マンションの大規模修繕工事はうるさい?騒音対策や工事中の過ごし方を解説
2024/05/16
マンションでは、定期的に大規模修繕工事が必要です。
この工事によりマンションの価値を維持・向上させられるので、適切に工事を実施することが求められます。
しかし工事期間中の騒音をうるさいと感じる住民は多く、住民にとっては悩みのタネです。
施工業者も防音シートを使ったり、音の小さい機材を使ったりしていますが、それでもすべての騒音をなくすのは困難です。
よって騒音によるストレスを軽減するための対策が重要です。
今回の記事では、マンションの大規模修繕での騒音対策や、工事中の過ごし方について解説していきます。
事前に騒音対策について知っておくと、トラブルが少なく大規模修繕工事を行えるでしょう。
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大規模修繕ではどのような工事が行われる?
大規模修繕工事において、具体的にどのような作業が行われるのでしょうか。
国土交通省の調査によると、大規模修繕工事全体の費用の約24%が、外壁塗装やタイル補修です。
次に多いのが防水工事で、全体の約22%を占めます。
次いで足場工事を始めとする仮設工事が約22%です。
工事内容の具体的な例としては、下記を参考にしてみてください。
■躯体の補修
躯体(くたい)とは柱・壁・梁・床など「建物の骨組み」を指す言葉です。
マンションの躯体では、特に外壁部分で問題が起こりやすいです。
外壁の剥がれなどから雨水が侵入してサビが発生したり、コンクリートが露出したりする現象が見られます。
このような部分を補修し、建物の強度を取り戻します。
■外壁塗装
塗装工事は、建物の美観を保ったり防水性能を維持したりするための重要な工程です。
また適切な塗装を行うことによりコンクリートの腐食や、建物の劣化を遅らせることができます。
大規模修繕工事では欠かせない作業の1つです。
■屋上防水
屋上は常に風雨にさらされており、紫外線の影響も受けやすいため、劣化しやすいです。
経年で徐々に防水性能が失われていくので、適切な修繕工事が必要です。
■外壁タイルの補修・張替え
外壁タイルは、風雨や気温の影響で劣化が進行します。
タイルの劣化症状としては、浮き・剥がれ・落下があります。
タイルと下地のコンクリートとの間で接着力が弱まると浮きが生じ、浮きを放置すると剥がれ・落下につながります。
落下したタイルが通行人に当たると危険なので、必ず検査・補修を行いましょう。
工事ごとに発生する騒音の種類
大規模修繕ではさまざまな工事が行われますが、工事ごとにそれぞれ騒音が発生します。
以下で、工事ごとに発生する騒音の種類をご紹介していきます。
■足場工事
マンションの周囲に設置する足場の組み立て・解体工事で、うるさい騒音が発生します。
足場の素材は鉄製で、設営にはハンマーを使うので、特有の金属音が響きます。
また足場の倒壊や変形を防ぐ作業を行う際に使われるドリルの音も発生するでしょう。
また足場材を地上から高所へと移動させる際には、作業員の声が聞こえることもあります。
■外壁のタイル改修工事
外壁のタイル改修では、電動カッターを用いてひび割れたタイルを取り除く際に、大きな音が発生します。
またタイルが剥がれ落ちるのを防ぐために、建物に接着剤を注入する穴を開ける際にも、ドリル音が発生するでしょう。
さらにタイルを張り替える前にも、外壁のコンクリート下地を電動工具で補修するためにドリルやサンダーが使われるため、騒音が発生します。
■高圧洗浄機・掃除機の騒音
大規模修繕工事では、外壁や屋上の下地を高圧洗浄機で洗浄する工程が含まれます。
これは、仕上がりを左右する重要な工程です。
高圧洗浄機のエンジンの騒音や、モーターの力で高圧水が噴射される際の音が気になるでしょう。
■撤去工事
マンションの敷地内や駐車場、道路などの改修に際しては、既存のアスファルトの撤去が必要です。
この作業にはドリルやカッターを使うので、騒音が発生するでしょう。
騒音をなくすことは可能?
大規模修繕工事の騒音をなくすことは、基本的にはできません。
施工業者は防音シートを設置したり、音を軽減する装置を使用したりと、さまざまな工夫をして騒音を軽減してくれると思いますが、それでも完全に騒音を消すことはできません。
法律によっても騒音のレベルが一定以上にならないように配慮されていますが、それでも騒音はなくなりません。
よって騒音が発生することを前提に、対策をとることが必要でしょう。
例えばタイルの補修の音を減らすには、張り替えではなく補修に切り替える方法が有効です。
タイルの劣化が軽度であれば、この方法が使えます。
また無振動ドリルを使う方法もあります。
無振動ドリルを使うと静かに穴を開けることができ、コンクリートを傷つけずに施工できるメリットがあります。
騒音を大幅に軽減できるため、病院や図書館など、大きな音を出せない施設でも採用されています。
このように騒音対策を行う際には、使用する工具にも配慮することが重要です。
騒音を軽減する方法
大規模修繕の工事では、どのような方法でうるさい騒音を軽減するのが良いのでしょうか。
■窓・カーテンを閉める
窓やカーテンを閉めると防音効果が高まるので、騒音対策になります。
騒音が発生する工事の際には、可能な限り窓を閉じましょう。
■外出する
大きな音が発生する作業の時は、外出するのも良いでしょう。
工事内容は事前に告知されるので、前々から予定を組んでおけます。
■耳栓をする
耳栓でも、騒音を抑えられます。
またノイズキャンセリング機能を持つイヤホンを使うのも良いでしょう。
■吸音材を使用する
施工業者側は、吸音材を使用して騒音に対処できます。
吸音材は音を吸収し、反響を減らしてくれる素材なので、周囲に騒音が拡散されにくくなります。
■平日の昼間に大きな音が出る工事をする
平日の昼間はマンション住人が少ない傾向にあるので、このときに大きな音が出る工事をするのも良いでしょう。
騒音を軽減できると、住民からのクレームを減らせて、スムーズに工事を進められるでしょう。
修繕工事中の過ごし方※マンションに住んでいる方向け
修繕工事中は以下のように過ごすと、騒音が気になりにくいです。
■騒音が気にならない工夫をする
日常生活の中で、騒音が気にならない工夫をしてみましょう。
例えば以下のよう事が挙げられます。
- テレビの音量を上げる
- 好きな音楽を流す
- 掃除機をかける
■洗濯物は夜に干す
大規模修繕工事中はホコリ・汚れが発生するので、洗濯物がベランダに干せないこともあります。
夜は修繕工事が行われないので、洗濯物は夜に干すと良いでしょう。
またコインランドリーを使うのもおすすめです。
■玄関・窓は施錠する
玄関や窓はしっかりと施錠しましょう。
大規模修繕工事中はマンションの周囲に足場が設置されているので、空き巣が侵入しやすいのです。
窓に取り付ける補助錠が貸し出されることもあります。
■ベランダの荷物を撤去しておく
ベランダに荷物があると、修繕工事の妨げになってしまいます。
よって事前にベランダの荷物を撤去しておくことが必要です。
物干し竿やエアコンの室外機以外は、基本的に室内で保管することになるでしょう。
■どうしても我慢できないときは管理組合に相談する
どうしても騒音を我慢できないときは、管理組合に相談しましょう。
作業員の態度が悪くイライラするときも同様です。
精神的に安定している状態では、騒音を受け流しやすくなるでしょう。
騒音によるクレームを防ぐには
大規模修繕の騒音に関するクレームが入ることもあるので、何らかの対策をとらなくてはなりません。
そこで事前に詳細な説明を行い、工程表や作業時間を明示する書面を配布することが大切でしょう。
また工事の遅延や作業内容の変更が生じた場合は、チラシやマンションの掲示板を活用して、居住者に情報を提供しましょう。
工事期間中は居住者の生活環境が大きく変わるため、定期的な進捗報告や細かな配慮が求められます。
マンション住民だけでなく、周囲住民からもクレームが出る可能性があるので要注意です。
よって周辺住民に対しても、工事期間や時間帯を説明し、チラシを配布することが必要でしょう。
万が一クレームが発生した場合は、丁寧に謝罪して迅速に対応することが大切です。
またクレーム対応専門の窓口を設けることで、クレームが発生した際に迅速に対応できるでしょう。
大規模修繕工事の実績が豊富な施工会社に、工事を依頼することも有効です。
騒音対策に慣れており、作業もスムーズに進めてくれるので、住民からのクレームを少なくできるでしょう。
ただしクレームを一切なくすのは難しいかもしれません。
そこで事前にクレームに対応するために、修繕委員会のメンバーやオーナーが知識を身に着けておき、施工会社と協力して対応マニュアルを作っておくのがおすすめです。
騒音対策には業者選びが重要
騒音対策では、業者選びが重要です。
気になる施工業者が見つかったら、可能であれば近隣の施工事例を見学しましょう。
その物件のオーナーを紹介してもらい、話を聞いてみるのも良いでしょう。
オーナーの紹介を断るような施工業者は、避けた方が良いかもしれません。
また現場監督の能力も、適切な騒音対策ができるかどうかを左右します。
経験豊富な現場監督がいると、入居者とのコミュニケーションを適切に行えるでしょう。
複数の施工業者の候補が見つかったら、それぞれの業者にプレゼンテーションを行ってもらいます。
プレゼンテーションでは値段の安さだけでなく、工事内容や社風、安全性、担当者の対応など、さまざまなことをチェックする必要があります。
効率化やコスト削減、安全管理に関する社員教育の取り組みなど、工事業者がアピールするポイントが、管理組合の目的と近いかどうかも、確認しましょう。
業者選定を誤ると騒音のクレームが多くなる傾向があるので、慎重に業者を選ぶことが大切です。
まとめ
この記事の内容を以下でまとめていますので、復習のためにお役立てください。
- マンションでは定期的に大規模修繕工事が必要で、その際の騒音対策が重要
- 大規模修繕工事では躯体の補修、外壁塗装、屋上防水、外壁タイルの補修・貼替えなどが行われる
- 足場工事・外壁のタイル改修工事・高圧洗浄機・撤去工事などで騒音が発生する
- 騒音を完全になくすことは難しいため、騒音の発生を前提に対策をとることが必要
- 騒音を軽減するには窓・カーテンを閉める、外出する、耳栓をする、吸音材を使用する、平日の昼間に大きな音が出る工事をする、という方法がある
- 修繕工事中の過ごし方として「騒音が気にならない工夫をする」「洗濯物は夜に干す」「玄関・窓は施錠する」「ベランダの荷物を撤去しておく」ということがあげられる
- 騒音によるクレームを防ぐには、事前にマンション住民に詳細な説明を行う
- 工程表や作業時間を明示するチラシを配布すること
- 施工業者の選定を誤ると騒音のクレームが多くなる傾向があるため、慎重選ぶ
マンションの大規模修繕工事では、うるさい騒音をなくすことはできません。
そこで今回ご紹介した方法で、騒音対策をしてみてください。