ベランダ・バルコニーの雨漏りの原因と修理方法|防水工事内容とメンテナンス
2024/10/10
もしマンションやアパートのベランダに防水工事をしないと、住居はどうなってしまうのでしょうか?
ベランダの材質が、コンクリートだった場合、いくらコンクリートでも、むきだしのままでは、降った雨が長い年月をかけて建物内部まで徐々にしみ込んでいきます。
そのしみ込み続けた水分が、数年~十数年で、屋内の壁や天井、家の躯体をじわじわと腐らせるのです。
内部まで水がたっぷりしみ込んだ家は、室内で湿気や壁紙の剥がれ、シミ、雨漏りなどが常に起こることになります。そのような現象が起きると家具の買い替えや
壁紙の張り直しなど、本来かからない費用が上乗せされてきます。
戸建てでベランダも1個のみだからと大丈夫と思っていても一度浸水が始まると大きな被害になります。
ベランダの防水工事のサイン
防水工事のサインは防水層にひび割れや膨れ、ドレン廻りの劣化が目に見てわかります。また表面のトップコートが擦れていると防水層の劣化が進行します。
雨漏りなど症状が起きる前に日頃から気を配るようにしましょう。何か気になる点がありましたら業者に確認していただき早めに対処した方がいいです。
ベランダからの雨漏り原因箇所
ベランダからの雨漏りの原因は、主に4つの箇所が挙げられます。
- 防水層
- 腰壁
- 笠木
- 掃き出し窓
これらの箇所は、ベランダからの雨漏りの原因となる可能性が高い場所です。もし、ベランダから雨漏りが発生している場合は、まずはこれらの箇所をチェックしてみましょう。
防水層
防水層はベランダの床や壁に塗布されている防水シートや防水塗料のことで、これが劣化すると雨水が浸入して雨漏りを引き起こします。
防水層の劣化は、経年劣化や紫外線による損傷、施工不良などが原因で起こります。劣化の兆候としては、表面のひび割れや剥がれ、膨れなどがあります。
防水層の劣化が原因の雨漏りを修理するには、防水層の補修または全面改修が必要です。補修は比較的軽微な劣化の場合に適用され、防水シートや防水塗料の張り替えや塗り直しを行います。全面改修は劣化が激しい場合に適用され、既存の防水層をすべて撤去して新しい防水層を施工します。
腰壁
腰壁とは、ベランダの外側にある壁のことで、床面から手すりの高さまでの部分を指します。
この腰壁は、外からの雨や風の侵入を防ぐ役割を果たしています。
しかし、経年劣化や施工不良などによって、腰壁に隙間やひび割れが生じてしまうと、そこから雨水が浸入して雨漏りが発生する可能性があります。
笠木
笠木は、ベランダやバルコニーの壁や手すりを覆うように設置された板状の部材です。
雨や風を防ぐ役割があり、ベランダ全体の美観も向上させています。
笠木に設置されている防水層が破損したり、笠木自体に亀裂が入ったりすると、雨漏りを引き起こします。雨漏りを放置したままにすると、ベランダやバルコニーの構造材を腐食させたり、室内にまで雨水が浸入してカビが発生したりするなど、深刻な被害につながることがあります。
掃き出し窓
掃き出し窓は、ベランダに出入りするための大きな窓であり、雨水が入り込みやすい個所でもあります。
掃き出し窓からの雨漏りの原因としては、窓枠の劣化、シーリング材の劣化、窓の歪みなどが挙げられます。窓枠が劣化すると、窓枠とガラスの間に隙間ができてしまい、そこから雨水が入り込むようになります。シーリング材が劣化すると、防水効果が低下し、雨水が浸入してしまいます。窓が歪むと、窓枠とガラスの間に隙間ができてしまい、雨水が入り込むようになります。
ベランダの雨漏りの補修費用はどのくらい?
ベランダの雨漏りの補修費用は、原因や修理内容によって大きく異なります。
一般的な費用相場は、以下の通りです。
軽度な雨漏り | 5万円~10万円程度 |
---|---|
中等度の雨漏り | 10万円~30万円程度 |
大規模な雨漏り | 30万円~100万円程度 |
軽微な雨漏りであれば、シーリングの打ち替えや防水塗料の塗り直しだけで済むことが多く、費用も比較的安価です。
しかし、雨漏りが長期間放置されていたり、原因が複雑な場合は、防水工事が必要となり、費用も高額になります。
具体的な費用は、雨漏りの原因、修理内容、工事規模、業者によって異なります。
雨漏りの補修費用を抑えるためには、早期発見・早期修理が重要です。
雨漏りが発生したら、すぐに専門業者に相談しましょう。
業者に調査を依頼すれば、原因を特定し、具体的な修理方法と費用を提示してもらえます。
ベランダの雨漏り修理は火災保険でカバーできる?
ベランダの雨漏りは、建物の構造や経年劣化などが原因で発生することが多く、場合によっては火災保険で修理費用をカバーできる可能性があります。
火災保険の中には、風災や雹災などの自然災害による雨漏りを補償するものがあります。
雨漏りが自然災害によるものと判断されれば、火災保険で修理費用がカバーされる場合があります。
ただし、火災保険の補償内容は契約内容によって異なるため、火災保険が適用されるかどうかは、加入している保険会社に確認する必要があります。
雨漏りの原因が自然災害以外の場合、例えば経年劣化や施工不良などが原因の場合には、火災保険で修理費用をカバーすることはできません。
ベランダの雨漏りが発生した場合には、まずは火災保険の適用可否を確認し、必要に応じて修理業者に依頼する必要があります。
雨漏り補修の流れ
ベランダやバルコニーの雨漏りは、建物の構造を傷めたり、健康被害にもつながる恐れがあるため、早急に修理する必要があります。雨漏り補修の流れは、大きく分けて以下の4つのステップに分かれます。
- 応急処置
- 調査・原因特定
- 雨漏り補修
- 定期的なメンテナンス
まずは応急処置として、雨漏りしている箇所を塞いだり、雨水が屋内に侵入するのを防ぐ処置を行います。その後、専門業者による調査を行い、雨漏りの原因を特定します。原因が特定できれば、適切な方法で雨漏り補修を行います。最後に、雨漏りを予防するために定期的なメンテナンスを実施します。
各ステップの詳細については、それぞれの項目で詳しく説明します。
step1|応急処置
ベランダからの雨漏りは、放置すると建物の構造を損傷させ、さらに深刻な問題を引き起こす可能性があります。 応急処置を施して、雨漏りを最小限に抑えることが重要です。
以下、ベランダからの雨漏りに対する応急処置の具体的な方法を紹介します。
- 防水シートやビニールシートで覆う
- バケツやビニール袋で受け止める
- タオルや雑巾で拭き取る
step2|調査・原因特定
室内・ベランダ双方から、雨漏り箇所や周辺劣化を確認し、原因推測を行います。
防水層の劣化、腰壁のひび割れ、笠木の破損などが疑われます。
原因特定は雨漏り修理方法選択に重要です。専門業者に依頼することで正確に行えます。
step3|雨漏り補修
ベランダの雨漏り補修は、まず雨漏りの箇所を特定し、原因を突き止めます。
原因によって補修方法は異なりますが、防水シートの張り替えやシーリングの打ち直し、笠木の交換などが主な作業となります。
補修後は、定期的に状態を確認し、メンテナンスを行うことで再発を防ぎます。
ベランダの雨漏りの原因は、排水口の詰まり、防水層の劣化、笠木の破損、床面の勾配異常、壁の劣化などさまざまです。
それぞれに適した対策方法がありますので、専門業者に相談しましょう。
step4|定期的なメンテナンス
ベランダからの雨漏りを防ぐためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
特に、排水口の詰まり、防水層の劣化、笠木のひび割れ、壁のひび割れをチェックするようにしましょう。
排水口は定期的に掃除をして排水がスムーズに流れるようにし、防水層は10年程度で劣化が始まるので定期的に防水工事を行う必要があります。
笠木や壁のひび割れは補修が必要です。これらのメンテナンスを定期的に行うことで、ベランダからの雨漏りを防ぐことができます。
ベランダ雨漏りの防水工事の種類と費用相場
ベランダ雨漏りの防水工事には、主に以下の3種類があります。
- ウレタン防水
- シート防水
- 塗装防水
防水工事の費用は、使用する材料や施工面積、業者のによって異なります。
ベランダ雨漏りの防水工事の費用相場は、以下の通りです。
ベランダの面積 | 費用相場 |
---|---|
面積5㎡以下 | 10万円~20万円 |
面積5㎡~10㎡ | 15万円~30万円 |
面積10㎡以上 | 20万円~40万円 |
上記はあくまで目安であり、実際の費用は工事内容によって異なります。
ベランダ雨漏りの防水工事は、建物の寿命を延ばすために重要なメンテナンスです。
防水工事の種類や費用相場は、使用する材料や施工面積によって異なります。ベランダ雨漏りでお困りの場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
ベランダの雨漏り対策Q&A〜よくある質問を解説〜
- ベランダの雨漏りあ自分で修理できますか?
- 軽微な補修であれば可能な場合もありますが、専門知識や技術が必要なため、基本的には専門業者に依頼することをおすすめします。
- 雨漏りの点検はどのくらいの頻度で行うべきですか?
- 年に1〜2回程度の定期点検が理想的です。特に、台風シーズン前後の点検が重要です。
- 防水工事の寿命はどのくらいですか?
- 防水工事の種類によって異なりますが、一般的に5〜20年程度です。ただし、適切なメンテナンスを行うことで寿命を延ばすことができます。
まとめ
ベランダやバルコニーの雨漏りは、建物の構造や居住環境に深刻な影響を与える可能性がある重要な問題です。主な原因としては、防水層の劣化、排水口の詰まり、笠木の破損、壁面のひび割れなどが挙げられます。これらの問題に対しては、早期発見と適切な対策が不可欠です。
定期的な点検とメンテナンス、信頼できる業者による適切な補修や防水工事を行うことで、雨漏りのリスクを大幅に軽減できます。また、雨漏りを放置すると、シロアリ被害や建物の構造劣化など、深刻な二次被害につながる可能性があるため、迅速な対応が必要です。