鉄筋コンクリート(RC)造で雨漏りが発生する原因とは?修理や施工内容も解説
2024/05/21
建物は木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造と、使用する材料によって呼び方が異なります。
このうち鉄筋コンクリート(RC)造は、建物の主要部である柱に鉄筋とコンクリートを組み合わせたものを使用しており、多くのマンションに採用されているタイプです。
鉄筋コンクリート造は雨漏りしにくく、木造の建物より耐久性に優れているという印象を持つ方も多いでしょう。
しかし、鉄筋やコンクリートなど耐久性が高い材料を使っている建物でも、完全に雨漏りを防げるわけではありません。
「鉄筋コンクリート造だから対策しなくても大丈夫」と放置してしまうと、雨漏りに気づかず建物全体の安全性が低下してしまう可能性も考えられます。
まずは鉄筋コンクリート造の特徴をしっかり把握したうえで、雨漏りが発生する原因についても知っておきましょう。
今回の記事では、鉄筋コンクリート造の特徴や、雨漏りが発生した場合の修理・施工方法について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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鉄筋コンクリート(RC)造の特徴
建物を支える柱や梁に、鉄筋とコンクリートを組み合わせたものを使用している建物が「鉄筋コンクリート(RC)造」と呼ばれています。
以下に紹介する特徴を持っているため、賃貸マンションや商業ビルなど多くの建物に使われています。
・劣化や衝撃に強い
・遮音性に優れている
・建物の寿命が長い
鉄筋が引っ張る力とコンクリートの圧縮する力を組み合わせた特徴から、耐久性・耐震性に優れています。
燃えても温度が上昇しにくく、地震による揺れにも耐えられる強度を持つため、高い安全性を持つタイプです。
また、鉄筋の隙間にコンクリートを流し入れるため隙間ができにくく、遮音性にも優れています。
さらに、建物の主要部が鉄筋とコンクリートによって成り立つため、建物の寿命が長いことも特徴の1つです。
法律上で定められている法定耐用年数も47年と非常に長く、適切なメンテナンスを行えば長く安全に暮らせるでしょう。
このように、鉄筋コンクリート造はさまざまな特徴から、マンションやビルなどに多く使われています。
鉄筋コンクリート(RC)造で雨漏りが発生する原因
非常に優れた耐久性を持つ鉄筋コンクリート造ですが、雨漏りのリスクは避けられません。
鉄筋コンクリート造で雨漏りが発生する原因について、以下のようなものが挙げられます。
外壁のクラック
鉄筋コンクリート造で見られる雨漏りの多くは、外壁のクラックによるものです。
特に外壁は雨や風・紫外線の影響で劣化しやすく、クラックが発生すると隙間から雨水が浸入してしまいます。
また、外壁の隙間を埋めるコーキングが劣化し縮みや剥がれが発生すると、雨水が浸入し雨漏りの原因にもつながるのです。
サッシ周りの劣化
窓のサッシには、外壁との隙間を埋めるためにコーキング処理が施されています。
コーキングは紫外線や雨や風・使用状況によって劣化しやすく、縮みや剥がれ・ひび割れが発生しやすいのです。
サッシ周りのコーキングが劣化することで、鉄筋コンクリート造でも雨漏りが発生しやすくなってしまうでしょう。
屋上やベランダの防水機能低下
屋上やベランダは、雨が直接当たる部分です。
建物内に雨水が浸入しないよう防水工事が行われていますが、年数の経過と共に防水機能も低下してしまいます。
経年劣化により防水層にひび割れや剥がれが発生すると、雨漏りの原因になってしまうのです。
排水管の詰まり
排水管は、屋上やベランダに溜まった雨水をスムーズに排出するための設備です。
しかし、落ち葉やゴミで排水管が詰まると雨水の排出ができず、水たまりが発生しやすくなります。
その結果、防水層の劣化につながり雨漏りが発生しやすくなってしまうでしょう。
クラックとは?
鉄筋コンクリート造で起きる雨漏りの原因は、クラックから雨水が浸入するケースが多いです。
クラックとは、外壁や基礎部分にできてしまうひび割れのことを指しています。
クラックはモルタルやコンクリートに発生しやすく、外壁や屋根にも見られる現象の1つです。
また外壁やコンクリートだけではなく、コーキング材や防水層にも発生します。
クラックが発生する原因
クラックの発生原因は、主に以下に挙げる3つです。
・乾燥
・経年劣化
・強い振動
外壁に使用するモルタルや建物の基礎であるコンクリートは、施工時に水を使用します。
水分の蒸発とともに材料が収縮するため、乾燥の過程でクラックが生じやすくなってしまうでしょう。
また、紫外線のダメージや経年劣化によるものだけではなく、強い揺れによってもクラックが発生します。
コーキング材も同様に紫外線に弱い性質を持つため、劣化と共にクラックが発生しやすいといえるのです。
鉄筋コンクリート(RC)造の爆裂とは
鉄筋コンクリート造は高い耐久性を誇りますが、デメリットも存在します。
建物が劣化し雨漏りが発生すると「爆裂」が発生してしまいますが、どのような状態を指すのでしょうか。
コンクリートの爆裂とは
鉄筋は、水分にさらされることで腐食が起こります。
腐食が起きた鉄筋は膨張するため、周りのコンクリートに負荷をかけてしまうのです。
鉄筋の膨張にコンクリートが耐えられなくなり、破裂してしまうことを「コンクリートの爆裂」といいます。
爆裂が起こると鉄筋が露出し、建物が倒壊するリスクも高まってしまうのです。
また、美観を損なうため建物としての資産価値も低下します。
爆裂が起きた部分を放置するとその部分からさらに水分が浸入し、より危険な状態になってしまうでしょう。
雨漏りが発生し、鉄筋コンクリートに爆裂の症状が見られた際は、早急に対処することが重要です。
鉄筋コンクリート(RC)造で発生した雨漏りを放置するリスク
鉄筋コンクリート造だからといって、雨漏りが発生しない訳ではありません。
外壁や屋上の劣化により、雨漏りが発生するケースも考えられます。
万が一鉄筋コンクリート造で雨漏りが発生した場合、以下のような影響が発生するでしょう。
建物全体の劣化
鉄筋やコンクリートは衝撃や火災に強い面を持ちますが、雨漏りが発生すると鉄部の腐食を引き起こします。
鉄部にサビが発生すると膨張し、コンクリートの爆裂につながってしまうでしょう。
また耐震性が低下し、安全に暮らせなくなってしまうのです。
雨漏りによって安全性が低下してしまった結果、地震や台風による衝撃で倒壊する可能性も考えられます。
カビやダニの発生による健康被害
雨漏りが発生すると、建物内の湿度が高くなります。
ダニやカビは湿度の高い環境を好むため、アレルギーや呼吸器系の症状が発生するケースも多いです。
重大な健康被害につながる可能性もあるため、注意が必要と言えます。
部屋への被害
雨漏りが発生することで、居住スペースにも大きな影響を与えます。
天井のシミや壁紙の剥がれ・家財道具・電化製品の腐食や故障などが懸念されるでしょう。
また、天井にシミが発生している場合は建物の内部まで雨漏りが進行している可能性が高く、非常に危険な状態になっている可能性もあります。
部屋や共用部の天井や壁にシミを発見した場合は管理組合に報告し、直ちに原因を特定したうえで補修を進めてもらうことが重要です。
原因や場所ごとの対処法と施工内容
雨漏りが発生しやすい箇所はいくつかあるため、あらかじめ把握しておきましょう。
また、万が一不具合が発生した際に対処法を知っておけば、スムーズな対応が可能です。
雨漏りの発生原因や場所ごとの対処法などについて、以下で詳しく解説します。
屋上・屋根
屋上や屋根は、雨の影響を受けやすい部分です。
特に傾斜の少ない陸屋根は水たまりが発生しやすく、屋上の防水層にダメージを与えてしまいます。
防水層が劣化すると雨水が浸入しやすい環境になってしまうため、屋上や屋根のメンテナンスは定期的に行いましょう。
ベランダやバルコニー
屋外に設置されているベランダやバルコニーも、雨漏りの原因につながりやすい場所です。
防水層の劣化や排水管の詰まりによって水たまりが発生し、雨漏りにつながるケースも少なくありません。
排水溝周りの清掃や、防水工事などの対策を行いましょう。
外壁
外壁は雨漏りしやすい箇所のため、劣化状態を定期的に確認することが大切です。
万が一ひび割れやタイルの破損・シーリングの剥がれなどが見られた場合、防水工事を検討しましょう。
劣化がひどい場合は、タイルの交換やシーリングの打ち替えなどもあわせて行うと安心です。
サッシ周り
外壁と窓の隙間部分に施されたシーリングは、徐々に劣化していきます。
剥がれやひび割れも雨漏りの原因になるため、定期的な点検とシーリングの打ち替えが有効です。
防水工事を行う際は、サッシ周りの点検も行ったうえで、必要に応じて対処しましょう。
施工を依頼する際の注意点
鉄筋コンクリート造の建物に雨漏りが発生すると、さまざまな部分に影響が及びます。
そのため、迅速かつ適切な防水工事が必要と言えるでしょう。
しかし、業者へ依頼する際にはいくつかの重要な点に注意する必要があります。
ここでは、防水工事を依頼する際に特に注意すべきポイントについて詳しく説明します。
信頼できる業者選び
防水工事の経験と実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。
ホームページや口コミサイトなどを活用し、過去の施工事例やお客様の評価を確認しておきましょう。
また、複数の業者から相見積もりを取ることで、価格だけでなく提案された内容や対応の違いについても比較できます。
施工内容や金額の確認
防水工事にはさまざまな方法がありますが、建物の状況や雨漏りの原因ごとに最適な方法を選ぶことが重要です。
使用する材料や施工手順について、納得できるまで説明を受けるようにしましょう。
特に、使用する防水材の種類や耐久性については、十分に確認しておくことが重要です。
保証やアフターフォローの有無
防水工事は一度施工して終わりではないため、定期的なメンテナンスや万が一の不具合に対する保証も必要です。
施工後の保証期間やアフターサービスの内容など、あらかじめ確認しておくことでトラブルを防ぐことができます。
また施工中の管理体制が整っているか、定期的に進捗状況を報告してもらえるかなど、業者の対応についても事前に確認しておくと安心です。
まとめ
鉄筋コンクリート(RC)造で雨漏りが発生する原因や修理が必要な理由については、以下の通りです。
・鉄筋コンクリート造は鉄筋とコンクリートが組み合わされ、耐久性が高いものの雨漏りリスクは避けられない
・外壁のクラックやサッシ周りの劣化・屋上やベランダの防水機能低下が、雨漏りの主な原因
・クラックとは「ひび割れ」のことを指し、モルタルやコンクリートで起きやすい不具合の1つである
・クラックが発生すると雨水が浸入し、雨漏りにつながってしまう
・コーキングの剥がれや痩せによっても雨漏りが発生する
・雨水によって鉄筋が膨張し、コンクリートの爆裂が起きる可能性がある
・雨漏りを放置すると、建物の安全性低下や健康被害・各部屋への影響が出るため早急に対処する必要がある
・防水工事を依頼する場合は、見積もりや保証・アフターフォローの有無などを確認し、信頼できる業者を選ぶ
鉄筋とコンクリートを使用した建物は、耐久性に優れているため「雨漏りはしない」と思ってしまうケースも多いです。
しかし、さまざまな要因によって雨漏りは発生するため、今回の内容をしっかり把握し、適切な雨漏り対策を行っておきましょう。