マンション大規模修繕工事前に劣化調査!建物診断の費用や内容を解説
2024/06/21
マンションの大規模修繕工事を前に、どの箇所に修繕が必要かを把握するためには、建物調査が重要です。
劣化や修繕が必要な箇所を見極めずに工事を進めると、問題が解決されず、効果的な修繕が行えません。
大規模修繕では、専有部分を除いた建物全体が工事対象となりますので、総合的な状況把握が求められます。
建物の現状を正確に把握し、状況に応じた工事を計画・実施することが大切です。
特に、大規模修繕工事と同時に実施される建物調査は、診断に時間や費用がかかるため、慎重な事前確認が必要と言えます。
建物の規模や調査範囲によって異なりますが、事前にかかる費用や診断の内容について十分な理解が欠かせません。
そこで今回は、建物調査における診断の必要性や目的・費用について詳しく解説しますので、ぜひ参考にご覧ください。
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マンション大規模修繕の前に実施する建物調査の目的とは?
建物調査は、修繕を行う建物の状態を確認するための調査です。
調査の範囲は広く、無料で提供される簡易的なものから、より詳細な情報を得るために費用や専門機材が用いられる場合もあります。
建物調査には建物の外観や構造だけでなく、雨漏りや給排水管・電気設備・外壁など、多岐にわたる要素が含まれます。
調査を通じて、現在の建物の状態を正確に把握することで、事前に計画していた内容の修正や追加が可能となります。
これにより、修繕工事の際に予期せぬ問題が発生するリスクを軽減し、適切な施工を行えるでしょう。
大規模修繕における建物調査の目的
マンションの大規模修繕工事を行う前に、建物調査の実施は特に重要です。
費用や時間を必要とするため「どのような目的で行われるのか知りたい」という方もいらっしゃるでしょう。
マンションの大規模修繕工事を行う前にする建物調査には、目的があります。
それぞれどのような目的で調査が行われるのか、詳しく見ていきましょう。
建物の状態を詳しく把握する
大規模修繕工事の対象は、専有部分を除いたマンション全体であり、広範囲にわたります。
一部の箇所は工事が必要ない部分もあり、反対に早急な修繕が必要な箇所もあります。
マンションの設備は使用状況や環境によって異なるため、実際に足を運んで現場を確認する建物調査が不可欠です。
調査を通じて具体的な工事箇所を特定し、必要な修繕内容を把握していきます。
工事の時期を見極める
大規模修繕工事は通常10~15年ごとに行われ、建物の築年数や設備の耐用年数を考慮した修繕計画に基づいています。
しかし、建物の状況によっては大規模修繕工事を行う必要がない場合もあるのです。
建物調査を事前に実施することで、修繕が必要になる時期を把握し、無駄な工事を省くことができます。
長期修繕計画の追加・修正
安全にマンションを長期間維持するためには、劣化や不具合の修繕が必要不可欠です。
大規模修繕工事は長期修繕計画をもとに進められますが、実際の工事進行中に修繕が必要ない部分や、早急に対応が必要な箇所が判明することもあります。
そのため、修繕工事を開始する前に建物調査を実施し、計画に含まれる工事が本当に必要であるかを確認する目的もあるのです。
マンションの建物調査に必要な診断とは
大規模修繕工事の前に行われる建物調査は、一次診断から三次診断まで行われます。
それぞれの診断方法とその必要性について、詳しく解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
一次診断
建物の劣化具合を簡易的に診断し、どのような部分の修繕が必要かを見極めるために行います。
詳しい検査ではなく、劣化した箇所の特定が主な目的です。
目視や指触・打診調査のほか、居住者向けのアンケートも行われることがあります。
二次診断
劣化した部分の修繕が必要なのか、最適な工法はどれなのかを判断するために行われます。
一次診断での調査に加え、非破壊検査や微破壊検査などで詳細な検査を行い、大規模修繕工事の必要性を判断します。
一次診断よりも、より詳細な結果が得られるでしょう。
三次診断
三次診断は、より詳細で徹底的な診断を行います。
局部破壊検査・抜管調査・内視鏡調査などを含む検査を追加で行い、目視や触っただけではわからない内部の状態を詳細に確認していきます。
三次診断では、コンクリート内部の劣化や配管内部の腐食などをより詳しく診断することで、精度の高い修繕工事が行えるでしょう。
建物調査の流れ
大規模修繕工事の無駄を省き、修繕が必要な箇所を正確に特定するために診断調査が行われます。
ここでは診断調査の流れについて、詳しく解説します。
-
step1|建物診断の依頼
診断を行う専門の会社に、依頼を行います。
同じ会社が建物診断から施工まで担当することが多いため、依頼前に要望や修繕工事計画に基づいた診断を行ってくれるかを確認しましょう。
診断に必要な書類や情報として、設計図面やこれまでの修繕履歴などの書類の提出が求められ、管理組合や入居者へのアンケートも行われることがあります。
-
step2|現地調査
事前調査やアンケートをもとに、現地調査を進めていきます。
築年数や使用される資材によっては、サンプルを採取して調査を行うこともあるでしょう。
目視・触診・打診などの検査が行われ、建物の劣化や修繕が必要な箇所が特定されます。
現地調査で得られた情報が、正確な修繕の計画に活用されるのです。
-
step3|報告書の提出
現地調査終了後、調査結果は報告書としてまとめられます。
写真や動画を交えて建物の状態や劣化箇所が詳細に示され、報告書をもとに実際の施工が進められたり、修繕計画が修正・追加されたりします。
小規模や中規模の修繕工事計画も適切に策定され、これに基づいて工事が進行します。
建物調査の費用相場
建物調査において目視や指触診断に加え、機械を使用して劣化状態を診断するケースが多いです。
機械を駆使することで、建物の内部や隠れた箇所の状態をより精密に把握できるでしょう。
建物調査の費用相場は、下記のとおりです。
マンションの戸数 | 費用相場 |
---|---|
30戸以下 | 20~40万円 |
50~100戸 | 30~80万円 |
200戸以上 | 50~100万円 |
調査費用はマンションのサイズだけでなく、使用する資材や施工方法によっても大きく異なります。
また事前診断の内容によっても費用は変わるため、建物の状態や必要な調査の範囲を十分に考え、見積もりの確認をするようにしましょう。
マンションにおける建物調査の無料と有料の違い
大規模修繕工事前の建物調査には、無料調査と有料調査があります。
それぞれの特徴と違いについて、詳しく見ていきましょう。
無料調査の特徴
無料調査は、マンション全体の大まかな劣化状態を確認する際に行われます。
しかし実際に確認できるのは表面のみに限られ、内部の劣化まで把握することが難しいです。
無料調査においては修繕箇所を特定しにくい場合があり、より詳細な情報を得るには有料診断が必要となるでしょう。
有料診断の特徴
有料診断は、目視や指触検査に基づいた劣化部分の内部状態を詳しく調査します。
無料診断では確定しきれなかった修繕が必要な箇所について、有料診断によってより具体的な情報が得られるでしょう。
築年数が浅い建物では無料診断のみで判断できる場合もありますが、築年数が経過したマンションでは、有料の調査が不可欠となるでしょう。
無料診断と有料診断は、マンションの状態や修繕の必要性に応じて使い分けることが重要です。
特に修繕の判断が難しい場合やより詳細な情報が必要な場合は、有料診断を検討すると良いでしょう。
マンション大規模修繕における業者の選び方
マンションの大規模修繕工事は、住環境の安全と快適性を確保するうえで非常に重要です。
大規模修繕工事を依頼する際、適切な施工会社の選定が重要です。
以下に、マンションの大規模修繕工事を行う際の施工会社選びについて詳しく解説します。
施工会社の経営状況を確認する
大規模修繕工事後、不具合が発生していないか定期点検やメンテナンスが必要です。
修繕工事は同じ施工会社に頼むことが一般的なため、選定する際にはその会社の経営状況を確認しておく必要があります。
倒産や連絡が途絶えてしまうと、マンションの維持が難しくなる恐れがあります。
業者のホームページをチェックし、経営状況を確認しておくと安心です。
サービスの質が良い
大規模修繕工事では、近隣住民への対応がクレームや工事中断に影響することがあります。
そのため、施工会社のサービスの質が良いかも重要なポイントです。
工事後の定期診断やメンテナンスについても確認し、入居者や近隣へのサービス面での充実度も考慮しましょう。
チェックするポイントとして、以下が挙げられます。
- 点検の実施時期
- 専門部署が設置されているか
- 防犯設備のセキュリティ対策
- 周辺住民への安全配慮
- 落下物への安全対策
施工内容がしっかりしているか
大規模修繕工事を希望する施工業者には、具体的な工事内容を確認することが大切です。
確認する項目には、次の4つがあります。
- 入居者への配慮
- 工事に関する保証の有無
- 工事中のセキュリティ対策
- アフターフォローの有無
これらのポイントを確認することで、安心してマンションの大規模修繕工事を進められるでしょう。
まとめ
- 建物調査の目的は、修繕を行う建物の状態を確認するために行う
- 大規模修繕工事のタイミングは築年数や耐用年数に基づくが、建物の状況により異なる。
- 建物調査を通じて修繕が必要な適切な時期を特定し、無駄な工事を省く
- 建物調査の流れは、建物診断の依頼・現地調査・報告書の提出で行われる
- 建物調査の費用相場、30戸以下のマンション:20~40万円、50~100戸のマンション:30~80万円、
- 200戸以上のマンション:50~100万円
- マンションの規模や使用する資材、工法によって費用が異なり、事前診断の内容によっても変動する
- 無料調査の特徴…一次診断で目視調査や打診調査を含む大まかな劣化具合を確認
- 有料診断の特徴…目視や指触検査に加え、劣化部分の内部状態を詳しく調査
- 業者の選び方もは、経営状況の確認・サービスの質の確認・施工内容の確認などが挙げられる
マンションの大規模修繕工事は長期修繕計画に基づいて進められますが、事前に建物の劣化状態を確認することが必要です。
建物診断は無料・有料があり、より正確な診断を得るためには、有料診断を検討すると良いでしょう。
費用はマンションの規模や工事内容によって変動するため、事前に施工会社や専門家に相談し、詳細な情報を確認しておくと安心です。