戸建て住宅の外壁塗装の価格相場は？

「家の外壁塗装を検討中。どのくらいの費用がかかるのか知りたい」

こんなかたは多いです。

 

確かに外壁塗装は10～15年に1度程度しか行なわないので、費用について考える機会は少ないですよね。

 

そこでこの記事では、戸建て住宅の外壁塗装の価格相場について解説していきますよ。

戸建て住宅における、外壁塗装の価格相場は以下のとおりです。

10坪(40㎡)	20～40万円
30坪(119㎡)	60～100万円
50坪(198㎡)	100～160万円
70坪(277㎡)	140～230万円
100坪(396㎡)	200～320万円

 

ただし上記はあくまでも目安です。

後述するように、塗料の種類などによっても価格は変わりますよ。

 

ちなみに外壁と一緒に屋根の塗装工事を行なうと、30坪だと総額で80～130万円程度になります。

 

費用の内訳

外壁塗装には塗料を塗る以外にも、さまざまな工程があります。

工程ごとの費用の内訳は以下のとおりです。

 

塗料代…20％

足場代…20％

人件費…30％

業者の利益…30％

 

もちろん、業者によって内訳の内容は多少異なります。

ちなみに人件費にかかる費用は、以下のとおりです。

項目	1㎡あたりの単価	内容
高圧洗浄	100～300円	高圧洗浄機を使い、古い塗膜を落としたり 汚れを落としたりする
飛散防止ネット	100～200円	塗料が周囲に飛散しないようにネットまた はシートで足場の周囲を覆う
養生	250～400円	塗装箇所以外をビニールシートやマスキン グテープで保護する
シーリング工事	打ち替え：900～1,500円 増し打ち：500～1,000円	外壁材同士の間や、サッシに施されている シーリング材を補修する
付帯塗装工事	雨戸：2,000～5,000円(1枚あたり) 雨どい：800～1,200円 軒天(軒の裏側)：800～1,200円 破風板(軒の側面)：650～1,200円	面積の広い外壁部分以外の塗装。基本的に は外壁と一緒に塗装する
廃材処理費など	10,000～30,000円(一式)	外壁塗装で発生した廃材の処理費用など
現場管理費	30,000～50,000円(一式)	塗料の準備や養生の事前確認、工程管理な どにかかる費用

以下のような要素により、費用相場が左右されます。

塗料の種類

以下のように、アクリルやウレタンなど塗料の種類によって値段が異なります。

塗料の種類	耐用年数	1㎡あたりの費用
アクリル	4年前後	1,000～1,800円
ウレタン	6年前後	1,700～2,500円
シリコン	10年前後	2,300～3,500円
フッ素	15～20年	3,500～4,800円

 

 

階数

建物の階数が多くなると、足場を多く設置する必要が出てきます。

塗料を塗る面積も広くなるので、費用が高くなるでしょう。

 

劣化状況

大きなひび割れがあるなど外壁の劣化が進んでいる場合は、塗装前に補修が必要なため、その分の費用が発生します。

築年数が多い建物ほど劣化が進んでいる傾向にあるので、費用が多くかかりがちです。

 

外壁の種類

モルタル外壁には目地がないので、目地のメンテナンス費用が必要ありません。

しかしサイディングやALC外壁(軽量気泡コンクリート外壁)の場合は、シーリング工事が必要になり、その分の費用が発生します。

 

塗料の色の数

外壁で使う塗料の色の数が多いほど塗装の手間がかかるので、費用が高くなる傾向があります。

 

業者の種類

業者の種類によっても費用は変わります。

例えば大手のハウスメーカーやリフォーム会社の場合、下請け業者に工事を委託するので、その分だけ中間マージンが発生します。

地域密着型の専門業者に依頼すると、費用が安くなりやすいですよ。

 

地域の違い

住んでいる地域の違いによっても、塗装費用は前後します。

例えば東京都の場合は外壁塗装の平均費用が136万円、大阪府だと110万円です。

 

地域によって家の平均坪数や人件費が異なるので、上記のような違いが出てくるのです。

外壁塗装の費用を抑えるには、以下のことを行なうのがおすすめです。

 

梅雨や冬に施工する

梅雨や冬の時期は天候が悪くなりやすく、工期が延長しがちです。

しかし、不便な分だけ工事費用が安く設定されている場合があります。

 

工期が延長したからと言って追加費用が発生するわけではないので、デメリットを理解した上で施工する分には問題ありません。

 

助成金や補助金を利用する

施工条件によっては、お住いの地域の自治体の助成金や補助金を利用できる場合があります。

 

ただし市区町村によって利用できる条件がかなり異なります。

助成金や補助金を利用したいかたは、事前に市区町村のホームページで詳細を確認しておきましょう。

 

火災保険を利用する

台風などの自然災害により外壁の修復が必要になった場合は、火災保険を利用できる場合があります。

ただし地震の被害に関しては、オプション扱いになっているので注意しましょう。

 

ちなみに経年劣化や業者の施工不良、故意による破損の場合には、火災保険は適用されません。

 

リフォームローンを利用する

リフォームローンを利用することでも、塗装費用が安くなります。

これは、お金を貯めて数年後に外壁補修をするよりも、外壁が劣化する前にリフォームローンで補修した方が、結果的に費用が安く済むからです。

ただしALC外壁や金属サイディングといった劣化が遅い外壁の場合は、必ずしも安くならないので注意が必要です。

ちなみに「返済期間が10年以上である」といった一定の条件を満たせば、外壁塗装にも「住宅ローン減税」が適用されますよ。

 

自社施工の業者に依頼する

先ほども少し触れましたが、地域密着型の業者など自社施工をしている業者に依頼することにより、中間マージンの分だけ費用が安くなります。

 

ただし大手のハウスメーカーなどは比較的信頼感があります。

予算と照らし合わせて検討したいですね。

住宅の外壁塗装では、以下のような支払い方法が使えます。

・現金

・クレジットカード

・ローン

 

現金で支払うケースが約60％、クレジットカードが約24％、ローンが13％、その他が3％ほどと言われています。

これは「現金(銀行振込)しか受け付けない」という業者が多いことが理由に挙げられます。

他の支払い方法は手数料が発生するからです。

 

ちなみに、施工前に現金一括払いを求めてくる業者は要注意。

お金を持ち逃げする悪質業者が存在するからです。

施工後に一括払いか、施工後・施工前に半分ずつ支払える業者を選びましょう。

 

ちなみに訪問販売による契約で、かつ契約締結日から8日以内ならクーリングオフが可能です。

ただし工事の着工後だとクーリングオフできない場合もあるので気を付けましょう。

外壁塗装を行なう際は、次のような注意点もあります。

はじめから1社に絞らない

塗装業者を選ぶ際は2～3社で見積もりを出してもらい、それぞれを比較すると良いでしょう。

適正価格が分かりますし、対応の丁寧さやアフターフォローの内容などもチェックできます。

 

金額が安すぎる業者は避ける

提示する施工金額が安すぎる業者は避けましょう。

結局は後から追加料金を請求されるケースが多いです。

 

また途中で施工金額を大幅に値下げする業者も要注意。

手抜き工事や追加工事を行ない、結局は費用総額が高く付いてしまう、という場合が多いですよ。

 

訪問営業で契約しない

訪問営業での契約はおすすめできません。

訪問営業を行なう業者は、悪質業者の割合が多いと言われています。

 

「早く工事しないと、どんどん外壁が劣化していきますよ」と言った文句で契約を急かす業者もあります。

また現地調査として屋根に登り、屋根を壊して工事金額を請求するような悪徳業者も存在します。

 

「せっかく見積もりをしてもらったので、工事を依頼しないと申し訳ない」と思う必要はありません。

相手のペースに流されて契約してしまった場合は、クーリングオフも検討しましょう。

 

見積書の内容をしっかりチェックする

「工事一式」といったように、アバウトな見積書を作成する業者もあります。

しかし詳細に記載されていない見積書を作成する業者には注意が必要です。

 

必ずしも悪徳業者というわけではありませんが、依頼者が素人なのを良いことに、不必要な金額を上乗せする場合があるのです。

見積書の内容を細かく丁寧に作成してくれる業者を見つけることをおすすめします。

 

過度の値引きはNG

「できるだけ値引きをする方が良い」と考えているかたもいますが、過度の値引きはNGです。

塗料のグレードを落とされたり手抜き工事されたりする可能性があります。

必要以上に塗料のグレードを下げない

塗料のグレードを下げると、結局は数年後に再塗装が必要になります。

安いからといって、何も考えずにアクリル塗料を選んだりするのは避けましょう。

 

アクリル系やウレタン系よりシリコン系やフッ素系塗料のほうが、初期費用は高いものの20年単位では費用の節約に繋がります。

 

季節も考慮する

春と秋が塗装工事に適しています。

これらの時期は天候や気温、湿度の好条件が揃っているので、適切な状態で塗膜が硬化しやすいのです。

 

一方、真夏や冬、梅雨の時期は注意が必要です。

条件が悪いなかで無理に工事をされても、塗膜が劣化しやすくなりますね。

悪天候だと工事が延期する可能性もあります。

 

遅くとも、工事を希望する時期の3か月前には、施工業者を探しておきましょう。

最後に、この記事の内容をまとめていきます。

 

・外壁塗装の費用相場は、30坪で60～100万円

・内訳は塗料代20％、足場代20％、人件費30％、業者の利益30％

・塗料の種類や階数、業者の種類などによっても費用は変動する

・梅雨や冬の施工、助成金などの利用、自社施工業者への依頼などで費用が抑えられる

・銀行振込の業者が多いが、クレジットやローンが使える場合もある

・複数の業者から1社を慎重に選ぶと悪徳業者に引っかかりにくくなる

・過度の値引きをしたり、塗料のグレード下げたりすると、結局は高く付く

 

まずは建物の坪数から、費用の概算を出してみましょう。

業者選びをしっかりと行なうことで、適正価格での施工が可能になります。

 

ぜひこの記事を参考に、外壁塗装を成功させてみてくださいね。