勾配屋根とは?陸屋根の違いや防水工事の保護塗装についても解説
2024/06/20
屋根は建物を雨風などから保護する重要な役割を果たしており、定期的な防水工事とメンテナンスが不可欠です。
勾配屋根の防水工事には、屋根の種類や状態、面積などによって異なる工程があります。
一般的には、古い防水材の撤去、下地や防水シートの設置、防水コーティングの施工などが行われます。
専門家のアドバイスを受けながら、適切な工法や材料を選択し、丁寧な作業を行うことが大切です。
この記事では、勾配屋根の防水工事について詳しく解説します。
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勾配屋根とは
戸建住宅やマンションの屋根は、「勾配屋根」「陸屋根」の2種類に分けられています。
形状はもちろん、特徴も異なりますので、それぞれ詳しく解説していきます。
勾配屋根
勾配屋根は、その名の通り斜めの勾配がついている屋根を指します。
主に戸建住宅で見られますが、マンションでも採用されることがあります。
勾配の角度は住宅ごとに異なり、「寸」単位で分類されます。
建物の形状に合わせて屋根に傾斜が設けられ、雨水や雪を効率的に流すことができます。
傾斜の度合いで呼び方が異なる
傾斜の度合いによって、勾配屋根の呼び方が異なります。主な分類は次の通りです。
- 急勾配:6寸(30度)以上の傾斜
- 並勾配:3寸(約17度)〜5寸(約27度)の傾斜
- 緩勾配:3寸以下の傾斜
急勾配の勾配屋根は雨水や雪を効果的に流し、防水性・耐久性が高まりますが、耐風性が低下し、日当たりが悪くなる可能性があります。
逆に緩勾配の場合は、コスト削減や耐風性の向上が見込まれますが、雨水の溜まりやすさに注意が必要です。
これらのメリットとデメリットを考慮して、適切な屋根を選択しましょう。
陸屋根
陸屋根は、勾配屋根のように傾斜がついておらず、水平な形状の屋根を指します。
戸建住宅やマンションでよく見られます。
一般的には屋上として利用され、雨水を排水溝に流すための傾斜が設けられています。
勾配屋根のメリット
勾配屋根の採用には、防水工事が容易であるという利点や高いデザイン性などがあります。
以下では、勾配屋根の導入による利点について詳しく説明します。
- 雨漏りのリスクを軽減できる
- 屋根の面積が減少する
- 足場を設置せずに作業が可能な部分もある
- 雪下ろしの必要がない
- デザイン性が高い
それぞれの利点について詳細に見ていきましょう。
雨漏りリスクの軽減
勾配屋根を導入する際の最初の利点は、雨漏りのリスクを軽減できるという点です。
一般的に、マンションなどで使用される平らな屋根では、雨水が溜まりやすく、定期的な防水工事が必要です。
そうしないと、雨漏りの問題が生じる可能性があります。
しかし、勾配屋根では屋根面に傾斜がついているため、雨水がスムーズに流れ、雨漏りのリスクを軽減できます。
また、急勾配の屋根の方が緩勾配よりも雨漏りのリスクを軽減できる傾向があるため、この点も考慮して検討することが重要です。
屋根の面積が減少する
2つ目に、屋根の面積が狭くなるというメリットがあります。
屋根面積を狭くする利点として、屋根のメンテナンスにかかる材料費や手間賃を削減できることが挙げられます。
新しい家を建てる際に勾配屋根を採用することで、全体的なコストを抑えられる可能性があります。
そのため、戸建住宅を建てる予定の方にとっては大きなメリットとなるでしょう。
足場を設置せずに作業が可能な場合もある
勾配が緩いほど、屋根の上で足場なしで作業することが可能であり、最低限の設備で防水工事などのメンテナンスを行うことができます。
通常、屋根のメンテナンスには足場を組む必要があり、その工事だけでも数十万円の費用がかかります。
緩やかな勾配の屋根を採用することで、メンテナンス時の費用を抑えることができます。
雪下ろしの必要がない
雪の多い地域では、屋根に積もった雪の重みで建物が倒壊する事例がしばしば報告されています。
このため、定期的に屋根から雪を下ろさなければならないのですが、これは非常に重労働であり、特に高齢者や若い人が少ない地域では問題となっています。
しかし、急勾配の屋根を採用すれば、雨水と同様に自然に雪が落ちるため、雪下ろしの手間が大幅に軽減されます。
雪の多い地域では、このような理由から急勾配の屋根を採用した戸建住宅が増えています。
勾配屋根のデメリット
勾配屋根はメリットだけではありません。風の盈虚を受けやすいなどのデメリットもあります。
以下の欠点について詳しく解説していきます。
- 屋根裏のスペースが十分に確保できない場合がある
- 急勾配の屋根では、工事の作業効率が低下する
- 耐風性が弱い
- 建築基準法の影響を受ける
購買や絵の防水工事の種類
勾配屋根を導入する場合、防水工事などの大規模な修繕工事が必要になることがあります。
- アスファルトシングル葺き
- 塩ビシート防水
以下では、勾配屋根のメンテナンス方法について説明します。主なメンテナンス方法は以下の2種類です。
それぞれの方法について詳細に見ていきましょう。
勾配屋根の防水工事の種類D
アスラルトシングル葺き
勾配屋根を導入しているマンションでは、よくアスファルトシングル葺きが利用されます。
アスファルトシングルは、ガラス繊維基材にアスファルトを組み合わせ、表面に石粒を散布した屋根材です。
この材料は柔軟性が高く、複雑な勾配屋根にも対応できます。
修繕時には、アスファルトシングルの劣化状況に応じて、以下の3つの方法で対処します。
葺き替え工法(全面撤去工法)
葺き替え工法(全面撤去工法)は、既存の屋根材を完全に取り除き、新しい屋根材に置き換える改修方法です。
この工法は、屋根の痛みや劣化が著しい場合に適用されます。
葺き替え工法では、まず既存の屋根材を全て撤去します。次に、防水や漏水対策を施し、新しい屋根材を屋根全体に取り付けます。
被せ工法(重ね葺き工法・カバー工法)
被せ工法(重ね葺き工法・カバー工法)は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて貼り付ける改修方法です。
この工法は、既存のアスファルトシングルの状態が比較的良好な場合に適用されることが一般的です。
被せ工法を行う際には、まず屋根を高圧洗浄機などで清掃し、既存の屋根材を補強します。
その後、新しいアスファルトシングルを貼り付けて作業を終えます。
保護塗装
保護塗装は、既存の防水層の上に防水作用のある塗料を塗布することで行われる防水工事です。
アスファルトシングルが良好な状態であれば、保護塗装だけで防水工事を完了させることができます。
アスファルトシングルの表面には石粒が付着しており、経年劣化や自然の影響で石粒が剥がれることがあります。
保護塗装は、これらの石粒を保護するだけでなく、建物の外観を美しく保つ目的もあります。
費用も他の防水工事に比べて安価であり、勾配屋根の劣化が軽微な場合には保護塗装を選択することがおすすめです。
塩ビシート
塩ビシート防水は、塩化ビニル樹脂で作られたシートを機械や接着剤を用いて貼り付け、防水する工法です。
勾配屋根の防水工事では、「機械的固定工法」と呼ばれる方法が一般的です。
この方法では、塩ビシートを下地に密着させるのではなく、隙間を設けて固定します。
この工法の特長は、どんな下地でも施工できることです。また、下地の影響を受けにくいため、防水層のひび割れや破断が起こりにくいという利点もあります。
ただし、塩ビシート防水工事中に振動や騒音が発生しやすいというデメリットもあります。そのため、近隣住民への配慮が重要です。
勾配屋根の劣化のサイン
勾配屋根の防水工事は、建物の寿命を延ばすために必要です。劣化の兆候を見逃さないようにしましょう。
劣化のサインとしては、以下が挙げられます。
- アスファルトシングルの浮きや剥がれ
- コーティング石粒の剥がれ
- 塩ビシートの浮きや剥がれ
- ピンホール
これらの劣化のサインについて詳しく見ていきましょう。
アスファルトシングルの浮や剥がれ
急勾配の屋根や、吹き上げ風の強い海沿いや高台に建っているマンションなどでは、アスファルトシングルの接着が弱まり、浮きや剥がれが発生しやすくなります。
これらの現象が長期間放置されると、雨漏りの原因になるだけでなく、劣化したアスファルトシングルが飛散する可能性もあり、非常に危険です。
台風などの悪天候が過ぎ去った後は、剥がれや浮きが起こっていないかを点検することが重要です。
コーティングの石粒の剥がれ
通常、アスファルトシングルの表面には石粒が吹き付けられています。
経年劣化や雨風などの影響で、これらの石粒が剥がれ落ちることがあります。これにより、耐久性や防水性が低下します。
定期的に勾配屋根の石粒がどれだけ残っているかをチェックすることが重要です。
石粒が極端に少ない場合や剥がれ落ちている石粒が多い場合は、専門業者に依頼して防水工事を行うことを検討しましょう。
塩ビシートの浮や剥がれ
塩ビシートでの防水工事が以前に行われている場合、貼り付けられた塩ビシートが浮いたり剥がれたりすることがあります。
塩ビシートが劣化すると、雨漏りや建物の劣化につながる可能性がありますので、注意が必要です。
特にシート同士の繋ぎ目や軒先などが劣化しやすいので、点検する際はこれらの部分に重点を置いて確認しましょう。
ピンホール
ピンホールとは、接着した塩ビシートに開いた針穴のような小さな穴のことを指します。
ピンホールが複数存在すると、雨水がそこから漏れる可能性が高まりますので、迅速な対処が必要です。
ピンホールは肉眼では確認しにくいため、「水張り試験」と呼ばれる方法で点検します。しかし、勾配屋根ではこの方法が適用できませんので、「電気試験」での確認が必要です。
ピンホールの点検は個人では困難ですので、専門業者に依頼することをお勧めします。
勾配屋根の防水工事にかかる費用相場
勾配屋根の防水工事にかかる費用相場は、採用する防水工法によって異なります。
主な防水工法としてはウレタン防水、FRP防水、塩ビシート防水、アスファルト防水などがあります。
一般的な費用相場は次の通りです。
防水工事方法 | 費用相場(1㎡あたり) |
---|---|
ウレタン防水 | 6,000〜8,000円 |
FRP防水 | 6,500〜8,500円 |
塩ビシート防水 | 6,000〜8,000円 |
アスファルト防水 | 6,000〜8,000円 |
勾配屋根の場合、足場代などの諸経費が追加される可能性が高いため、業者との事前相談が重要です。
最適な防水工法を選択することがお勧めされます。
勾配屋根の防止工事を行うタイミング
一般的に、屋根の防水工事は10〜15年ごとに行うのが一般的です。どのような防水工法を選んでも、その耐用年数はおおよそ10〜13年程度です。
つまり、一度防水工事を行えばそれで終わりというわけではありません。また、勾配屋根の防水工事を行うタイミングは、屋根の劣化状態によって異なります。
したがって、業者に点検を依頼し、必要に応じて防水工事を検討することが重要です。
特に、目立った劣化や破損箇所がなくても、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
勾配屋根の防水工事依頼の際の注意点
勾配屋根の防水工事は、通常、専門業者に依頼するのが一般的です。しかし、中には悪質な業者も存在するため、業者選びには慎重な注意が必要です。
業者に依頼する際には、以下の点に留意しましょう。
- 見積もりに不明な項目がないかどうかを確認する
- 保証内容などが明確に記載されているかどうかを確認する
- 費用が相場よりも極端に高すぎる・安すぎるかどうかを確認する
これらの注意点を考慮して、信頼できる業者を選択することが重要です。
見積もりに不明な項目がないかどうかを確認する
見積書には、どの工程にどれだけの費用がかかるかが詳細に記載されています。
見積書を確認する際に、理解できない項目があれば、業者に詳細を尋ねるようにしましょう。また、見積書に内訳の項目がなく、「一式」と金額だけが記載されている場合は、注意が必要です。
見積書の内容を丁寧に説明してくれる業者は信頼できる場合が多いため、この点も業者選びの判断材料として考慮してください。
保証内容などが明確に記載されているかどうかを確認する
防水工事を行っている業者は、独自のアフターサービスや保証を提供していることが一般的です。
特に保証に加入していると、施工後に不具合が発生した場合や業者が倒産してしまった場合などに補償を受けることができます。
保証内容やアフターサービスが明確に記載されているかを確認し、万が一の場合に備えて積極的に利用していくことが重要です。
費用が相場よりも極端に高すぎる・安すぎるかどうかを確認する
費用相場とかけ離れた金額を提示する業者に依頼してしまうと、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
工事費用が極端に高い場合、業者が専門知識のない顧客に過剰な料金を請求している可能性があります。
逆に工事費用が安すぎる場合、手抜き工事が行われ、後にトラブルが発生する可能性が高いです。事前に費用相場を調査し、適正な価格を提示する業者を選ぶことが重要です。
まとめ
今回、勾配屋根の防水工事について詳しく解説しました。
勾配屋根とは、斜めの勾配が付いている屋根であり、防水工事には、アスファルトシングル葺き・塩ビシート防水が用いられる事が多く、費用相場は工法や屋根の傾斜によって異なります。
屋根は建物の寿命に大きな影響を与える重要な部分であり、定期的なメンテナンスが長期間の活用につながります。
本記事を参考にして、勾配屋根の防水工事を検討してみてください。