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アスファルト防水とは?防水工事の3つの工法の特徴と施工手順を解説

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アスファルト防水とは?防水工事の3つの工法の特徴と施工手順を解説

アスファルト防水とは?防水工事の3つの工法の特徴と施工手順を解説

2024/10/10

アスファルト防水は、建築物の屋上や地下構造物などの防水工事に広く使用される工法です。

合成繊維不織布にアスファルトを含浸させた「ルーフィング」を、加熱溶解したアスファルトで貼り重ねていく防水工法です。

防水工法にはいくつかの種類がありますが、アスファルト防水は、実績が多く最も信頼性の高い防水工法となっております。

耐久性が高く、信頼性のある防水方法として知られています。

本記事では、アスファルト防水の3つの主要な工法(熱工法、冷工法、トーチ工法)の特徴と施工手順について詳しく解説します。

アスファルト防水の種類と特徴

アスファルト防水は、長年の実績があり、コストパフォーマンスにも優れた防水工法です。

厚みを持たせられるため耐久性に優れているのが特徴です。

アスファルト防水には、熱工法、冷工法、トーチ工法の3つの工法があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

熱工法

アスファルトを高温(約200℃)に加熱して液状化し、下地に塗り付けて防水層を形成します。

熱工法は、アスファルトシート同士をしっかりと密着させることができるため、防水性能が非常に高いのが特徴です。

熱工法は、さらに2つの方法に分けられます。1つはバーナーでアスファルトシートの片面だけを加熱する片面貼り工法、もう1つはアスファルトシートの両面を加熱する両面貼り工法です。片面貼り工法は施工が簡単でコストも安いですが、防水性能は両面貼り工法よりも劣ります。一方、両面貼り工法は防水性能が高いですが、施工が難しくコストも高くなります。

熱工法は、防水性能が高く耐久性にも優れているため、特に重要な防水が必要な箇所で使用されることが多いです。しかし、バーナーを使用するため火災の危険性があることや、臭いが発生するため周辺環境に配慮が必要であることに注意が必要です。

常温工法(冷工法)

常温で塗れるアスファルトを使用する工法です。

火気を使用しないため安全性が高く、臭いも少ないのが特徴です。ただし、熱工法と比較して乾燥に時間がかかるため、施工期間が長くなる傾向があります。

トーチ工法

アスファルト防水の中でもよく用いられる工法の一つです。

アスファルトシートの下面にバーナーで熱を加え、溶融させて下地と接着させることで防水層を形成します。

トーチ工法は、比較的施工が簡単で、短時間で施工できるというメリットがあります。また、熱で溶融させるため、密着性が高く、水密性の高い防水層を形成することができます。

しかし、トーチ工法は火を使うため、火災の危険性があります。また、バーナーの熱でアスファルトが焦げてしまうことがあるため、見た目があまり良くありません。

アスファルト防水のメリット

アスファルト防水の各工法には、それぞれ特有のメリットがあります。以下の表で、熱工法、冷工法、トーチ工法のメリットを比較してみましょう。

工法 メリット
熱工法

・隙間なく浸透し、強固な防水層を形成
・適切な施工で20年以上の耐久性
・液状のため、複雑な屋上や突起物周りに適応
・長年の実績がある伝統的な工法

常温工法(冷工法)

・火気不使用で火災リスクが低い
・部分補修や小規模防水工事に最適
・居住者への影響が小さい
・特殊な機器が不要で作業が容易

トーチ工法 ・シート使用により施工速度が速い
・工場製造のシートで品質が安定
・改質アスファルトにより紫外線や温度変化に強い
・薄いシートで十分な防水性能を確保

 

アスファルト防水のデメリット

アスファルト防水にも、いくつかのデメリットが存在します。

臭いや火事のリスクがある

特に熱工法とトーチ工法では、高温のアスファルトやガストーチを使用するため、臭気の発生や火災のリスクがあります。

適切な換気や消火設備の準備が必要です。

施工者の技術に品質が左右される

アスファルト防水の品質は、施工者の技術に大きく依存します。

特に熱工法では、アスファルトの温度管理や塗布の均一性が重要となります。

安定した防水層の形成方法

アスファルト防水は、適切な施工と定期的なメンテナンスを行うことで、安定した防水層を長期間維持することができます。

しかし、施工不良や経年劣化によって防水性能が低下する可能性もあるため、定期的な点検と補修が重要です。

アスファルト防水工事の施工手順

アスファルト防水工事は、適切な手順に従って行うことで高い防水性能を実現します。以下に、一般的な施工手順を詳しく解説します。

step1|下地処理

  1. 既存の防水層の撤去(改修工事の場合)
  2. 下地の清掃(埃、油分、水分の除去)
  3. ひび割れや凸凹の補修
  4. 下地の乾燥確認

step2|プライマー塗布

プライマーは、下地とアスファルト防水層の接着を強化する役割を果たします。

ポイント
  • 下地の状況に適したプライマーを選択
  • 均一に塗布し、乾燥を待つ
  • 塗布量は製品指定の標準使用量を厳守

step3|アスファルトの加熱(熱施工の場合)

熱施工では、アスファルトを適切な温度まで加熱することが重要です。

注意点
  • 温度管理:約200℃まで加熱(製品により異なる)
  • 過加熱による劣化に注意
  • 作業員の安全確保:防護具の着用

step4|防水層の形成

工法によってれ順が異なりますが、基本的には以下の作業を行います。

熱工法

  • 溶融アスファルトの塗布
  • 防水シートの貼り付け
  • シート間の重ね合わせ部分の処理

常温工法(冷工法)

  • アスファルト乳剤の塗布
  • 補強布の貼り付け
  • 上塗り

トーチ工法

  • 改質アスファルトシートの敷設
  • ガストーチによる加熱接着
  • シート間の重ね合わせ部分の溶着

step5|保護層の施工

防水層を保護し、耐久性を工場さえるための層を施工します。

防水層を保護する主な方法

step6|仕上げ確認

施工完了後、防水性能を確認するための検査を行います。

確認項目
  • 防水層の厚さ
  • 接着状態
  • シート間の重ね合わせ部分の処理状態
  • 防水性能

step7|養生

防水層が十分に固まり、性能を発揮するまで適切な養生を行います。

注意点
  • 養生期間中の歩行制限
  • 重量物の設置禁止
  • 天候に応じた保護

以上の手順を丁寧に実施することで、高品質なアスファルト防水工事が実現します。

各工程での品質管理と安全確保が重要であり、経験豊富な専門業者による施工が推奨されます。また、建物の特性や要求性能に応じて、手順や使用材料を適切に選択することが大切です。

まとめ

アスファルト防水は、高い耐久性と信頼性を持つ防水工法です。

熱工法、冷工法、トーチ工法の3つの主要な工法があり、それぞれに特徴があります。

建物の構造や用途、施工条件に応じて適切な工法を選択することが重要です。

アスファルト防水のメリットとしては、高い防水性能、耐久性、複雑な形状への対応力が挙げられます。

一方で、臭気や火災のリスク、施工者の技術への依存性などのデメリットもあります。

これらを十分に理解した上で、適切な施工と定期的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって建物を雨水から守ることができます。

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