外壁防水塗装の必要性とは？メリット・デメリットや工事費用まで解説

建物の外壁には塗装が施されますが、年数の経過と共に機能を失っていきます。 また、外壁自体も経年劣化によりひび割れや欠損が起きやすいため、定期的な外壁の防水塗装が必要です。 外壁の防水塗装を怠ってしまうと、雨漏りの原因になってしまうケースも多いです。 しかし「外壁の防水塗装って必要？」「どのタイミングで行うのか分からない」など、疑問を抱く方も多いでしょう。

また、費用面が分からず防水塗装を依頼できない方も多いです。 こちらの記事では、外壁の防水塗装における必要性や工事費用だけではなく、メリット・デメリットもお伝えしています。 外壁防水塗装の事を先に知っておくとスムーズに工事を進められるため、ぜひ覚えておきましょう。

外壁に防水塗装が必要な理由については、以下に挙げる3点の通りです。

• 外壁の劣化が進む
• 雨漏りリスクが高まる
• 建物全体の安全性が低下する

それぞれの理由について、詳しく確認していきましょう。

■外壁の劣化が進む

外壁に施した防水塗装の耐用年数はおよそ10年ほどとされています。

耐用年数前後にさしかかると徐々に塗装効果が低下するため、外壁自体の劣化も進んでしまうのです。

そのため、防水塗装は定期的に行う必要があるといえるでしょう。

■雨漏りリスクが高まる

外壁自体の劣化が進むとひび割れや欠損が生じやすくなってしまいます。

わずかな隙間からでも雨水は浸入するため、雨漏りリスクが高まってしまうので雨漏りリスクを低下させるためにも、外壁の防水塗装は欠かせません。

また、雨漏りによる被害が大きくなると補修工事費用も割高になってしまうため、日ごろからのメンテナンスが必要です。

■建物全体の安全性が低下する

外壁の劣化が進み雨漏りが発生してしまうと、建物全体の安全性に大きく関わります。

外壁からの雨漏りは気が付きにくい性質を持つため、雨水の浸入によって躯体や木材を腐食させ耐震性が損なわれてしまうのです。

建物の耐震性が低下すると安全に暮らせなくなり、建物自体の価値も大きく下がってしまいます。

外壁に施した防水機能が低下する際に、特徴的な症状が発生します。

見た目で防水機能低下を見分けることは難しいですが、発生した症状によって判断が可能です。

では、どのような症状が発生するのか確認していきましょう。

■チョーキング現象

外壁を触ったときに白いチョークの粉のようなものが付着することを「チョーキング現象」と呼びます。

紫外線や雨・風によって劣化した塗装が分解されることで発生し、外壁の防水塗装が劣化しているサインの1つです。

チョーキング現象が発生している外壁は、防水性や耐久性が低下しているため早めの対処が必要です。

■ひび割れ

外壁にひび割れが発生した際は、防水塗装の機能が低下しているサインと捉えましょう。

本来、外壁は防水塗装によって劣化を防いでいますが、防水機能が低下すると雨や紫外線の影響を直接受けてしまいます。

外壁自体がダメージを折ってしまうため、ひび割れやタイルの欠損などが発生しやすくなるのです。

雨水はわずかな隙間からでも建物内へ浸入してくるため、早急に補修を行いましょう。

■シーリングの劣化

外壁タイルでは、隙間を埋めるためにシーリング材が使われています。

防水機能が低下すると雨や風・紫外線のダメージをダイレクトに受けてしまい、ひび割れや縮みの原因につながるのです。

シーリング材のわずかな縮みや割れた部分からも雨水は浸入してしまうため、定期的な点検とメンテナンスを行いましょう。

外壁に防水塗装を施すことで、さまざまなメリットを得られます。

どのようなメリットを得られるのか、詳しく確認していきましょう。

■外壁の劣化を防げる

外壁の防水塗装には、防水効果だけではなく外壁を外的環境から守る役割を持っています。

外壁が雨水を吸水すると膨張と収縮を繰り返し、外壁の劣化につながってしまうのです。

また、雨や風・直射日光による紫外線などの影響によって外壁が劣化してしまいます。

防水塗装を行うことで外壁のダメージを防ぎ、劣化を予防できるでしょう。

■雨漏りリスクを低下させる

外壁の劣化が進むとひび割れや破損が発生し、隙間から雨水が浸入します。

雨水が建物の内部まで浸入してしまうと、躯体や木材を腐食させ安全性が損なわれてしまうのです。

防水塗装を施しておくとひび割れが発生しにくく、雨水の浸入を防げます。

外壁の劣化を防ぐことで、雨漏りリスクを軽減し建物を守ることができるでしょう。

■建物の安全性を向上させる

建物は外壁や屋根によって雨や風・直射日光から守られています。

外壁は建物の安全性を保つ大切な部分にあたるため、防水塗装によって劣化を防ぐ必要があるのです。

外壁に劣化症状が発生すると塗膜も同様に劣化していきますが、防水塗装を施すことで防げます。

雨漏りリスクも軽減できるため、結果的に建物の安全性向上につながるといえるでしょう。

 

外壁の防水塗装には、以下に挙げる3つのデメリットがあります。

• ひび割れの程度によって対応できない
• 耐用年数が短い
• 膨張が起きやすく美観に影響する

外壁の防水塗装では、大きなひび割れの予防はできません。

築年数が古く、外壁自体の劣化が見られる場合は大きなひび割れが発生しやすく、防水塗装の効果を十分に得られない可能性もあるでしょう。

防水塗装剤材は湿気を含むと膨張するケースもあり、外壁に膨らみが発生すると美観へ与える影響も少なくありません。

また、通常の塗装に比べ耐用年数が短いため定期的なメンテナンスが必要です。

短いスパンで再施工が必要になるため、コスト面がデメリットです。

 

外壁の劣化を防ぐために防水塗装は欠かせません。

しかし、外壁の中には防水塗装が必要なものと防水塗装できないものがあります。

どのような外壁材が当てはまるのか、確認していきましょう。

■防水塗装が必要な外壁とは？

防水工事が必要な外壁は、モルタル壁とコンクリート壁です。

どちらも防水性が低い材料のため、適切な防水工事を行わなければ雨漏りリスクが高まります。

モルタル壁もコンクリート壁も耐久性に優れていますが、内部に鉄骨が使われている場合は雨漏りによってサビが発生し、安全性の低下につながるでしょう。

どちらの外壁材も劣化によって雨漏りが発生しやすいため、防水塗装が欠かせないのです。

■外壁塗装できない外壁材とは？

防水塗装は、すべての外壁に適応できるわけではありません。

建物の外壁がサイディングで出来ている場合は防水塗装が適さないため注意してください。

サイディングは防火性・断熱性に優れた外壁材ですが、断熱性によって熱が内部にこもりやすい性質を持ちます。

防水塗装によって放熱できず、塗膜が剥がれやすくなってしまうのです。

また、サイディングの劣化を防ぐ効果も期待できないため、施工の必要はありません。

防水塗装を行うと劣化が進んでしまう外壁材もあるため注意しましょう。

 

外壁の防水塗装を行う場合の費用相場について気になる方も多いでしょう。

こちらでは、施工に必要な資材の価格や工事費用について解説いたします。

■防水塗装に必要な資材の価格

防水塗装では、ウレタン・シリコン・ラジカル・フッ素・弾性塗料の5種類の塗料を使います。

1平方メートルあたりの相場価格については、以下に挙げる5点を参考にしてください。

• ウレタン塗料…1平方メートルあたり1,400～2,500円前後
• シリコン塗料…1平方メートルあたり1,800～2,800円前後
• ラジカル塗料…1平方メートルあたり2,200～3,000円前後
• フッ素塗料…1平方メートルあたり3,000～5,000円前後
• 弾性塗料…1平方メートルあたり5,300～6,300円前後

■防水塗装の工事費用は？

外壁の防水塗装を行う場合、以下に挙げる3つの項目におけるコストがかかります。

• 足場の設置…1平方メートルあたり1,000～1,200円前後
• 高圧洗浄…1平方メートルあたり150～300円前後
• コーキング…1平方メートルあたり950～1,200円前後

塗料の費用を含めると、一軒家でかかる工事費用の相場はおおよそ120～130万円前後を目安としてください。

 

外壁防水塗装を依頼する際、良い施工業者を選びたいものですよね。

こちらでは防水塗装を依頼する業者の選び方について解説いたします。

■防水塗装を依頼する業者の選び方

施工業者を選定する際は、以下に挙げる3つのポイントを参考にしてください。

• 複数の業者に見積りを依頼する
• 保証の有無や期間を確認する
• 施工実績を確認する

業者を選定する際に比較ができるよう、複数の業者から見積りを取りましょう。

見積り内容が明確に記載されているか・使用する資材において不足はないかチェックしてください。

業者によっては一括りで記載しているケースもあるため、不明点があれば問い合わせましょう。

工事全般では基本的に保証が付いていますが、中には保証がないケースもあるため施工後の保証有無についても確認してください。

確認の際は保証期間も併せてチェックしておくと安心です。

また、防水塗装の施工の際は実績や経験豊富な業者だと安心して任せられます。

依頼予定の業者にホームページが開設されている場合は、似たような実績があるか探してみてください。

実績の有無も依頼の判断材料になります。