屋上の防水改修工事(鉄骨造・陸屋根)の注意点を解説
2024/06/20
鉄骨造建物の陸屋根改修では、適切な防水工事が不可欠です。
しかし、適切でない工法を選択すると、建物の耐久性が損なわれる可能性があります。
この記事では、鉄骨造建物の特性や防水工事の適切な方法について解説します。
さらに、陸屋根での雨漏りの原因や、防水層を長持ちさせるコツについても紹介します。
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鉄骨(S)造の基本知識
鉄骨造は、建築の構造において主要な骨組みに鋼鉄を使用する建築工法です。
柱や梁、フレームなどの主要な構造部分に鉄製の骨組みが用いられます。その特徴は次の通りです。
鉄を使用した構造材
鉄骨造の建物では、建物の骨格となる柱や梁に鋼材(鉄)が主に使われています。
鋼材は強度が高く、長持ちし、ある程度の柔軟性もあるため、建物に求められる強さを満たしながら、複雑なデザインや大きな建物を作ることができるのです。
コンクリートは不使用
鉄骨造は、一般的な鉄筋コンクリート造りとは違って、鉄筋やコンクリートを使わずに建てることができます。
鉄筋やコンクリートを使わないので、建物の重さを抑えられ、建設工事もスムーズに進められるのが特徴です。
柔軟性と耐震性の特徴
鋼材は粘り強い性質なので、ある程度の柔軟性を持っており、地震などの外力に対して柔軟に対応できます。
このような特性から、鉄骨造は高い耐震性を持つと考えられています。
大規模建物や特殊用途に適している
鉄骨造の強度と柔軟性という長所を活かし、超高層ビルや大型ショッピングモール、体育館のような大空間を有する建物に、よく用いられています。
つまり、鉄骨造は、その頑丈さと柔軟さから、多種多様な建物で安全性と効率性を発揮しているのです。
鉄骨造と鉄筋コンクリートの違い
鉄骨造と鉄筋コンクリートの違いは以下の表をご覧ください。
鉄骨(S)造 | 鉄筋コンクリート(RC)造 | |
---|---|---|
材料/構造 | 梁や柱が鉄骨で組まれている。 木造住宅の枠組みが鉄骨でできているイメージ |
鉄筋で組んだ枠組みの中に、コンクリートを流し込んで造る |
接合部 | ピン接合されている 柔軟性があるので地震に強い |
鋼接合されている 柔軟性はなく、地震でひび割れが発生する可能性がある |
特徴 | 軽量で施工が速く、高い強度と柔軟性を持ち、大空間の構築に適する | 重量があるが高い剛性を持ち、耐火性や遮音性に優れ、中低層建物に適している |
鉄骨造と鉄筋コンクリート造は、一見似ていますが、構造的に異なり、特に耐水性の面で大きな違いがあります。
建物の内部構造が見えにくい場合でも、防水や塗装が施されていることがありますが、それぞれの構造に応じて問題点や対処方法が異なります。
鉄骨造と鉄筋コンクリート造のどちらも、屋根の形状は平らな陸屋根が一般的です。このような屋根は水はけが悪いため、防水材に頼らざるを得ません。
鉄骨造の種類と特徴
鉄骨造は、使われる鋼材の厚さによって、軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類に分けられます。
建物の大きさや使用目的に合わせて、適切な鉄骨造の種類が選ばれます。
軽量鉄骨造の特徴
特徴 | 暑さ6mm以下の鋼板を使用する構造 |
---|---|
メリット | 耐震性・耐久性に優れている |
デメリット | 断熱性・防音性が低い、間取りの変更ができない |
軽量鉄骨造の建物は、木造に比べて優れた耐震性を持ち、鉄骨は腐食しにくく、劣化や風化にも強いため、長期間の利用が可能です。
また、工場で部材を生産するプレハブ工法を採用することで、品質が安定し、工期も短縮されます。
重量鉄骨造の特徴
特徴 | 厚さ6mm以上の鋼板を使用する構造 |
メリット | 防音性が高い。仕切りのない広い空間が取れる |
デメリット | 軽量鉄骨造より費用がかかる |
重量鉄骨造は、一般的に3階建て以上のビルや集合住宅で利用されます。耐震性や耐久性に優れ、広い空間を確保できます。
ただし、建築コストは高く、地盤や基礎工事にも費用がかかることがあります。
鉄骨造建物の陸屋根防水改修工事で注意するべきポイント
鉄骨造の陸屋根に防水工事を行う際の注意すべき点があります。
陸屋根の状態や用途に応じた防水工法の選択
鉄筋コンクリート造や鉄骨構造の建物では、防水工事と定期的なメンテナンスが必要です。
雨漏りは建物の構造に深く関わるため、過去の防水工事や状態を考慮して総合的な判断が必要です。
改修工事が影響を与えている場合は、防水工事だけでは解決できないこともあります。
専門業者に相談して総合的な対応を検討しましょう。
防水工事をしても雨漏りが解消されない可能性がある
鉄筋コンクリートの建物における雨漏りの原因は、防水層の劣化だけでなく、塔屋や窓周りの劣化、勾配の不良、パラペット部の劣化、排水溝の詰まり、設備配管の不具合などが考えられます。
防水工事だけで解決しない場合もあるため、雨漏りの調査をしっかり行い、原因を特定してから工事計画を立てることが重要です。
鉄骨造建物の防水対策
鉄骨造建物は地震の揺れによる被害を軽減するため、建物自体の重量を抑える必要があります。そのため、新築時の防水工事では露出型が一般的に採用されます。
露出防水とは、防水層を露出した状態で施工する工法です。一方、保護防水は防水層をコンクリートやモルタルで被覆して保護します。
マンションの屋上など、人や物の出入りが少ない場所では、露出防水がよく用いられます。アスファルト防水、シート防水、塗膜防水などの工法があります。
露出防水のメリットは、防水層が直接確認できるため、破損個所を発見しやすいことです。
しかし、防水層が保護されていないため破損リスクが高く、下地の含水による膨張で防水層が破損する可能性があります。
鉄骨造建物の屋上防水改修工事の手順
鉄骨造建物の屋上防水改修工事には、主に次のタイプがあります。
- ウレタン塗膜防水
- シート防水
- アスファルト防水
それぞれの特徴や利点、欠点について解説します。
ウレタン防水 | シート防水 | アスファルト防水 | |
---|---|---|---|
費用相場 | 3,000~7,500円/㎡ | 4,000~7,000円/㎡ | 5,000~8,000円/㎡ |
工法 | 通気緩衝工法/密着工法 | 密着工法/機械固定工法 | トーチ工法/冷工法 |
工期 | 1日〜5日程度 | 2日〜4日程度 | 3週間程度 |
耐用年数 | 10〜12年程度 | 10〜15年程度 | 15〜25年程度 |
ウレタン防水
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。
ウレタン樹脂は柔軟性があり、耐摩耗性にも優れており、耐久性が高い素材です。
施工は比較的簡単で、臭いや騒音が少ないため、マンション屋上やベランダなど様々な場所に適しています。
ウレタン防水のメリットは、高い伸縮性や継ぎ目のなさ、軽量性、柔軟な施工、コスト効率の良さです。
一方、施工の難しさや紫外線に対する弱さ、乾燥時間の長さ、衝撃に弱いというデメリットもあります。
また、定期的なトップコートの塗り替えや再塗装が必要です。
シート防水
シート防水は、既存の防水層の上に塩化ビニール製やゴム製のシートを貼る防水工法です。
現在では、主に塩ビシートによる工法が一般的です。
メリットとしては、高い耐久性と手頃な価格、広範囲を一度に施工できることが挙げられます。
しかし、施工の難易度が高く、つなぎ目の接着や凹凸のある場所での施工には注意が必要です。
アスファルト防水
アスファルト防水は、新築時に広く採用されている工法です。
この工法では、アスファルトルーフィングやアスファルトコンパウンドを貼り合わせ、表面に保護コンクリートを打つ「押さえ工法」が一般的です。
古くから使われ、信頼性が高く、施工後の不具合が少ないのが特徴です。
耐久性も高く、15~20年程度持続しますが、メンテナンス時には下地処理が必要です。
鉄骨造建物の陸屋根から雨漏りが生じる原因
鉄骨造建物の陸屋根から雨漏りが生じる原因は以下の事が挙げれます。
コンクリートのひび割れによる影響
コンクリート屋根からの雨漏りは、主にひび割れが原因です。
これは乾燥収縮や気温変化、コンクリートの中性化、施工不良などが要因となります。
特に古い建物ではひび割れのリスクが高まるため、定期的な点検と補修が不可欠です。
コーキングの劣化
コンクリート屋根の防水工事には、通常コーキングが使用されます。
コーキングは隙間を埋め、機密性や防水性を高める役割を果たしますが、時間の経過とともに劣化しやすい部材です。
劣化したコーキングは収縮やひび割れが生じ、本来の機能を果たせなくなります。
雨漏りを未然に防ぐためには、定期的な点検と劣化した部分のコーキングの補修が重要です。
防水層の剥がれや破れ、浮き
コンクリート屋根の防水層は10年以上経つと劣化が進み、破れや剥がれ、浮きなどが現れることがあります。
劣化した箇所の修復には、専門的な知識や技術が必要ですので、適切な対処のためには専門業者に相談することが大切です。
排水溝の詰まりや水たまり
コンクリート屋根では、効果的な排水が不可欠です。
排水溝はゴミや落ち葉で詰まりやすいため、定期的な清掃が不可欠です。排水の滞留は防水層の劣化を促し、建物内への雨水浸入のリスクを高めます。
勾配不良がもたらす問題
コンクリート屋根で水たまりができる原因は、排水溝の詰まりだけでなく、勾配不良も考えられます。
勾配の設計や施工に問題があると、排水が妨げられ水たまりができ、雨漏りの原因となります。
築年数が浅い場合や防水工事後に水たまりが生じる場合は、勾配不良の可能性が高いです。
防水層の耐久性を保つコツ
防水層の寿命を延ばすためには、いくつかのコツがあります。
トップコートの塗り替え
防水層の寿命を延ばすためには、定期的にトップコートを塗り替えることが必要です。
防水層に剥がれが見られなくても、色あせがある場合は塗り替えを検討しましょう。
通常は5〜6年ごとに塗り替えますが、耐久性の高い製品や遮熱効果のあるものでは10年ごとでも大丈夫です。
施工業者と相談して、自分の好みや予算に合った選択をしましょう。
排水溝周りの掃除
屋上の排水溝は落ち葉やゴミで詰まり、水たまりや防水層のダメージの原因になります。
月に1度の掃除が目安であり、ルーフドレンの蓋を外して内部も掃除しましょう。
排水溝周りを定期的に点検し、2〜3週間に1回くらいは落ち葉やゴミを除去すると、詰まりを防ぎ、防水層も長持ちします。
部分補修
防水シートの部分的な剥がれや破れには、補修工事が可能です。
- シートのわずかな剥がれ:熱溶着で補修可能
- シートの膨れ:脱気筒を設置してメンテナンス
- ヒビ割れ:パッチ処理で補修
これらの方法を使って、防水シートの補修を行うことができます。
定期的な点検
定期的な点検は専門業者に依頼しましょう。
素人が点検すると、劣化部分を見落とす可能性があります。
業者に依頼する場合は、アフターサービスに定期点検が含まれているか確認することも大切です。
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