイルは高い耐久性を持つため、多くの住宅の外壁に取り入れられています。
今回の内容で外壁タイルの特徴をしっかり把握したうえで、大切な建物を守るために定期的なメンテナンスを行いましょう。