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勾配屋根で利用する防水工事はどんな種類がある?陸屋根との違いや費用も解説

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勾配屋根で利用する防水工事はどんな種類がある?陸屋根との違いや費用も解説

勾配屋根で利用する防水工事はどんな種類がある?陸屋根との違いや費用も解説

2024/05/14

屋根の防水工事|傾斜で異なる屋根防水

  • 勾配屋根とは?傾斜の角度で異なる屋根の名称とは?
  • 陸屋根との違いについて知りたい!
  • 勾配屋根のメリット・デメリットについて知りたい!
  • 勾配屋根の防水工事にかかる費用相場について教えて

屋根は建物を外的環境から守り、快適な生活を維持するにあたって大切な役割を担っています。

そのため、建物の寿命を延ばしながら住まいの快適性を維持するには、防水工事による定期的なメンテナンスが欠かせません。

しかし、屋根は普段目にしない場所のため、劣化状態が見えにくく防水工事のタイミングが掴めない方も多いでしょう。

また「防水工事にかかる費用ってどのくらいなんだろう?」「家の屋根にはどのような防水工事を行えばいいのかな?」と、疑問を抱く方も少なくありません。

そこで今回は、陸屋根や勾配屋根との違いや防水工事の種類・費用について詳しく解説しています。

今後、屋根の防水工事を実施される予定の方や工事をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

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勾配屋根とは?

一般的な住宅で見られる三角形の屋根は、勾配屋根と呼ばれるものです。

屋根というと、勾配屋根をイメージされる方も多いのではないでしょうか。

勾配屋根の「勾配」とは、屋根の傾斜を表すもので「寸」と「角度」で表示されていますが、日本の一般的な勾配は、寸で表されています。

また、雨や雪が流れやすいように傾斜の角度を定めるため、勾配屋根は雨漏りしづらく雪が積もりにくいといったメリットを得られるでしょう。

屋根の角度に応じて名称が変わる

勾配屋根は、家の形状によって角度が変わります。

傾斜の角度に応じた呼び方については、以下の通りです。

  • 急勾配…6寸勾配以上の屋根
  • 並勾配…3~5寸勾配の屋根
  • 緩勾配…3寸勾配以下の屋根

6寸は30度以上の屋根を指し、3~5寸は17~27度を指しています。

3寸以下は、傾斜が17度以下の屋根が当てはまるでしょう。

急傾斜では雨や雪が流れやすい反面、風への耐性が低下してしまう可能性もあります。

傾斜が緩やかな場合は天井が高く室内を広く使用できますが、雨や雪の流れが悪くなってしまうため、雨漏りのリスクが懸念されるでしょう。

勾配屋根と陸屋根の違い

傾斜が付いている勾配屋根に対し、陸屋根はフラットな形状の屋根を指します。

傾斜の有無が大きな違いであり、平たい形状の陸屋根はデザイン性が高く、デザイナーズ住宅に取り入れられるケースが多いでしょう。

また、陸屋根の特徴的な形状を活かし、屋上やバルコニーとして活用できる点も魅力です。

平たい形状ではありますが、雨や雪の排出がしやすいよう、わずかな傾斜は付いています。

勾配屋根のメリット・デメリット

雨や雪が流れやすいようにデザインされた勾配屋根は、一般的な屋根の形状にあたります。

目にする機会も多い屋根ですが、どのようなメリット・デメリットがあるのか、詳しく解説していきます。

勾配屋根のメリット

勾配屋根のメリットは、以下に挙げる4点が当てはまります。

  • 雨漏りのリスクを減らせる
  • 屋根が劣化しにくい
  • 屋根裏を活用できる
  • 断熱効果に優れている

勾配が高くなると雨や雪が流れやすくなり、雨漏りのリスクを軽減できるため、屋根が劣化しにくくなります。

屋根の劣化を進行させるる雨漏りを抑えられるたね、勾配屋根では頻繁なメンテナンスが必要ありません。

また、屋根裏のスペースを有効的に活用できるのも大きなメリットにあたります。

屋根裏に断熱材を入れることで、断熱効果によって室内を適切な気温に保つことができるでしょう。

勾配屋根のデメリット

勾配屋根は雨漏りリスクの軽減・劣化の予防・屋根裏スペースの活用といったメリットがあるものの、デメリットも存在します。

勾配屋根を導入する際は、以下に挙げる4点に注意しましょう。

  • 屋根裏スペースが狭い可能性もある
  • 勾配が高いと足場設置が必要
  • 風への耐性が低下する
  • 面積が広くなるためコストがかかる

屋根の勾配が高くなるにつれ、屋根裏スペースが狭くなることで活用方法が限定されます。

その結果、使用できないデッドスペースが発生してしまうでしょう。

また、屋根が高くなると防水工事の際に足場設置が必要なため、その分コストがかかります。

屋根面積が広くなってしまうと、施工費用が高くなる可能性も考えなければなりません。

さらに屋根が高いと風への耐性も低下するため、台風が多いエリアには向かないケースもあります。

これらのデメリットを含めたうえで、勾配屋根の導入を検討しましょう。

勾配屋根で利用される防水工事の種類

勾配屋根は雨や雪が流れ落ちやすいため、雨漏りのリスクを低減できます。

>しかし、雨漏りリスクが完全に無くなるわけではありません。

屋根の防水機能を長持ちさせるには、定期的に点検を行い、劣化する前に防水工事を行う必要があります。

そこで、勾配屋根で利用される防水工事の種類について解説します。

アスファルトシングル葺き

マンションや高層ビルでは陸屋根が一般的ですが、勾配屋根を導入しているケースでは、アスファルトシングル葺きが使われています。

柔軟性の高いシート状のため、複雑な形状や勾配が高い屋根の防水工事に対応しているのです。

アスファルトシングル葺きでは、以下に挙げる3つの工法で進めていきます。

①葺き替え工法

劣化している屋根材をすべて取り除き、新しいものに総入れ替えする方法です。

屋根全体の劣化が進んでいる状況であり、大きな改修が必要なケースで行われます。

②被せ工法

屋根材のうえから新しい屋根材を被せる工法で「重ね葺き工法」「カバー工法」とも呼ばれています。

大きな改修が必要なく、アスファルトシングルの状態が良い場合に行われる方法です。

コストに優れているため、勾配屋根の劣化が少ないケースにおいて使用される防水工事でもあります。

③保護塗装

従来の防水層のうえから、防水塗装を施す方法は「保護塗装」といいます。

アスファルトシングルの劣化が見られない場合は、防水塗装のみで工事が完了するケースもあるでしょう。

塩化ビニルシート防水

塩化ビニルシートを利用した防水工事であり、勾配屋根でも行われるケースが多い工法です。

この方法では「密着工法」「機械固定工法」の2種類があり、状況に応じて使い分けられています。

以下に挙げる2点の工法について、詳しく見ていきましょう。

①密着工法

接着剤で下地に塩化ビニルシートを直接貼り付ける工法です。

密着性に優れていますが、シートと下地の間に湿気がたまりやすく、劣化が進んでいる場合は不向きな工法でしょう。

②機械固定工法

塩化ビニルシート防水では、機械固定工法が主流の方法です。

機械を使って塩化ビニルシートを固定していく方法ですが、下地と密着させないため、下地との調整が最低限で済みます。

しかし、施工の際は機械を使うため騒音が発生するケースも多く、工事を行う際は近隣住民への配慮や事前説明が必要です。

勾配屋根の防水工事にかかる費用相場

勾配屋根の防水工事にかかる費用については、施工方法によって異なります。

それぞれの費用相場については、以下に挙げる4種類の通りです。

防水工事方法 費用相場(1㎡あたり)
ウレタン防水 6,000〜8,000円
FRP防水 6,500〜8,500円
塩ビシート防水 6,000〜8,000円
アスファルト防水 6,000〜8,000円

上記価格は目安であり、勾配屋根の高さによっては足場の設置費用がかかる可能性もあります。

防水工事の費用は施工の種類に応じて異なるため、施工会社へ依頼する前に専門家へ相談しておくと安心です。

勾配屋根が劣化しているサイン

勾配屋根は雨が流れやすい造りのため、屋根が劣化しにくいといった性質を持っています。

しかし、経年劣化やメンテナンス不足によって劣化が進んでしまうケースも少なくありません。

建物の寿命を延ばし長持ちさせるためには、勾配屋根の防水工事が必要なので、勾配屋根が劣化しているサインを知っておくと、依頼するタイミングがわかります。

アスファルトシングルの浮きや剥がれ

アスファルトシングルの浮きや剥がれは、勾配屋根が劣化したサインです。

台風や豪雪地帯の建物は、外部環境によって建物や屋根へのダメージが大きく、アスファルトシングルも劣化しやすい環境です。

放置すると剥がれたアスファルトシングルが飛散し、危険を伴う可能性も少なくありません。

そのため、定期的にアスファルトシングルの劣化具合を確認しておくと安心です。

アスファルトシングルのコーティングが剥がれる

アスファルトシングルには、石粒がコーティングされています。

経年劣化や気象状況の変化によって劣化してしまうと、石粒が剥がれてしまうこともあります。

これは防水性の低下を表しており、メンテナンスが必要な状態です。

勾配屋根の劣化具合を確認する際は、コーティング石粒の状態を定期的にチェックしておきましょう。

塩化ビニルシートの浮きや剥がれ

塩化ビニルシートを用いた防水工事を行っている場合、シートの剥がれや浮きが見られることがあります。

この状態を放置してしまうと、雨漏りが発生して建物に大きな影響を与える可能性があります。

シートの継ぎ目や軒下から劣化が始まるため、定期的に確認をしましょう。

ピンホールの発生

ピンホールとは、塩化ビニルシートに小さな穴がいくつも発生している状態です。

経年劣化によって起きてしまう症状であり、小さな穴から雨水が浸入すると、雨漏りにつながるため注意が必要です。

また、ピンホールは肉眼で確認しにくいため、発見が遅れやすい症状でもあります。

いち早く劣化に気付くためには、専門業者に定期点検を依頼すると良いでしょう。

勾配屋根の防水工事依頼の際の注意点

勾配屋根の防水工事は、通常、専門業者に依頼するのが一般的です。しかし、中には悪質な業者も存在するため、業者選びには慎重な注意が必要です。
業者に依頼する際には、以下の点に留意しましょう。

  • 見積もりに不明な項目がないかどうかを確認する
  • 保証内容などが明確に記載されているかどうかを確認する
  • 費用が相場よりも極端に高すぎる・安すぎるかどうかを確認する

これらの注意点を考慮して、信頼できる業者を選択することが重要です。

見積もりに不明な項目がないかどうかを確認する

見積書には、どの工程にどれだけの費用がかかるかが詳細に記載されています。

見積書を確認する際に、理解できない項目があれば、業者に詳細を尋ねるようにしましょう。また、見積書に内訳の項目がなく、「一式」と金額だけが記載されている場合は、注意が必要です。

見積書の内容を丁寧に説明してくれる業者は信頼できる場合が多いため、この点も業者選びの判断材料として考慮してください。

保証内容などが明確に記載されているかどうかを確認する

防水工事を行っている業者は、独自のアフターサービスや保証を提供していることが一般的です。

特に保証に加入していると、施工後に不具合が発生した場合や業者が倒産してしまった場合などに補償を受けることができます。

保証内容やアフターサービスが明確に記載されているかを確認し、万が一の場合に備えて積極的に利用していくことが重要です。

費用が相場よりも極端に高すぎる・安すぎるかどうかを確認する

費用相場とかけ離れた金額を提示する業者に依頼してしまうと、トラブルに巻き込まれる可能性があります。

工事費用が極端に高い場合、業者が専門知識のない顧客に過剰な料金を請求している可能性があります。

逆に工事費用が安すぎる場合、手抜き工事が行われ、後にトラブルが発生する可能性が高いです。事前に費用相場を調査し、適正な価格を提示する業者を選ぶことが重要です。

まとめ

  • 勾配屋根は傾斜がついた屋根を指し、雨や雪が流れ落ちやすいように設計されている
  • 雨や雪が流れ落ちることで雨漏りのリスクを減らすが、完全にリスクが無くなるわけではない
  • 傾斜が付いている勾配屋根に対し、平たい形状の屋根を陸屋根と呼ばれる
  • 陸屋根はデザイン性が高く、屋上スペースとして利用ができる
  • 屋根は勾配が高くなるにつれて屋根裏スペースを確保でき、優れた断熱効果を発揮する
  • 勾配屋根で導入される防水工事は、主にアスファルトシングル葺きと塩化ビニルシート防水の2種類が取り入れられている
  • 勾配屋根の劣化は、アスファルトシングルの浮きやコーティング石粒の剥がれなどのサインで判断できる
  • 塩化ビニルシート防水を導入している場合は、シートの浮きや剥がれが発生したら劣化のサイン
  • 勾配屋根の劣化サインであるピンホールは目視で確認できないため、専門家の診断が必要

勾配屋根の特徴をしっかり理解し、劣化のサインを見逃さなければ、建物の寿命を延ばすことにつながります。

定期的に点検しながらメンテナンスを実施する際には、専門家と相談しながら進めていくと安心です。

防水性を損なわないように管理をし、快適な住環境を守りましょう。

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