屋内防水工事の重要性とは?建物を改修して住まいを守る
2024/05/15
建物の雨漏りは、耐震性や安全性を著しく低下させてしまいます。 室内への影響だけではなく、躯体や木材を腐食させてしまい、シロアリやカビの発生などにつながってしまうでしょう。
雨漏りリスクから建物を守るためには、防水工事は欠かせません。 防水工事の適応箇所はいくつかありますが、今回は屋内防水工事の重要性について解説しています。 防水工事を検討している方は、建物を改修して住まいを守るために、ぜひ参考にしてください。
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屋内防水工事とは
屋内防水工事は、建物の内部に防水層を形成することを指しています。
建物の外部だけではなく、内部の劣化によって雨漏りが発生するケースもあるため、定期的に防水工事を行う必要があるのです。
屋内防水工事については、以下に挙げる7箇所が工事の対象となります。
- 屋上
- バルコニーやベランダ
- 貯水槽
- トイレ
- 浴室
- 洗面所
- キッチン
主に日常生活で水を使う場所をメインに防水工事を施します。
適切な防水工事が施されていない場合、劣化した部分から水が入り込み、建物内部へ悪影響を及ぼしてしまうのです。
屋内も防水工事を行うことで、劣化による雨漏りリスクを軽減させ、建物を水漏れ被害から守ることにつながります。
屋内防水工事の重要性とは?
屋内防水は、建物の雨漏りリスクを軽減させるために行われています。
建物を守ることは安全な生活環境を維持するためにも必要です。
屋内防水工事の重要性について、詳しく確認していきましょう。
■雨漏りによって起きる建物への被害を防ぐ
建物で雨漏りが発生すると、室内天井や家財道具への被害だけではなく、建物の安全性を低下させてしまいます。
また、木材を腐食させることでシロアリ被害やカビが発生してしまい、健康被害を引き起こす可能性もあるでしょう。
雨漏りした箇所によっては感電や漏電の危険性もあるため、建物を守るため屋内防水によってさまざまなリスクを防ぐのです。
■建物の安全性・快適性を維持する
雨漏りが発生し建物内部まで浸入すると、躯体や木材を腐食させ耐震性を低下させてしまいます。
安全な環境を維持するためには雨漏りを防ぐ必要があるのです。
屋内防水工事を行うことで建物の寿命を伸ばし、耐久性・安全性の向上につながります。
また、雨漏りの発生によっておきる湿気やカビ被害を防ぎ、快適な住環境を保ちます。
屋内防水工事に行う工法の種類
屋内防水工事では、以下に挙げる2つの工法を採用しています。
・アスファルト防水熱工法
・改質アスファルト防水熱工法
また、屋内防水では、業者の施工実績や施工環境によって施工方法を採用していきます。
まずはそれぞれの工法にどのような特徴があるか把握しておきましょう。それぞれの特徴について解説しているので、ぜひ参考にしてください。
■アスファルト防水熱工法
アスファルトを熱で溶かし、ルーフィングと呼ばれる防水シートと組み合わせる工法です。
アスファルトと防水シートを組み合わせることで耐久性に優れており、高い防水性を得られます。
また、施工性に優れているだけではなく、コストを抑えられる点もメリットでしょう。アスファルトを溶かす際に火を扱うため、施工時は注意でアスファルトを溶かす際に独特のにおいが発生するため、施工時は近隣へ事前に周知しておく必要があるでしょう。
■改質アスファルト防水熱工法
アスファルトにゴムや樹脂を加えた改質アスファルトを利用し、ルーフィングシートと組み合わせた工法です。
アスファルトを溶かす必要がないため、火を使ったり独特のにおいが発生しません。
耐久性に優れており、寒い地方でも施工が容易な点がメリットでしょう。
においが発生しないため屋内の施工も可能です。
しかし、アスファルト防水熱工法と比べてコストが割高な面がデメリットでもあります。
標準仕様書とは
屋内防水工事は、国土交通省の公共建築改修工事標準仕様書で区分されています。
標準仕様書とは、使用する材料や工事手順を記載したもので、さまざまな規定が設けられています。
標準仕様書を制定することで建物の施工品質を守り、工事の効率化を図ることが可能です。
また、設計図書の作成する際の効率化にも影響するため、設計士は標準仕様書の内容を把握する必要があります。
標準仕様書は、以下に挙げる2つの目的によって定められます。
- 建築物の品質及び性能の確保
- 設計図書作成 の効率化並びに施工の合理化を図る
標準仕様書は各府省庁によって官庁営繕事業を行うため、統一基準が設けられています。
この統一基準は3年周期で改定されているため、定期的に確認しておく必要があるでしょう。
屋内防水工事を行うにあたり、工事の標準的な使用を示すものなので、工事の際は標準仕様書の内容をしっかり理解しておく必要があります
屋内防水工事を行うタイミング
屋内防水を行うタイミングについては、以下に挙げる3つが当てはまるでしょう。
- 新築工事のタイミング
- 雨漏りが発生したタイミング
- 築年数が10年を経過したとき
それぞれのタイミングで行う理由について、解説いたします。
■新築工事のタイミング
新築住宅の建築において、最近では防水工事も並行して行われています。
新築時に防水工事を行うことで雨漏りを防ぎ、建物の安全性を維持できるようになります。
建物の耐久性を維持するために、新築工事に併せて屋内防水工事も行われます。
■雨漏りが発生したタイミング
屋内防水工事は、雨漏りリスクを軽減するために行われていますが、雨漏りが発生した際も屋内防水工事によって対処を行います。
雨漏りを放置すると建物内部へ浸入し、木材や躯体に大きな影響を与えてしまうため、雨漏りが発生した際は早急に屋内防水工事を検討してください。
■築年数が10年を経過したとき
新築時に行った屋内防水工事の耐用年数は、およそ10年ほどとされています。
築10年を経過すると防水層が劣化し雨漏りリスクが高まるため、10年を目安に屋内防水工事を検討しましょう。
■屋内防水工事を行うその他のタイミング
屋内防水工事は、以下に挙げる症状が発生した場合は早急に対応しなければいけません。
- 屋上やバルコニー・ベランダにひび割れや破損が発生している
- 浴槽や洗面所にカビが発生している
- 排水口設備から水が漏れている
これらの症状は雨漏りにつながる可能性があるため、施工業者へ早めに相談しましょう。
業者を選ぶポイント
室内防水工事を業者へ依頼する際、いくつかポイントがあります。
優良な業者を選ぶために、押さえておくポイントを覚えておきましょう。
■複数社から見積りを取る
屋内防水工事の施工は業者により違いがあり費用面も業者変わります。その為比較のために複数社から見積りを取って比較検討しましょう。
■施工実績を確認する
屋内防水工事は、どの業者に依頼しても仕上がりが同じというわけではありません。
業者によって得意・不得意があり、仕上がりが左右されるケースもあります。
また、施工方法によっては不得意な業者の場合、施工不良になってしまう事も考えられます。
依頼予定の業者にこれまでの施工実績を確認しておくと良いでしょう。
■保障内容やアフターフォローの有無を確認する
施工後に不具合が発生してしまった際、保障無しの場合には追加工事を行う必要があります。
万が一の事態を想定しておき、保障内容が充実している業者を選びましょう。
保証期間がどの程度あるのかも確認しておきましょう。
■親身になって対応してくれる業者を選ぶ
見積り内容やアフターフォローの内容を確認する際、親身になって丁寧に教えてくれる業者はポイントが高いです。
こちらの希望をくみ取ってくれたうえで予算や施工内容を決めてくれる業者だと、安心感もあるでしょう。
対応が不親切な業者は工事について相談しにくいため、避けておいたほうが無難です。
屋内防水工事の費用を抑えるには
屋内防水工事の重要性は理解したものの、費用を抑えたいと考える方も多いでしょう。
どのようなポイントに注意すれば工事の費用を抑えられるのか、詳しく解説いたします。
■適正相場の業者を選ぶ
先ほど屋内防水工事を依頼する際は、複数社から見積りを取っておくこと見積りを見比べると説明しましたが、その際のチェックとして費用相場から大幅に価格が高い・低い業者は外し、適正価格で屋内防水工事を施工できる業者を選びましょう。
あまりにも安い場合、追加費用など必要になる可能性があり注意が必要です。
■閑散期を狙って依頼する
屋内防水工事だけではなく、建物のメンテナンスは年末や年度末に集中する傾向があります。
工事を依頼する際は、スケジュールに余裕があれば閑散期に依頼すると費用を抑えられる可能性があるでしょう。
閑散期は業者によって異なりますが、多くの場合は4~6月、場合によっては9~10月が閑散期の可能性があります。
まずは屋内防水工事のスケジュールを予め立てておくとスムーズです。
■火災保険利用を検討してみる
雨漏りが発生し屋内防水工事を依頼する際、状況によって火災保険が利用できる可能性があります。
防水層の劣化や雨漏り箇所が自然災害による場合、火災保険の補償に入るケースも考えれるでしょう。
適応条件を満たす場合は火災保険を活用することで、工事費用を抑えられます。
火災保険の適応になるかどうかは施工業者に相談してみてください。
まとめ
屋内防水について紹介していきました。今回のまとめは、以下の通りです。
- 建物に雨漏りが発生すると安全性や耐震性が低下するため、適切なタイミングで屋内防水を行う必要がある
- 屋内防水工事を行うことで建物の安全性を守り、住環境の維持につながる
- 雨漏りが発生するとシロアリやカビ被害が発生し、健康に大きな悪影響を及ぼす可能性がある
- 室内に雨漏りが発生すると家財道具や室内天井への被害が発生してしまう
- 日常生活で水を扱うキッチンや浴室・トイレの防水性が低下すると雨漏りリスクが高まるため、屋内防水工事が必要である
- 屋内防水工事を行うタイミングは、新築工事や雨漏り発生のタイミングで行うケースが多い
- 屋上やバルコニー・ベランダにひび割れや破損が発生しているケースや水場にカビが発生する場合、屋内防水工事を検討する必要がある
- 排水口設備から水漏れが発生している場合は、早急に屋内防水工事を検討する必要がある
屋内防水工事は、建物を雨漏りから守るための大切な役割を持っています。
今回の内容をしっかり把握したうえで、業者の選び方を参考にして建物を雨漏り被害から守りましょう。