大規模修繕における床防水工事の必要性や工法についてご紹介
2024/06/20
マンションは長い年月とともに、劣化が進行します。
快適で安全な住環境を維持するためには、約12〜18年ごとに大規模修繕が必要です。
大規模修繕は、外壁塗装・ベランダやバルコニーなどの防水工事・廊下や階段の修理などが含まれます。
特に居住者が行きかう頻度が多いマンションでは、強固な資材から作られるコンクリートや鉄部からなる床でも傷みが生じやすいため、床に関する工事が欠かせません。
床における工事は大規模修繕の中で重要な一環を担い、床防水もその一環です。
床防水工事にはさまざまな種類があり、施工が必要な場所も異なります。
そこで今回は、大規模修繕工事で行われる床防水工事について、必要性や工法についてご紹介します。
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マンションにおける大規模修繕で床の防水工事を行う必要があるのはなぜ?
大規模修繕工事では足場を組み、数ヶ月かけて大規模な工事が行われます。
そのなかの工事で欠かせない工程の一つが、床の防水工事です。
床の防水工事は、マンションの資産価値向上と安全使用のために不可欠です。
床防水工事が必要な理由について、下記で詳しく見てみましょう。
水漏れを防ぐため
多くのマンションは、コンクリート・鉄筋・モルタルなどの資材を使用して造られています。
これらの資材が劣化するとひび割れが発生し、外部からの雨水や湿気が室内に浸入する可能性があるでしょう。
水漏れや湿気は建物を傷つけ、カビを引き起こす場合もあります。
そのため床の防水工事は、これらの悪影響を防ぐために欠かせない工事なのです。
美観を保つため
経年により床には汚れや傷が蓄積され、美観が損なわれていきます。
定期的な床防水工事により汚れや傷を防ぎ、建物の外観が保たれるでしょう。
美観の保持は、マンション全体の印象を良好なものに保つ重要な要素と言えます。
コンクリート躯体を保護するため
床にひび割れが生じると、雨水が浸入するリスクが高まります。
室内への水漏れや湿気・カビだけでなく、マンションのコンクリート躯体にも悪影響が及ぶ可能性があります。
マンションの基盤を保護するためにも、床の防水工事は非常に重要です。
修繕費を抑えるため
床の防水工事を怠ると建物の劣化が進み、修繕費用が増大する可能性があります。
劣化により雨水が建物内部に浸入すれば、修繕費は一層かさんでしまいます。
定期的な防水工事により、修繕費用を抑えつつマンションの長寿命化が図れるでしょう。
マンションの床防水工事が必要になる目安
床防水の工事を検討する際に、依頼を行う適切な時期について悩む方も多いでしょう。
最適な時期に工事を行い、劣化を予防するためにも、防水工事を行う状態や目安を把握することが大切です。
防水工事の適切な時期を知るためには、以下のポイントが挙げられます。
劣化が見られる
床の劣化は、さまざまな症状が現れます。
ひび割れや色あせ・膨れ・剥がれ・水たまりなどが見られる場合は、症状が進行する前に床防水工事を行うことが重要です。
床防水工事を行うことで、建物内部への雨水の浸入を未然に防ぎます。
耐用年数が近づいてきたとき
床防水工事の施工方法にはさまざまな種類があり、それぞれの耐用年数が異なることをご存じでしょうか。
工法には、ウレタン防水やシート防水・FRP防水・アスファルト防水などが挙げられます。
一般的に床防水工事の耐用年数は、約10~20年程度と考えられています。
前回の施工から約10年以上経過している場合は、床の状況を確認し、必要に応じて新たな工事を検討しましょう。
施工場所別の床防水工事について
マンションで、床防水工事を施す場所は多岐にわたります。
漏れのない確かな施工を実現するためには、施工場所・施工箇所別の床防水工事について確認してみましょう。
屋根や屋上
屋根や屋上は雨水がたまりやすく、雨漏りの原因になりやすいです。
工法には、アスファルト防水工法・シート防水工法・ウレタン防水工法などが用いられます。
シート防水工法は、防水のシートを貼り付ける工法です。
アスファルト防水工法はシートを液体状の防水材兼接着剤で張り付け、ウレタン防水工法は液体状の防水材を塗布します。
共用開放廊下
共用開放廊下は、マンションのエントランスから各部屋までの通路で、多くの居住者が利用します。
雨水が浸入しやすいため、防滑性のある塩ビシートによる防水工法が一般的です。
また、塩ビシートとウレタン防水工法を組み合わせることもあります。
外部階段
外部階段に床防水工事が施されていない場合でも、建物の状態を維持するためには必要です。
ウレタン防水工法や、塩ビシート防水工法などが使用されます。
ベランダ
ベランダも、紫外線や雨水の影響を受けやすい場所です。
耐久性や耐水性に優れたFRP防水工法や、建築物への負担が少ないウレタン防水工法などが適しています。
バルコニー
バルコニーも、雨水の浸入が懸念される場所です。
FRP防水工法やウレタン防水工法などが、一般的に用いられます。
これらの工事は、それぞれの場所や状況に応じて最適な施工方法を選択することが重要です。
定期的な点検やメンテナンスを通じて、マンション全体の耐久性を確保し、住環境を向上させることが期待できます。
施工場所別の床防水工事について
マンションの床防水工事にはさまざまな工法が存在し、適切な施工方法を選択して施工を行うことが大切です。
各工法には特長や適した施工場所があり、それぞれの特性を理解することで最適な選択が可能となります。
ウレタン防水
ウレタン防水は、ウレタン樹脂塗料を塗布してゴム状の防水膜を形成する工法です。
以下に、3つの具体的な工法を挙げます。
工法 | 特徴 |
---|---|
通気緩衝工法 | ポリウレタン樹脂を均一に流し込み、一定の厚みを保った状態で防水層を形成する |
密着工法 | 液体ウレタン塗膜防水材を塗布し、防水層を形成して水の侵入を防ぐ |
絶縁工法 | 脱気用シートを貼り付け、その後ウレタン樹脂塗料を塗布して防水層を形成する |
シート防水
シート防水は、下地に防水シートを敷き詰めて固定し、防水層を形成する工法です。
以下に、2つの具体的な工法を挙げます。
工法 | 特徴 |
---|---|
接着工法 | 防水シートを躯体に接着剤で貼り付ける |
機械的固定工法 | 円盤状のパーツを使用して防水シートを固定するFRP防水 |
FRP防水は、防火性や防水性に優れた繊維強化プラスティックを用いた工法です。
施工はポリエステル樹脂の塗布とガラスマットの貼り付けによって行われます。
アスファルト防水
アスファルト防水は、液状に溶かしたアスファルトを合成繊維不織布のシートに染み込ませて使用する工法です。
以下に、3つの具体的な工法を挙げます。
工法 | 特徴 |
---|---|
常温工法 | 熱を使用せずに防水層を形成する |
トーチ工法 | バーナーを用いてシートと床を接着させ防水層を形成する |
熱工法 | 熱を加えて溶かしたアスファルトを使用し防水層を形成する |
建物の状況や使用目的に応じて、最適な工法を選択しましょう。
マンション床防水工事を行う際の流れ
マンションの床防水工事を円滑に進めるためには、正確な流れを理解しておくことが大切です。
また、さまざまな注意点に気を付けておきましょう。
マンションにおける床防水工事の流れ
-
step1|施工場所の確認
施工が行われる場所を詳細に確認し、建物の構造や周辺状況を調査します。
その際、床の状態や必要な工事の範囲を正確に把握します。
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step2|工事内容の決定
施工が必要な箇所や状態を確認し、具体的な工事内容や方法を検討し設計します。
検討された計画には、居住者の安全や快適な暮らしを考慮した工夫が含まれます。
-
step3|見積もりの作成と契約
工事内容に基づいて見積もりを作成します。
複数の施工会社から見積もりを作成してもらい、最適な施工会社と契約を結びます。
契約には、工事のスケジュール・費用・保証などが含まれるでしょう。
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step4|居住者への連絡と説明
工事が行われる旨をマンションの居住者に通知し、工事の影響やスケジュールについて説明します。
説明を行う際は、わかりやすい説明が重要です。
-
step5|工事開始
決められた日時に工事を開始します。
施工中は安全に留意し、計画通りに進められます。
-
step6|工事の完了と引き渡し
工事が完了したら品質の確認や最終チェックを行い、必要であれば居住者に報告します。
完成した建物を引き渡し、支払いが行われます。
マンション床防水工事の注意点
信頼性の確認
床防水工事は信頼性が重要です。1社だけでなく複数の会社から見積もりを取り、費用や施工のクオリティを比較してから選択しましょう。
アフターフォローの重要性
アフターフォローの有無も確認しましょう。施工後のアフターフォローがしっかりしている業者を選ぶことで、問題が生じた場合に迅速かつ適切に対応してくれます。
居住者への連絡と配慮
工事が始まる前に、施工の予定や影響について居住者に事前に連絡し、騒音や通行の妨げに配慮することが重要です。コミュニケーションを大切にし、共同生活を円滑に進めましょう。
まとめ
マンションは長い年月で劣化が進行し、快適で安全な住環境を維持するために約12〜18年ごとに大規模修繕が必要です。
修繕には外壁塗装やベランダやバルコニーの防水工事・廊下や階段の修理などが含まれ、床も重要な修繕場所の一つです。
- 大規模修繕における床防水工事の必要性は、水漏れを防ぐため・美観を保つため・コンクリート躯体を保護するため・修繕費を抑えるために重要
- 床防水工事が必要な目安は、ひび割れや色あせなどの劣化が見られるとき・耐用年数が近づいてきたときに検討する
- 床防水工事の耐用年数は約10~20年程度のため、前回の施工から約10年以上経過した場合は、床の状況を確認したうえで工事を検討する
- 施工場所別の床防水工事では、屋根や屋上・共用開放廊下・外部階段・ベランダ・バルコニーなどに行われる
- 施工方法には、ウレタン防水・シート防水・FRP防水・アスファルト防水など、適した工法が用いられる
- 床防水工事の流れを把握し、住居者への説明や配慮をしっかりと行う
大規模修繕工事において床防水を検討する際は、施工を行う会社から複数の見積もりを取るだけでなく、適切な工法を選択することも肝要です。
施工にかかる費用は工法によって異なるため、この点についても十分に確認しておくことが重要でしょう。