屋根塗装の時期はいつ?塗り替え周期の目安や工事に適した季節を解説
2024/06/19
屋根塗装を考えているけど、いつ、どのように進めていいか分からないと、ついつい先延ばしにしてしまっている方はいらっしゃいませんか?
屋根は建物を守る重要な役割をもつ部分で、常に雨風や強い太陽光にさらされています。
劣化が進むと雨水の侵入が外壁にも及び、建物全体にその被害は及びます。
定期的な屋根のメンテナンスは、建物を長期にわたり守り、美観を保て、断熱・防水機能を向上させます。
この記事では、屋根塗装を施工する最適のタイミングや、必要性を解説します。
適切な屋根塗装を行って、大切なお住まいなどの建物の資産価値の維持を心掛けましょう。
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屋根塗装の周期は10年が目安
屋根塗装と同時に行われることが多い外壁塗装は、一般的に10年周期で行われることが多いことはご存知でしょうか?
これは、適切な塗料を使用した外壁が、約10年間の耐用年数を持つとされるためです。
しかし、屋根塗装に関しては、同じ塗料を使用しても、その耐用年数は10年とは限りません。その主な理由として、屋根は外壁よりも過酷な環境にさらされているためです。
屋根は一年中、直射日光による強烈な紫外線や、雨風による影響を直接受けています。これらは、塗料の劣化を加速させてしまい、外壁に比べて屋根の塗装はより早くメンテナンスが必要となります。
外壁塗装の周期とあわせて屋根塗装を考えると、日々受ける自然環境のダメージの大きさが異なることから、屋根塗装の周期の目安が10年というのは、適切ではないといえるでしょう。
屋根材によって塗装時期は異なる
新築時の屋根材の素材によって、はじめて塗装を行う時期は異なります。
屋根材の種類と、初回の塗装、メンテナンス時期の目安を表にしました。
屋根材の種類 | 塗装・メンテナンス時期の目安 |
トタン屋根 | 7~10年 |
スレート屋根 | 8~12年 |
セメント瓦 | 10~20年 |
ガルバリウム鋼板 | 10~15年 |
アスファルトシングル | 10年 |
アスファルトシングルは、表面に石が施されているため、塗装の必要はありませんが、剥がれ、劣化など、定期的なメンテナンスが必要です。
屋根塗装の必要性は劣化症状で見極める
屋根は、常に雨風や紫外線にさらされており、外壁以上に過酷な環境におかれています。
屋根塗装が劣化すると、雨漏りやサビなどの原因となり、建物の寿命を縮めてしまう可能性があります。
ここでは、屋根塗装を先延ばしにすることで起こり得る、劣化症状について詳しく解説します。
色褪せ
屋根材の種類や色にもよって色褪せする時期は異なりますが、屋根材の塗装が色褪せると、太陽光を反射しにくく、その結果、屋根裏の温度調整がしにくくなり、夏は暑く、冬は寒くなります。
特に紫外線を遮るものがない場合や南面の屋根は、色褪せが早くなるでしょう。
屋根塗装が色褪せると、劣化を早めるだけではなく、美観的にも悪くなり、資産価値を下げてしまいます。
コケ・カビの発生
屋根にコケやカビが発生することにあまり実感がない方もいらっしゃるでしょう。
しかし、日当たりが悪く、雪が積もった状態が長く続いたり、台風や梅雨の時期は屋根が湿った状態が長く続くと、コケやカビの繁殖に適した環境になります。
屋根にコケやカビが発生すると、防水機能・断熱機能が低下し、美観の低下・屋根材の劣化につながります。
コケやカビは水分を吸収し、屋根材の内側にまで水分を浸透させてしまい、断熱材の劣化や防水層の破壊を進める可能性があるからです。
屋根材にコケやカビが発生すると、屋根の機能が低下し、建物全体へ悪影響を及ぼします。
ひび割れ
屋根材は、紫外線や雨風の影響でひび割れが発生しやすくなります。
また、地震などの揺れによってもひび割れは発生し、屋根材から室内へ雨水が侵入し、建物の構造を腐食させ、ダニやカビの発生にもつながりかねません。
雨漏りを確認してからの対応ではすでに建物内部に雨水が侵入している場合が多く、定期的な点検をして、屋根材におけるひび割れへの対応が必要です。
ひび割れは、屋根材の種類や色、環境などによって発生しやすい場所が異なります。
風通しが悪く、強い紫外線を受ける場所は、ひび割れが発生しやすいので、点検の際にプロの業者に確認しておくことをおすすめします。
塗膜の剥がれ
屋根材にの塗膜は、経年や強い雨風、紫外線により時間の経過とともに劣化が進みます。
屋根材の塗膜は、屋根材を紫外線や雨風から守る役割があるため、塗膜の劣化が進んで剥がれが生じると防水機能、断熱機能が低下します。
防水機能・断熱機能の低下は、生活環境を悪化させます。定期的に屋根を点検し、塗膜の剥がれを早期発見・対策ができると、建物への悪影響を未然に防ぐことが可能です。
錆び
屋根材に錆が発生すると聞いても、実感として沸かない方はいらっしゃるのではないでしょうか。
屋根材として使用されるガルバリウム鋼板は、錆びにくい金属とはいえ、経年による塗膜の剥がれを放置すると、錆びてきてしまいます。
また、屋根材が金属でなくても、固定のためのビスや釘、屋根の谷部に用いる谷板金、棟部に用いる棟板金と、意外にも何らかの金属が使用されています。
そのため、塗膜の劣化を放置すると錆は発生し、雨が降るとさらに錆の範囲は広がることも。
屋根の錆を放置すると、屋根に穴が空いたり、屋根の強度が失われ、建物の構造に悪影響を及ぼす可能性も。
定期的な点検で錆びの発生を確認し、メンテナンスを考えましょう。
屋根材の破損
屋根材は、経年による劣化、強い雨風の影響で破損する可能性があります。屋根材の破損とは、以下のことを指します。
- 割れ
- ひび割れ
- 剥がれ
- 穴
- 歪み
- 欠損
上記のような屋根材の破損は、直接的に建物へ悪影響を及ぼし、雨漏りが発生することも。早急な対応が必要です。
雨漏りが発生していなくても、室内への雨水の侵入の可能性は大きく、台風が去った後や、地震の発生の後は、プロの業者に点検を依頼することをおすすめします。
屋根塗装に適した季節
年月とともにダメージを受ける屋根ですが、大切な建物を守るために、定期的なメンテナンスは欠かせません。
屋根塗装は、時期を間違えるとせっかくの塗膜が劣化しやすくなり、十分な効果が得られないこともあります。
屋根塗装は、それぞれの地域ごとに異なる気候や天候を考慮し、最適な季節に行うことで塗装が長持ちする屋根を実現できます。
以下で地域の季節の特徴別に、屋根塗装を行うおすすめの季節を紹介します。
雪が降る地域の場合|夏がおすすめ
雪が降る地域にお住まいで、屋根塗装を考えている方は、夏に行うのがおすすめです。
なぜなら、雪が降る地域では、冬の気温が低く、塗料が乾燥しにくいからです。
塗料の乾燥が不十分だと、塗膜が剥がれやすくなり、耐久性が低下してしまいます。
一方、気温が高く、湿度が低い夏に屋根塗装を行うと、塗料の乾燥が早く、耐久性のある塗膜の形成が可能です。
ただし、夏に屋根塗装を行うと、気温の高さから作業員が熱中症になる可能性が高まり、足場を設置するので窓を閉める機会が増え、室内の気温が高くなる、というデメリットも考慮しておきましょう。
雪が降らない地域の場合|春と秋がおすすめ
雪が降らない地域で屋根塗装をお考えの方は、春や秋に行うのがおすすめです。
なぜなら、雪が降らない地域での春と秋は、気温と湿度が比較的に安定しているため、塗料が乾燥しやすいからです。
夏は紫外線が強く、高温多湿なので塗膜に気泡ができたり、ムラが出来て劣化しやすく、冬は気温が低く、乾燥に時間がかかり、雨漏りのリスクが高まる傾向にあります。
ただ、秋は台風の接近が予想されるため、施工業者と天気の確認をし、雨風は避けて屋根塗装を行いましょう。
風雨災害が多い地域の場合|春がおすすめ
台風や突風、豪雨など、風雨災害が多い地域にお住まいの方にとって、屋根は建物を守るための重要な役割を担っています。屋根のメンテナンスを適切に施すことは、耐久性維持のためにはとても重要です。
風雨災害が多い地域にお住まいの場合は、屋根塗装は春に行うのがおすすめです。
なぜなら、気候が安定しているため、雨も少なく、紫外線量も強くないので塗料が乾燥しやすいためです。
台風シーズンが来る前の、気候と湿度が安定した春に屋根塗装を行い、風雨災害に備えましょう。
屋根塗装に適した時間帯
屋根塗装に適した時間帯は、一般的に朝露が乾いた時間帯から夕方です。
なぜなら、屋根塗装は天候や気温、湿度、水分の影響を受けやすく、仕上がりに耐久性を持たせるには、水分を避けて行うことが重要だからです。
屋根についた朝露は、地域や天候によって発生する量が異なるため、依頼先の専門業者に確認して適切な時間帯に施工しましょう。
屋根塗装の費用を抑えるポイント
屋根塗装は、建物の外観を美しく保つだけでなく、雨漏りや劣化を防ぐ大切なメンテナンスです。
しかし、その費用は40万円を超えるため、「簡単に業者を選べない」「費用を抑えつつしっかり効果を得たい」と考える方は多いのではないでしょうか。
ここでは、屋根塗装の費用を抑えるポイントを紹介します。
複数の業者から見積もりをとる
屋根塗装に掛かる費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりをとり、賢く業者を選びましょう。
複数の見積もりを確認するうえで、いくつかのチェックポイントを紹介します。
商品名が記載されているか
見積もりに使用される塗料の商品名が記載されているか確認しましょう。
塗料の種類によって性能や耐久性が大きく異なるため、確認が必要です。
「一式」という表記は多くないか
見積もりにおいて「一式」とは、複数の作業や材料をまとめて一つの項目に表示していることを意味し、一見分かりやすいと感じてしまうことも。
しかし、見積もりに「一式」を多用すると、工事の内容が不明瞭で、費用が適切かどうか判断しにくいです。
あとで見積もりに含まれていない作業をしたからといって追加料金を請求されてしまう可能性もあるので、なるべく見積もりに「一式」を多用していない業者を選ぶのが賢明です。
価格に差がありすぎないか
屋根塗装の見積もりにおいて、価格の差がありすぎるといくつかの心配が出てきます。
安すぎる場合、塗装の仕上がりが粗悪だったり、高すぎる場合はこちらを素人だと考え、値段を適正価格より高く請求してきている場合も考えられます。
価格だけで判断せず、内容を比較し、業者に工事の詳細の説明を求めましょう。
納得できる業者にお願いすることが大切です。
繁忙期の夏〜秋は避ける
屋根塗装における繁忙期は夏~秋です。
この時期は、気温と湿度、気候が安定していて、塗装に適した季節なため、多くの塗装業者は繁忙期になります。
繁忙期は人件費、材料代が高騰するため、屋根塗装に掛かる費用が高くなる可能性があります。
屋根塗装をお考えに方は、早めに業者に相談し、繁忙期を避けてスケジュールを組んでおきましょう。
外壁塗装と屋根塗装は同時に行う
外壁塗装と屋根塗装を同時に行うことで足場代、養生費を1回にまとめられ、費用を抑えることができます。
特に足場の設置は屋根塗装工事の費用の多くを占める場合もあり、外壁塗装と屋根塗装を同時に行うことは費用の節約になり得るでしょう。
自社施工の会社を選ぶ
屋根塗装を行うにあたり、自社施工の会社を選ぶことは下請け業者に依頼することがなく、中間マージンが発生しない仕組みとなっています。
また、自社施工の会社は、職人の教育や指導に力を入れているところが多く、品質管理という視点でも、安心して工事を依頼できると考えられます。
まとめ
これまで、屋根塗装の適切な時期や、塗り替えの周期、工事に適した季節を解説してきました。
要点を以下にまとめているので、確認していきましょう。
- 屋根塗装の周期は10年が目安
- 屋根材によって塗装時期は異なる
- 屋根塗装の必要性は劣化症状で見極め、業者による定期的な点検が必要
- 屋根塗装に適した季節があり、雪が降る地域では夏がおすすめ
- 屋根塗装に適した季節があり、雪が降らない地域では春と秋がおすすめ
- 屋根塗装に適した時間帯は朝露が乾いてから夕方まで
- 屋根塗装の費用を抑えるポイントを把握すると工事費用を節約できる
いかがでしたでしょうか。屋根塗装をお考えの方に、大切な建物に適切な費用で、適切なメンテナンスを行えるよう、有益な情報をまとめました。
今後も長期に安心して住めるよう、屋根塗装の知識を把握して、適切な業者を選ぶことが大切です。
雨漏りなどの不具合が発生してからではより多くの費用が掛かってしまう可能性があるため、計画的な工事をおすすめします。