ウレタン防水の工法とは?屋上・屋根の防水塗装の費用相場を解説
「ウレタン防水って具体的にはどんな工事をするの?」
「屋上の防水工事にウレタン防水は使える?」
このように、ウレタン防水に関しての疑問をお持ちのかたは多いです。
そこで今回は、ウレタン防水について徹底解説していきます。
ウレタン防水の特徴について知ることで、どんな箇所にどんな防水工事が適しているのかが判断できるようになりますよ。
記事の後半では施工業者選びのポイントについても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ウレタン防水とは
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を使った防水工事のことを言います。
現在の日本では最も普及している工法です。
液体状なのでベランダや屋上、バルコニーなど、形状に関わらず施工できます。
すでにウレタン防水以外の防水工事を行なっている場合でも、その上から塗り重ねることが可能ですよ。
またウレタン樹脂が乾燥すると、適度な弾力を持ちますよ。
耐久性と費用のバランスも良い工法です。
ウレタン防水の工法は2種類
ウレタン防水には「密着工法」と「通気緩衝工法」の2種類があります。
密着工法
防水材を直接下地に塗る工法です。
工事費用が安く工期も短めなので、施工主への負担も少ないです。
ただし下地の状態によって仕上がりに影響が出るので、施工前にしっかりと下地処理を行なう必要があります。
また下地が濡れている場合は膨れなどの施工不良が起こりやすくなるので、すでに雨漏りしている建物への施工には向きません。
施工前にしっかりと乾かす作業が必要なため、密着工法はベランダなど面積の小さい箇所への施工に向いています。
通気緩衝工法(絶縁工法)
穴が開いている通気緩衝シートを下地に張り付けてから防水材を塗る工法です。
取付けた脱気装置から水蒸気が外へ逃げる構造になっています。
通気性が良いので、雨漏りなどにより下地が水分を含んでいても施工できます。
築年数を経た建物や、マンションの屋上など面積の広い箇所への施工に適しているでしょう。
ウレタン防水の費用相場
ウレタン防水では、以下のような費用がかかるのが一般的です。
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また上記以外にも、次のような費用が発生します。
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さらに場合によっては仮設足場の設置が必要になるケースもあるので、覚えておきましょう。
具体的な費用については、施工業者に見積もりを依頼することで分かります。
適正価格の施工業者を見分ける方法は、この記事の後半で解説していますよ。
ウレタン防水の施工手順
今回は通気緩衝工法の施工手順をご紹介していきます。
①既存の防水層の除去
②下地処理
③プライマーの塗布
④通気緩衝工法シートの張付け
⑤脱気筒の設置
⑥ウレタン樹脂の塗布
⑦トップコートの塗布
①既存の防水層の除去
まずは水が溜まってしまっている既存の防水層を撤去します。
②下地処理
下地を綺麗に掃除したり、新たにシーリングを施すなどの処理を行ないます。
工事中に雨が降る可能性を考慮して、仮防水することも大切です。
③プライマーの塗布
プライマーとは、防水材の密着性を高めるための接着剤のことを言います。
④通気緩衝工法シートの張付け
次に、通気緩衝工法シートの張付けを行ないます。
幅が1mほどのシートを床面全体に張っていきます。
ジョイント部分には専用のテープを貼り、シートの端には補強用クロスを入れて保護します。
⑤脱気筒の設置
脱気筒を設置することにより、防水層の膨れを防げます。
⑥ウレタン樹脂の塗布
ここでようやくウレタン樹脂を塗る工程に移ります。
ちなみにウレタン樹脂は、主剤と硬化剤を混ぜるタイプが主流です。
ウレタン樹脂を2~3度塗り重ね、防水層に厚みを出していきます。
⑦トップコートの塗布
最後にトップコートを塗布し、防水層を紫外線から守ります。
トップコートを丁寧にローラーで塗ることにより、見た目も綺麗な防水層になりますよ。
これにて施工完了です。
メンテナンスが必要な症状は?
以下のような症状がある場合、防水層のメンテナンスが必要でしょう。
- 藻やコケが発生している
- 雨漏りが発生している
- 排水溝が詰まっている
- 防水層に膨れがある
- 屋上に水溜りがある
- ひび割れがある
すぐにメンテナンスが必要とは言えないものの、ウレタン防水表面の色褪せも、劣化症状です。
もし色褪せに気付いたら、「近いうちにメンテナンスが必要かも」と思っておいて良いかもしれません。
ウレタン防水を長持ちさせるには
ウレタン防水を長持ちさせるには、次のことを行なうのが良いでしょう。
定期的に排水ドレンを掃除する
3か月に1度は、屋上の水を排出する箇所である「排水ドレン」の掃除を行ないましょう。
枯れ葉などが詰まって上手く排水されなくなると、防水層の劣化部分から雨漏りしやすくなります。
定期的にトップコートを塗り替える
数年に1度トップコートを塗り替えることにより、適切に防水層を保護できます。
トップコートには遮熱効果のあるものや高耐久のものなど、さまざま種類がありますよ。
定期的に掃除する
防水層の上にホコリや砂などが溜まっていると水はけが悪くなります。
防水層が傷みやすくなるので、毛の柔らかいホウキやモップで掃いたり、柔らかい雑巾で水拭きしたりすると良いでしょう。
硬いブラシなどはトップコートを傷つけるのでNGです。
施工業者を選ぶ際のポイント
施工業者を選ぶ際は、以下のポイントに気を付けましょう。
防水施工技能士1級の有資格者がいる業者かどうか
国家資格である「防水施工技能士1級」の有資格者がいる業者なら、施工クオリティが高い可能性があります。
また自社施工しているケースが多いので、中間マージンも発生せずにリーズナブルな施工が可能です。
施工実績が豊富かどうか
防水工事の施工実績が豊富な業者がおすすめです。
自社のホームページに詳しい施工内容が掲載されていたりすると信頼性が高まるでしょう。
アフターフォローが充実しているかどうか
工事後のメンテナンスや保証など、アフターフォローが充実している業者を選ぶことも大切です。
「保証期間は何年か」といった内容など、アフターフォローについて分かりやすく説明してくれる業者だと安心感がありますね。
相見積もりを取っているかどうか
1社のみに見積もりを依頼するのは避けましょう。
工事の適正価格を判断できないからです。
少なくとも2~3社に見積もりを依頼して、価格や工事内容を比較しましょう。
工事内容や価格の詳細を記載したがらず、見積書に「工事一式」と書く業者は要注意です。
ウレタン防水のまとめ
最後に、この記事の内容をまとめていきます。
- ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を使った防水工事のこと
- 「密着工法」と「通気緩衝工法」の2種類がある
- 密着工法は1㎡あたり4,000~7,000円、通気緩衝工法は6,000~8,500円
- 高圧洗浄などの費用も必要
- 定期的にメンテナンスをすると防水層が長持ちする
- 資格の有無や施工実績、アフターフォロー、見積もり内容などを比較して施工業者を選ぶ
ウレタン防水は広く行なわれている工法です。
どんな工法が良いのか迷った時などに、気軽に相談できる施工業者を選んでみてくださいね。