ビルやマンションの高圧洗浄(外壁洗浄)はなぜ必要？

ビルやマンションの外壁塗装をする上で「高圧洗浄」は欠かせません。

高圧洗浄を行なわずに外壁塗装をしてしまうと、さまざまな不具合が発生します。

 

そこでこの記事では、ビルやマンションの外壁塗装になぜ高圧洗浄が必要なのか、解説していきますよ。

費用相場や注意点などもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

外壁塗装の業界では、手抜き工事を行なう業者も多いです。

手抜き工事として行なわれがちなのが「高圧洗浄の省略」です。

 

しかし高圧洗浄は必ず行なわなくてはなりません。

高圧洗浄をせずに外壁が汚れたまま塗装を施してしまうと、塗料が密着しにくいのです。

塗膜の剥がれや浮きなどが起こりやすくなり、塗料の耐用年数が低下します。

 

古い塗膜を除去したり、カビやコケを取り除くためにも、しっかりと高圧洗浄を行なう必要があります。

「高圧洗浄は要らない」という業者には注意しましょう。

 

ちなみに高圧でない洗浄機を使っている悪徳業者も存在します。

水圧が14.7MPa(または150kgf/㎠)以上の洗浄機を使っていない場合は、十分に外壁の汚れを落とせないことがあるので、この点も注意が必要です。

外壁の汚れを放置すると、次のような問題が発生します。

 

見た目が悪くなる

ホコリや排気ガスなどで外壁が汚れると、建物の美観が損なわれます。

雨が降ると外壁の汚れが雨水と一緒に流れ落ち、外壁に黒い雨垂れの跡を付けてしまったり。

 

いくら内装が綺麗でも、外壁に清潔感がないだけで入居希望者は減少してしまいます。

 

外壁が傷む

例えば外壁にカビやコケが付着した状態を放置すると、徐々にカビやコケが塗膜内部へと浸食していきます。

塗膜が劣化すると外壁が傷みやすくなり、建物自体の寿命も短くなる恐れがあります。

 

建物内部にも悪影響が出る

汚れにより外壁が傷み、建物内部の傷みに発展することも少なくありません。

雨漏りやシロアリ被害などを招く恐れがあります。

 

建物内部が劣化すると修繕費用が高額になりがちです。

早い段階で外壁洗浄を行ない、汚れを落としておくことが大切です。

高圧洗浄の費用相場は「1㎡あたり100～300円」が一般的です。

小規模なアパートやマンションは総額5～10万円、大型のビルやマンションの場合は10万円以上の費用がかかる場合も多いです。

 

ただし足場設置や養生(ビニールシートなどによる保護)を行なう場合、以下のような費用も発生します。

足場設置…1㎡あたり600～800円

養生…1㎡あたり300～500円

 

ちなみにバイオ洗剤を使って高圧洗浄をする場合は、1㎡あたり200～400円の費用がかかります。

洗剤の力でカビやコケを洗い落としやすくなりますが、芝生や植木を枯れさせる可能性があります。

使用する際は十分に注意しましょう。

高圧洗浄を行なう際は、以下のことに気を付けましょう。

 

悪徳業者の見極めが必要

次のようなことを行なっている場合、悪徳業者の可能性が高いです。

見積書の内容が不明瞭

見積書に「洗浄一式」のように記載する業者は良くありません。

洗浄する面積や1㎡あたり単価なども、細かく記載してくれる見積書なら問題ないでしょう。

 

作業時間が短い

高圧洗浄は、一戸建ての家でも7～8時間はかかります。

古い塗膜なども水圧で削り落とす必要があるからです。

 

2～3時間ほどで作業を完了してしまう業者を信用してはいけません。

 

室内に水が入ってくる

高圧洗浄によって、外壁のひび割れやサッシのコーキングの劣化部分から、室内に水が入ってくる場合があります。

これは業者の明らかな施工ミスです。

業者が補修が必要な箇所を把握していないことが原因です。

 

万が一水漏れがあった場合は、業者の社長など責任者に連絡するようにしましょう。

 

人を傷つけるほどの威力があるので、周囲への配慮が必要

高圧洗浄機から放出される水は、人体を傷つけるほどの威力があります。

実際に死亡事故も発生しているので、使用の際には注意が必要です。

 

バルコニー内の物を片付ける必要がある

バルコニー内の植木鉢などは、事前に室内に片付けておく必要があります。

高圧洗浄機の水圧で壊れてしまう可能性がありますからね。

 

車の入出庫に時間がかかることがある

高圧洗浄時に使う水が車に飛散しないよう、車両にカバーをかけます。

 

そのため車を入出庫する際はカバーを着脱しなければならず、多少の手間と時間がかかります。

外壁洗浄がある日に車を使うマンション住人は、時間に余裕を持って行動する必要があるでしょう。

 

騒音が発生する

高圧洗浄機は騒音が発生する、ということも覚えておきましょう。

60デシベル(デパートの店内くらいの騒音)ほどの静音タイプの機種を使っている業者が多いですが、たまに80～90デシベル(パチンコ店内くらいの騒音)ほどのオープンタイプを使う業者もあります。

 

事前にどのタイプの高圧洗浄機を使うのか、尋ねておくと安心です。

 

水道代がかかる

高圧洗浄代以外に、5,000円前後の水道代がかかります。

水道代は基本的に依頼主が負担します。

 

水はバケツやタンクに貯めておく

高圧洗浄機を使う側の注意点ではありますが、高圧洗浄で使う水は、バケツやタンクに貯めておいた水を使います。

水道と高圧洗浄機を直接繋ぐと十分な水量が得られず、水圧が低くなってしまいます。

 

乾燥が必要

高圧洗浄を行なった後は、水分を乾燥させる時間が必要です。

一般的に高圧洗浄後48時間は、塗装などはできません。

高圧洗浄を行なうのは、何も外壁だけではありません。

そこでここでは、排水管の高圧洗浄についてもご紹介していきますよ。

 

排水管の高圧洗浄とは

排水管の高圧洗浄とは、高圧洗浄機で圧力をかけた水を、排水管内部に噴射すること。

水の圧力で排水管の中の汚れを洗い落とします。

 

マンションの排水管の高圧洗浄は、管理組合が対応することが多いです。

高圧洗浄の費用には、マンション住人から徴収した管理費や修繕積立金が使われますよ。

 

排水管の汚れを放置するとどうなる？

排水管の汚れを放置すると以下のような不具合が起こります。

・異臭が発生する

・水が流れにくくなる

・排水管が劣化しやすくなる

 

共有部分の排水管は、マンションの全世帯と繋がっています。

この部分が詰まってしまうだけで、全世帯へ影響が出てしまいますよ。

 

もちろん専有部分の排水管も、年々汚れが蓄積していくでしょう。

 

排水管が汚れる原因

排水管が汚れたり詰まったりするのは、以下のような原因によります。

・カビ

・髪の毛

・油汚れ

・石鹸カス

・ヘアワックス

・ヘアピンなどの異物

・大量のトイレットペーパー

 

このような原因により、徐々に排水管内部の状態が悪くなっていきます。

 

排水管の高圧洗浄の費用は？

業者によって異なりますが、排水管の高圧洗浄には以下のような費用がかかります。

戸数	1戸あたりの費用
15～29戸	4,200円
30～49戸	4,000円
50～99戸	3,800円
100戸以上	3,500円
200戸以上	3,000円

 

戸数が多いと、その分だけ費用が割安になります。

 

高圧洗浄を行なう頻度は？

排水管の高圧洗浄は、多くのマンションでは1～2年に1度行なっています。(2～3年に1度行なうマンションもある)

 

マンションは一戸建ての家よりも、排水管が綺麗な状態に維持されていますよ。

 

排水管の高圧洗浄時の注意点

排水管に高圧洗浄をする際には、以下のことに注意する必要があります。

立ち合いが必要

高圧洗浄を行なう際は作業員が室内に入るため、マンション住人の立ち合いが必要になります。

立ち合いが難しい場合は、管理組合に相談してみましょう。

 

玄関ドアが開けっぱなしになる

高圧洗浄機のホースは屋外から引き込みます。

玄関ドアが開けっぱなしになるため、マンションの低層階では蚊などの虫が入り込むことも。

 

玄関に虫よけスプレーをするなど、各自で対応が必要です。

 

排水管が破損するケースがある

高圧洗浄による水の圧力により、排水管が破損するケースもあります。

排水管が破損するとキッチンの水漏れなどを引き起こすので、不具合が発生した場合はすぐに管理組合に相談する必要があります。

 

法律で義務付けられているわけではない

排水管の高圧洗浄は法律で義務付けられているわけではありません。

よって高圧洗浄を行なわなくても、法律上は問題ありません。

 

しかし管理会社の管理規約でルールを定め、定期的に高圧洗浄を行なっている場合が多いです。

住人からの要請がにより高圧洗浄を行なうケースもありますよ。

最後に、今回の記事の内容を以下にまとめていきます。

・外壁塗装の前に、高圧洗浄が必要

・高圧洗浄をしないと塗料が密着しにくい

・外壁の汚れを放置すると外観が悪くなり、建物の寿命も短くなる

・費用相場は1㎡あたり100～300円

・小規模なマンションは総額で5～10万円かかる

・悪徳業者も多いので注意が必要

・車の入出庫に手間がかかったり、騒音が発生したりする

・排水管でも高圧洗浄を使う

 

外壁塗装の施工の際に、高圧洗浄は欠かせません。

ぜひ今回の記事を参考に、高圧洗浄の優良業者を探してみてくださいね。