マンションの大規模修繕工事を依頼する施工会社・施工業者の選定方法とは?
2024/06/21
マンションの大規模修繕工事において、業者の選定にお困りの方も多いかもしれません。
大規模修繕工事にはさまざまな施工会社が存在するため、その選び方は簡単ではありません。
普段あまり利用することのない工事であるため、どの業者が最適かを判断するのは難しい場合もあります。
大規模修繕工事は、共用部分の劣化や損傷を修復するために行われるため、業者選定だけでなく発注方式や施工方式も慎重な検討が必要です。
特に発注方式には一括発注や分割発注などの選択肢があり、適切な方法を選ぶことが成功の鍵となります。
この記事では、大規模修繕工事の発注方式をはじめ、業者の選定方法・施工方式について分かりやすく説明します。
また、大規模修繕工事を引き受ける業者の種類や、それらの選び方についても紹介します。これらの情報を参考にし、安心して工事を進める手助けとしてどうぞお役立てください。
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マンション大規模修繕工事における2種類の発注方式
大規模修繕工事の発注には、2種類の方法があります。
それぞれについて、メリットとデメリットを紹介します。
責任施工方式
- メリット…施工会社とマンションの管理組合が直接契約することで、管理の窓口が一本化され工事状況や進捗を把握しやすい
- デメリット…第三者によるチェックが行われないため、適正に工事が行われたのか判断しづらい
設計管理方式
- メリット…設計監理と施工を別な会社へ依頼することで、正しい施工内容であるかが判断しやすくなる
- デメリット…それそれに契約する手間や費用が必要となる
施工を依頼する業者の選び方
業者を選ぶ方法にも種類があり、以下の3つのうちいずれかの方式で選ばれます。
入札方式
入札方式は、公共工事や一般的な工事において利用される一般的な業者選定手段です。
この方式では、工事を依頼する組織や管理組合が提示した条件に基づいて、業者が見積もりを提出します。
その後、仕様書に基づく現場説明会が行われ、最終的に1番提示価格が低い業者が選ばれる仕組みです。
この競争が発生することが、工事費用を抑えられる大きなメリットとされています。
しかし、入札方式にはいくつかのデメリットも存在します。
まず、施工会社間で談合が行われるおそれが挙げられます。談合は、業者同士が前もって受注者や価格を決定する不正な合意を指し、公正な競争を阻害します。
談合が行われると競争が発生しないため、工事費用の抑制が難しくなります。
また入札方式では、見積もりの比較や現場説明会にかかる時間がデメリットとされます。複数の業者が異なる条件で提案を行い、それらを比較検討するためには時間と手間がかかります。
同時に、現場説明会も複数回行われることがあり、これによって施工スケジュールの遅延が生じる可能性もあります。
入札方式を選択する際には、これらのメリットとデメリットを十分に考慮し、慎重に進めることが大切です。
特命随意契約方式
特命随意契約方式は、複数の業者を比較することなく、最初からひとつの業者に見積もりを依頼する方式です。
この方式では、施工会社に見積もりを依頼し、管理組合が定めた予算や条件をクリアしている場合はそのまま工事を発注します。
特命随意契約方式を選ぶ際、一般的には「過去に大規模修繕を行った会社に再度依頼する」といったケースが多く見られます。
特命随意契約方式の大きなメリットは、業者選定がスムーズに進むことです。入札方式と異なり確認する見積書がひとつであるため、手間もかかりません。
しかし、この方式には業者間での競争が起こらないというデメリットが潜んでいます。競争がなければ費用の抑制が難しく、見積金額が高くなる可能性があります。
特命随意契約方式を採用する際には「他の業者と比較しない理由」が重要です。
明確な理由がないまま業者を選定すると、管理組合の信用問題にもつながりかねません。
なぜその業者を選んだのかについて、根拠や資料を提示したうえで委員会や入居者の理解を得られるよう心がけましょう。
これまでに実績があり、透明性が高く信頼できる業者であれば、特命随意契約方式を検討してみる価値があると言えるでしょう
見積もり合わせ方式
見積もり合わせ方式は、複数の施工会社から見積書を提出してもらい、それらを比較検討して適切な業者を選定する方式です。
入札と異なり、見積もり合わせ方式では管理組合が選んだ業者にだけ見積書を依頼します。
この方法は、実態が確認できない業者の見積書まで確認する必要がないため、管理組合にとって時間や手間の節約が大きなメリットとなるでしょう。
ただし、見積もり合わせ方式にはデメリットも存在し、管理組合が指定した条件ではないことで、業者ごとに工事内容が異なる場合があるからです。工事内容が不十分であると、後で追加工事が発生するリスクが発生することも考えられます。
最初に予定していなかった追加費用が発生し、結果的に予算を超過してしまう可能性も考えられます。
見積もり合わせ方式を採用する場合は、入札方式と同様に、見積書の内容を十分に検討する必要があります。
各業者の提案内容や価格を慎重に比較し、工事の範囲や条件に関する明確な合意を確保することが重要です。
また、工事内容の確認不足が発生しないように注意し、潜在的なリスクを最小限に抑える努力も求められます。
大規模修繕工事を行う業者の種類とは
大規模修繕工事を請け負う業者は主に、
- ゼネコン
- 修繕専門業者
- マンションの管理会社
上記の3種類です。以下ではそれぞれの特徴を解説していきます。
ゼネコン
ゼネコンは「ゼネラルコントラクター」の略称で、オフィスビルやマンションの建築からリフォーム・大規模修繕工事まで、総合的な建設業務を行う企業を指します。
この業態は、建築だけでなく設計や開発の部門も有しており、プロジェクトにおいて一貫して対応する特長があります。
ゼネコンは新築プロジェクトだけでなく、既存建物の改修やリフォームにも対応しており、その幅広いサービスが注目を集めています。
特に大規模修繕工事においても、ゼネコンは経験豊富なプロフェッショナルがプロジェクトに取り組みます。
しかし、注意が必要なのは全てのゼネコンが大規模修繕工事に精通しているわけではないことです。
選定の際には、過去の実績や経験を検証し、プロジェクトに適したゼネコンを選ぶことが肝要です。
確実な成果を期待するためには、ゼネコンの得意分野や実績に焦点を当てて調査を行い、信頼性の高いパートナーを選択することが必要です。
修繕専門業者
大規模修繕工事を検討する際、専門業者に依頼する方法が一つの有力な選択肢となります。
これらの専門業者は、修繕工事に特化したスペシャリストであり、長年にわたる豊富な実績を有しています。その専門性が強みとなり、あらゆる工事プロジェクトにおいて高い技術力と信頼性を発揮しています。
専門業者は通常自社での施工を行っており、これにより要望やニーズに対して細やかに対応できることもメリットです。希望や要件に柔軟に対応し、最適な工事プランを提案してくれることも期待できるでしょう。
また地域密着型から広域をカバーする大規模な専門業者まで、さまざまな規模の業者が存在します。
あらかじめ施工実績を確認することで、業者の信頼性や実績を把握でき、安心して大規模修繕工事を依頼できるでしょう。
マンションの管理会社
優れたマンション管理会社は、大規模修繕工事にも熟知しており、そのサポートは頼りになります。
彼らは専門の部署を設け、大規模修繕工事に特化したプロフェッショナルが常駐しています。
さらに、専門の業者と提携しており、プロジェクトに必要なスキルとノウハウを確保しています。マンション管理会社は通常、建物の状況やメンテナンスの歴史を把握しているため、修繕計画や効果的な予算の策定においても頼りになります。
この点が、管理組合やオーナーにとって相談しやすいところです。
ただし、重要なのは管理会社が提供するサービスと、実際の施工を行う業者が異なることです。
管理会社が情報提供やプロジェクト管理を行う一方で、実際の工事は専門業者に委託されることが一般的です。
この分業体制により、最適なスペシャリストが各分野で尽力し、効果的な大規模修繕工事が実現されるのです。
業者選びのポイント
業者を選ぶ際のポイントを紹介していきます。
以下のポイントを抑えて業者を選びましょう。
施工実績は豊富か
信頼性のある業者を選ぶためには、その施工実績が重要なポイントとなります。
業者の選定においては、どのような大規模修繕工事の施工実績があるかをしっかり確認しておくことが必要です。施工実績が多いほど、その業者が安心して工事を任せられるかどうかの指標となります。
一部の業者は、施工実績に新築工事も含めている場合もあります。大規模修繕工事と新築工事では施工内容が大幅に異なるため、混同しないよう注意が必要です。
大規模修繕工事の実績が多く、安定して受注している業者を選ぶことで、実績に裏打ちされた信頼性が期待できます。
業者の実績を確認することで、その業者のスキルや信頼性を客観的に評価できます。
具体的な工事プロジェクトにおける実績を確かめ、大規模修繕工事に特化した経験豊富な業者を選択することが、安心してプロジェクトを進めるためのカギです。
提供するサービスの内容
業者の選定において、提供されるサービスの内容は見逃せません。
またサービス内容だけにとどまらず、入居者や近隣住民との円滑なコミュニケーションにおいても、業者ごとに対応が異なります。
サービス内容が充実している業者を選ぶことで、大規模修繕工事を安心して依頼できます。
大規模修繕工事が終了した後も、アフターサービスとして一定年数ごとに定期点検や付随工事が実施されます。このため、アフターサービスが充実している業者を選ぶことも重要です。
修繕工事後のメンテナンスやトラブル時の対応が円滑であるかどうかは、選択した業者のサービスの質にかかっているため、信頼性の高い業者を選ぶことで、長期的な安心感を得られることでしょう。
会社の経営状態へ健全か
業者の選定において、会社の状態を確認することも大切です。
大規模修繕工事は一連のプロセスを通じて関わりが続くため、信頼性のある施工業者を選ぶことが不可欠です。
安定している経営状態を持つ業者を選べば、将来的なトラブルや支障の心配が少なくなります。
業者の規模は公式ホームページから確認でき、IR(投資家向け情報)ページが公開されている場合は、収益状況などの詳細情報も手に入ります。
さらに、信用調査会社を利用することで、企業の信用度を把握できます。信用調査会社は金融や信用情報を専門に扱う機関であり、業者の信頼性や経営状況に関する貴重な情報を提供しています。
施工業者の倒産は修繕計画に深刻な支障を引き起こす可能性があるため、慎重な選定が求められます。
会社の規模や経営状況を確認することで、安心して信頼性の高い業者に大規模修繕工事を依頼することができます。
現場代理人の人柄や対応力があるか
通常、大規模修繕工事では、専門的な知識や経験を持つ現場代理人が選ばれます。
この代理人は施工現場の管理や進捗管理を担当し、工事の円滑な進行を確保します。優れた現場代理人の存在は、工事の品質やスケジュールに大きな影響を与えます。
現場代理人の選定時には、その能力や実績を確認することが重要です。打ち合わせや面談を通じて、現場代理人の対応力や人柄を確かめておくことで、信頼性の高いプロフェッショナルを選出できます。
高い能力を持つ現場代理人がチームをリードすることで、プロジェクトがより円滑に進展し満足のいく修繕工事となるでしょう。
まとめ
頻繁に依頼する工事ではないため、まずどこから始めればいいのかわからない方も少なくありません。
マンションの大規模修繕は、入居者全員の中から選ばれる管理組合や修繕委員会によって進められるため、適切な工事が行われているか適宜確認しておくことが大切です。
依頼先や依頼方法にもさまざまな種類があるため、最適な選択ができるよう計画を進めていきましょう。
- マンションの大規模修繕工事では、発注方法や施工方法に種類があり、適切なものを選ぶ必要がある
- 業者の選定方法には入札方式、特命随意契約方式、見積もり合わせ方式の3つがあり、それぞれメリットやデメリットがある
- 大規模修繕を行う業者には、ゼネコン、修繕専門会社、マンションの管理会社などがある
- 施工実績や提供されるサービス、施工会社の経営状態や現場代理人の対応力などを加味して選定することが求められる