マンションの大規模修繕工事の費用とは?小規模や中規模修繕との相場の差は?
2024/06/21
マンションは、快適な住環境を維持するため定期的な修繕が必要です。特に、建物や設備の大きな改修が必要となる大規模修繕は、多額の費用がかかるため計画的な準備が重要です。
このページでは、マンションの大規模修繕工事について、費用相場や小規模・中規模修繕との違いなどを詳しく解説します。修繕積立金や工事中の注意点なども合わせて紹介し、マンション修繕に関する疑問を解消します。
ぜひ、マンションの大規模修繕工事について理解を深め、計画的な修繕の実施に役立ててください。
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分譲マンションの大規模修繕の必要性
マンションは、住人にとって大切な資産です。しかし、建物や設備は経年劣化により徐々に傷んできます。そのまま放置すると、住環境の悪化や資産価値の低下につながる恐れがあります。そこで必要となるのが、大規模修繕工事です。
大規模修繕とは、マンションの躯体や共用部分などを対象とした大規模な修繕工事のことです。具体的には、屋上防水の改修や外壁塗装、バルコニーの防水改修、給排水管の交換などが含まれます。
小規模や中規模修繕と比較すると、大規模修繕は費用が高額になります。しかし、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持するためには、欠かせない工事です。
この先、大規模修繕の必要性、費用、工事の内容などについて詳しく説明します。
建物や設備は経年劣化により修繕が必要
分譲マンションは、快適な生活を送るためには定期的なメンテナンスが欠かせません。建物や設備は時間の経過とともに劣化するため、適切な時期に修繕を行う必要があります。
修繕には、大規模修繕、中規模修繕、小規模修繕の3種類があります。大規模修繕は、外壁や屋上、共用部分の設備などの大規模な修繕を指します。中規模修繕は、給排水管やエレベーターなどの設備を対象とした修繕です。小規模修繕は、室内部分の設備や共用部分の軽微な修繕を指します。
修繕積立金は、将来の修繕費用に備えて積み立てられる資金であり、修繕費用を賄うために使用されます。修繕計画を立て、適切な時期に修繕を行うことで、快適な生活と資産価値の維持につなげることができます。
資産価値を維持するために必要
分譲マンションの修繕は、建物の維持管理や資産価値の維持のために重要です。
老朽化したまま放置すると、建物の劣化がさらに進み、住環境の悪化や安全性低下につながります。また、売却する際にはマイナス要因となり、資産価値が大きく下がってしまう可能性があります。
このように、分譲マンションの修繕工事は、建物の安全性を確保し、資産価値を維持するために必要なものです。居住者の快適な住環境を維持するためにも、計画的な修繕計画を立てておきましょう。
分譲マンション修繕にかかる費用
分譲マンションの大規模修繕工事は、10~15年に一度は必要となる大規模な工事です。この工事にかかる費用は、規模や内容によって異なりますが、一般的な修繕となると一戸あたり100万円前後、建物全体の内部、外部修繕などの場合は数千万円前後が相場と言われています。
この費用は、通常、修繕積立金から捻出されます。修繕積立金は、毎月管理費と一緒に徴収されており、将来の大規模修繕工事に備えて積み立てられています。
しかし、修繕積立金の不足や、予想以上に費用がかかった場合などは、追加で費用を負担する必要があることもあります。
以下では、分譲マンションの修繕工事を規模別に分類し、それぞれにどのような工事が必要で、どの程度の費用がかかるのかをご紹介します。
大規模修繕 | 外壁の塗装や防水工事、屋上の防水工事、バルコニーの防水工事、共用部分の修繕 |
---|---|
中規模修繕 | 給排水管の更新、電気設備の更新、エレベーターの更新など |
小規模修繕 | 共用部部の照明器具の交換、ドアノブや窓の修理など |
それぞれにどのような工事が必要で、どの程度の費用がかかるのかについては、以下のネストされたヘッドラインで詳しく紹介していますので、ぜひご確認ください。
分譲マンションの大規模修繕の工事規模や修繕費用相場
マンションの大規模修繕は、建物の躯体や共用部分など、大規模な修繕が必要な箇所を対象とした工事です。
一般的には築後10~15年程度で実施され、その費用は一戸あたり100万円前後が相場となっています。
大規模修繕の工事規模は、建物の規模や劣化状況によって異なりますが、一般的には以下のような工事が含まれます。
- 外壁塗装
- 屋上防水
- バルコニー防水
- 鉄部塗装
- 給排水管の更新
- 電気設備の更新
大規模修繕工事の費用相場
これらの工事には、足場代や設計料などの諸経費も含まれるため、総額は数百万円から数千万円になることもあります。
大規模修繕工事内容 | 費用単価 |
---|---|
外壁塗装 | 4,000円〜8,000円/㎡ |
屋根塗装 | 3,000円〜6,000円/㎡ |
防水工事 | 2,000円〜4,000円/㎡ |
バルコニー改修 | 10,000円〜20,000円/㎡ |
給排水管改修 | 50万円〜100万円/1戸あたり |
電気設備改修 | 30万円〜50万円/1戸あたり |
大規模修繕工事は、長期間にわたって居住するマンションの資産価値を維持するために必要な工事です。
修繕を怠ると、建物の劣化が進むだけでなく、雨漏りや漏水などのトラブルが発生する可能性があります。また、大規模修繕工事は計画的に行う必要があるため、修繕積立金を計画的に積み立てることが重要です。
分譲マンションの中規模修繕の工事規模や修繕費用相場
分譲マンションの中規模修繕は、大規模修繕ほど大掛かりではないものの、外壁塗装や防水工事、バルコニーの改修など、一定の規模の修繕工事が必要になります。
通常10~15年程度の間隔で行われる修繕工事で、この期間は、大規模修繕工事の半分程度となります。
中規模修繕の工事規模は、
- 外壁塗装
- バルコニーの改修
- 防水工事
- 屋上防水
- 共用部分の修繕
など、比較的大きな規模の修繕が含まれます。
中規模修繕工事の費用相場
中規模修繕の修繕費用相場は、一戸あたり50~100万円程度です。大規模修繕と比較すると、費用は低くなりますが、それでもまとまった費用が必要になります。
中規模修繕工事の種類 | 費用単価 |
---|---|
外壁塗装工事 | 3,000円〜7,000円/㎡ |
防水工事 |
3,000円〜6,500円/㎡ |
給排水設備 |
1棟あたり70〜200万円 |
ベランダ・バルコニー |
手すりの防錆塗装:約1,000円 |
玄関ドアリフォーム | 玄関ドアの鉄部塗装:約1,000円〜3,000円/㎡ 玄関ドア表面の塗装:約3〜8万円/1戸あたり ドア交換費用:約20〜35万円/1戸あたり ドア付帯部補修費用:約5,000〜10万円 |
中規模修繕を行う際には、事前にマンション管理組合で修繕計画を立て、住民への説明会を実施する必要があります。
修繕計画には、修繕内容、修繕費用、施工期間など、詳細を記載する必要があります。
分譲マンションの小規模修繕の工事規模や修繕費用相場
小規模修繕とは、マンションの共用部分で経年劣化によって発生した軽微な不具合を修復する工事のことです。
具体的には、
- 外壁のひび割れ補修
- 防水加工の塗り直し
- 屋上の防水シートの張り替え
- 共用部分の照明器具交換
- 共用部分のドアノブ交換
など、比較的軽微な修繕が小規模修繕に分類されます。
小規模修繕工事の費用目安
小規模修繕は規模が小さい分、費用も比較的安価です。
一般的に、1㎡あたり1,000~5,000円程度が相場と言われています。
例えば、10㎡の外壁のひび割れ補修であれば、1万円~5万円程度で済むことになります。
小規模修繕工事の種類 | 費用単価 |
---|---|
雨漏りや水漏れの修繕 | 約10万〜100万円 |
階段やベランダなどの鉄部塗装 | 約10万〜50万円 |
共有スペースの電球交換 | 約1万〜5万円 |
共有スペースの壁やドアなどの軽微な修繕 | 約1万〜50万円 |
消防設備の故障修理 | 約10〜50万円 |
これはあくまでも目安であり、実際に掛かる費用は修繕内容や業者によって異なります。
詳細な費用については、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。
修繕積立金について
マンションの大規模修繕工事は多額の費用がかかるため、計画的に積み立てていくことが重要です。
修繕積立金とは、将来の大規模修繕工事などの費用に備えて、毎月一定額を積み立てる制度です。
修繕積立金の額は、マンションの規模や設備、修繕計画などによって異なりますが、一般的には毎月数千円から1万円程度が目安となっています。積立金の額は、管理組合の総会で決議されます。
修繕積立金は、将来の大規模修繕工事だけでなく、日常的な修繕や設備の更新などにも使用されます。
修繕積立金が不足すると、大規模修繕工事が延期されたり、必要な修繕ができなくなったりする恐れがあります。
修繕積立金の額は、マンションの管理規約などに記載されています。マンションを購入する際には、修繕積立金の額を確認することが重要です。
マンション修繕工事中の注意点
マンションの大規模修繕工事は、居住者にとって大きな負担となります。長期間の工事のため、日常生活に支障をきたす可能性があります。また、工事中は騒音や振動が発生するため、ストレスを感じる方も少なくありません。
そこで、マンション修繕工事中の注意点についていくつかご紹介します。
- 工事スケジュールを確認する
- 騒音や振動への対策をする
- 共用部分の利用に注意する
- 近隣住民への配慮をする
- 管理組合とコミュニケーションをとる
工事中は、できるだけ予定を調整し、あらかじめ準備をしておくことが大切です。騒音や振動を軽減するための対策も必要です。共用部分の一部が使用できなくなる場合があるため、管理組合の指示に従いましょう。また、近隣住民に迷惑がかからないよう配慮することも大切です。工事に関する疑問や不安があれば、遠慮なく管理組合に相談しましょう。
マンション修繕工事は、居住者にとって大きな負担となりますが、事前の準備と情報収集、管理組合とのコミュニケーションを心がけることで、ストレスを軽減することができます。
マンション大規模修繕のまとめ
マンションの大規模修繕は、建物の維持管理のために必要不可欠な工事です。
大規模修繕の費用は、一戸あたりの負担が100万円前後が相場と言われています。しかし、建物の規模や築年数、工事内容によって大きく異なります。
また、大規模修繕とは別に、小規模修繕や中規模修繕と呼ばれる工事もあります。小規模修繕は、外壁の塗装や防水工事など、比較的小さな範囲の修繕を指します。費用は数万円から数十万円程度と、大規模修繕に比べて安価です。
マンションの修繕は、建物の老朽化を防ぎ、資産価値を維持するために必要なものです。計画的に修繕を実施することで、快適な暮らしを維持することができます。