FRP防水とは?ベランダ・バルコニーに最適?施工方法や費用、デメリット解説
2025/01/22
FRP防水とは、ガラス繊維強化プラスチックを使用した防水工事の一種で、特にベランダやバルコニーの防水に適しています。その施工方法は、ガラスマットに樹脂を塗り込み、硬化させる工程を経てトップコートで仕上げる形で行われます。
耐久性が高く、塗り替えの頻度が少ない点が魅力ですが、費用や施工に関するデメリットも知っておくべきです。
本記事では、FRP防水の特徴や施工方法、工事費用、デメリットについて詳しく解説し、DIYで自分で施工する方法もご紹介します。
防水工事を検討している方にとって、塗装や塗り替えを含む全体の流れを理解するのに役立つ内容です。
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FRP防水とは?特徴について
FRP防水とは、ガラス繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)を使用した防水工法です。
樹脂にガラス繊維を混合して硬化させることで、非常に高い耐久性と防水性能を発揮します。
この技術は、主に建物の屋上やバルコニーなど、雨水が溜まりやすい箇所で使用されています。
特に水が侵入しやすいベランダや屋上のような平らな部分で、高い効果を発揮する点が特徴です。
また、軽量で施工しやすいという点も、建築業界で評価されています。
FRP防水が使用される箇所
FRP防水は、次のような場面で広く採用されています。
屋上やベランダ
住宅や商業ビルの屋根部分に採用され、水漏れを防ぎます。
特にマンションやビルなどの大規模施設での使用例が多いです。
水回り設備
プールや水槽など、常に水と接触する場所で採用されることが多く、防水性能の高さが求められる場面に適しています。
駐車場
重量物の通行があるため、耐久性の高い防水が求められます。
駐車場の床部分にも対応できる頑丈さが特徴です。
FRP防水工事の施工方法
FRP防水の施工は以下の手順で行われます。
step1|下地処理
清掃やプライマーの塗布を行い、表面を平滑にする。
この工程が不十分だと、後の樹脂塗布がうまくいかず、防水性能が低下します。
step2|ガラスマット敷設
ガラス繊維マットを適切なサイズにカットし、敷き詰める。
このとき、隙間や重なりを作らないよう注意します。
step3|樹脂の塗布
ポリエステル樹脂を塗り、ガラスマットをしっかり密着させる。
ムラが出ないよう均一に塗布することが重要です。
step4|硬化
一定時間放置して樹脂を硬化させる。この工程で十分に硬化させることで、耐久性が確保されます。
step5|トップコート
最終的に防水層を保護する塗装を施す。
この塗装が耐候性を高め、長期間の使用を可能にします。
FRP防水の施工におけるポイント
施工の成功には以下のポイントを押さえることが重要です。
気温と温度
硬化に影響を与えるため、施工時の気候条件を確認しましょう。湿度が高いと硬化不良が起こる可能性があります。
下地の清潔さ
汚れや油分が残っていると、接着力が低下します。施工前の清掃を怠らないことが重要です。
均一な樹脂塗
ムラがあると防水性能が低下するため、注意して塗布を行いましょう。特に角部分や細かい隙間にも注意を払う必要があります。
FRP防水の施工後のメンテナンス
定期的な点検と清掃により、劣化の早期発見と防水が可能です。
特にゴミや汚れがたまらないように注意しましょう。雨水の排水がスムーズに行われているかも確認することが重要です。
劣化症状の見分け方
劣化の兆候として以下があげられます。
- 表面のひび割れ
- 色褪せや剥がれ
- 防水層の浮き
これらの症状が見られた場合、早めの補修が必要です。見過ごすと大規模な修繕が必要になる可能性があります。
補修が必要な場合の対処法
部分的な劣化の場合、補修材を使用して簡易的に修繕できます。広範囲の場合は専門業者に依頼することが推奨されます。また、補修後には再度トップコートを塗り直すことで、性能を維持できます。
FRP防水のメリット
FRP防水には以下のようなメリットがあります。
耐久性と防水性の高さ
FRP防水は、以下の点で非常に高いパフォーマンスを発揮します。
耐摩耗性 | 人が頻繁に歩行する場所でも長期間効果を維持 |
---|---|
防止性能 | シームレスな仕上がりにより、漏水のリスクを最小化 |
雨水の侵入を完全に防ぐため、特にベランダやバルコニーのような平らな部分に最適です。また、経年劣化が遅いため、長期間のメンテナンスが不要な点も魅力的です。
施工の柔軟性と定期用範囲
FRP防水は形状に柔軟に対応できるため、複雑な形状の場所でも問題なく施工可能です。これにより、用途が非常に広がります。
例えば、階段や隙間の多い場所でも対応可能であり、一般的なシート防水では難しい場所でもFRP防水ならカバーできます。
メンテナンスの容易さ
表面が平滑であるため、清掃やメンテナンスが簡単です。
また、劣化が進んだ場合でも部分的な補修が可能です。トップコートを塗り直すだけで、元の性能を取り戻せる場合も多く、全体を再施工する必要がありません。
FRP防水のデメリット
FRP防水には次のようなデメリットもあるので、確認しておきましょう。
費用が高い
FRP防水は初期費用がやや高めです。
ウレタン防水やシート防水と比べると、1㎡あたり500円ほどは多く費用がかかるでしょう。
ただし戸建て住宅の、平均的な面積のベランダへの施工では、そこまで費用の差は感じません。
長期間の耐久性を考慮すると、トータルコストは低く抑えられます。一方で、工事を依頼する場合は業者選びに注意が必要です。信頼できる業者を選ぶことで、費用対効果がさらに向上します。
施工箇所が限られる
FRP防水は、硬化後は柔軟性がなくなります。
ひび割れの原因になるので、大きく収縮する木造建築などには向きません。
ベランダなど面積が小さい箇所への施工に適しています。
紫外線に弱い
FRP防水は紫外線に弱いので、施工後にトップコートを塗って紫外線から保護する必要があります。
トップコートあ5年に一度の塗り替えが必要です。
FRP防水の費用相場
FRP防水の費用は以下のように分かれます。
材料費 | ガラスマットや樹脂、トップコートなどの消耗品 |
---|---|
施工費 | 技術者の人件費や作業費 |
運搬費や諸経費 | 現場への材料搬入や付随するコスト |
FRP防水は1㎡あたり4,000~7,500円の費用がかかります。(諸経費を除く)
10㎡ほどの一般的なベランダにFRP防水を施すと、施工費や人件費などを合わせて10~15万円ほどの費用がかかります。
FRP防水工事の内訳は以下のとおりです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
下地処理 | 200円(1㎡あたり) |
高圧洗浄 |
200~300円(1㎡あたり) |
改修用ドレン(排水口)の設置 |
15,000円(1箇所あたり) |
管理費 | 20,000円前後 |
諸経費 | 20,000円前後 |
FRP防水とウレタン防水の比較
特徴と施工方法の違い
比較項目 | FRP防水 | ウレタン防水 |
---|---|---|
施工工程 | ガラスマットと樹脂を塗布し硬化 | 液体状の材料を塗布して硬化 |
硬化時間 | 短い | やや長い |
仕上がり | シームレスで固く耐久性が高い | 柔軟性があり、多少の動きに対応 |
耐久性 | 高い。効果後は高強度で摩耗に強い | 柔軟性があり、割れにくいが表面の摩耗に弱い |
施工期間 | 短い。効果が早く、翌日から使用可能 | 樹脂が完全に硬化するまでに時間がかかる |
メンテナンス性 | トップコートを塗り替えるだけで長期的に効果を維持 | 定期的なトップコートの再施工が必要 |
コスト | 初期費用は高いが、長期的には割安 | 初期費用は比較的安いが、頻繁なメンテナンスが必要 |
適用範囲 | 複雑な形状や耐久性を求められる場所に適している | 局面や広い面積の施工が得意 |
FRP防水とウレタン防水のどちらを選ぶべき?
使用環境や予算に応じて選択するのがベストです。例えば、強度が求められる場所では、FRP防水、予算重視ならウレタン防水が適しています。
FRP防水をDIYする施工方法
自分でできえる施工の流れ
DIYでのFRP防水は以下の手順で行えます。
- 下地処理
- ガラスマットと樹脂の塗布
- 硬化後のトップコート
必要な材料と道具
材料 | 道具 |
---|---|
|
|
DIY施工時の注意点
- 防護服を着用する
- 歓喜の良い場所で作業する
- 施工説明書をよく読むこと
DIY施工には基本的な防水知識と適切な道具の使い方が必要です。失敗を防ぐために事前の練習を推奨します。
施工業者の選び方
防水工事を行なう施工業者は、次のような基準で選ぶのが良いでしょう。
業者の種類で選ぶ
施工業者には以下の4種類があります。
それぞれメリットやデメリットがあるので、事前に知っておく必要があります。
大手リフォーム会社
広告宣伝費や中間マージンが上乗せされているので施工費用が高め。有名な会社なので安心感はあります。
ハウスメーカー
住宅に関する施工を全般的に行なっているので、防水工事以外の相談も可能です。ただしハウスメーカーも中間マージンが発生するので費用が高めです。
防水工事専門業者
防水工事を専門で行なっているので、施工技術が高い傾向があります。ただしハウスメーカーなどの下請け会社が多く、個人で依頼するのが難しい場合もあります。
塗装専門業者
外壁や屋根の塗装を中心に行なっているリフォーム業者です。自社で施工するのでリーズナブルな傾向がありますが、アスファルト防水といった大規模な防水工事を行なっていないケースがほとんどです。
相見積もりで選ぶ
業者選びの際は、最低でも2~3社で相見積もりを取ると良いでしょう。
同じような施工内容でも、業者によって施工費用が異なりますからね。
また見積もりの際には、見積書が詳細に書かれてあるかもチェックします。
細かい工事内容や費用が記載されておらず「一式」とだけ書かれてあるような見積書は良くありません。
施工業者が費用を水増ししているケースもあるので注意しましょう。
見積書の内容を丁寧に説明してくれるか、といったこともチェックすると、安心して施工を任せられますよ。
施工実績で選ぶ
施工実績が豊富な業者のほうが、施工クオリティが高い傾向にあります。
業者によって得意分野が異なるので、事前に業者のホームページをチェックしたり、見積もりの際に聞いてみたりすることが必要です。
資格を保有しているかどうかで選ぶ
「防水施工技能士1級」の資格を保有しているスタッフがいる業者は、安心感があります。
さらに自社施工している業者だと、担当者と職人とのやり取りもスムーズです。
アフターサービスの内容で選ぶ
FRP防水の場合は10年以上の耐用年数があるので、施工後のアフターサービスがしっかりしているかどうかも重要です。
定期的なメンテナンスをしてくれたり、施工不良があった場合にすぐに対応してくれる業者を選びましょう。
防水工事でよくある質問
- 防水工事とはどんな工事ですか?
- 防水工事は、建物や構造物に水が浸入するのを防ぐための重要な工事です。主に屋上、外壁、ベランダ、浴室などの水に弱い部分に施工されます。
- 防水工事の相場はいくらですか?
- 防水工事の相場は、工事の種類、面積、建物の状態、地域などによって大きく異なりますが、一般的な相場の目安は以下の通りです。
箇所 費用相場 屋上防水 一般的な戸建て住宅(30〜50㎡):50〜150万円
アパート・マンションの屋上(100〜200㎡):200〜500万円ベランダ防水工事 10㎡程度:15〜30万円 外壁防水工事 戸建て住宅(100〜150平方メートル):100〜300万円 基礎防水工事 戸建て住宅:30〜100万円
- 防水工事は何年ごとに行いますか?
- 防水工事の周期は、使用されている防水材の種類や建物の状況、環境条件によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
防水の種類 周期 ウレタン塗膜防水 10〜15年ごと アスファルト防水 15〜20年ごと シート防水 15〜20年ごと FRP防水 10〜15年ごと
シーリング 5〜10年ごと 外壁防水塗装 7〜10年ごと - 防水工事の期間はどのくらいかかりますか?
- 防水工事の期間は、工事の規模、種類、天候条件などによって大きく異なります。一般的な目安として、以下のような期間が考えられます。
項目 工事期間の目安 屋上防水工事 アパート:1〜2週間程度
マンション:2週間〜1ヶ月程度ベランダ防水工事 2〜4日程度 外壁防水工事 アパート:2〜3週間程度
マンション:1〜3ヶ月程度基礎防水工事 3〜7日程度
FRP防水のまとめ
最後に、今回の記事の内容をまとめていきます。
- FRP防水とは、繊維強化プラスチックとポリエステル樹脂を使った防水工事のこと
- FRP防水は耐久性が高くスピーディに施工できる
- FRP防水は費用が高めで、施工箇所が限られる
- 費用相場は1㎡あたり4,000~7,500円だが、その他に諸経費もかかる
- 一般家庭のベランダへの施工は合計で10~15万円ほど
- 施工業者は、相見積もりを取って慎重に選ぶ
FRP防水は、ベランダや屋上駐車場などへの施工に適している防水工事です。
木造住宅以外では色々な場所に使えるので、ぜひFRP防水工事を検討してみてくださいね。