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建築物に設置されるルーフドレンとは?雨漏りの理由や補修方法を解説

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建築物に設置されるルーフドレンとは?雨漏りの理由や補修方法を解説

建築物に設置されるルーフドレンとは?雨漏りの理由や補修方法を解説

2024/05/24

建築物の各部位にはさまざまな名称がついており、中には耳慣れないものも多いのではないでしょうか。
専門用語が使われているうえに、建築物の構造そのものについての知識が問われるだけに「よくわからない」となりがちですよね。
そんな建築物に作られる部位のひとつに「ルーフドレン」がありますが、ルーフドレンは建築物には不可欠なものと言っても過言ではありません。
しかし、ルーフドレンとはどのようなもので、何のために作られているのでしょうか。
そこで今回の記事では、建築物に設置されるルーフドレンについて、詳しく解説していきます。
ルーフドレンからはしばしば雨漏りがしますが、その理由と補修方法についてもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

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ルーフドレンとは?

降り注いだ雨水を排水するために、建物に取り付けるのが「ルーフドレン」です。
また、風に吹かれて飛んできた落ち葉やゴミを集める役割も、ルーフドレンが担っています。
防水層と雨どいを金属の素材でつなぎ、防水面で受けた雨水を集めて、雨どいへと流す構造です。
雨が直接当たる屋根をはじめ、ベランダやバルコニーといった場所に設置されます。
ルーフドレンが設置されているおかげで、建物に降り注いだ雨水や落ち葉が、雨どいを伝ってきちんと排水されていくというわけです。

ルーフドレンが雨漏り原因になる理由

建物に雨漏りが発生した場合、いくつかの原因が考えられますが、ルーフドレンが雨漏りの原因になる最大の理由は素材です。
鉄製鋳物で作られていることがほとんどのため、落ち葉や水がたまってしまうとサビが発生し、排水がうまくいかずに雨漏りにつながります。
また、ルーフドレンはストレーナー・雨どい・防水受けの3つの部品が一体化した構造となっており、ジョイント部分に隙間ができやすいのです。
サビによって徐々に劣化が進んで起こる雨漏りだけでなく、ジョイント部分から雨水が浸水して雨漏りが起こることもよくあります。
 

ルーフドレンの補修方法

ルーフドレンが劣化して雨漏りがしてきたら、被害の拡大を食い止めるためにも、早急に補修を行わなければなりません。
補修の方法は大きく分けて2種類あり、状況によってどちらを選択するかを決めるとよいでしょう。

■新しいものに取り換える

鉄製鋳物で作られたルーフドレンは、年月の経過とともに徐々に劣化が進んでいきます。
さらに、ルーフドレンそのものの劣化に加えて、雨どいや排水管に落ち葉やゴミが詰まっていることもしばしばです。
複数の場所に詰まりが発生し、さらにはルーフドレンそのものにサビが生じている場合は、新しいものに取り換えるのがベストでしょう。
昨今では、塩化ビニル樹脂製のシートを用いた「塩ビシート製ドレン」も登場しており、鉄製鋳物製よりも経年劣化に耐えられるのが特徴です。
新しい素材のルーフドレンに交換することで、スムーズな排水機能が蘇ります。

■部分的に補修する

部分的にルーフドレンが傷んでいる場合には「改修用ドレン」を用いた補修方法があります。
改修用ドレンとは、鉛のプレートや塩ビのシートにじゃばらのホースが一体になったものです。
劣化したルーフドレンに改修用ドレンをかぶせることによって、劣化した部分だけをカバーできます。
傷んでいる面積が狭い場合は、部分的な補修での対応が可能です。

 

ルーフドレンの材質

ルーフドレンの材質といえば鉄製鋳物が最もメジャーですが、近年は建築資材の進歩によって、多種多様な材質が登場しています。
ここではルーフドレンの材質とともに、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

■鋳物製

高温で溶かした金属を型に流し込み、冷やし固めて作られた製品を「鋳物」と呼びます。
用いられる金属は、鋳鉄・鋳造・鋳鋼・銅合金・アルミニウム合金・マグネシウム合金・亜鉛合金と、非常に種類が多いのが特徴です。
コストパフォーマンスに優れているものから耐食性に優れたものまで、使用する金属によって異なる性質を持つルーフドレンができあがります。

■ステンレス製

ステンレスを材質とする「ステンレス製ドレン」は非常に光沢があり、美しい外観に仕上がっているのが特徴です。
その見た目の美しさから、建物のデザイン性を損なわずにルーフドレンを設置するのに適しています。
さびにくく腐食に強い性質で長持ちしますし、さらに軽量なことから施工も簡単です。

■鉛製

金属の中でも鉛は柔らかいのが特徴で、この柔らかさによってさまざまな形状に変化させられるのが「鉛製ドレン」です。
柔らかな鉛製ドレンは、既に設置された排水管に対する改修用ドレンとして用いるのに適しています。
ただし、組み合わせる金属の種類によっては電位差が生じ、鉛が腐食してしまう恐れがあるため、事前の十分な確認が欠かせません。

■塩ビ製

「塩ビ製ドレン」とは、塩化ビニル樹脂を材質とするルーフドレンです。
酸・アルカリに強いことから、薬品に対しても優れた耐性を持っています。
軽量で取り扱いがしやすく、リーズナブルなコストが持ち味です。
その一方で紫外線と温度の差に弱いため、寒冷地や酷暑地での使用には不向きとなっています。

■塩ビシート製

塩化ビニル樹脂製のシートを用いた「塩ビシート製ドレン」は、さまざまな材質のルーフドレンの中でも、ずば抜けて軽量なのが特徴です。
この軽量さが建物への負担を軽減すると同時に、施工を容易にします。
高い柔軟性のおかげで多種多様な形状にも対応が可能なことから、場所を選ばずに設置ができます。
紫外線や風に強く、高い防水性も発揮するとあって、長期間にわたって使用できるのも大きなメリットです。

■FRP製

「FRP」とは「ガラス繊維強化プラスチック」のことで、高い強度を誇ります。
それでいて軽いことから、取り扱いしやすいのが特徴です。
一方で、紫外線に弱い性質があり、衝撃によって劣化することも少なくありません。

■プラスチック製

プラスチック製のルーフドレンは「特殊熱可塑性樹脂」を材料としており、他の材質に比べると非常に安価なのが特徴です。
高い耐久性と耐薬品性を備えているだけでなく、とても軽量に仕上がっていることから、施工の際の負担が軽くて済みます。
ただし、紫外線と熱に弱いため、直射日光が当たる場所での施工には十分な注意が必要です。
さらに衝撃にも弱いことから、プラスチック製ルーフドレンを用いる際は、設置場所を慎重に見極めなければなりません。

 

ルーフドレンの施工方法

ルーフドレンを取り付ける工事は「どこに・どのようなルーフドレンを取り付けるか」によって変わってきます。
鉄製鋳物に加えて、近年は多様な材質で作られたルーフドレンが増えてきているからです。
そこで、ここではルーフドレンの施工方法の種類とその特徴についてまとめましたので、参考にしてください。

■打込型

「打込型」によるルーフドレンの施工は、建物にしっかりと固定させられるのが特徴です。
特殊な金具で防水層を挟み込む構造になっているため、強い風や地震による揺れにも耐えられます。
高度な耐久性と高い防水性を実現するとあって、しばしば屋上に設置するルーフドレンに用いられる施工方法です。
工事の仕方には「縦引きルーフドレン」と「横引きルーフドレン」の2種類があり、場所によってどちらを選択するかが分かれます。
勾配のないフラットな陸屋根には縦引きルーフドレンが最適である一方で、外壁が屋上よりも上にある「パラペット」や手すりには、横引きルーフドレンが適しているからです。
場所によって施工方法を判断しなければならないことから、確かな技術と豊富な経験を積んだ業者に依頼が重要となってきます。

■一般型

「一般型」とは、ネジや金具を用いて屋根にルーフドレンを固定する施工方法で「後付工法」とも呼ばれます。
工事が簡単なため、コストを抑えられるのがメリットです。
ルーフドレン本体と排水管を接続する方法には「差し込み式」と「ねじ込み式」があり、差し込み式の方がより簡単になっています。
ただ、一般型の差し込み式・ねじ込み式のどちらも、打ち込み型に比べると固定強度・防水性の両方において劣るのは否めません。
したがって、強風にさらされにくい場所や、地震が起こっても揺れが伝わりにくい場所に適した施工方法です。

 

ルーフドレンのメンテナンス方法

■定期的に点検を行う

ルーフドレンのメンテナンスの基本は、定期的に点検を行うことです。
目視によって、ルーフドレン周辺にひび割れや欠けが発生していないかどうかを確認しましょう。
周辺に落ち葉やゴミがたまらないように、こまめに掃除をしておくことも重要です。
さらに「ルーフドレンのふたはしっかりとしまっているか」「接続部分に緩みがないか」なども、チェックしてくださいね。

■ルーフドレンの内部を確認する

年月の経過とともに、ルーフドレンの内部に落ち葉やゴミが入り込んでしまうことはよくあります。
定期的な点検でルーフドレン周辺の落ち葉・ゴミは取り除くものの、排水管内部の様子まではわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ルーフドレンの周辺を清掃したら、状態を確認するためにバケツに汲んだ水を流してみます。
スムーズに排水されれば、ルーフドレンがしっかりと機能している証です。
もしも排水が鈍いようであれば専門業者に連絡し、すぐにルーフドレンの状態を見てもらいましょう。

 

まとめ

ここまで、建築物に設置されるルーフドレンとは、どのようなものなのかについて見てきました。
ルーフドレンについて、事前に知っておきたい要素は以下の通りです。

  • ルーフドレンとは、屋根・ベランダ・バルコニーなどに作られる、雨水を排水する役割を持つ部位
  • 雨水を雨どいへとスムーズに流すための、重要な役割を担っている
  • ルーフドレンが雨漏りの原因になるのは、落ち葉やゴミが詰まって水の流れが悪くなるから
  • 鉄製鋳物のルーフドレンは、年月の経過や水のたまりによってサビが発生し、劣化が原因で雨漏りを起こす
  • ルーフドレンの材質は、金属を使ったものから塩化ビニル樹脂を使ったものまで、非常に豊富である
  • ルーフドレンの施工方法には「打込型」と「一般型」があり、どちらも確かな施工技術が求められる
  • ルーフドレンのメンテナンスでは、落ち葉やゴミをこまめに清掃し、水を流して排水の状態をチェックする

 

建築物に降り注ぐ雨水を建物の内部に入り込ませないために、ルーフドレンは欠かせない重要なパーツです。
さまざまな材質から作られていますので、設置場所やコストパフォーマンスを考えながら、最適な方法で施工することが求められます。
ルーフドレンの設置ならびに補修が必要となった際は、本記事を参考に検討してくださいね。

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