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鉄骨ALC造建物の防水工事とは? | 屋根や屋上に施工する工法も紹介

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鉄骨ALC造建物の防水工事とは? | 屋根や屋上に施工する工法も紹介

鉄骨ALC造建物の防水工事とは? | 屋根や屋上に施工する工法も紹介

2024/05/15

ALC板が使われた建物の防水工事について

  • ALC造とはなに?
  • 鉄骨ALC造建物のメリットとデメリットについて知りたい!
  • 鉄骨ALC造建物における屋上の防水工事について詳しく教えて!

マンションやアパートの多くは、鉄骨ALC造建物です。
しかし「ALC造って何?」と疑問に思っている方は多いようです。
そこでこの記事では、鉄骨ALC造建物の基本情報から、メリット・デメリット、鉄骨ALC造建物で必要な防水工事などについて幅広く解説していきます。
鉄骨ALC造の防水工事の費用相場が気になる方も、ぜひ参考にしてみてください。

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鉄骨ALC造建物って?

鉄骨ALC建造物は、主にマンションやアパートで使われる建物の構造の1つで、「ALC造」と表記されることもあります。
ここでは、鉄骨ALC建造物について詳しく解説していきます。

■ALCとは何か

ALCとは「Autoclaved Lightweight Concrete」の略で、気泡加工を行った軽量のコンクリートを指します。
コンクリートの成分であるセメントや生石灰などを高温で加熱し、発泡させて気泡加工を行います。
この気泡加工により、強度を保ちつつ軽量化した素材が得られます。
建物を建設する際に使用する材料は、工場で製造されたALCパネルと呼ばれるものです。
ALCパネルとは、ALCと鉄骨を組み合わせて強度を増した板状の材料で、組み立てや運搬が容易な特徴があります。

■鉄骨ALC造建物の構造とは

鉄骨ALC造建物は、強度の高い鉄骨で骨組みを作り、それをALCパネルで囲む構造です。
ちなみに「ALC造」と書かれている建物でも、ALCのみで建築されているわけではありません。
ALC造は鉄骨造の一部であり、骨組みには鉄骨が使われています。
鉄骨とALCパネルの両方を使用するため、鉄骨ALC造建物と呼ばれます。
ALCパネルは、主に外壁・屋根・床・部屋間の仕切り部分に使用されるでしょう。

 

鉄骨ALC造建物のメリットとデメリット

ここでは鉄骨ALC造建物のメリット・デメリットについて、それぞれ詳しくご紹介します。

■鉄骨ALC造建物のメリット

鉄骨ALC造建物には、以下のようなメリットがあります。
・耐久性が高い
・断熱性が高い
・耐火性や防火性が高い
・遮音性が高い
・調湿性に優れている
ALCには木繊維のような有機物が含まれていません。
そのため熱や乾燥に強く、ひび割れ・反りも起きにくいので、耐久性が高いです。
定期的なメンテナンスを行うことにより、50年以上は工事が不要とされています。
そのため、長期間同じ場所に住むことを考えている人には、おすすめの外壁材でしょう。
またALCには直径0.05~0.1ミクロンという非常に小さな気泡が含まれているので、コンクリートながらも非常に軽量です。
外壁材が軽いということは、施工時の作業時間が短縮され、地震発生時の負荷も軽減されます。
地震が多い地域では、ALCは最適な外壁材と言えるでしょう。
さらにALCは断熱性が高いため、夏の暑さや冬の寒さに関わらず、室内の温度を一定に保てます。
これはALCの内部に多くの気泡を含んでいるため、この気泡に包まれた空気が熱の伝わりを抑えるからです。
耐火性・防火性が高いのも、ALCのメリットです。
火災のリスクが低く、万が一火災が発生しても非常に燃えにくいです。
有害物質も発生しないため、火災による健康被害も防げます。
また遮音性・調質性など、ALCには多くのメリットがあるでしょう。

■鉄骨ALC造建物のデメリット

鉄骨ALC造の建築物には以下のように、いくつかの欠点が存在します。
・水分に弱い
・コストが高い
ALCの一番の問題点は、水分に対する脆弱性です。
ALC内部には微細な気泡が多数存在するので、どうしても水分を吸収してしまいます。
ALCが水分を吸収すると、壁にひび割れが生じる恐れがあるので、ALCを使った壁には防水処理が欠かせません。
また、日本工業規格の認定を受けたメーカーのみが製造可能な、特別な外壁材ということもありコストが高い事も難点です。

鉄骨ALC造建物における屋上の防水工事

鉄骨ALC構造の建物は雨に弱いため、屋上部分には確実な防水工事が必要です。
そこで鉄骨ALC造建物における、防水工事の工法について解説していきます。
ご紹介するのは以下の4つの工法です。
・アスファルト防水
・改質アスファルトシート防水
・シート防水
・ウレタン防水

■アスファルト防水

アスファルト防水は、100年以上も採用され続けている伝統的な防水工法です。
合成繊維製の不織布シートに液体アスファルトを浸透させたルーフィングシートが使われます。
そのルーフィングシートを2層以上に重ねることで、防水性能を強化します。
アスファルト防水は重量があるので学校やマンション、公営住宅の屋上などの大規模な建物への施工に適しているでしょう。

■改質アスファルトシート防水

改質アスファルトシート防水は、改質アスファルトシートを使用した防水工事です。
温度変化や天候の変化に強い特徴があります。
アスファルト防水と比較して設備・施工が簡素化できる利点がありますが、費用は高くなります。
改質アスファルトシート防水では、「トーチ工法」「常温工法」の2つの工法があります。
トーチ工法ではトーチバーナーという道具を使って、ルーフィングシートの裏面と下地を貼り合わせていく工法です。
バーナーの熱でアスファルトを溶かしながら、シートと下地を接着します。
トーチ工法はシートを隙間なく熱で溶着できるため、防水効果が高い特徴があります。
常温工法は熱を使わないので冷工法とも呼ばれ、施工費用は比較的安く、民間の工事でよく採用されています。
ルーフィングシートの裏面にゴムアスファルトの粘着層をコーティングし、それを複数枚交互に貼り付け施行します。
軟粘着状態となった下地が、コンクリートにしっかりと付着し、熱・においが発生しないので環境に優しく、安全性も高いでしょう。

■シート防水

シート防水は、塩化ビニールまたは合成ゴムで作られたシートを貼る工法です。
塩ビシートはゴムシートに比べて耐久性が高く、摩擦や紫外線にも強いので、現在の主流となっています。
シート防水は広範囲を一度に施工できるため、屋上や屋根などで多く採用されます。
シートの接続部や端部を隙間なく接着できるよう、施工時には注意が必要です。
シート防水には「密着工法」「機械固定工法」の2つの工法があります。
密着工法は接着剤を使ってシートを貼る工法で、機械を持ち込む必要がないため、バルコニーなどの比較的狭い場所でも施工が可能です。
機械固定工法は専用の機械を使ってシートを貼る工法で、シートが施工箇所に完全に密着しない点が特徴です。
シートと施工箇所の間にディスク盤が設置されることで隙間ができて、そこから水蒸気を逃がせる構造になっています。
そのため、既に漏水が発生している箇所でも施工が可能です。

■ウレタン防水

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。
価格と耐用年数のバランスが良いので、現代の日本で最も多く行われています。
鉄骨ALC構造の建物の屋上に施工する場合、工法は通気緩衝工法(絶縁工法)を採用します。
通気緩衝工法はウレタン樹脂を下地に密着させずに防水するのが特徴で、通気緩衝シートと呼ばれる無数の穴が空いた防水シートが使われるでしょう。

 

鉄骨ALC造建物における勾配屋根の防水工事

次に、鉄骨ALC造の勾配屋根に対する防水施工について、以下の3つの工法を解説していきます。
・葺き替え
・カバー工法
・塗装

■葺き替え

既存の屋根を撤去し、下地等の修復を行った後、新たに屋根を設置することを葺き替え施工と言います。
屋根の改修工事における「葺く」とは、新しい屋根材を設置し完成させるという意味を持ちます。
また、屋根を葺く工程のある工法には「重ね葺き」もあります。
重ね葺きは、既存の屋根を解体せずにその上から新しい屋根材を葺く方法で、これはカバー工法とも呼ばれます。

■カバー工法

カバー工法は、既存の屋根材の下地に劣化が見られない場合に適用されます。
既存の屋根材の撤去や廃材処理の費用が不要なため、工期を短縮し費用を抑えられるでしょう。
またカバー工法では屋根が二重構造になるため、断熱性や防音性が向上します。
既存の屋根材が劣化している場合は、この手法を採用することはできません。

■塗装

塗装は、既存の屋根の表面の塗装が剥がれてきた場合に行われます。
屋根材を保護する目的で塗装施工を行うこともあります。
屋根に剥がれや浮きが見られる場合には、塗装を行う前に部分的に修復を行います。
屋根の塗装は、葺き替えやカバー工法に比べて費用がかからないメリットがあります。
また屋根や建物の美観を維持するためにも役立つでしょう。
ただし耐久性・防水性を維持するには、定期的な塗り替えが必要です。

 

屋上や屋根に防水工事を行うタイミングは?

屋上や屋根の防水メンテナンスの目安は「10~12年」ごとです。
築10年を超えた場合は、専門業者に点検を依頼すると良いでしょう。
また、屋上や屋根に劣化の兆候が見られる場合は、できるだけ早く防水施工を行う必要があります。
屋上や屋根の防水施工を行うべきタイミングを示す劣化の兆候には、以下のようなものがあります。(一例)
・塗膜のひび割れ
・剥がれ
・膨れ
・雨漏り
・チョーキング現象(塗膜を触ると白い粉が付く)
防水層の劣化の兆候は、目で見て確認できるものがほとんどです。
劣化の兆候が現れている場合は、放置すると雨漏りが発生するリスクが高まります。
上記のような劣化の兆候を見つけたら、防水施工を検討してみてください。

まとめ

最後に、この記事の内容を簡単にまとめていきます。
・鉄骨ALC造建物は主にマンションやアパートで使われる建物の構造で、ALCと鉄骨を組み合わせたもの
・ALCは、気泡加工を行った軽量のコンクリートを指す
・鉄骨ALC造建物の構造は、強度の高い鉄骨で骨組みを作り、それをALCパネルで囲む形となる
・鉄骨ALC造建物には「耐久性が高い」「断熱性が高い」「耐火性や防火性が高い」「遮音性が高い」「調湿性に優れている」と言うメリットがある
・鉄骨ALC造建物のデメリットとして「水分に弱い」「コストが高い」ということが挙げられる
・屋上の防水工事では「アスファルト防水」「改質アスファルトシート防水」「シート防水」「ウレタン防水」のいずれかが行われる
・勾配屋根の防水工事では「葺き替え」「カバー工法」「塗装」のいずれかが行われる
・屋上や屋根の防水工事を行うタイミングは、一般的には10~12年ごと
・劣化の兆候が見られる場もは、早めの防水工事が必要
鉄骨ALC造建物にはメリット・デメリットがあるので、特性を良く理解して防水工事を行わなければなりません。
具体的にどのような工事が必要なのかを知りたい方は、気軽に専門業者に相談してみてください。

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