ウレタン防水工事の密着工法とは?工程・施工費用・メリットデメリット解説
2024/06/21
屋上やベランダの防水工事で採用される密着工法について、ご存知ですか?
ウレタン防水の工法の一つである密着工法は、塗りの種類や工法によってどのような特徴があり、通気緩衝工法とはどう違うのでしょうか。また、
「施工手順や工程は?」
「塗りの回数による効果の違いは?」
「工事費用の相場は?」
など、工事を検討する際には様々な疑問が出てくるのではないでしょうか。
防水工事の成否は工法の選択にかかっています。特に屋上や屋根の防水では、建物の状態や要求される性能によって最適な工法と塗りの種類が異なってきます。
密着工法は施工性と経済性に優れた工法ですが、適切な下地処理と塗装技術が求められます。
本記事では、ウレタン防水における密着工法について、種類別の特徴から具体的な施工手順、工事費用の目安、メリット・デメリットまで、専門家の視点で詳しく解説します。
防水工事の計画立案の参考として、ぜひご活用ください。
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ウレタン防水工事の密着工法(x-2工法)の特徴とは?
ウレタン防水とは、ウレタンと呼ばれる樹脂を塗布することで、防水層を形成する方法です。
その中でも費用を抑えることができるのが、密着工法です。別名x-2工法と呼ばれています。
密着工法は、下地に直接ウレタン樹脂を塗り重ね、厚みを出すことで高い防水効果が期待できます。
最後にトップコートを塗布して施工完了となりますが、工程が少なく短期間での施工が可能です。
そのため比較的安価に工事を行うことができ、多くの場面で用いられています。
ウレタン防水工事の密着工法の施工手順について
ウレタン防水の密着工法は次のような工程で行われます。
- 高圧洗浄などでホコリや汚れをしっかり取り除く
- 補修作業を行う
- プライマーを全面に塗る
- ウレタンを2度塗りする
- トップコートを塗る
①高圧洗浄などでホコリや汚れをしっかり取り除く
ウレタン防水工事の密着工法にかかる費用・単価
ウレタン防水の密着工法にかかる費用目安を下記にまとめました。
<100㎡の屋上:ウレタン密着工法の場合の費用見積もり例>
項目 | 費用 |
---|---|
高圧洗浄 |
35,000円 |
下地処理・ケレン |
500円×100㎡=50,000円(500円/1㎡) |
下地補修(ひび割れ、欠損補修) |
3,000円×20㎡=60,000(面積の20%程度 1㎡あたり3,000円) |
ウレタン防水塗膜(平面) |
4,000円×100㎡=400,000円(4,000円/1㎡) |
ウレタン防水塗膜(立ち上がり部分) |
2,500円×45㎡=112,500円 |
ドレン設置費用 |
60,000円(4箇所) |
小計 |
717,500円 |
<ウレタン防水密着工法のその他諸費用見積もり例>
項目 | 費用 |
---|---|
残材処分費 |
30,000円程度 |
諸経費・現場管理費 |
30,000円程度 |
材料荷上げ・荷下ろし費 |
30,000円程度 |
小計 |
90,000円程度 |
価格相場の目安:80万円程度
平均寿命の目安:5年〜10年程度
ウレタン防水工事の密着工法メリット・デメリット
多くの場面で選ばれているウレタン防水の密着工法ですが、メリット・デメリットがあります。
施行場所や状況にあわせて選ぶことが大切です。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
密着工法は工期や費用が抑えられ、仕上がりも美しいため、多くの場所で採用されています。
注意したいのは、すでに雨漏りが発生している場合や下地が水分を含んでいる場合は使用できないことです。
下地に水分を含んでいる場合には、施工後に防水層の膨れなどの問題を引き起こす可能性が高くなります。
職人によって仕上がりに差がでるので、職人の技術力や経験などもよく確認してから依頼することが大切です。
ウレタン防水工事の密着工法と通気緩衝工法との違いは?
同じウレタン防水の一つである通気緩衝工法と比べて、どんな違いがあるのでしょうか。
密着工法 | 通気緩衝工法 | |
---|---|---|
防水層の構成 | プライマー ウレタン (場合によって+補強布) トップコート |
プライマー 通気緩衝シート ウレタン (場合によって+補強布) トップコート ※脱気筒の設置適宜 |
耐久性 | ◯ | ◎ |
価格 |
安価 |
密着工法よりは費用がかかる |
適した場所 | ・狭い場所 ・複雑な形状や凹凸のある場所 ・庇・パラペット等 |
・湿気の多い場所 ・下地の劣化が激しい場所 |
適さない場所 | ・湿気の多い場所 ・下地の劣化が激しい場所 |
・人の出入りが多い場所など (脱気筒を設置する必要があるため) |
密着工法は工期も短く費用も抑えることができますが、下地の状況によっては施工が難しい場合もあります。
また、ウレタン防水の密着工法では、脱気筒は設置しないのも違いの一つです。
通気緩衝工法はそういった密着工法の欠点を補い、下地の劣化がひどい場合にも施工が可能な工法です。
密着工法が難しい場合や予算に余裕のある場合は、通気緩衝工法での施工も検討してみましょう。
脱気筒について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
ウレタン防水塗装工事|密着工法のまとめ
ウレタン防水工事の密着工法についてまとめました。
- 密着工法は下地にウレタンを直接塗り重ね防水層を形成する
- 工期が短く費用も抑えることができる
- 下地の影響を受けやすく、湿った場所や劣化が激しい場所には施工できない
- 複雑な形状の場所や凹凸がある場所にも施工しやすく、仕上がりが美しい
- 費用は100㎡あたり80万円程度
- 耐久年数は5年〜10年だが、5年程度を目安にメンテナンスが必要
となります。
密着工法は非常にコストパフォーマンスに優れた工法の一つです。
一度検討してみる価値はありますが、下地の状況によっては施工が難しいので、専門業者とよく相談して工法を選択しましょう。