機械的固定工法について|塩ビシート防水の施工方法とは
2024/05/16
屋上防水は建物の耐久性を保つために欠かせない重要な工事です。その中でも「機械的固定工法」は、防水シートを機械的に固定する方法で、多くのメリットがあります。
本記事では、機械的固定工法の特徴やメリット、デメリット、他の防水工法との違いについて詳しく解説します。防水工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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機械的固定工法とは
機械的固定工法は、防水シートを専用の金具やネジを使って躯体に直接固定する方法です。この工法は、防水シートがしっかりと固定されるため、風や地震などの外力に対して高い耐久性を持ちます。
機械的固定工法は、特に大規模な屋根や屋上、防水性が求められる場所に適しています。また、この工法は、塩ビシート防水に広く使用されており、その高い信頼性と性能から多くの建物で採用されています。
機械的固定工法のメリットとは?
機械的固定工法の利点とは何でしょうか?今回は4つのメリットを紹介します。
◼️躯体の亀裂や振動の影響を受けにくい理由
機械的固定工法は、防水シートを躯体に直接固定するため、躯体の亀裂や振動の影響を受けにくいという特徴があります。防水シートがしっかりと固定されることで、外部からの力がシート全体に分散され、局所的な応力が軽減されます。
これにより、長期間にわたって安定した防水性能を維持することが可能です。特に、大規模な建物や工場などでの利用において、その耐久性が発揮されます。
◼️下地処理が最低限度で済むメリット
機械的固定工法では、下地処理が最低限度で済むという大きなメリットがあります。接着工法の場合、下地の状態が防水性能に直接影響するため、徹底した下地処理が必要ですが、機械的固定工法では、下地の多少の不整合があっても問題ありません。これにより、施工時間が短縮され、コストも削減できます。
特に、既存の屋根の上に防水層を追加する場合など、短期間での施工が求められる現場において有効です。
◼️さまざまな躯体構造に施工が可能な利点
機械的固定工法は、さまざまな躯体構造に対応できる柔軟性があります。金属屋根やコンクリート、木造の屋根など、異なる素材や形状の屋根に対しても適用可能です。
このため、建物の構造に応じた最適な防水対策を講じることができます。さらに、機械的固定工法は新築だけでなく、リフォームや修繕工事にも適しており、幅広い用途で利用されています。
◼️下地の影響を受けにくい特長
機械的固定工法は、防水シートが下地の影響を受けにくいという特長があります。防水シートは金具やネジで固定されるため、下地が不安定であってもシートがしっかりと保持されます。
これにより、長期間にわたって安定した防水性能を発揮することができます。特に、下地が老朽化している場合や、劣化が進行している場合でも、機械的固定工法を用いることで、高い防水効果を期待できます。
機械的固定工法のデメリットとは?
◼️屋根の種類・使用目的によっては施工不可な理由
機械的固定工法には、屋根の種類や使用目的によっては施工が難しい場合があります。例えば、屋根が複雑な形状をしている場合や、設備が多く設置されている場合には、金具やネジの取り付けが困難になることがあります。
また、既存の防水層が非常に劣化している場合には、機械的固定工法だけでは十分な防水性能を確保できないことがあります。こうした状況では、他の防水工法と組み合わせて使用することが求められます。
◼️振動・騒音の発生に関する欠点
機械的固定工法では、施工中に金具やネジを使用するため、振動や騒音が発生することがあります。このため、工事が行われる建物の周囲環境に影響を与える可能性があります。
特に、住宅地やオフィスビルなど、静寂が求められる場所では注意が必要です。また、施工時の振動が建物の構造に影響を与えることもあるため、事前に十分な検討と計画が必要です。これらの点を踏まえ、適切な工法を選定することが重要です。
機械的固定工法と接着工法の違いを解説|どちらが適している?
機械的固定工法と接着工法は、それぞれ異なる特徴と利点を持つ防水工法です。機械的固定工法は、防水シートを金具やネジで固定するため、風や地震などの外力に対して高い耐久性を持ちます。
一方、接着工法は、接着剤を使用して防水シートを下地に密着させる方法で、施工が比較的簡単でコストも抑えられるのが特徴です。どちらの工法が適しているかは、建物の構造や環境、予算などに応じて選ぶことが重要です。
シート防水の劣化症状と屋上防水工事のタイミング
シート防水の劣化症状と屋上防水工事のタイミングを紹介します。今回紹介する症状がないか確認しておきましょう。
◼️防水シートの破損
防水シートの破損は、主に物理的なダメージや経年劣化によって発生します。例えば、強風で飛ばされた物が当たって破損したり、人が歩くことで摩耗が進んだりすることがあります。破損が発見された場合は、早急に修理を行わないと雨水が浸入し、建物内部にダメージを与える可能性があります。定期的な点検と早期の修理が重要です。
◼️立ち上がり部の剥がれ
立ち上がり部の剥がれは、防水シートが建物の壁やパラペットとの接合部分で剥がれる現象です。この部分は特に雨水の侵入が起こりやすいため、剥がれが発生すると防水性能が大きく低下します。接合部分の剥がれを発見した場合は、早急に補修を行い、再度の接着やシーリングを行うことが重要です。
◼️防水シート接合部の劣化
防水シートの接合部は、シート同士をつなぎ合わせる部分であり、ここが劣化すると雨水の浸入経路となります。接合部の劣化は、シートの収縮や膨張、温度変化などが原因で発生します。接合部の劣化を発見した場合は、適切な補修材を用いて修理を行うことが必要です。また、接合部の定期的な点検を行い、劣化の兆候を早期に発見することが重要です。
◼️防水シートのふくれ
防水シートのふくれは、シート内部に空気や水分が入り込むことで発生します。このふくれが発生すると、防水層の一部が浮き上がり、雨水が浸入しやすくなります。ふくれを放置すると、シート全体の防水性能が低下し、建物内部にダメージを与える可能性があります。ふくれが発見された場合は、早急にシートを切開し、内部の空気や水分を除去して補修を行うことが必要です。
◼️防水シートの硬化や収縮
防水シートの硬化や収縮は、主に経年劣化や紫外線の影響によって発生します。シートが硬化すると柔軟性が失われ、割れやすくなります。また、収縮によってシートが引きつれることで、接合部や立ち上がり部に亀裂が入ることがあります。硬化や収縮が見られた場合は、シートの交換を検討することが重要です。定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、シートの寿命を延ばすことができます。
塩ビシート防水・機械的固定工法の手順
塩ビシート防水工事の機械的固定工法には、いくつかのステップがあります。まず、既存の屋根の状態を確認し、必要に応じて下地処理を行います。
その後、防水シートを敷設し、専用の金具やネジを使って躯体に固定します。固定箇所には、防水キャップを取り付けて水の浸入を防ぎます。この流れについて4つに工程を分けて簡単に紹介していきます。
下地処理
最初に行うのは、下地の準備です。この工程では、既存の屋根や下地の状態を確認し、必要に応じて清掃や補修を行います。下地の表面をきれいに清掃し、ゴミやホコリ、油分などを取り除きます。び割れや凹凸、劣化した部分があれば、補修材を用いて修復します。平滑な下地を作ることで、防水シートの設置がスムーズになります。
防水シートの敷設
下地の準備が整ったら、防水シートを敷設します。この工程では、塩ビシートを所定の位置に広げて配置します。設計図に基づいて防水シートを広げ、位置を調整します。シートが重なり合う部分を確保しながら、全体を均等に配置します。そして、防水シートが動かないように、仮固定を行います。
機械的固定
シートの重なり部分や所定の間隔に金具やネジを設置します。これにより、シートがしっかりと固定され、外力に対する耐久性が向上します。固定具の上に防水キャップを取り付けて、水の浸入を防ぎます。キャップの取り付け、シートがたるまないように貼り付けを行います。
シートの接合と仕上げ
防水シートの重なり部分を熱溶接機で溶着し、溶接部分に漏れがないかを確認します。そして仕上げを行います。シーリング材を使って接合部分や端部を処理し、防水性能を確保します。最後に全体を最終点検し、不備がないか確認します。点検後、工事が完了です。
シート防水のDIY補修可能か?
シート防水のDIY補修は、軽微な損傷に対しては可能ですが、大規模な修理や交換が必要な場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。DIYで行う場合は、適切な工具と材料を準備し、慎重に作業を行うことが重要です。難しいと感じた場合は手を出さない方が無難でしょう。
特に、接合部や立ち上がり部の補修は高度な技術が求められるため、プロに任せる方が安全で確実です。DIYでの補修が難しいと感じた場合は、早めに専門業者に相談しましょう。
まとめ|機械的固定工法について
いかがでしたでしょうか?機械的固定工法は、防水シートを専用の金具やネジで固定することで、高い耐久性と防水性能を実現する方法です。
躯体の亀裂や振動の影響を受けにくく、下地処理が最低限度で済むため、施工時間とコストを抑えられる利点があります。また、さまざまな躯体構造に対応できる柔軟性も持ち合わせています。
しかし、屋根の種類や使用目的によっては施工が難しい場合があり、施工中の振動や騒音も考慮する必要があります。防水工事の計画を立てる際には、機械的固定工法の利点とデメリットを理解し、最適な工法を選ぶことが重要です。