外壁や屋上のコーキングとシーリングの違いとは?役割や施工費用なども解説
2024/05/24
コーキングとシーリングは、どちらも建物の防水性や耐久性を高めるために必要となる重要なものです。
ところが、どちらにも似た役割があることから、二つの言葉が同じ意味で使われている場合もあります。
地域・職人の世代・会社などによって呼び方が違うのも「コーキング」と「シーリング」に見られる特徴です。
そのため、それぞれの意味や役割などを混同している方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コーキング・シーリングとはどのようなものか、それぞれの特徴や違いなどをわかりやすく紹介します。
また、施工費用や業者の選び方についてもまとめました。
工事を依頼するにあたっての参考として、ぜひ記事の内容をご覧ください。
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コーキングとは
「コーキング」とは、建物の隙間にコーキング剤を充填する作業のことです。
一般的には、建物の内側で行われる作業を意味します。
ただし、建物の外側で行われる作業がコーキングと呼ばれる場合もあるでしょう。
コーキングの役割や種類について紹介します。
■コーキングの役割
コーキングの大きな役割として挙げられるのが、次の3つです。
- 建物の防水性を高める
- 建物の気密性を高める
- 外壁材や窓枠の破損を防ぐ
外壁や窓枠などに隙間ができると、建物の防水性や気密性が下がってしまいます。
その結果として、雨漏りを引き起こしたり、隙間風が生じたりする場合があるでしょう。
防水性や気密性を高めるために、建物の隙間を埋める作業がコーキングです。
また、外壁材・窓枠の動きを吸収して破損を防ぐことも、コーキングが持つ大切な役割のひとつです。
■コーキング剤の種類
コーキング作業に使われるのが「コーキング剤」です。
コーキング剤には次のような種類があります。
- シリコン系コーキング材
- 変成シリコン系コーキング材
- ウレタン系コーキング材
- 油性コーキング材
- アクリル系コーキング材
どの種類を選ぶかによって、硬化の過程や性質などが違ってきます。
作業にあたっては、用途・目的に合ったコーキング剤を選ぶことが大切です。
シーリングとは
「シーリング」は、建物の外壁や窓枠などにシーリング材を充填する作業のことです。
一般的に、シーリングは建物の外側で行われる作業のことを意味しています。
ただし、役割が似ていることもあって、業者によってはコーキングと呼ぶ場合があるでしょう。
シーリングについてもおもな役割や種類を紹介しますので、チェックしてみてください。
■シーリングの役割
シーリングが持つ大きな役割には次の3つがあります。
- 建物の防水性を高める
- 建物の気密性を高める
- 外壁を補修する
シーリングの大きな役割は、コーキングと同じように、建物の防水性や気密性を高めることです。
防水性や気密性を高めることで建物を雨漏りやホコリなどから守り、快適な状態にします。
また、シーリングは外壁材にできたひび割れの補修にも使われるものです。
■シーリング材の種類
シーリング材にもいくつか種類があります。
おもな種類は以下のとおりです。
- シリコン系シーリング材
- 変成シリコン系シーリング材
- ポリウレタン系シーリング材
- アクリル系シーリング材
シーリング材も、種類によって硬化の方法には違いがあります。
コーキングと同様に、シーリング材も用途に合わせて選ぶことが大切です。
コーキングとシーリングの劣化症状
コーキングの劣化を引き起こす原因として考えられるのが、紫外線や施工不良です。
劣化の症状には次のようなものがあります。
- ひび割れ
- 黒い汚れ
- 剥離
- 亀裂
黒い汚れは「ブリード現象」と呼ばれるもので、コーキング剤に含まれている可塑剤がにじみ出て、塗料や汚れと反応して変色します。
ブリード現象が起こるのは、コーキング剤と塗料の相性が悪いためです。
コーキングの寿命は10~15年ですが、劣化症状が見られたら早めに補修しましょう。
シーリングの劣化を引き起こすのは、経年や施工不良です。
劣化すると次のような症状が出ます。
- ひび割れ
- 剥離
- 黒ずみ
シーリングの寿命は5~10年が目安です。
シーリングの場合も、劣化の症状が出たら早めに補修を行いましょう。
コーキングとシーリングの違い
インターネットで検索すると、「コーキング(シーリング)」といった記載も多数見かけます。
そのため、違いがよくわからないと感じている方も多いでしょう。
違いは曖昧で、どちらの言葉でも通じます。
建物の内側での作業はシーリング、外側での作業はコーキングと呼び分けられるのが一般的です。
ただし、業者によって、どう呼ぶかは変わってくるでしょう。
どちらも防水性や気密性を高め、建物の劣化を防ぐという役割を持っています。
コーキングとシーリングの施工費用
施工にあたって、費用の相場が気になっている方もいらっしゃるでしょう。
費用は工法・施工面積・足場の有無などの要素によって大きく違ってきます。
コーキングとシーリングの工法は、打ち替えと増し打ちのふたつです。
- 打ち替え…古いコーキング(シーリング)を撤去してから打ち直す
- 増し打ち…古いコーキング(シーリング)の上から充填する
軽微な劣化であれば、増し打ちによって対応できます。
しかし、劣化が進んでいる場合は、打ち替えを行わなくてはなりません。
工法ごとの費用相場は以下のとおりです。
- 打ち替えの費用相場…800~1,200円/平方メートル
- 増し打ちの費用相場…500~900円/平方メートル
上記のほか、高所での作業であれば、足場の設置や撤去などにも費用がかかります。
また、費用は業者によっても違ってくることから、まずは確認が必要です。
実際にどのくらいの費用がかかるのか、施工業者に見積もりを依頼してみましょう。
適切な施工方法を選定するポイント
コーキング・シーリングの施工にあたっては、「打ち替え」「増し打ち」のどちらにするべきなのでしょうか。
打ち替えは既存のコーキング・シーリングを撤去するため、増し打ちよりも費用は高額になってしまいます。
どちらを選ぶべきかは、既存のコーキングやシーリングの状況次第です。
劣化が軽度であれば、増し打ちにすると費用を抑えられるでしょう。
適している施工方法を判断するためには、専門的な知識が必要です。
どちらの方法が適しているのかは、施工業者に確認してみなければわかりません。
劣化状況のほかに、施工方法を選ぶポイントには次のふたつがあります。
- 建物の種類
- 施工する場所
2つのポイントについてそれぞれ解説しますので、施工方法を選定する際の参考にしてください。
■建物の種類
コーキングやシーリングの施工方法は、建物の種類によっても変わってきます。
木造の場合は、弾力性のあるシーリング材を使った充填シーリングや、コーキングガンを使った打ち替え・増し打ちが一般的です。
サイディングなら、サイディングボードの目地にシーリング材を注入したり、コーキングガンで打ち替えや増し打ちを行ったりします。
方法の選定にあたっては、建物の種類をもとに、業者に相談してみるのがおすすめです。
■施工場所
コーキングやシーリングは、施工場所によってもどの方法にしたらよいかが変わってきます。
細い目地であれば増し打ちによる対応も可能ですが、太い目地では打ち替えを行わなくてはなりません。
また、使われる材料も施工場所によって違ってきます。
風雨が直接当たる外壁に使われているのは、耐候性の高い材料です。
窓枠のように動きのある場所には弾力性の高い材料が使われます。
施工業者の選び方
コーキングやシーリングの対応を行っているのは、外壁塗装業者・コーキング(シーリング)専門業者・リフォーム業者などです。
依頼を考えているのでしたら、業者の選び方も押さえておきましょう。
業者を選ぶにあたってチェックしたいポイントは次の4つです。
- 施工実績
- 見積もりの内容
- 説明のわかりやすさ
- アフターフォローの有無
4つのポイントについてそれぞれ解説します。
■施工実績
業者選びで確認しておきたいポイントのひとつが、施工実績です。
コーキングやシーリングの専門業者なら、施工実績は多いでしょう。
しかし、業者によっては実績が少ない可能性があります。
依頼前に施工実績を確認しておきましょう。
■見積もりの内容
コーキングやシーリングの施工業者選びでは、見積もりの内容もチェックしておきたいポイントです。
追加料金が発生する場合があるため、見積もりが安すぎる業者は避けましょう。
見積もりの項目が明確で、詳細な内容を確認できる業者がおすすめです。
■説明のわかりやすさ
依頼にあたっては、説明がわかりやすい業者を選びましょう。
工法・工期などについて、わかりやすいよう丁寧に説明してくれる業者を選ぶと安心です。
■アフターフォローの有無
アフターフォローがある業者なら、施工後に不具合があっても対応してもらえます。
そこで、依頼時にはアフターフォローの有無や内容についても確認しましょう。
保証対象外になるケースについても確認してみてください。
まとめ
- コーキングとシーリングはどちらも建物の防水性や気密性を高めるために行うものである
- 意味の違いは曖昧だが建物の内側はコーキング、外側はシーリングと呼ばれることが多い
- どのように呼ばれるかは地域や業者による違いも見られる
- コーキング・シーリングどちらも劣化すると建物の耐久性が下がるため補修が必要である
- 補修の方法には打ち替えと増し打ちがある
- 施工会社は実績・見積もりの内容・説明のわかりやすさ・アフターフォローなどから選ぶ
コーキングとシーリングはほとんど同じような意味で使われている言葉で、違いは曖昧です。
どちらにも、防水性や気密性を高めて建物の劣化を防ぐ役割があります。
地域や業者によって、どのように呼ぶかが違ってくる場合もあるでしょう。
それぞれ寿命がありますので、ひび割れや剥離など劣化の症状が見られたら補修を行わなくてはなりません。
補修を依頼するにあたっては、施工実績や見積もりの内容などを確認して業者を選ぶと安心です。
また、説明のわかりやすさやアフターフォローの有無なども、業者選びの参考にしてみましょう。
定期的にコーキングやシーリングの状況を確認し、劣化が見られたら早めに補修を行ってくださいね。