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陸屋根(屋上)の雨漏り修理とは? 原因と補修方法を紹介

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陸屋根(屋上)の雨漏り修理とは? 原因と補修方法を紹介

陸屋根(屋上)の雨漏り修理とは? 原因と補修方法を紹介

2024/06/19

陸屋根(フラットルーフ)は、屋上が平らな構造の建物の屋根のことを指します。

この屋根形状の建物は、ビルやマンションなどで多く見られますが、その構造上、雨漏りが発生しやすいのが課題です。

一度雨漏りが起きると、内部への被害が及びます。

そのため、定期的な点検と早期の修理が重要になります。本記事では、陸屋根の雨漏りの原因と補修方法について解説します

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陸屋根(屋上)が雨漏りしやすい理由

陸屋根は、他の屋根形状に比べて雨漏りのリスクが高い理由があります。

水はけが悪く、たまりやすいため、防水層に負荷がかかりやすいことが主な理由です。

陸屋根は平らな形状のため、雨水が屋上に溜まりやすくなります。また、勾配が緩いため排水が不十分になりがちです。

そのため、防水層に長期間水がかかる状態が続き、劣化が促進されやすくなります。一般社団法人日本建築防水協会の調査では、陸屋根の雨漏り発生率が最も高いとされています。

神奈川県の某病院では、数年に一度、陸屋根から雨漏りが発生していました。

勾配が緩く、排水が悪かったことが一因と考えられています。

陸屋根(屋上)の雨漏りする原因

陸屋根の雨漏りには、主に以下のような原因があります。

防水層の劣化

防水層の経年劣化が、最も一般的な雨漏りの原因です。

防水層は、材質に関わらず10年~20年程度で劣化が進行します。

紫外線や熱の影響による硬化、ひび割れ、素材の劣化などで防水性が低下します。

一般財団法人日本建築修繕工事共済会の調査では、防水層の劣化が30%以上を占める主因でした。

東京都内のマンションでは、竣工20年を経過した防水層に、ひび割れや浮きが発生し、雨漏りの原因となっていました。

亀裂・ひび割れ

防水層にひび割れや亀裂が入ると、そこから雨水が浸入します。

防水層に亀裂やひび割れが生じると、そこからシャワリングと呼ばれる現象で雨水が浸入し、内部に到達します。

国土交通省の報告書によると、ひび割れからの雨漏りは最も多い事例の一つです。

静岡県の工場の屋上で、幅2~5mmの亀裂が複数発生しており、その部分から内部に雨漏りが見られました。

防水層の膨れ・剥がれ

防水層と下地がはく離し、膨れや剥がれが生じると雨漏りの原因になります。

防水層と下地コンクリートの接着不良から空気や水分が入り込むと、防水層が浮いた状態(膨れ)になります。

そこから雨水が浸入しやすくなります。

一般社団法人日本建築防水工事業協会の調査では、防水層の膨れや剥がれから20%以上の雨漏りが発生しているとされています。

広島県の商業施設で、屋上防水層に直径約50cmの大きな膨れが発生しており、そこから顕著な雨漏りが確認されました。

シートの剥がれ・亀裂・破れ

シート防水工法では、シートの劣化による剥がれ、亀裂、破れから雨漏りが発生します。

シート防水材は熱や紫外線で劣化し、伸縮によってシートにひび割れや破れが入ります。

また、接合部分のはく離も起こりやすく、そこから雨水が浸入します。

一般社団法人日本シーリング防水材料協会の資料によると、シート防水の雨漏りの7割以上がシートの劣化に起因しています。

山口県の工場で、屋上のシート防水層に長さ約1mのひび割れが発生し、そこから顕著な雨漏りが見られました。

シート材の経年劣化が原因でした。

目地の劣化

防水層と壁、パラペットなどとの目地部分の劣化から雨漏りが発生することがあります。

目地部分はコーキング剤で止水処理を行いますが、紫外線や振動の影響で劣化が進行します。

目地部分のコーキングが損傷すると、そこから雨水が浸入する可能性があります。

一般社団法人日本シーリング防水材料協会によると、目地部分の雨漏りが全体の約10%を占めています。

福井県の商業ビルで、屋上の防水層と壁の目地部分のコーキングがはがれ落ち、その部分から内部に雨漏りが確認されました。

排水口のつまり等

排水口が土砂や落ち葉でつまると、屋上に雨水が溜まり、防水層に負荷がかかり雨漏りを引き起こします。

陸屋根は排水が重要で、排水口がつまると水はけが悪くなり雨水が溜まります。

長期間水がかかった状態が続くと、防水層の劣化が進行し、雨漏りの原因となります。

一般社団法人日本建築防水工事業協会の報告書では、排水不良による雨漏りが20%近くを占めていました。

兵庫県の集合住宅で、屋上排水口の土砂や枯れ葉の詰まりが確認されました。

長年の放置が原因で、防水層に負荷がかかり雨漏りが発生していました。

陸屋根(屋上)の補修方法の種類

雨漏りの原因が分かれば、適切な補修方法を選ぶことができます。主な補修方法は次の通りです。

ひび割れ補修

防水層のひび割れには、ひび割れの幅や深さに合わせてウレタン系やゴム系の充填剤を注入します。

ひび割れが細かく浅い場合は充填剤を流し込むだけで補修できますが、幅が広かったり深い場合は、事前にひび割れ部分を掘り起こす必要があります。

指針として一般社団法人日本建築防水協会が発行する「建築防水工事のひび割れ補修施工基準」があります。

東京都内の事務所ビルでは、防水層の細かいひび割れにウレタン系充填剤を流し込むことで、簡易に補修を行いました。

コーキングの打ち直し

目地部分のコーキング劣化には、新しいコーキング剤を塗布し、止水処理を行います。

コーキングは紫外線で劣化するため、定期的に打ち替える必要があります。コーキング材も進化しており、弾性や耐久性に優れる製品も登場しています。

一般社団法人シーリング性能評価機構の指針に準拠した施工が求められます。

防水層の再施工

防水層の損傷や劣化が雨漏りの原因となる場合は、防水層の打ち替え(再施工)が最も確実な補修方法です。

国土交通省の調査によると、防水層の損傷や劣化が屋上雨漏りの約40%を占めています。

特に高経年の建物では、防水層の耐用年数が大きく影響します。

防水層の機能が低下すると、雨水の浸入を防ぐことができなくなります。

排水口の詰まり改善

排水口の詰まりが原因で、雨水が溜まり雨漏りを引き起こす場合は、排水口の詰まり解消が解決策となります。

全国建物調査診断協会連合会の調査によると、排水設備の不備が屋上雨漏りの約10%の原因となっています。

排水口が詰まると、雨水が溜まり防水層を浸食します。

さらに凍結すると防水層にひび割れが入るリスクもあります。

排水口の定期的な清掃と点検を行い、詰まりを早期に発見・解消することが重要です。

雨水の溜まりを防ぐことで、防水層の損傷リスクを最小限に抑えられます。

建物の状況に応じて、適切な補修方法を選択し、こまめな点検と手入れを行うことが、雨漏りリスクの低減と長期的な建物の資産価値維持につながります。

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