外壁タイルの防水効果を高めるメンテナンス方法の紹介
2024/06/20
建物の壁には、タイルがよく使われます。
タイルは美しく高級感があり、多くの人々に好まれる建材です。
しかし、タイル壁には欠点もあります。それは、水漏れや劣化が起こる可能性があることです。
このような問題を防ぐためには、タイル壁の防水工事が必要です。
この記事では、タイル壁の防水工事の重要性や種類について解説します。
建物の寿命を延ばし、水漏れから内部を守ることでコスト削減にも繋がる防水工事の重要性を理解していただけると幸いです。
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タイル外壁の特徴|メンテナンスフリーと言われている理由
タイル壁はメンテナンスフリーと聞いた事があるかもしれません。
そう言われている理由は、以下のような特徴があるためです。
- 耐久性が高い
- 汚れや傷がつきにくい
- 補修が簡単
ただし、タイル壁にも防水工事を定期的に行う必要があり、完全にメンテナンスフリーとは言い切れません。
タイル壁の種類によっては、汚れやカビがつきやすい場合もあるため、定期的な清掃も必要で
高い耐久性
タイル壁は、耐久性が非常に高く、長期間使用しても劣化しにくいため、メンテナンスの必要性が少ないとされています。
タイルの耐用年数は40年以上あり、ほぼ水分を吸収しません。
タイル自体が劣化する心配は少ないのです。
無機質であるタイルは、土や石、砂などの素材を高温で焼いて作られる外壁材です。タイルも非常に耐久性があります。
汚れや傷のつきにくさ
タイル壁は、表面が滑らかで汚れが付きにくく、水拭きや高圧洗浄機を使えば、簡単に汚れを取り除けます。
高温で焼き固められるため、タイルは非常に頑丈で耐傷性に優れています。
通常の電動ドリルでは穴が開けにくいほど硬く、物をぶつけても傷がつきにくいので、メンテナンスが少なくて済みます。
簡単な補修方法
タイル壁は、一部のタイルが破損しても、その部分だけを交換できるため、補修が容易です。
一部のタイルを交換しても、外見上では目立ちにくく、補修後の仕上がりも美しいです。
また、小さな傷や欠損があっても、パテなどを使って手軽に修復できます。
汚れやカビが付着した場合でも、専用のクリーナーや洗剤を使用して手軽に取り除くことができます。
タイル外壁の防水工事の重要性
一般的には「タイル壁はメンテナンスフリー」と言われていますが、実際にはタイル壁においても防水工事が必要です。
その理由は以下の3つです。
- タイル目地や下地が水に弱い
- ご薄い効果を持続させるため
- メンテナンスコストの削減
タイル目地や下地の水への弱さ
タイル自体は水に強いとされていますが、タイルの目地部分にはシーリング材(コーキング材)が使われており、このシーリングが劣化すると水が浸透しやすくなります。
また、タイルを接着している下地はモルタルで構成されており、モルタルは水を吸収しやすい性質を持っています。
モルタルが水分を吸収し、その後太陽光などの影響で乾燥すると収縮が生じ、下地のひび割れやタイルの剥がれなどの劣化が引き起こされる可能性があります。
したがって、タイル目地や下地のメンテナンスは10年に一度を目安に行うことが重要です。
定期的なメンテナンスによって、タイル壁の耐久性や美観を保つことができます。
防水効果の持続性
防水工事によって、タイル壁の表面から水をはじくことができ、内部の壁材や下地を保護することが可能です。
通常、タイル自体は40年以上の耐用年数がありますが、防水工事を施すことでさらに防水効果が持続し、タイルの劣化を遅らせることができます。
メンテナンスコストの削減
防水工事を行うことで、タイル壁の耐久性を高めることができ、長期的なメンテナンスコストの削減につながります。
防水工事を行わなかった場合、内部の壁材や下地が腐食したり、カビや菌が繁殖したりすることで、全体の修理費用が増大する可能性があります。
そのため、防水工事を施すことで後々大掛かりな補修工事を回避し、建物の耐久性を確保することが重要です。
タイル外壁の防水工事の種類
タイル外壁の防水工事は、施工箇所や用途に応じて、適切な手法を選ぶ事が大切です。
撥水材
外壁タイルに撥水材を塗布することで、水をはじくことができ、外壁タイルの目地からの水の浸入を防ぎます。
しかし、撥水材の効果は水が滞留しにくくなるだけであり、台風や豪雨などの高い水圧に対しては、撥水材だけでは対応できない場合がありますので、注意が必要です。
防水材
外壁タイルにアクリル系の防水材を塗布することで、防水効果が向上します。
防水材の塗膜が外壁タイルや目地を覆い、水の浸入を徹底的に防ぎます。撥水材とは異なり、防水材は「水を通さない」という点が特に重要です。
剥落防止材
外壁タイルに剥落防止材を塗布することで、外壁タイルの剥がれ落ちを防ぐことができます。
剥落防止材に含まれるウレタンが、防水効果を持っているため、外壁を水から守ります。
ウレタンは耐久性も高く、防水と剥落防止の双方の効果が得られます。
タイル外壁の防水工事の手順
タイル壁における防水工事の手順は以下のとおりです。
-
足場の設置
外壁の防水工事や、修繕作業は高所での作業となるので、安全に行えるように足場を設置します。
足場の設置は安全確保や作業効率の向上など施工品質へとつながります。 -
タイル壁の点検
防水工事前に、壁面を点検します。
傷やひび割れの有無やタイルの状態をチェックし、問題がないか確認します。 -
タイルの洗浄
高圧洗浄機や専用の洗剤を使用し、タイルの洗浄を行います。
タイルに汚れが残っていると、防水剤がうまく密着しません。 -
下地処理
タイル壁の下地には、防水処理を行う前に適切な下地処理が行われます。
下地が平坦であり、クラックや欠けが修復されていることが重要です。
クラックや欠けた箇所がある場合は、シーリング処理を施します。 -
防水材の施工
防水材料を選び、タイル壁に施工します。
最初にプライマーを塗り、その後防水材とトップコートを順に塗ります。
防水材とトップコートはそれぞれ2回塗り重ねるのが大切です。 -
検査と確認
防水工事の完了後、施工箇所を検査し、防水が適切に行われているかや仕上がりの美しさを確認します。
タイル壁の防水工事には専門的な技術と知識が必要ですので、プロの施工業者に依頼することが重要です
タイル外壁の防水工事の注意点
タイル壁の美観と耐久性を保つためには、適切な防水工事が不可欠です。工事を行う際には以下のポイントをおさえておきましょう。
業者と相談して防水材の選定と施工方法を決定する
タイル壁の防水工事において、防水材や施工方法を決定する際には、専門業者に相談することが不可欠です。
業者は専門的な知識と豊富な経験を持ち、最適な防水材や適切な施工方法を提案してくれます。
さらに、業者が提供する防水工事には保証が付いていることがあります。万が一の問題にも迅速に対応してくれるでしょう。
定期的なメンテナンスの重要性
防水工事を行った後も、定期的なケアが不可欠です。
特に、タイル壁の防水工事は、屋外や水回りなど、湿気の多い場所で実施されることが多いため、定期的な清掃や点検が必要です。
破損部分の迅速な修繕
タイルが剥がれていたり欠けていたり、目地にひび割れがある場合は、速やかに修復が必要です。
破損した箇所から水が侵入し、防水性が損なわれる可能性があるため、素早い対応が不可欠です。
防水工事でよくある質問
- 防水工事とはどんな工事ですか?
- 防水工事は、建物や構造物に水が浸入するのを防ぐための重要な工事です。主に屋上、外壁、ベランダ、浴室などの水に弱い部分に施工されます。
- 防水工事の相場はいくらですか?
- 防水工事の相場は、工事の種類、面積、建物の状態、地域などによって大きく異なりますが、一般的な相場の目安は以下の通りです。
箇所 費用相場 屋上防水 一般的な戸建て住宅(30〜50㎡):50〜150万円
アパート・マンションの屋上(100〜200㎡):200〜500万円ベランダ防水工事 10㎡程度:15〜30万円 外壁防水工事 戸建て住宅(100〜150平方メートル):100〜300万円 基礎防水工事 戸建て住宅:30〜100万円
- 防水工事は何年ごとに行いますか?
- 防水工事の周期は、使用されている防水材の種類や建物の状況、環境条件によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
防水の種類 周期 ウレタン塗膜防水 10〜15年ごと アスファルト防水 15〜20年ごと シート防水 15〜20年ごと FRP防水 10〜15年ごと
シーリング 5〜10年ごと 外壁防水塗装 7〜10年ごと - 防水工事の期間はどのくらいかかりますか?
- 防水工事の期間は、工事の規模、種類、天候条件などによって大きく異なります。一般的な目安として、以下のような期間が考えられます。
項目 工事期間の目安 屋上防水工事 アパート:1〜2週間程度
マンション:2週間〜1ヶ月程度ベランダ防水工事 2〜4日程度 外壁防水工事 アパート:2〜3週間程度
マンション:1〜3ヶ月程度基礎防水工事 3〜7日程度
まとめ
タイル壁は一般的にメンテナンスフリーと言われますが、実際には防水工事が必要です。
なぜなら、防水工事によって建物の耐久性が保たれ、水の浸入を防ぐからです。
さらに、美観を保ちつつ将来のメンテナンスコストを抑える効果も期待できます。
信頼できるプロの業者に依頼することが重要です。