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陸屋根とはどのようなもの?特徴やメリット・デメリットも解説

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陸屋根とはどのようなもの?特徴やメリット・デメリットも解説

陸屋根とはどのようなもの?特徴やメリット・デメリットも解説

2024/05/24

「陸屋根(りくやね・ろくやね)」は、ビルやマンションでよく見られる屋根の形状です。 その洗練されたデザインと特有のメリットが評価され、多くの戸建て住宅で採用されています。 しかし陸屋根を選ぶ際には、そのメリットだけでなくデメリットも考慮する必要があるでしょう。

そこでこの記事では、陸屋根とは何か、どのようなメリット・デメリットがあるのか、陸屋根ではどのような防水工事ができるのかを解説していきます。 戸建て住宅を建てることを計画している方や、すでに陸屋根のある建物に住んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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陸屋根とは?

陸屋根はその名の通り、陸(地面)と同じように平らな形状をした屋根のことを指します。 「平屋根」「フラット屋根」「フラットルーフ」とも呼ばれます。

傾斜のある勾配屋根では、屋根の傾斜を通じて雨水が自然に流れ落ちます。 しかし、陸屋根は平らな形状をしているため、床面に微妙な傾斜を設けて雨水を排水溝に集め、そこから排水しています。 陸屋根の見た目は平らですが、実際には完全に平らなわけではありません。 もちろん、傾斜が緩やかなため、勾配屋根に比べて雨水が溜まりやすいので、陸屋根の床面には必ず防水工事が必要です。

陸屋根のメリット

陸屋根には、一般的な勾配屋根にはない、独自のメリットがあります。
ここでは陸屋根の5つのメリットについてご紹介していきます。

  • 屋上としての利用できる
  • メンテナンスが簡単
  • 居住空間が広がる
  • 雪の落下がほとんどない
  • デザインがおしゃれ

 

■屋上として利用できる

陸屋根は、その平らなスペースを屋上として利用できます。
ベランダやバルコニーに比べて広いスペースを確保できて、日当たりも良好なため、家庭菜園などにも活用できるでしょう。
ただし、建物の構造によっては、人が出入りしたり物を置いたりできない場合もあるので注意が必要です。
太陽光発電の設置やガーデニングなど多様な活用方法があります。
そのため陸屋根を採用する際には、自身の希望通りの利用が可能かどうかを確認することをおすすめします。

■メンテナンスが簡単

陸屋根は、三角形の勾配屋根と比べて屋根面が平らなため、メンテナンスが簡単です。
清掃・補修がしやすく足場も必要ないので、メンテナンスコストも抑えられます。
またバルコニーや屋上のように立ち入って掃除ができるため、掃除程度なら業者を呼ぶ必要もなく、自身で行うことが可能です。
屋上として利用することを目的として、施工時に階段を設けている場合は、メンテナンスがさらに簡単になるでしょう。
さらに勾配屋根のメンテナンスの際には転落のリスクがありますが、陸屋根であればそのリスクは大幅に軽減されます。

■居住空間が広がる

陸屋根は天井も平面になるため、一般的な勾配屋根に比べて建築スペースを広く取れます。
よって同じ天井高でも、陸屋根のほうが居住空間を広く感じられるでしょう。
開放的な印象の室内にしたい方にも、陸屋根はおすすめです。
もちろん屋上スペースを活用するのも可能です。
屋上を庭の代わりにしたり太陽光パネルを設置したり、バーベキューをしたり、さまざまな活用ができるでしょう。

■雪の落下がほとんどない

雪が積もっても、陸屋根なら雪の落下がほとんどありません。
雪が降る地域では、雪かき・雪下ろしの手間を省けるでしょう。

■デザインがおしゃれ

陸屋根は直線的でシャープなデザインがおしゃれだと人気です。
現代的な印象があり、勾配屋根の家とは雰囲気が異なります。

陸屋根のデメリット

陸屋根にはメリットがある反面、デメリットも存在します。
ここでは陸屋根の5つのデメリットを解説していきます。

・最上階が暑くなる
・ロフトを設置できない
・排水性が劣る
・メンテナンスが必要
・高さ制限を受けやすい

 

■最上階が暑くなる

陸屋根の特性上、屋根と天井の間には空間が存在しません。
屋根裏がある一般的な勾配屋根とは異なり、陸屋根が日差しを受けると直接、最上階が暑くなるでしょう。
そのため室内温度が上がるケースがあり、特に夏場は暑さ対策が必要です。
もちろん、このデメリットには対策があります。
断熱材や遮熱塗料を使用することで軽減できるので、施工時には対策を考えておくと良いでしょう。

 

■ロフトを設置できない

陸屋根の特性上、ロフト(屋根裏部屋)の設置はできません。
ただしこのデメリットも、別の収納スペースがあれば解決できます。
特にロフトを必要としていなければ、大きなデメリットにはなりません。

 

■排水性が劣る

陸屋根のデメリットで気になるのが、勾配屋根よりも排水性が劣る点です。
勾配屋根なら雨水は自然に流れ落ちますが、陸屋根は平坦なため雨水がたまりやすいのです。
床にたまった雨水は雨漏りのリスクを高めるため、陸屋根には防水工事が不可欠でしょう。

 

■メンテナンスが必要

陸屋根に限りませんが、定期的なメンテナンスを行わないと防水性能を維持できません。
陸屋根は排水性が悪いため、雨漏り防止や防水機能の維持のためのメンテナンスが欠かせないのです。
もちろん適切に対策ができていれば、雨漏りの心配はありません。
雨漏りが発生する前に、定期的にメンテナンスをすると、建物を良い状態で維持できるでしょう。

 

■高さ制限を受けやすい

陸屋根は、建物の高さ制限を受けやすいので注意しましょう。
地域によって高さ制限は異なりますが、基本的に道路や隣地から、敷地内の中心斜め上に向かって高さ制限が設けられています。
つまり三角形の勾配屋根のほうが高さ制限内に収まりやすいのです。

陸屋根で行う防水工事の種類

陸屋根は雨漏りが発生しやすいので、防水工事は必須です。
陸屋根向けの防水工事には次のような種類があるので、それぞれを詳しくご紹介していきます。

  • ウレタン防水
  • シート防水
  • FRP防水
  • アスファルト防水

 

■ウレタン防水

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を用いて防水層を作る工法です。
液状の防水塗料を使用するため、複雑な形状の箇所でも施工できます。
既存の防水層の種類に関わらず、その上から施工できるのもメリットでしょう。
ただしウレタン樹脂はある程度の乾燥時間が必要なため、工期は比較的長く3~10日ほどはかかります。
また施工する職人の腕によって、仕上がりに差が出る点も注意しましょう。
防水層を紫外線から保護する役割を果たすトップコートの塗布も必要です。
防水工事の施工後は、5年に一度を目安にトップコートを塗り替えましょう。
ウレタン防水の耐用年数は10~12年、費用は1平方メートルあたり5,000~7,000円です。

 

■シート防水

シート防水は、塩化ビニールまたは合成ゴム製の防水シートを用いて、防水層を形成する工法です。
施工費用が比較的安価で、シートの色やデザインを選べます。
施工する職人の腕によって完成度に差が出ないのもメリットでしょう。
ただし複雑な形状の箇所や、強風の地域での施工には適しません。
またシート防水は、シート同士の継ぎ目部分が弱点になりやすく、物理的な刺激で破れてしまうこともあります。
定期的にメンテナンスを行いながら、防水性能を維持していくことが重要です。
ちなみにシート防水には「密着工法」と「機械固定工法」の2種類があります。
密着工法は下地に直接シートを貼る方法で、安価な反面、耐久性は低めです。
機械固定工法は下地に設置したディスクにシートを固定するので、下地の状態に関わらず施工できるメリットがあります。
施工にかかる期間は1~5日ほどで、耐用年数は10~20年ほどです。
費用は1平方メートルあたり4,000~7,000円ほどかかるでしょう。

 

■FRP防水

繊維強化プラスチックを含む防水シートを使って施工するのがFRP(Fiber Reinforced Plastics)防水です。
耐久性が高く軽量なので、防水工事だけでなく船舶・バスタブなどにも使われます。
屋上駐車場の防水工事にも採用されるほどの強度を持つので、人々の往来が多い陸屋根でも安心して使用できるでしょう。
施工期間が1~2日程度で済むのも、FRP防水のメリットです。
ただし費用は高めで、地震・揺れによってひび割れが発生しやすい点は注意しましょう。
またFRP防水もウレタン防水と同じく、防水層を保護するためのトップコートが必要です。
FRP防水の耐用年数は10年~13年ほどで、費用は1平方メートルあたり5,000~7,000円ほどかかるでしょう。

■アスファルト防水

アスファルト防水は、液体のアスファルトを熱で溶かして施工する方法です。
耐久性・防水性が高く、防水工法のなかで最も長寿命です。
メンテナンスをする必要もほとんどないので、大規模な施設や公共施設でよく採用されます。
ただしアスファルトを使用するため重量があり、建物に大きな負荷がかかってしまうでしょう。
よって戸建て住宅では、基本的にアスファルト防水は採用されません。
アスファルト防水の耐用年数は15~25年ほどで、費用は1平方メートルあたり5,500~8,000円ほどかかるでしょう。
アスファルト防水の施工期間は約3週間です。

まとめ

最後に、この記事の内容を簡単にまとめていきます。

  • 陸屋根は平らな形状の屋根で、ビルやマンション、戸建て住宅でよく見られる
  • 陸屋根のメリットとして「屋上として利用可能」「メンテナンスが簡単」「居住空間が広がる」「雪の落下がほとんどない」「デザインがおしゃれ」といった点がある
  • デメリットとして「最上階が暑くなりやすい」「ロフトを設置できない」「排水性が劣る」「定期的なメンテナンスが必要」「高さ制限を受けやすい」といった点が挙げられる
  • 陸屋根の防水工事では「ウレタン防水」「シート防水」「FRP防水」「アスファルト防水」のいずれかが採用される

 

陸屋根はメリットが多い反面、排水性を高める必要があるので、防水工事は欠かせません。
お住まいの建物に具体的にどのような施工が必要かを知るには、まずは専門家に相談することが必要です。
ぜひこの記事を参考に、陸屋根の防水工事を検討してみてください。

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