屋上防水工事の費用相場|種類別の価格を比較
2024/10/17
屋上防水工事は建物の耐久性と資産価値を維持する上で重要な役割を果たしますが、その費用は工事の種類や面積・規模によって大きく異なるため、相場を把握することが大切です。
本記事では、屋上防水工事の費用相場を種類別に比較し、適切な予算計画の立て方や注意点について詳しく解説します。
屋上防水工事をご検討の建物所有者や管理者・オーナーの方々は、この記事を参考に、費用や工法について理解を深めてください。
屋上防水工事の費用相場は?工事の種類ごとの価格を解説
屋上防水工事の費用相場は、工法や使用する材料によって大きく変わります。
一般的な相場として、1㎡あたり5,000円〜15,000円程度と言われていますが、実際にはより幅広い範囲で変動します。
屋上の防水工事の主な防水工法と費用相場
防水工法 | 1平方メートルあたりの費用相場 |
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ウレタン塗膜防水 | 6,000円〜8,500円/㎡ |
シート防水 | 4,000円〜8,000円/㎡ |
アスファルト防水 | 5,000円〜8,000円/㎡ |
FRP防水 |
6,000円〜9,000円/㎡ |
屋上防水工事には、アスファルト防水、塩ビシート防水、ウレタン防水、FRP防水、金属防水など、さまざまな種類があります。それぞれ費用相場が異なるため、工事前にしっかり比較検討することが大切です。
屋上防水工事の種類ごとの費用相場を詳しく解説
各防水工法の特徴と費用相場と、例として28平米の屋上の防水工事の費用について、さらに詳しく見ていきましょう。
ウレタン塗膜防水
ウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。
特徴 |
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費用相場 |
6,000円〜8,500円/㎡ |
28平米(おおよそ100㎡)の屋上の場合 | 60万円〜85万円 |
シート防水
防水シートを貼り付けて防水層を形成する工法です。
特徴 |
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費用相場 |
6,000円〜8,500円/㎡ |
28平米(おおよそ100㎡)の屋上の場合 | 60万円〜85万円 |
アスファルト防水
熱したアスファルトを塗布して防水層を形成する工法です。
特徴 |
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費用相場 | 5,000円〜8,000円/㎡ |
28平米(おおよそ100㎡)の屋上の場合 | 50万円〜80万円 |
FRP防水
ガラス繊維とポリエステル樹脂を組み合わせて防水層を形成する工法です。
特徴 |
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費用相場 | 6,000円〜9,000円/㎡ |
28平米(おおよそ100㎡)の屋上の場合 | 60万円〜90万円 |
屋上防水工事にかかるその他の費用相場について
屋上防水工事には、工事費用以外にもさまざまな費用がかかります。これらの費用を事前に把握しておくことで、予算を適切に組むことができます。
屋上防水工事にかかるその他の費用相場についてご紹介します。
防水工事の本体価格以外にも、以下のような付随費用が発生する可能性があります。
その他の費用 | 費用相場 |
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下地処理費用 | 1,000円〜3,000円/㎡ |
断熱材施工費 | 2,000円〜5,000円/㎡ |
排水溝やドレンの交換 | 5万円〜15万円/箇所 |
足場設置費 | 10万円〜50万円程度 |
廃材処理費 | 5万円〜10万円程度 |
設計料 | 10万円〜30万円程度 |
足場代は、建物の規模や形状によって異なりますが、一般的に1㎡あたり約1,000~2,000円程度です。
例えば、3階建て屋上の防水工事だと5万円〜20万円の足場代が必要となります。
また、工事期間中は仮設トイレが必要になるため、仮設トイレ代の費用が発生します。
仮設トイレ代の相場は、1日あたり約3,000~5,000円程度です。
工事で発生した残材は、適切に処理する必要があります。
残材処理費の相場は、残材の種類や量によって異なりますが、1㎥あたり約5,000~10,000円程度です。
大規模な屋上防水工事では、設計や監理が必要になる場合があります。設計・監理費の相場は、工事費用の5~10%程度です。
その他、申請費用や検査費用などの諸費用がかかります。諸費用の相場は、工事費用の1~2%程度です。
これらの費用は、建物の状態や工事の規模によって大きく変動します。見積もりの際には、これらの項目が含まれているか確認することが重要です。
屋上防水費用相場以外に確認すべきポイント
屋上防水工事を依頼する際、費用相場は重要な要素ですが、それだけでなく以下のポイントも慎重に確認する必要があります。これらの要素を総合的に評価することで、長期的に満足できる工事結果を得られる可能性が高まります。
保証内容と期間
屋上の防水工事後の保証は、将来的なトラブルに対する安心材料となります。確認すべき項目は以下のとおりです。
保証期間の長さ | 一般的に5年〜10年 |
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保証の対象範囲 | 材料のみか、施工も含むか |
保証適用の条件 | 定期点検の有無など |
長期の保証は、施工業者の自信と責任感の表れです。ただし、保証内容をよく理解し、自身の責任範囲も把握しておくことが大切です。
使用する材料の品質と耐久性
高品質な材料は初期コストが高くても、長期的には経済的である場合が多いです。確認すべき項目は以下のとおりです。
- 使用材料のメーカーと製品名
- 材料の特性(耐候性、伸縮性など)
- 期待される耐用年数
品質の高い材料は、防水性能の長期維持につながり、頻繁な補修や早期の再工事を避けられる可能性が高まります。
施工業者の実績と評判
経験豊富で評判の良い業者は、高品質な施工を期待できます。
確認すべき項目は以下のとおりです。
- 業者の事業年数
- 過去の施工実績(特に類似案件)
- 顧客からの評判や口コミ
実績のある業者は技術的な問題解決能力が高く、予期せぬ問題にも適切に対応できる可能性が高いです。
アフターサービスの内容
工事後のサポートは、長期的な建物の維持管理に重要です。確認すべき項目は以下のとおりです。
- 定期点検の有無と頻度
- 緊急時の対応体制
- 補修や修理の料金体系
充実したアフターサービスにより、小さな問題の早期発見・対処が可能となり、大規模な修繕を回避できる可能性が高まります。
工事のスケジュールと影響
工事期間中の生活や業務への影響を最小限に抑えることが重要です。確認すべき項目は以下のとおりです。
- 工事の具体的な日程
- 騒音や振動の程度と時間帯
- 必要な準備や注意事項
事前に影響を把握することで、必要な対策を講じたり、関係者への説明を適切に行うことができます。
これらのポイントを十分に確認し、検討することで、単に価格だけでなく、総合的な価値を評価した上で工事を依頼することができます。長期的な視点で最適な選択をすることが、建物の維持管理において重要です。
屋上防水工事のメンテナンスの重要性とタイミング
屋上防水工事後のメンテナンスは、防水性能の維持と建物の長寿命化に不可欠です。
適切なタイミングで行うメンテナンスは、大規模な修繕を予防し、長期的なコスト削減にもつながります。以下に、メンテナンスの重要性とそのタイミングについて詳しく解説します。
定期点検の実施
定期点検は、問題の早期発見と対処に重要な役割を果たします。
年1〜2回の点検が理想的です。特に、梅雨前と台風シーズン前の点検が効果的です。
点検内容 |
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定期的な点検により、小さな問題を早期に発見し、大きな被害を防ぐことができます。また、修繕の必要性を事前に把握し、計画的な対応が可能になります。
部分補修の実施
部分的な劣化や損傷は、適切なタイミングで補修することが重要です。
施工後5年程度で部分的な補修が必要になることがあります。定期点検で異常が見つかった場合は、速やかに対応することが大切です。
保守内容 |
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小規模な補修を適切に行うことで、防水層全体の寿命を延ばし、大規模修繕の頻度を減らすことができます。
大規模修繕の計画
防水層の耐用年数を考慮し、計画的に大規模修繕を行うことが重要です。
10〜15年ごとに大規模な修繕をけんとうしましょう。ただし、使用環境や日々のメンテナンス状況によって変動する可能性があります。
修繕内容 |
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日常的な注意点
日々の使用においても、以下の点に注意することで屋上の防水性能 の維持に貢献できます。
- 屋上に不要な物を放置しない
- 排水口周りの清掃を定期的に行う
- 異常を感じたら速やかに専門家に相談する
DIYによる屋上防水工事の費用削減とリスク
DIYによる屋上防水工事は、費用を削減できる可能性がありますが、同時にリスクも伴います。
専門業者に依頼するよりも、材料費のみで済むため、費用を大幅に削減できる可能性があります。
しかし、専門知識や技術が不足していると、施工不良による雨漏りなどのトラブルが発生する可能性があります。
また、保証が受けられないため、トラブル発生時の補修費用が高額になる可能性があります。
DIYによる屋上防水工事は、費用削減効果がある一方で、リスクも伴うため、慎重な検討が必要です。
適正価格で屋上防水工事を依頼するためのまとめ
屋上防水工事の費用は工法や材料、建物の状態によって大きく変動します。適正価格で質の高い工事を依頼するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 複数の業者から見積もりを取得し、比較検討する
- 工事内容と使用材料を詳細に確認する
- 業者の実績や評判を調査する
- 保証内容とアフターサービスを確認する
- 長期的な視点でメンテナンス計画を立てる
適切な防水工事と定期的なメンテナンスにより、建物の耐久性を高め、長期的な維持管理コストを抑えることができます。
専門家のアドバイスを受けながら、建物の状態と予算に最適な防水計画を立てることをおすすめします。