スレート屋根に塗装が必要な理由は?塗り替え時期や費用相場を解説
2024/06/21
スレート屋根は多くの戸建住宅で用いられている屋根材で、ご自宅の屋根がスレート屋根という方も多いのではないでしょうか。
新築時は塗装が施されており防水性を保っているスレート屋根ですが、経年劣化によりその効果が低下するため、定期的な塗装が必要です。
ここでは、スレート屋根の塗り替え時期や費用、注意したいポイントなどについて詳しく解説しています。
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スレート屋根とは?
スレート屋根は、戸建住宅で用いられることの多い一般的な屋根材です。
天然スレートと呼ばれる石でできたスレート屋根は非常に高価で、ヨーロッパの古城や東京駅の駅舎に使われています。
一般住宅に用いられるのは、化粧スレートとよばれ、セメントを主成分として人工的に作られているものです。
化粧スレートは、低価格で種類も豊富です。
工期も短いうえ、軽い屋根材なので耐震性の向上も期待できます。
デメリットとしては、製造された時代によっては耐久性が低かったり、アスベストが含まれていたりするため注意が必要ですが、現在販売されているものの多くは、そういったデメリットの多くが改善されています。
また点検やメンテナンスを怠ると、ひび割れや雨漏りのリスクが高くなるため注意が必要です。
- メンテナンス費用が安い
- 耐震性が高い
- デザインの種類が豊富工事が簡単
- 屋根材が割れやすい
- 5年ごとにメンテナンス
- 点検をする必要がある
スレート屋根に塗装工事が必要な理由は?
塗装工事で得られるのは、美観の改善だけではありません。
塗装工事は屋根の性能を回復し、快適な住環境を維持するためにも、必要不可欠です。
具体的には下記のような理由があげられます。
- 防水性を回復させるため
- 凍結の影響を受けにくくするため
防水性を回復させるため
スレート屋根は屋根材(スレート瓦)自体に防水性はなく、製造時に塗装で表面をコーティングして防水性を付加しています。
しかし、この防水性は10年程度で消失していきます。
防水性が切れたスレート瓦は水を吸収します。吸収された水はやがて、スレート瓦を固定する釘を伝ってスレート瓦の下に侵入します。
スレート瓦の下には防水シートと野地板があり、これらが最終防壁の役割を担っていますが、どちらも吸収性が高いため、長期間、雨水を吸い続けると防水シートと野地板は劣化していき、最終的に雨漏りが起こります。
この状況を避けるためには、スレート屋根に塗装工事を行い、防水性を回復させる必要があります。
凍結の影響を受けにくくするため
寒冷地域で起こりやすいトラブルの一つが凍結です。
水を含んだ屋根材が凍結することで、屋根材が破損してしまうことがあります。
屋根材に塗装が施されていれば、水が染み込むことは少なくなりますので、こういった凍結のリスクも下げることができます。
スレート屋根に塗装が必要になる時期は
必要不可欠なスレート屋根の塗装ですが、どのタイミングで行うのがベストなのでしょうか。
スレート屋根に塗装が必要になる時期は、以下のタイミングがベストだと言われています。
- 前回の工事から約10年が経過している場合
- スレート屋根に劣化症状が表れている場合
前回の工事から約10年が経過している場合
先述した通り、表面の塗膜の寿命は10年程度です。
環境や地域によっても耐用年数は違ってきますが、前回の工事から10年程度が経過している場合には、早めに再塗装を検討した方がいいでしょう。
スレート屋根に劣化症状が表れている場合
下記のような劣化症状がみられる場合には、すでに十分な防水効果が発揮されていないことが予想されます。
- 色褪せ
- カビ・藻の発生
- 塗膜の剥がれ
- スレート瓦のひび割れ・損傷
- 釘や留め金具の抜け
このような症状が一つでも見られるのであれば、塗装を検討しましょう。
スレート屋根塗装の費用相場
一般的な2階建の戸建住宅であれば、40万円〜60万円程度かかると考えておくといいでしょう。
塗装の寿命は10年程度と言われていますが、使用される塗料によって耐用年数が異なります。
施工費用は、使用される塗料の耐用年数に比例して高くなる傾向があります。
耐用年数が長ければ、メンテナンスまでの期間が長くなり、長期的に考えれば費用を抑えられることもありますので、その先のメンテナンス計画まで視野に入れて、塗料選びをするといいでしょう。
>塗料の種類 | 耐久年数 | 費用(1缶あたり) |
---|---|---|
ウレタン塗料 | 約3~5年 | 5,000~15,000円 |
シリコン塗料 | 約5~7年 | 15,000~40,000円 |
フッ素塗料 | 約7~10年 | 40,000~80,000円 |
無機塗料 | 約10~15年 | 50,000~120,000円 |
塗料選びのポイント
塗料は各メーカーから数多くの種類が販売されており、塗料選びに悩まれる方も多いのではないでしょうか。
中には業者のすすめるままに、塗料を決めてしまう方もいるかもしれませんが、ご自身の求める性能やコストなど、さまざまな視点でよく検討することが大切です。
塗料選びのポイントとしては、
- ランニングコストを考える
- 遮熱性・断熱性・防汚性など付加する機能はどうするか
- どんな色にするか
などが挙げられます。
すべてご自身で塗料を探すのは難しいと思いますので、これらのポイントで重視したい点を業者に伝え、塗料選びのアドバイスをもらうといいでしょう。
スレート屋根に塗装工事を行う際の注意点
スレート屋根の塗装工事は、ただ塗装すればいいというものではありません。
屋根の構造を理解し、正しい方法で施工することが大切です。
スレート屋根に塗装工事を行う際の注意点は次のとおりです。
- タスペーサーの設置や縁切りは必須
- 塗装できないスレート屋根の種類を把握しておく
- 雨漏りが起こっている場合は塗装以外の工事が必要
- DIYは行わない
タスペーサーの設置や縁切りは必須
スレート屋根は一つ一つの屋根材が重なり合うような構造となっています。
構造上、雨水が屋根材の下に入り込みますが、屋根材と屋根材の隙間から排水される仕組みになっています。
塗装工事を行うと、その隙間に塗料が入り込み、排水を妨げてしまいます。
排水ができない場合、水が逆流し釘をつたって屋根内部へと侵入する可能性があり、雨漏りの発生リスクが高くなるため、非常に危険です。
そのため、縁切りと呼ばれる作業を行い、排水のための隙間をつくる必要があります。
近年はタスペーサーと呼ばれる器具を使用することで、縁切りが不要になる方法もあります。
塗装できないスレート屋根の種類を把握しておく
スレート屋根の中には塗装が難しいものが存在します。
主にアスベストの規制が始まった2000年前後に発売された、一部商品です。
- パミール
- レサス
- シルバス
- コロニアルNEO
- アーバニーグラッサ
- ザルフグラッサ
- セキスイかわらU
ここでリストアップしたのは一部ですので、塗装を検討している場合には一度業者に確認してみましょう。
これらの商品は割れや破損などが多く、塗装前の高圧洗浄が難しいことが、塗装ができないとされる理由の一つです。
また塗装したとしても耐用年数が短く、機能回復は見込めないことから、葺き替えやカバー工事を検討する方が賢明です。
雨漏りが起こっている場合は塗装以外の工事が必要
すでに屋根から雨漏りが起こっている場合、塗装工事だけでは雨漏り問題を解決することはできません。
原因を特定し、修理する必要があります。
また、雨漏りによってスレート瓦の下にある野地板や防水シート、あるいは屋根を支える木材が腐食している可能性もあります。
原因の特定や資材の状態の確認は素人が行うのは困難なため、プロの業者に依頼し、現場調査してもらうのがおすすめです。
その際、カバー工法や葺き替え工事など、最適な工事を提案してもらえるでしょう。
DIYは行わない
近年はホームセンターでも気軽に道具や資材が揃えられることもあり、ご自身で屋根塗装をしようと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、屋根塗装については専門業者に依頼するようにしましょう。
1番の理由は、高所作業の危険性です。
屋根塗装では、転落事故のリスクが常に付き纏い、素人が行うのは非常に危険です。
まとめ
スレート屋根の塗装工事についてまとめると、
- 塗装のタイミングは前回の工事から10年程度
- 劣化症状が見られる場合には、塗装を検討した方がよい
- スレート屋根の塗装を行う理由は、防水性の回復と凍結による破損を防止するため
- スレート屋根の塗装では、縁切りやタスペーサーの設置が必須
- DIYで行うのは危険
となります。
多くの戸建住宅で使われているスレート屋根ですが、正しいメンテナンスをすることで、寿命を延ばして安全に利用することができます。
正しい知識を身につけて、ご自宅を安全で快適に保ちましょう。