コンクリート屋根・屋上の防水工事に防水塗料が必要な理由や施工手順を解説
2024/11/07
コンクリート屋根とは、アスファルト防水を施した屋根のことです。
耐久性に優れているため「メンテナンスは不要」と考える方も多いですが、年数の経過と共に劣化していきます。
そのため、耐久性の高いアスファルトを使用していた場合でも、メンテナンスは必要でしょう。
その場合、コンクリート屋根における防水塗料について、どのように選べばいいのか分からない方も多いです。
また、メンテナンスの際に誤った知識で適していない材料を使ってしまうケースも少なくありません。
間違った知識でコンクリート屋根を劣化させないため、防水塗料の選び方は事前に確認しておく必要があります。
しかし、防水塗料といってもたくさんの種類があるため、選び方がわかっていると安心です。
そこで本記事では、コンクリート屋根における防水塗料の選び方について解説しています。
理由や施工手順についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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コンクリート屋根・屋上の特徴
コンクリート屋根は、押さえコンクリート仕上げまたは露出仕上げの工法で施工されています。
押さえコンクリート仕上げでは、防水層の上に保護コンクリートを打設していくため、耐久性に優れていることがメリットです。
露出仕上げは、防水層が露出している状態を指します。
押さえ工法と比べると耐久性は劣りますが、さまざまな屋根で採用される方法といえるでしょう。
また、アスファルト防水は、以下3つの工法が採用されています。
・常温工法
・トーチ工法
・熱工法
それぞれの工法における特徴について、詳しく解説いたします。
常温工法
ルーフィングシートと呼ばれる防水シートにアスファルトを染み込ませ、重ねて貼り付ける工法です。
アスファルトを重ね張りしていくため、重さが出てしまうことがデメリットといえるでしょう。
トーチ工法
トーチバーナーと呼ばれる機材を使い、アスファルトを溶かしていく工法です。
アスファルトシートを炙りながら接着していくため、独特のにおいが発生します。
熱工法
アスファルトを溶かす機材を使います。
溶かしたアスファルトを使い、厚みのある防水層を形成できる工法です。
コンクリート屋根・屋上にはなぜ防水塗装が必要?
アスファルト防水を行った屋根を「コンクリート屋根」といいますが、なぜ防水塗装が必要なのでしょうか。
こちらでは、コンクリート屋根に防水塗装が必要な理由を解説しています。
雨漏りを防ぐために行う
コンクリートは耐久性に優れているものの、雨漏りには弱い性質を持ちます。
わずかなひび割れから雨水が浸入し、コンクリートの劣化が進んでしまうため、不具合を防ぐには防水塗装が欠かせません。
防水塗装を行うことでコンクリートの劣化を防ぎ、建物の安全性を守ります。
建物の寿命を延ばすため
雨漏りによってコンクリートがダメージを受けると、ひび割れが生じます。
コンクリートのような耐久性が高い材料が劣化すると、建物全体へ悪影響を及ぼしてしまうのです。
コンクリート屋根の防水性を維持できれば、建物の寿命を延ばすことにもつながります。
建物の安全性を守るため
万が一建物で雨漏りが発生した場合、雨水が内部まで浸入すると躯体や木材を腐食させてしまいます。
耐久性の高いコンクリート屋根であっても、同様に雨漏りによって建物の安全性が損なわれてしまうのです。
住民の暮らしを守るため、コンクリート屋根にも防水塗装が必要といえるでしょう。
コンクリート屋根・屋上に適した防水塗料とは
コンクリート屋根に使われる防水塗料には、いくつか種類があります。
状態に合わせて適した塗料を選ぶために、まずコンクリート屋根に適した防水塗料について確認していきましょう。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布していく方法です。
使用する材料に弾性があるため、下地の状態に左右されません。
また、施工箇所の凹凸にかかわらず、施工できる点がメリットです。
コンクリート屋根にも適応できるため、多くのケースで採用されています。
ウレタン防水の場合はコストにも優れているため、防水塗料として選ばれやすい傾向です。
FRP防水
FRP防水は、不飽和ポリエステルにガラス繊維を混ぜた防水塗料です。
非常に軽い材料ですが、耐久性に優れているため、駐車場のような負荷のかかりやすい場面で採用されています。
コンクリート屋根とも相性が良く、元々の耐久性の高さを維持できる防水塗料でもあります。
乾きやすいため工期の短縮ができ、建物への負担が少ないのが特徴です。
しかし、コストが割高で施工には高い技術が必要になるため、採用されるケースは多くはありません。
コンクリート屋根や使用目的により、適した防水塗料を選ぶ必要があります。
コンクリート屋根・屋上に防水塗料を施す流れ
コンクリート屋根には、ウレタン防水とFRP防水が適しています。
工法によって細かい流れは異なりますが、共通の施工手順を把握しておくと安心です。
それぞれの施工方法について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
step①洗浄
ウレタン防水・FRP防水共に施工箇所を洗浄します。
汚れが付着していると施工後に不具合が発生するケースも多いため、しっかり洗浄しましょう。
step②下地の調整
下地にひび割れや破損などの劣化が見られる場合、補修をします。
下地の状態に関わらず施工できる防水塗料はありますが、下地の調整をしておくと防水効果を維持できるでしょう。
step③プライマーの塗布
ウレタン防水・FRP防水にかかわらず、プライマーの塗布によって効果の持続期間は異なります。
防水効果を維持したい場合は、必ずプライマー処理を施しましょう。
step④防水塗料を塗布する
ウレタン防水・FRP防水を施工します。
施工場所によってどの工法を採用するかは異なるため、事前に確認しておきましょう。
step⑤トップコートの塗布
防水機能を維持するには、トップコートの塗布が欠かせません。
劣化を防ぐとともに、防水層を保護する役割があるため、必ず行いましょう。
防水塗料による工事にかかる費用
コンクリート屋根の防水に使う塗料は、いくらかかるのでしょうか。
工法によって異なりますので、防相場費用について解説いたします。
ウレタン防水の場合
コンクリート屋根の防水塗料にウレタン防水を採用する場合、費用目安は工法によって異なります。
参考として、以下2つの工法を挙げます。
・密着工法:1平方メートルにつき3,000~5,500円前後
・通気緩衝工法:1平方メートルにつき5,400~6,500円前後
FRP防水を採用する場合の相場費用については、以下を参考にしてください。
・1平方メートルにつき5,000~7,000円前後
工法によって目安費用が異なる
ウレタン防水は工法によって費用が異なりますが、コスト面に優れています。
一方でFRP防水は耐久性が高いものの、その分の費用は高めです。
どの工法を選ぶかによって費用が異なるため、事前に確認しておくと安心でしょう。
コンクリート屋根・屋上の防水工事を依頼する際の注意点
防水工事を依頼する際、いくつか注意点があります。
ポイントを押さえておくと、工事を依頼する際に失敗せずに済むでしょう。
コンクリート屋根の防水工事を失敗しないためにも、注意点についてしっかり把握しておくと安心です。
コンクリート屋根の防水工事ではDIYは避ける
最近では、自分でできる範囲でDIYを取り入れる方が増えてきました。
防水工事も同様にDIYすることは可能なものの、コンクリート屋根の防水工事においては、DIYは避けた方が無難です。
万が一DIYで対応してしまった場合、間違った工法を採用する可能性や防水層へのダメージにつながり、重大な欠陥を見逃してしまうケースも考えられます。
施工後の不具合の多さにもつながってしまうため、コンクリート屋根の防水工事においては業者に依頼すると安心です。
施工が簡単なウレタン防水から採用する
コンクリート屋根には、ウレタン防水かFRP防水が適しているとされています。
2つの工法ではウレタン防水の方が最もポピュラーな工法のため、失敗しにくいでしょう。
しかし、液体のウレタン樹脂を塗布する際は熟練の技術が必要なため、施工業者の実績などを事前に確認しておくと安心です。
コンクリート屋根・屋上の防水工事業者の選び方
防水工事は、建物を雨水から守り安全性を維持するために必要な工事です。
失敗しないためにも、良い業者を選びたいですよね。
業者選びを失敗しないため、防水工事業者の選びのポイントについて解説いたします。
防水工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
防水工事の特徴を知っておく
防水工事は、内容によって専門的な知識が必要です。
専門知識がないことを逆手に取り、請求額を高く見積もる業者もいるため注意しましょう。
どのような工事を行うのか、事前に把握しておくと安心です。
アフターフォロー可能な業者を選ぶ
業者によっては、施工後のアフターフォロー期間や保障内容が異なります。
不具合が発生した際、アフターフォローが受けられず困ってしまう方も多いため、事前に確認しておきましょう。
定期的なメンテナンスは可能か、施工不良があった際に対応してくれるかがポイントです。
実績を確認する
防水工事については、施工を依頼する業者の技術力によって仕上がりが異なるケースもあります。
また、施工内容が不十分だと不具合につながる可能性があります。
安心して工事を任せるためにも、業者の施工実績は必ず確認しましょう。
まとめ
コンクリート屋根の特徴や防水塗料の選び方については、以下の通りです。
・コンクリート屋根とは、アスファルト防水を施した屋根のこと
・コンクリート屋根は3つの工法で施工されており、耐久性に優れている特徴を持つ
・耐久性に優れているが、雨漏りを完全に防げるわけではないため、定期的な防水工事が必要
・コンクリート屋根は年数の経過によって劣化するため、建物の安全性や純表を延ばすために防水工事が欠かせない
・コンクリート屋根に適した防水塗料はFRP防水とウレタン防水の2種類
・ウレタン防水は、施工場所の形状に関わらず施工できる
・ウレタン防水は、コストや工期の短い定番の防水塗料
・FRP防水は不飽和ポリエステルにガラス繊維を組み合わせたもので、高い耐久性を持つ
・駐車場や使用頻度が多い場所には、耐久性の高いFRP防水が適している
・施工場所の状態や目的に応じて、FRP防水かウレタン防水のどちらかを選ぶ必要がある
・コンクリート屋根において、DIYで防水工事を行うことはできないため、業者へ依頼する
コンクリート屋根は耐久性に優れているものの、年数の経過によって劣化していきます。
今回の内容を参考に、耐久性や防水機能を維持するため、適切なタイミングで防水工事を施しましょう。